※この作品はR-18です。

魔法戦士リリンセイバー ~パラレル~   作:神流し

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ようやく本編突入といった感じです。

しばらくの間、ヒロイン視点での展開です。


第二章・捕獲戦闘編(エロはほぼ無し)
第13話「作戦と誘導」


                  

 

                    ~ひかり視点~

 

「これで終わりよ、はあ!!」

 

「ギャアアアアア!!」

 

私の斬撃が最後の亜人に命中し、断末魔とともに息絶えた。

 

「ふう・・・・よし、撃破完了。エルちゃん、そっちはどう?」

 

「うん・・・・こっちも大丈夫。他に亜人はいないみたい。」

 

エルちゃんが周りを見渡し、他に亜人が生き残っていないことを確認する。

今日の任務の終わりかけに小規模ながら亜人の集団が確認され、エルちゃんと一緒に現場に駆け付けた。

連続勤務でエルちゃんが少し疲れていたが、以前のこともあって二人の方が安全かつ確実に殲滅できると判断。

エルちゃんに回復魔法をかけて全快させ、一気に勝負をかけてあっさりと決着がついた。

 

ピピピピ――――ピピピピ――――ピピピピ――――

 

「あ、トーコ先生からかな?」

 

倒したと同時にタイミングよく、スマホからコールが鳴る。

これはプライベートとは別の仕事用のスマホであり、これにかけてくるのは同僚の魔法戦士か組織の人間だけだ。

時間的にそろそろ本日の任務終了であり、かけてくるのはトーコ先生ではないかと思ったが、やはりそうだった。

 

「もしもし・・・・あ、やっぱりトーコ先生でしたか。」

 

『お疲れ様、ひかりさん、エルシアさん。問題はなかったですか?』

 

「はい。最後にちょっと亜人の群れが現れたぐらいで、今日も静かでした。」

 

普通は出動すると1回は確実に亜人が出現し、多い時には複数回の戦闘になるのも珍しくはない。

しかしここ最近はやたらと静かであり、出てきても規模は小規模で、全く遭遇しない時さえあるという珍しさであった。

 

「亜人が出ないことはいいことなんですけど、こうも急に静かになるとちょっと不気味ですね。」

 

『そうですね。亜人の発生自体は変わらないはずですから、私も少し違和感を禁じえません。組織も色々と調べてはいますが、今のところは原因が分かっていません。』

 

「何かの前触れでないといいんですけど・・・・。」

 

トーコ先生の言葉にエルシアちゃんが呟く。

 

「ダメだよ、エルちゃん。そんなこと言ったら、大抵はフラグが立っちゃうんだから!」

 

「フラ・・・・グ?」

 

日本文化にそこまで詳しくないエルちゃんは、私のフラグ発言に首をかしげる。

 

『ふふふ・・・・たしかに、フラグじゃないですけど何もおこらないことを祈るだけですね。とにかく、本日はお疲れさまでした。この後は申請したように、久しぶりの連休なのでしょう?ゆっくりと楽しみなさい。』

 

「は~~い、お疲れ様でした!」

 

かすかな笑いを浮かべた後、トーコ先生からのねぎらいの言葉を受け通信が切れる。

これで本日の仕事は事実上、終了である。

・

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「よし、それじゃあ帰ろうか、エルちゃん。」

 

「そうだね、ひかりちゃん。」

 

私の言葉にエルちゃんが返事をし、私たちは帰路につく。

 

私の名前は天月ひかり

 

かつては普通に暮らしていたが、ある時、魔力体に影響を受け、私とお姉ちゃんは髪の色が変質し高い魔力の素養を得ることになった。

魔力自体は私の方が上だったが、魔力の使い方はお姉ちゃんの方が上であり、すぐに魔法戦士としての才能を開花させた。

 

その後、先輩である舞坂みらい先輩とコンビを組み活動を行っていた。

やがて私の潜在能力の高さがわかってくると、私自身も魔法戦士を目指したいと思うようになったが、お姉ちゃんはそれに強く反対した。

同じ学園には通えるようになったが、みらい先輩や他の人たちは賛成してもお姉ちゃんだけは決して首を縦には振らなかった。

 

そうこうしている内に、お姉ちゃんは任務中に突如として行方不明になってしまった。

たまたまみらい先輩が同行していなかったとはいえ、お姉ちゃんが負けるような相手ではないこともあって何があったのか未だに謎のままであり、みらい先輩やトーコ先生なども色々と探し回っているが、その行方は今もわかっていない。

 

私自身がお姉ちゃんを探したいというのもあって、私もすぐに後を追うように魔法戦士になった。

 

そんな私のパートナーであり大の親友として一緒に活動しているのが、外国人留学生であるエルシア・クロンメリンちゃんだ。

エルちゃんもまた魔法戦士として重たい過去を背負っている。

亜人と化してしまった父を追って日本までやってきたらしく、そこに至るまでには色々と騒動があったようだ。

周りの疑念自体は完全には払拭されていないようだが、トーコ先生やみらいさんなどの理解ある人たちに支えられて、なんとかやっていけている。

 

