※この作品はR-18です。

朱き遺志に誘われて   作:東雲。

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王国騎士は目覚める

 男はフィオレーネの腰を動かし、少しばかり引いた陰茎を再びフィオレーネの腟内に沈めていく。先のような圧迫感は無く、閉じた膣肉を穿って進む肉槍の感触がダイレクトにフィオレーネの脳に伝わる。内側に男を受け入れる程に『一つになっている』実感が強まり、強烈な多幸感が湧き上がってくる。

 

「っ…♡♡ なんだっ…これ、はぁ…っ♡♡」

 

 その多幸感は生物の本能に則った、原始的だからこそ抗いがたい幸福。王国騎士に初めて名を連ねた時とも、戦果を上げ称賛された時とも、妹が自分と同じ王国の剣となった時とも、提督の右腕としてエルガドへと赴くことが決まった時とも違って、そのどれにも引けを取らない程に強い。

 

(くぅっ…♡ こんな、こんな幸せ知らないっ…♡ 彼を受け入れることが、こんなにも…っ♡)

 

 『好きな男に必要とされている』『愛されている』『惚れた雄の子を孕める』。これまでフィオレーネが選んできた幸せとは全く異なるシアワセのカタチを突きつけられているようだった。そしてそのシアワセは、ともすればこれまでの人生の全てを引き換えにするだけの価値がある、そう思えるほどに魅力的だった。

 

「はッ、はぁっ♡ くうぅっ……っ♡」

「まだ少し、キツイ、な…。また、抜くぞ…」

「やっ、今はダメっ――~~~~~~~ッ!♡♡♡」

 

 フィオレーネの懇願を無視して男がフィオレーネの腰をゆっくりと持ち上げる。亀頭冠がツブツブの膣襞を一つ一つ味わいながら引き抜かれて、桃色の電撃が神経を渡ってフィオレーネの脳を灼く。全身で性悦が弾けて、膣肉が愛しい雄の象徴に絡みつく。

 

(イ、イかされた…っ♡ 引き抜かれる、だけで…♡ なんでっ、こんなにも気持ちいいんだ…っ♡♡)

 

 愛する者に抱かれて、全身全霊で求められて、フィオレーネの裡にあるメス本能がこれ以上ないほどに反応していた。シアワセが頭をかき乱し、興奮が肉感を増幅させる。呼吸もままならないフィオレーネは全く働かない頭で自分の身体に起きている異常事態を考えようとする。

 

「ッ!!」

 だが、狩人(ハンター)は獲物に休息を許さない。

 

 持ち上げたフィオレーネの腰を落としながら己の腰を跳ね上げる。さっきまでのが児戯のような力強いピストンが、子宮口をこじ開けそうな勢いで叩き込まれる。強烈な快楽電流が背筋を駆け抜け、思考が真っ白に弾け飛んだ。

 

「んぁああああっ! っくぅ…♡ 急に、ぃ…♡」

 

(だ、だめだっ、抗えない…♡ なにも、できない…ッ♡ こ、このままでは良いように使われてしまうっ♡ 彼が気持ちいいだけの抽挿をされて、彼の好きな時にどくどく射精されるだけの雌穴になる…っ♡)

 

 微かに見えた未来が、そう悪くないものに思えてしまうのが悔しくて堪らない。しかしその悔しさすら快感を高めるスパイスに変わってしまう。逃げられず、抗えず、ただ男に捕食され、その屈辱を悦びに変えながら隷属する小動物(マゾメス)に成り下がる。その未来が確かに見えた。

 

「ふっ…フゥッ…!」

「んぅう…っ♡♡」

 

 荒い息を吐きながら男がフィオレーネの腰を持ち上げる。再び、あの撃龍槍のような逞しい突き上げをするつもりだとフィオレーネは理解した。次にアレを受けたら今度こそ完全に心まで屈してしまう。快楽に堕ちてメスの宿命を受け入れてしまう。それを望む心も確かにある。

 

 

 だが、フィオレーネとて王国騎士(ハンター)だ。断じて被捕食者ではない。

 

 

(なんの、まだっ…!)

