暗黒面が目を覚ます・・・・
~ひかり視点~
「・・・・エルちゃん、先に帰っててくれないかな。私、他に行くところがあるから・・・・。」
そのままエルちゃんの返事も聞かず、私は深夜の街中に駆け出して行った。
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「・・・・ごめんね、エルちゃん。」
駆け出したはいいが、別に何か用があったわけではない。
あのまま一緒にいるのは居心地が悪かったから、思わず逃げ出しただけだ。
「あんなことしちゃって、一緒にいられないよ。」
色んな思いが混ざってのこととはいえ、一時の感情に任せてエルちゃんと交わろうとしてしまった。
寸前でのスマホのコールがあったから止まることができたが、もう少し遅かったらキスまでは間違いなくしていただろう。
「そうなったら・・・・私、自分を抑えられていたかな?」
エルちゃんからの明確な拒絶がなかったから、エルちゃんも流されかけていたとは思う。
でも私と違って、エルちゃんの意思までは流されきってはいなかった。
「身体だけじゃなくて、私の心も快楽に染まりかかっちゃってるの?」
少なくとも、犯されて感じることも誰かに
私の中に抵抗したいという思いとは別に、このまま快楽に流されたいという思いが生まれてきている。
それは犯される度に大きくなっていき、ある一定のレベルまで達するとその思いに支配されてしまう。
少し休めば再び抗いたい思いが強くなってくるが、快楽に流されたい思いがどんどんと強くなってきているのも同時に感じる。
「このままじゃ、そう遠くない内に抵抗したい思いが消えちゃう。・・・・でも、いったいどうすればいいんだろ?私たちにできることなんて、もう何も・・・・。」
エルちゃんは『トーコ先生が帰ってくればまだなんとかなる』と言っていた。
でも私はその言葉がとても信じられなかった。
エルちゃん自身が信じているように感じられなかったというのもあるけど、何よりも私の中の心がエルちゃんを素直に信じられなくなっているのだ。
「調教されてから、エルちゃんをどこか遠ざけているようにしちゃってる。」
白亜によってエルちゃんとの絆に亀裂を入れられてしまい、他の要素があるにせよエルちゃんとの仲はどことなくぎこちなってしまっている。
「今にして思えばおかしなことばかり言われてたってわかるけど、あの時はそうとしか思えなかった。」
そしてその思いは私の中に消えることのない傷として残り続けている。
エルちゃんを信じたいと思えば思うほど『私はエルちゃんを信じているのか?』『今の自分にエルちゃんを信じる資格があるのか?』と、逆に私の心が問いかけてくるのだ。
「こんな風に思うのも白亜の調教のせいなんだとはわかっていても、それを拭い去ることはできないよ。」
この首輪の力によるものか、まだ私たちが知らない白亜の力によるものかはわからないが、とてもこれを忘れ去ることができそうにない。
「本当ならエルちゃんと一緒にいなきゃダメなのに、こんな思いのままじゃ一緒にいられないよ。」
白亜の思うツボなんじゃないかと思っていても、なかなか踏ん切りがつかない。
「それに、一緒にいてももう何も解決策なんかないってわかっちゃったし。」
残された唯一の希望がトーコ先生が戻ってくることだけだが、それもいつになったら帰ってくるのかわからない。
帰ってきたとしても、さっきも言ったようにそれで解決するとは思えない。
「もしもトーコ先生が気付かなかったら、本当に方法が何もなくなっちゃう。そうなっちゃたら・・・・。」
希望も抵抗する意味もなくなってしまったら、私たちにできることは調教によって与えられる快楽に抗うことだけだ。
それもいつまでも耐えられるかわからない・・・というか、今の私では快楽に屈してしまうのもそう遠くはないだろう。
「希望もないのに抗い続けて・・・・それって、意味があるのかな?」
エルちゃんが必死に頑張っているのに、思わずそんなことを口に出して言ってしまう。
それぐらいに私の心は疲弊してしまっている。
(本当に抗っていいの?このまま快楽に身を任せた方が、楽になれるのに?)