なお、エルちゃんの父親も行方不明のままだ。

お姉ちゃんと違って亜人となってしまっているので、間違って誰かに討伐されてしまわないかという危険もある。

エルちゃんの父は一目でそれとわかるように変異しているらしいので、見ればすぐにわかるという。

しかし、現時点では亜人となった人間を元に戻す方法がないので、見つかったらその場で討伐されてしまう。

 

何とかエルちゃんが見つけるまでに討伐されないことを祈るばかりだ。

もっとも、亜人となったお父さんは記憶のほとんどを失っているらしいので、生きたまま再会できたとしてもその後はどうするという問題はあるけど・・・・。

 

トーコ先生が言うには、今の学園の技術力をもってしても記憶を戻せるかどうかは微妙なところらしい。

ましてや亜人になった人を人間に戻す術は未だに確立されていない。

 

「さて、と・・・・。久しぶりのお休みだね、エルちゃん。何しよっか?」

 

「ちょうどみたい映画があったんだ。一緒に見に行かない、ひかりちゃん?」

 

「いいね・・・・そうだ。そういえば、美味しそうなスイーツのお店があったんだ。そこにも行ってみない?」

 

「ふふ、そうだね。」

 

とはいえ、探してばかりというわけにもいかない。

手がかりもないのにやみくもに探してもしょうがないし、組織に何らかの情報が入ればトーコ先生を通じて私たちの耳にも入ってくる。

本格的に動くのは、その情報が入ってきてからでも遅くはないはず。

 

「じゃあ、明日から楽しむために今日は早めに寝ないとね。」

 

「うん。」

 

ここ最近の頑張りと亜人の動きが不気味ながらも静かというのもあり、久しぶりに週末の連休をとることができたのだ。

気にはなるが、その時は連絡が来た時に対応するしかない。

 

「じゃあ、帰ろっか。エルちゃ・・・・うわ!」

 

「きゃあ!!」

 

ドン!!カシャン!!

 

寮に帰ろうとした瞬間、私とエルちゃんに何かがぶつかり、その拍子に私たちはスマホを落としてしまう。

 

「ひかりちゃん、大丈夫!?」

 

「うん・・・・何が起こったの?」

 

ぶつかった方を見てみると、そこには女性が倒れていた。

服のところどころが破けており、顔には恐怖が浮かんでいる。

 

「はあ・・・・はあ・・・・た、助けて・・・・。」

 

「大丈夫ですか、何があったんですか!?」

 

「あ、亜人が・・・・!」

 

彼女が指さした先を見ると、そこには2体の亜人が立っていた。

 

「逃がさねえぞ、姉ちゃん。」

 

「そうそう、ちょっといいことするだけだって・・・・ん、お前らは?」

 

薄気味悪い笑みを浮かべながら、こちらに近づいてくる。

少しすると、こちらに気づいたようだ。

 

「ゲ・・・・まさか、魔法戦士か!どうする・・・・おい?」

 

「俺らじゃあ、どうすることもできねえよ。仕方ねえ、獲物は他にもいるし、ここは逃げるぞ!」

 

私たちが魔法戦士と気づくや否や、すぐさま逃げ出していく亜人たち。

 

「あ、まって!!」

 

「待てといわれて待つバカはいねえよ、じゃあな!!」

 

エルちゃんの制止を無視して、亜人は走り去っていく。

 

「行っちゃったわね。もう大丈夫ですよ、お姉さん。」

 

「は、はい・・・・ありがとうございます。あなたたちは、魔法戦士ですか?」

 

「ええ、そうです。怪我は大丈夫ですか?」

 

「私は大丈夫です。でも、私の友人たちが亜人にさらわれて・・・・。」

 

「なんですって!?すぐに助けに行かなきゃ・・・・!」

 

すぐに動こうかと思ったが、お姉さんをここに置いていくのも躊躇われる。

 

「私のことは大丈夫です。すぐに人のいるところに避難して、警察を呼びますので。それとこれ、落としていたスマホじゃないですか?わたしのせいで、すみません。」

 

「あ、ありがとうございます。いえ、お気になさらないで。気を付けてくださいね。行こう、エルちゃん!」

 

「うん、ひかりちゃん!」

 

一般人の危機を放っておくこともできず、スマホを受け取ってからエルちゃんと共に駆け出す。

前回のこともあるしこれがおびき寄せの可能性もあるが、お姉さん自身は間違いなく人間なのでその可能性は低いと考えた。

 

――――だから気づかなかった

 

私たちが亜人を追って走り去った後、怪しい笑みを浮かべていたことを。

その手には『とあるもの』が握られていたことを。

 

                   ~第13話・完~




本編突入とは言いましたが、まだエロはお預け状態です。
期待せずにお待ちください。
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