 

 ぼやけた瞳に光が戻り、砕けかけた反骨心をかき集め、腰の抜けた下半身に喝を入れて力を込める。そしてハンターが突き上げる刹那、腰を押さえる手の力が緩んだ瞬間に―――腰を勢い良く沈めハンターの凶棒に自ら貫かせた。

 

「!!?」

「っお゛、ほっおぉぉ…っ♡♡♡」

 

 来ると分かっていても尚耐え難い快楽の津波がフィオレーネを容易く絶頂に押し上げる。男に抱きつき背筋を震わせ、結合部から牝蜜がどぱっと溢れる。視界がぐるりと裏返り、舌がでろりと口からはみ出てアヘ顔を晒しながら下品な喘ぎ声が漏れる。だが、不意を突いた意味は確かにあった。

 

「ぐぅっ…、ッッッ…!」

 

 ハンターの額に玉の脂汗が浮く。急襲した媚粘膜が肉棒に吸い付きながら絞り上げ、射精感が急速にこみ上げる。歯を食いしばってどうにか堪らえようとするも、絶頂に痙攣する牝襞の情熱的な愛撫が男の我慢を決壊させた。

 

「だめだ…出るっ…!」

「え? ――んひっ!?」

 

 男が最後の意地でぐりっ、と砲口を子宮口に押し付けた瞬間、肉茎を駆け上り欲望のマグマが噴火する。肉壺は陰茎に密着し雄液を一滴残らず飲み干さんと吸い付いた。

 

「っ、くぅううぅぅんッ!!♡♡♡♡」

「ぐっうぅ…ッ!」

 

 どぶっびゅぐっと噴き上げる欲望の塊が子宮の天井に叩きつけられる感覚でまた絶頂(イ)く。全身が歓喜に震えて、男を抱きしめる四肢に我知らず力が籠もる。彼の全部を受け入れている実感が、フィオレーネに追い打ちのような幸福の絶頂を迎えさせていた。

 

(あ、あぁ…っ、心地よすぎる…っ♡♡ はっきりと、分かる…♡ 欲望を貪り合う事の気持ちよさが…、性行為の素晴らしさが……♡♡)

 

 自分の中で新たな扉が開いた。その確信を懐きながら、フィオレーネはまた総身をぶるりと震わせた。

 数十秒は続いた射精が終わり、男が力を失った――それでも一般人に比べれば十分に長大な――逸物を引き抜く。栓を失った鍵穴からどぼどぼと匂い立つ混合液が零れ落ちるが、二人ともそれに構う気力も体力も無い。男はフィオレーネを膝の上に座らせたまま、フィオレーネは男の膝に尻をべたりとくっつけてへたり込んだまま、黙して熱の籠もった息を吐き続けていた。

 

 

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「ふ、ふふ…♡ 感謝、する…、猛き、炎よ…。貴殿の協力のお陰で……うん、キュリアの後遺症は収まった。そんな気がするよ…」

 

 互いに口が利ける程度に回復した頃、フィオレーネはそのままの姿勢でハンターに礼を述べる。ハンターは『本当だろうか』と訝しげな目をフィオレーネに向けた。

 数度呼吸を整えたフィオレーネは、その視線にまっすぐ見つめ返した。

 

「そんな目をしないでくれ。自分の心を証明する術はないが、今は頭の中も随分とすっきりしているし、身体だって調子が良いんだ。貴殿の濃厚な精を受け取ったから…かもしれないな?」

 

 むん、と両腕を上げて力を込めながら微笑むフィオレーネの表情は、後遺症に苛まれる前と変わらぬ美しくも逞しい、凛々しさを備えていた。これは本調子に戻ったと信じざるを得ないハンターは、「少しだけ残念だな」と零す。

 

「残念? 何がだ?」

 

 キョトンとしているフィオレーネに、ハンターは「いけない事だと分かっているが、フィオレーネを抱く理由が無くなったから」と正直に告白する。ああも濃厚な交わりをした後だ、本心を隠す気も恥じる気にもならなかった。

 

「何を言う。後遺症は再発するかもしれないんだ。その時はまた貴殿に頼むつもりだよ、私は。今更他の男に声を掛ける気にはならんさ」

 

 あっけらかんと言ってのけるフィオレーネに、男は顔が俄に熱くなる。

 

「はは、そう照れるな。私としても、貴殿が私との性行為を好んでくれていると分かって嬉しいんだ。だって―――」

 

 フィオレーネはそこで一度言葉を切り、トン、と軽く男の肩を押す。力の入らない身体は簡単に寝台の上に倒れ、フィオレーネを見上げる形になる。

 ツンと上向いた張りの良い乳房が、綺麗に括れた腰が、汗で張り付いた髪が、いろんな体液を浴びて牝の匂いを立てる肌が、この短時間で完璧に妖艶に仕上がったフィオレーネの裸身がハンターの視界を独占する。

 

 

「――ま(・)だ(・)、シ(・)た(・)り(・)な(・)い(・)か(・)ら(・)な(・)♡」

「……、?」

 