「・・・・!?だ、だれ!?」
何処からともなくそんな言葉が聞こえてくるが、周りには誰もいない。
(ふふ、とぼけちゃって可愛いね。誰の声なんてわかっているってのに。)
やはり声は私のすぐ側から聞こえてくる。
それどころか、まるで私の内から響いてくるようだ。。
「この声・・・・もしかして、私の心の声?」
(うふふ、そうだよ。淫乱な天月ひかりちゃん。)
誰でもない、私自身の心が私に語り掛けてくるように聞こえてくるのだ。
「ど、どうして・・・私の心の声が・・・?まるで、私に語り掛けてくるように聞こえてくるの?」
(私も気付いてるよね。白亜様や他の男の人に犯されていると、それに身を任せたくなるって思っていることに。それが一定以上に達すると、それに素直になってしまうって。でもまだ普段から素直になれないから、こうやって私の淫らに染まってしまった心がこうやって素直になれるように貴方の心の中に響いてくるの。)
「そ、そん・・・な・・・わたし・・・自身が・・・淫らな思いを求めて・・・?」
しかし現にこうやって私の心にこうやって声が響いてくる。
他の人には聞こえないだろうが、気のせいでも幻聴でもない。
(白亜様の与えてくる快楽は最高に気持ちいいよ。ひかりちゃんも気付いてるよね。無駄な抵抗なんかしないで、早く快楽に溺れようよ。)
白亜を様付けし、快楽に身を委ねようと誘惑してくる。
聞こえてくるのは私の声なのに、言ってくる内容はとても私のものとは思えない。
「う、うそだよ・・・わたしがそんなこと・・・・思うはずない。やめて・・・誘惑・・・しないで・・・・!!」
その声を拒絶して耳を塞ぎその声が聞こえないようにするが、心に響いてくる私自身の心の声には意味がない。
(誘惑だなんてひどいなあ。これは他でもない、私自身が思っていることなんだよ。私が認めないだけで、もう心の一部はこうやって白亜様が与えてくる快楽が欲しくて堪らなくなっちゃっているんだよ。)
容赦なく私の声が私の心を揺さぶってくる。
心の声が言っているように、快楽が欲しくなってきているのは事実だ。
(でもそんな・・・白亜のことを様を付けて呼ぶだなんて・・・・私がそんなこと・・・・)
(考えたことがないって?たしかに、まだそこまでは求めてはいないよ。でもそれは、私が素直になれないだけだよ。素直に快楽を求められるようになったら、白亜様のことを自然に呼べるようになるんだから。)
「いやあ・・・いやあ・・・・私・・・もう・・快楽なんて・・・・。」
(欲しくないって?ついさっき、エルちゃんをあんな風に誘っておいて今さらだよね。)
「――――!!あ、あれは・・・・その・・・・気の・・・・迷い・・・で・・・・。」
いくら流されたとはいえ、白亜に何もされていないのにエルちゃんを求めようとしてしまったのは事実だ。
口では気の迷いと否定しても、そうではないのは自分自身が一番よく分かっている。
(ふ~ん、そんなこと言うんだ。そうやって言い訳して逃げるだなんて、それでよく魔法戦士なんて名乗れるよね。エルちゃんやお姉ちゃんが聞いたらなんて思うのかな?)
白亜以上に的確に私の心に傷を与えていく。
「やめて・・・やめてよ・・・・こんなの・・・・それ以上は・・・・もう・・・・言わないでえ・・・!!」
(あはは、無駄だよ。そんなこと言ってももう私は逃げられるわけがないよ。白亜様が私たちを見捨てるわけないし、逃げることもできない。仮に逃げ切れたとしても、そんな淫らになっちゃった心と身体でまともに生きていけると思ってるの?)
