魔力に身を委ねるのだ。
次に向かったのは、データを管理する資料室。
手駒と場所、必要な魔具と魔法は揃った。
後は作戦成功のために、魔法戦士の情報とひかりとエルシアの固有能力について詳しく調べなければならない。
特にひかりの回復能力については、通常の回復魔法と比べても規格外すぎる。
エルシア共々、長所と短所をしっかりと調べないと前回の二の舞だ。
「そんなわけで、ここに保管されている情報をしっかりと頭に叩き込まないといけない。なお、今回はここ以降はほぼ説明だけなので注意だ・・・・って、俺は誰に話しているんだ?」
わけのわからないツッコミを入れつつ、データを確認していく。
まず、魔法戦士についての基本情報についてだ。
前に説明したように、魔法戦士は俺たち亜人のように外見が大きく変化するのとは違い、魔力体に影響を強く受けているので、外見に変化はほぼ起こらない。
唯一、髪の色が変質する場合があるがこれも絶対ではない。
髪の色が変質するということは高い魔力の素養を意味するが、まだ歴史が浅く理解が進んでいないこともあり、「髪の色が変質する=亜人へと変化する可能性があるのでは?」と考えている者も多い。
実際のところは全く別問題であり、その可能性は全くと言っていいほど存在しない。
一般人は詳細を知らないから、そう誤解してもしょうがないだろう。
それに加えて俺自身は会ったことはないが、魔力体に影響を受けつつ魔法戦士にならずに悪事に手を染めている者もいるらしいので、そちらへのイメージの悪さもそれに拍車をかけているのだろう。
また、男は亜人になりやすく女は魔法戦士になりやすいといわれている。
しかし、そういうからには理論的にはその逆のパターンもあるはずなのだが、今のところはそういった例は確認されていないらしい。
魔法戦士についての基本能力は、第一に大幅な身体能力。
並の人間とは比べ物にならないほど向上し、未覚醒の魔法戦士であっても進化前の並の亜人の2、3体ぐらいなら単独で軽く蹴散らすぐらいはできる。
次に、魔力での剣の生成。
生成の際に本人の魔力に合わせた色へと変化し、見た目はほとんど某宇宙戦争のラ〇ト・〇ーバーだ。
剣の切れ味は強力であり、魔力での補強がされてでもない限りはほとんどの物質は一刀両断であろう。
この剣のいいところは、どの魔法戦士が生成しても一定の攻撃力は確実に得られるところだ。
逆に言えば、どんな強力な魔法戦士であっても基本的に一定の攻撃力しか得られない欠点でもある。
攻撃力向上の方法はないでもないが、リスクが高いためにほとんどの魔法戦士は緊急事態にしか使うことはない。
唯一、ひかりだけが例外的にそれをクリアできるのだが、それは後述する。
3つ目は魔法戦士共通の攻撃魔法として『マジックミサイル』というのがある。
魔力を凝縮し敵に向かって攻撃する、初歩魔法の一つだ。
数・威力・射程共に魔法戦士の魔力量と練度によって増加し、歴戦の魔法戦士ともなれば下手な攻撃魔法よりもよっぽど頼りになる。
4つ目は魔力で生成した翼による飛行能力だ。
ただこれは相性の良し悪しが大きいらしく、ひかりなどは高速で飛べる代わりに安定感に難があるのだとか。
5つ目に回復魔法だ。
これは後述するひかりの回復能力と違い、どの魔法戦士でも使える基本魔法の一つである。
多少の体力の消耗やかすり傷など瞬時に回復し、かなりの重傷や骨折であっても物理的な負傷ならば1日もあればほとんど治ってしまうという。
ただし、病気や各種状態異常に呪いなどは効果を発揮せず、手足の切断などの大幅な肉体の欠損もさすがに再生まではできない。
そして最後に、先述した認識変換能力だ。
これらに加えて、一部の魔法戦士は様々な固有能力を有している。
攻撃・守備、支援に妨害と種類は様々だが、俺たち亜人の能力と違って戦闘に直接的に役立つ能力というのは共通している。
それゆえに、ド新人や固有能力を獲得したばかりの魔法戦士でもない限り、前線に出てこないというのはまずありえない。
とはいえ、魔法戦士自体がそんなにまだ数が多くなく、固有能力を獲得した魔法戦士ともなればさらに少ない。
この組織内でも固有能力が使えるのは、あの『赤い魔女』やひかりたち以外では数人しかいないようだ。
当然、戦力としてはエースもしくは主戦力となっており、常に一人以上は出動しているか即時対応可能なように待機状態となっている。
人数が少数ゆえに負担はかなりのものとなってしまうのは避けられず、魔法戦士の回復魔法がなければブラック企業も真っ青なレベルだ。
この組織はそれ以外にもひかりの能力があるので、負担もある程度は軽減できているようだが。
魔法戦士全体の能力の説明が済んだところで、次の二人の固有能力について調べるとしよう。
~第10話・完~
エロがない上に動きもなくなりました。
そろそろ動き始めますので、もう少々お待ちください(誰が待っているかはともかく)