 

 男は言葉を失う。さっき後遺症は収まったと言ったばかりにも関わらず、その発言は一体どういうことなのか。

 フィオレーネはくたりと萎れた男の陰茎を優しい手付きで労りながら男の疑問に答えた。

 

「既に言っただろう? 私は貴殿との交わりに、病みつきになってしまった。たった一回中に射精(だ)された程度では満足できない。もっともっと貴殿が欲しい。……身体が溶け合って一つになる幸せを他に味わえるか? 貴殿に愛され貴殿を愛する、感情ごと互いの身体を貪って熱を分かち合う悦びを知ってしまったんだ。もう、今までのままではいられない。自分を抑えられないんだ…♡」

 

 その時、山颪が吹いてメインキャンプの暖簾を大きくはためかせる。ほんの一時、差し込んだ月光を背に受け、男(己)に馬乗りになりながら、髪をかき上げ舌舐めずりしてギラリと瞳を輝かせるフィオレーネの姿に、ハンターは、メル・ゼナに似た翼と尾を幻視した。

 どこかで聞いたことがある。王国に伝わる怪異・伝承の一つ、男の精を絞り尽くし虜にする『淫魔(サキュバス)』。そんなことはありえないと分かってはいるが、この瞬間だけ、男はフィオレーネの姿にそ(・)れ(・)を見た。

 

「っ……!」

 

 ハンターは本能的な危機を察知し、肘で僅かに後退る。それを見逃すフィオレーネではなかった。

 

「どうした、何故逃げる? 良くない、実に良くないぞそれは。ハンターが敵前逃亡などと。深淵の悪魔にすら果敢に立ち向かった貴殿の勇姿はどこへ行ったんだ? それとも――」

 

 歌うような愉快げな声音、肉棒に活力を送りこむ優しくも無慈悲な手淫。今、フィオレーネは尋常ではない甘い色香を纏っている。しかし、その色香はフラフラと誘われた虫を捕り殺す食虫植物のソレに見えた。

 どうにかしてフィオレーネを宥めなければ。何か手は無いかとメインキャンプを見回すハンターの冷静さは、

 

「――カ(・)ム(・)ラ(・)の(・)里(・)の(・)ハ(・)ン(・)タ(・)ー(・)殿(・)は(・)、閨(・)で(・)女(・)一(・)人(・)屈(・)服(・)さ(・)せ(・)ら(・)れ(・)な(・)い(・)甲(・)斐(・)性(・)な(・)し(・)なのかな?」

「……なんだと?」

 

 フィオレーネの煽りで欠片も残らず消え去った。

 

 腕を伸ばしテーブルに置いてあった瓶――回復薬グレートと元気ドリンコ――をまとめて手に取り一息に飲み干す。消耗した体力とスタミナが蘇り、全身に再び活力が満ちる。薬を飲まないと勃たないなんて訳では無いが、今のフィオレーネを遣り込めるには万全でなければならないと判断した。

 雑に飲み干した空き瓶を適当に投げ捨て、上体を起こしてフィオレーネを至近距離で睨みつける。あるいはそれはメンチの切り合いのようでもあった。

 

「言ったな、フィオレーネ。後悔しても遅いからな?」

「後悔するほど貴殿に抱き潰されるなら、本望だとも」

 

 

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 真夜中の城塞高地。様々な生物が跳梁跋扈する地から離れ避けるように設えられたメインキャンプに、有り得ないはずの獣の啼き声が響き渡る。

 

「お゛っ♡ おぉおっ♡♡ あぉおおんっ♡♡♡」

 

 フィオレーネの手を寝台に突かせ、くいっとつり上げられた尻肉にハンターの腰が激しく打ち付けられる。フィオレーネの顔こそ見ることができないものの、豊かな尻肉はピストンの度に強く波打ち、ハンターの目を存分に愉しませた。

 

「ふぅ゛う゛っ♡♡ あ゛ぁっ♡♡ イくっ♡ またイぐっ♡♡ あ゛、あ゛あ゛あ゛ーーっ♡♡♡」

 

 フィオレーネが濁った嬌声を上げながら絶頂しているようだが、男は全く構うこと無く腰を振り続ける。極上の女肉を味わい尽くすには、相手を労りながらではまったく足りなかった。

 長く太い肉棒が、フィオレーネの腟内を激しく蹂躙する。ツブツブの襞肉を容赦なくこそぎながら引き抜けば分泌された媚愛液が掻き出されて床に飛び散り、肉穴を抉るように突き込めば結合部から白く泡立った液体が押し出されて男とフィオレーネの下半身を汚す。