「・・・・・!!うう・・・・これは・・・こんな風になっちゃったのは・・・白亜のせいで・・・・。」
(『白亜のせい』じゃなくて、『白亜様のおかげ』だよ。私の中に眠っていた淫らな素質を白亜様が目覚めさせてくれたんだよ。)
(私の・・・・中に・・・眠っていた・・・素質?そんなこと、あるはず・・・・ない!これは・・・白亜が・・・無理矢理・・・・)
(それをどうやって証明するの?それは抵抗したい私がそう思いたいだけでしょ?それがどれだけ辛いことなのか、私はもうわかっているはずだよ。快楽に身を任せたいけど、魔法戦士としての責務やエルちゃんやお姉ちゃんのことを考えたら、それに溺れちゃいけないって考えてるんだよね。それがダメなんだよ。)
(だめ・・・どうして・・・それが、ダメなの?お姉ちゃんを・・・探さなきゃ・・・・それに・・・エルちゃんのお父さんも・・・・)
いけないとわかっているのに、否定しなきゃいけないと理解しているのに、他らなぬ私自身の心の声に耳を傾けてしまう。
いつの間にかその場に座り込んでいて、私の心の声との会話に集中していた。
(快楽に溺れながらでも、お姉ちゃんやエルちゃんのお父さんを探すことなんてできるはずだよ。その身を捧げる決意さえすれば、性奴隷となりながらも人探しぐらいはできるはずだよ。白亜様もそこまでは拘束はしないよ。これまでのことを考えれば、下手に騒ぎを大きくするような行動はとらないはずだし。)
たしかに白亜は私たちを捕らえるために入念な準備を整え、周りに気付かれないような場所を選んできた。
わざわざ私たちの休日の日を狙ってきたし、その後に解放されて色んな調教をしてきても私たちを拘束したり監禁することは決してしようとしない。
下手に騒ぎが大きくなると周りに感付かれて、計画が台無しになってしまうからだろう。
(白亜様に世界征服だとかなんて大きな野望はない。自身を強くしたいという願いはあっても、一番の目的はただ私たちを手に入れたいだけなんだよ。特にひかりちゃんをね。)
(わたし・・・を・・?)
そう考えるだけで、身体の奥が熱くなってくる。
乳首が固くなってきて、
(ほら、そう考えただけで私の身体が火照ってきてるでしょ?私自身の身体だから、乳首が固くなってるのも
「うう・・・・いやああ・・・・こんな・・・・なにも・・されて・・いないのに・・・考えた・・・・だけで・・・・ああ・・・・はあ・・・・っっ!!」
身体が熱くなってくるのを自覚するのと同時に、またしても私の中の性欲が増大してくるのがわかる。
私自身の心の声なので言ってくることが的確であり、私の心を容赦なく傷つけてくる。
(ちょっと白亜様のことを思うだけで、こんなにいやらしく身体を火照らせちゃって・・・・。本当にひかりちゃんったら、淫らな女の子なんだから・・・ふふふ♥)
私の心の声に淫靡な雰囲気が出てきているのが分かる。
それが何を意味するのか・・・・私自身がそれだけ淫靡な要素を帯びてきているという、何よりの証だ。
「もう・・・もう・・・本当に・・・やめてえ・・・このままじゃ・・・お姉ちゃん・・・エルちゃああああん・・・・っっ!!」
(二人に助けを求めても無駄だよ。もうなんとなくわかってるんでしょ?お姉ちゃんがどうなっているのか。自分が置かれている状況を考えたら、お姉ちゃんがどうなっているかなんて理解できるはずだよね?)
「うう・・・・そ、それ・・は・・・・。」
火照る身体を慰めたいという淫らな思考を必死に抑えながら、その言葉の意味を考える。
――――本当は私も、最初から想像はしていた。お姉ちゃんがどうなっているのかを。
何らかの理由で自主的にいなくなったのならばともかくとして、それ以外が原因とすれば拉致されたとしか思えない・・・・みらいさんと並んで組織のエースであるお姉ちゃんをどうやって攫ったのかはわからないが。
もしもそうだった場合、どんな目にあっているのかは想像に難くない。
まして今の自分がそうなってしまったので、さらに想像しやすくなった。
(誰かに負けて捕まったのなら、殺されたりする心配は少ない。でもその代わりに、魔力を奪い取るために私やエルちゃんみたいに犯されちゃってるはず。それに加えて、逃げられないように私たちみたいに『服従の首輪』を付けられちゃってるかもしれない。そうなっちゃったら・・・・最後は・・・私みたいに・・・・。)
頭の中に、快楽に堕ちて亜人の言いなりになるお姉ちゃんが想像される。
亜人の上に跨り、惚けた顔になって必死に腰を振るお姉ちゃん・・・・そんなお姉ちゃんの顔が、エルちゃん・・・・そして私の顔に次々に変わっていく。
「いやあ・・・こんなの・・・・いやああ・・・・わたしは・・・快楽に・・・堕ちたく・・・・ないよ・・・・!!」
(クスクスクス・・・・お姉ちゃんやエルちゃんが堕ちてもいいけど、私だけは堕ちたくないってことだね?二人を犠牲にしても私だけは助かりたいなんて、自分勝手になっちゃったね。それだけ私にとって、二人は信用できないその程度の存在になっちゃったってことなのかな?)
「そ、そんな・・・・違う・・・・そんなつもりは・・・・。」
はっきりと否定しなきゃいけないはずなのに、なぜかそれを口に出してはっきりと言うことができない。
(ど、どうして・・・・そんなこと、思うはずがないのに・・・どうして、否定・・・できないの?)
(クスクス・・・・ねえ、本当に2人を犠牲にしたら解放してくれるって白亜様が言ってきたら、どうしようか?)
そんなこと・・・できるはずが・・・・そう思うと同時に、別の考えが浮かんできてしまう。
(エルちゃんとお姉ちゃんを差し出せば、私が助かる?そんなこと・・・あり得ることがないのに・・・・もしもそれが・・・本当なら・・・わたし・・・・助かりたい・・・・逃げ出したい・・・・二人を・・・・・わ、私・・・なに・・・を・・・考え・・・・て・・・・う、うそ・・・だよ・・・・こんな・・・・こと・・・・・!!)
一瞬とはいえ、そんな馬鹿なことを考えてしまう。
(あ~あ、やっぱりそんな風に考えちゃったね。いけないんだ~、悪いんだ~、私。)
「ち、違う・・・・これは・・・あなたに言われたから・・・・考えただけで・・・・そんなこと・・・したい・・・わけじゃ・・・・。」
(そんな言い訳が通じると思ってるの?この声は他でもない私自身の心の声だってこと、自分が一番よくわかっているくせに。)
「――――うう・・・・っっ!!・・・・ぐす・・・ひぐ・・・・いやあ・・・・こんなこと・・・・考え・・・・ちゃ・・・・・。」
自身の心の声である以上、どんな言い訳も通用するはずもない。
私は思っていないと思っていても、心のどこかで考えている間違いなく私の心の一部であるという揺るぎない事実だ。
「もう・・・もう・・・やめてえ・・・わたし・・・・わたしは・・・・っっ!!」
徹底的に言い含められてしまい、私は反論もできなくなってしまう。
――――ドクン
「ふああっっ!!な、何・・・・また・・・不思議な・・・感覚が・・・・?」
(もう何も言い返せなくなっちゃったね~。完全に堕ちなくても、今回はこれくらいでいいかな。)
「これくらいでいいって・・・・どういう意味?まさか・・・私の狙いって・・・これのこと?」
白亜のアジトでの調教の時でも感じていた、謎の感覚。
これを引き出すのが私の心の声の狙いだったのだろうか?
(さあ、どうかな~?完全に堕ちてくれればそれはそれでよかったけど、最低限の役目は果たしたし、今回はこれでバイバイするね。私はいつでも見ているし、私を堕としたいと思っていること、忘れないでね。)
そう言うと私の心の声は何も言わなくなり、周りに人がいないのもあって一気に静かになった。
「一体・・・・何が目的なの・・・・?」
白亜の思惑のために何かをしようとしているのはわかるが、それが何なのかは具体的にはわからない。
さっきの謎の衝動が関係しているようなのだが、これが私に何を及ぼそうとしているのか。
とはいえ、それが白亜にとって都合が良くて逆に私たちにとっては都合が悪い事なのだけは、はっきりとはわかるが。
「きっと、エルちゃんにも同じようなことが起きているはず・・・・エルちゃんはこれが何なのか、知っているのかな?」
エルちゃんは固有魔法の『空間転移』を持っている影響なのか、こういった現象に対して敏感に感知できる。
さすがに詳細まではわからないことも多いが、それによって助かった時もあるので私の能力と違って汎用性が高い。
「何か不都合な現象であることぐらいは掴んでいるはずだけど、私には何も言ってくれない・・・・どうしてなのかな?」
エルちゃんもまだ気付いてないのか、あるいはある程度の確証があるまで話そうとしなかったのか。
(・・・・それとも・・・・話すと都合が悪い事だから話せないのか。)
そう考えると同時に、私の中に今までの淫らな感情とは別に黒い感情が目覚める。
(どうして黙っているの、エルちゃん?私が頼りないから?それとも、私のことを・・・信じられないから?私がエルちゃんのことを素直に信じられなくなったから、エルちゃんも私のことを信じてくれなくなったの?)