 

「ま、まだぁっ♡ イってるのにぃ…♡♡ ようしゃ、ない、ぞぉお゛っ!♡♡♡」

 

 まるで男を非難するような口ぶりだが、その声色は誰が聞いても悦んでいると分かるほどに媚びきっていた。それが男の興奮を更に煽るものだと、二人とも理解していた。

 フィオレーネの身体に遠慮する必要は欠片もない。フィオレーネ自身が煽ってきたのだから。片手でフィオレーネの腰を掴んで突きやすいように固定しながら、空いた手を振り上げてから重力に従わせてフィオレーネの桃尻を叩く。

 

「んっひいぃいんッ!♡♡♡」

 

 ぱっしぃんっ!と小気味よくすらある音が派手に鳴り響き、美しい尻房に綺麗な紅葉の痕が出来上がる。

 

「はっ♡ はぁぁっ♡ あぁっ、痛いなっ♡ 痛いのにっ、貴殿に♡ 叩かれてると思うだけでっ♡ ゾクゾクするぅっ♡♡」

 

 フィオレーネの言葉を表すように、尻がふるふると揺れている。また叩かれるのを望んでいるかのように。しかし叩く以上に我慢できなくなった男は、両手でフィオレーネの腰を掴み抽挿のスピードを速める。

 背後からの挿入は向かい合ってのそれとは異なり、腟内で肉竿や亀頭の擦れる場所は変わる。さっきとは違う膣襞を雁首でゴリゴリと引っ掻かれてフィオレーネの心身が性悦に燃え上がる。自分から腰を動かして男の逸物にこすりつけ、更に快楽を貪る。その浅ましい動きが、尚の事ハンターの情欲を駆り立てた。

 

「また、出すぞフィオレーネっ! 一番奥に、叩きつけてやる…ッ!」

「ああ゛っ♡♡ おッぐぅっ♡ 奥にっ、出せっ♡ 出してくれっ♡ 全部、受け止める…からぁっ♡♡♡」

 

 フィオレーネの望むままに、ハンター自身の望むままに、ただ一番気持ちいい射精をすることだけを考えて肉槍の穂先で子宮口を穿つ。

 長大な剛棒で何度も何度も突き潰し、捏ね潰した子宮口は、ぱくっと開いて男の逸物の先端を受け入れる。男は小さく唸り、荒ぶる劣情を一切出し惜しみせずにフィオレーネの中に撃ち放った。

 

「ぐうっ…!」

 

 ――びゅぐるるるっ、びゅぶっびゅるっびるるるるるるっ!

 

「んはぁあああああーーーっ!♡♡♡♡」

 

 フィオレーネは性感の爆発に背筋を仰け反らせ、熱い迸りの感触を至福とともに味わう。欲望の奔流がフィオレーネの子宮を満たし、入り切らず結合部から溢れ落ちて二人の足元に白濁の水たまりを作り出す。

 男はぐりぐりと腰をフィオレーネの柔尻に押し付け、極上の腟内射精快楽を堪能する。最後の一滴まで出しきった男は、深く息を吐きながら身体を丸く屈めた。

 

「ふ、ふふっ…♡ 貴殿の猛り、たっぷりと愉しませてもらったよ…♡」

 

 そう言った直後、フィオレーネは連続絶頂した後とは思えない滑らかな動きでハンターを床に押し倒しマウントポジションを得る。

 フィオレーネはハンターを見下ろし、妖艶に微笑む。

 

「さあ、今度はこちらの番だな…♡♡」

 

 

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 二人の情交は、完全に止めどころを失っていた。

 主導権を奪い合い、互いをイかせ合い、貪欲に快楽を求め合う。

 本来狩猟の為に持ち込んだ薬を、二人とも躊躇なく相手をイかせて負かせる為に使い続けた。

 ブレーキを失った劣情はどこまでもエスカレートし。

 やがて、精魂どころか回復薬の類まで尽き果てれば。

 寝台の上には一組の番(つがい)が在るのみ。

 唇を重ね、舌を絡めて二人の間で呼気を混ぜる。

 恋人のように繋いだ手で相手の温もりを確かめて。

 杭を打つような渾身のピストンで、雄と雌は果てるまで情欲を高め合う。

 残る体力を振り絞る性交が終わり。

 本当の本当に、雄の子種の最後の一滴を雌の体内に流し込んだ頃には。

 もはや空は白むに留まらず。

 

 

 ――夜は、すっかり明けていた。




本編(エロシーン的な意味)はここまでとなります。
エピローグを一話投稿予定です。
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