これまで皆無であった、白亜によって歪められたものとは別にエルちゃんへの疑念が生まれてくる。
(そもそも、こんな風になっちゃったのはエルちゃんの正体がばれちゃったから。それがなければ、こんな思いもしなくて済んだのに・・・・っっ!?ち、ちがう・・・エルちゃんにどうしてこんなことを!?親友に対してこんなことを考えるなんて・・・・いやああ・・・これも・・・白亜のせい・・なの・・?それとも・・・・私の中に、元々こんな黒い感情が・・・・?)
少し前ならはっきりと否定できたが、今はそれもあやふやになってきてしまい否定しきることができない。
それが私の中に芽生えた黒い感情を排除しきることができず、そんな考えが頭の中にこびりついたままにしてしまう。
「もう、今日は寮に帰ろう。こんな風に座り込んだままじゃ、悪い方にばかり考えがいっちゃう。少しでも心と身体を休めて、明日に備えないと。」
明日も任務があるし、学園に行く以上は白亜に課されたノルマもこなさないといけない。
回数に上限が設けられていない以上、何回犯されるかわからない。
自分に回復魔法が使えないこともあるし、身体を休めないと本当に倒れることになりかねない。
「エルちゃんは私が回復すれば大丈夫なんだけど・・・・なんで、エルちゃんだけ・・・いけない、ダメだよひかり!そんなこと考えちゃ!!」
再び頭の中に芽生えかけた黒い感情を振り払い、帰路につく。
とはいえ、一方的に走り去ってしまったので今エルちゃんに会うのはやや気まずい。
寮につき恐る恐る部屋のドアを開けてみると、明かりはついていなかった。
ベッドの布団に膨らみがあったので、エルちゃんはすでに寝ているようだ。
起こさないように明かりを消したまま制服を抜きパジャマに着替え、ゆっくりとベッドの上に寝転がり目をつむる。
今となっては、眠っている時だけが唯一の安息場所だ。
「・・・・ひかり、ちゃん・・・・?まだ、起きてる・・・?」
「・・・・っ!!・・・・う、うん・・・・エルちゃん、まだ・・・起きてたの・・・?」
「うん・・・眠りかけてたけど、ひかりちゃんがドアを開けたのに気付いて・・・・あの・・・・大丈夫、ひかりちゃん?」
振り払うように走り去ってしまった私を、エルちゃんはなおも私を気遣ってくれる。
そんなエルちゃんに対してこんな黒い感情を抱いてしまった後ろめたさから、私はエルちゃんと目を合わせることができない。
「ごめんね、エルちゃん。心配かけちゃって・・・・明日になったら、いつも通りに話せると思うから。」
「・・・・わかった。おやすみなさい、ひかりちゃん。」
「お休み・・・・エルちゃん。」
そう言って少しすると、体力を回復させても精神的に消耗していたのか、すぐにエルちゃんから寝息が聞こえてきた。
(ごめんね、エルちゃん・・・・でも、こんな感情を抱いているなんて・・・エルちゃんに言えないよ。)
淫らな感情と同じように、この黒い感情も完全に排除しきることはできないだろう。
ならばせめて、負の感情に負けないようにするしかない。
(でも・・・・それもいつまで頑張れるのかな?)
もう私の頭の中には、現状を打破しようという考えは完全に失くなっている。
エルちゃんも同じだろう。
少しでも耐えて、負けないように自分を奮い立たせるのが精いっぱいだ。
それもいつまで長続きできるか、わからない。
(誰か・・・・助けて・・・・トーコ先生・・おねえ・・・ちゃん・・・・。)
かすかな希望に思いを馳せながら、私もまた眠りにつくのであった。
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私たちはその可能性を考えていなかった。
いや、その可能性を考えたくないというのが本音だろう。
それにエルちゃんと話しがしたいと思っていた上に、淫らな思いを抑えるのに余裕がなかったのでその意味を考えていなかった。
わざわざ学園まで来て私たちを犯しに来たというのに、今夜は一切姿を現さなかったことに・・・・
「ふっふっふ、見つけたぞ。予定通りに眠っているな、『トーコ先生』?」
そして私たちが眠りについている間に、
「ここで目を覚まさない段階で・・・・ゲームオーバーだ。」
私たちの希望が、完全に潰えてしまっていた。
~第62話・完~
ここまで読んでいただきありがとうございます。