※この作品はR-18です。

魔法戦士リリンセイバー ~パラレル~   作:神流し

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次を投稿します。

新章に突入します。
築き上げてきたものが悪意で壊されていく・・・・某魔法戦士シリーズに影響を受けて、そういう方向が大好きになってしまいました。


第五章・絆と友情への侵食編
第65話「エルシア編その14・揺らぎ始める絆」


               

 

                   ~エルシア視点~

 

「というわけで、ここはこうなるわけだ。ここは次のテストに出すかもしれないから、きちんとノートにとっておくんだぞ。」

 

先生が黒板に書きながら授業を進めていく。

この学園には授業中に騒いだり居眠りをする人たちは存在せず、全員が静かに授業を聞いていてノートに書いていると思われる音も聞こえてくる。

サボったりする人はたまにいるが、そういう人は他に外せない用事があったり受けなくてももう大丈夫な人たちばかりだ。

 

「・・・・ひかりちゃん・・・・やっぱり、白亜自身が言った通りにひかりちゃんのところにも白亜が来たのかな?」

 

次の授業には私もひかりちゃんも間に合ったが、やはり気まずい雰囲気は漂ったままでお互いに踏み込んで話をすることができなかった。

私の方が先に教室に来てひかりちゃんが後から来たのだが、少しだけ目があったかと思うとすぐに私の方が逸らしてしまいひかりちゃんはそのまま肩を落として私から離れたところに座ってしまった。

 

「今さらこんなことで白亜が私に嘘を言うとは思えないし、ひかりちゃんも『これ』を受け取ったと考えるのが自然だよね。」

 

その手には白亜から渡された香水の瓶と錠剤が入った瓶が握られていた。

生徒たちに連続して犯された後、なんとか体力が回復し学園に向かおうとした私に白亜が近づいてきて私にこれを渡してきた。

 

先にひかりちゃんの方に行って同じようにこれを渡して説明も済ませたという。

 

(やっぱり・・・・ひかりちゃんも・・・同じように・・・されちゃったのかな・・・き、キスを・・・んん!!)

 

これらを渡し疑問に思う私に白亜はいきなりキスをしてきて唾液を私の口の中に流し込んできた。

不意だったこともあり私はこれを拒むことができず、飲み込むことしかできなかった。

その意味は私の身体の反応ですぐに理解できた。

 

身体が熱くなってきて昂ってきていることから、唾液に分泌された媚薬を飲み込まされたのだろう。

すでに白亜は私とひかりちゃんの薬の効きやすい成分がどんなものか理解しており、これまでの調教の影響もあって影響はすぐに出てきてしまう。

 

その後でこれらがどういう効果があるのかの説明を受けた。

 

まず香水の方だが、これはどちらかというと相手に使うためのものだ。

一度目に嗅がせた相手に再度嗅がせることで、その間の記憶を消去させる効果があるらしい。

 

白亜が「いずれは必要になるだろうから、先に渡しておく」と邪悪な笑みを浮かべながら言っていたのが印象に残っている。

 

(きっと・・・・そういうことなんですよね。)

 

これは私たちが性欲を抑えられず、かつ近くに反応する人がいなかった場合に発散させる相手を用意するために用意したのだろう。

その証拠に、この香水には相手をその気にさせ性欲を強化させる効果も含まれているらしい。

 

(これを私とひかりちゃんがそういうことをさせるように仕向けて、より堕としやすくさせるためなんだ。)

 

もちろん、こんなものを使うわけにはいかない。

今考えたような心配もあるし、どんな成分が含まれているかわからない薬品を他の人に使ってしまってどんな副作用が引き起こされるかわからない。

 

人として、魔法戦士としてこんなものを使うことがあってはならない。

 

(これを使わないようにするのは簡単なことですけど、白亜もそんなことはよくわかっているはず。だからこそこちらの薬を渡してきたはず・・・・んん・・・こっちも・・・使っちゃ・・・だめ・・・うう・・・・。)

 

こっちの錠剤に関してはもっとシンプルなもので、飲めば性欲を一時的に抑えられるというものだ。

白亜が授業中に発情して余計な疑いをかけられないようにするためと言っていたけれど、そんな親切心で渡してくるはずもない。

 

心なしか香水の説明をしていた時よりも邪悪な笑みを浮かべていた気がするので、説明しなかったそれ以外の効果をもたらすのが本来の目的なのだろう。

 

本当ならこんな薬は手の届かない場所に置いておくか、いっそのこと捨ててしまうべきなのだろうが白亜はそれを厳禁とした。

命令によって強制はしなかったが、常に肌身離さず所持しておいてたまに確認する際に持っていなかった場合は厳しい罰を下すのだという。

 

私たちになのか周りの人たちになのかはわからないが、そんなことを聞かされては手元に置いておく選択肢は存在しない。

白亜が作ったと思われる薬なので、その所在を感覚で認識しているかもしれない。

 

(一体それがどんな効果なのか・・・それがわからないことには・・・こんなものに・・頼るわけには・・・んん・・うう・・・それ以前に・・・こんな・・もの・・・使っちゃ・・・だめ・・・・です・・・・使っちゃったら・・・白亜の・・・思うつぼ・・・で、でも・・・・はああ・・・っっ!!)

 

積極的に使わせるためにキスをして媚薬を口の中に流し込み、身体の発情を促進させたのだ。

しかも今日は立て続けに授業があるので、薬なしで授業に出るつもりならこれを耐え続けなければならない。

 

かといって誰かに犯してもらって発散させるわけにもいかない。

香水を使わなければいけなくなるし、反応したらしたで私の中の『何か』が心と身体を蝕んでしまう。

しかも白亜は今日は学園にいる間は、授業中の途中退室や休憩時間中に人目につかない場所に行くことを禁止したのだ。

 

ひかりちゃんにも同じ命令が言い渡されただろう。

私の場合は誓約書がある限りは絶対に従わなければいけないし、ひかりちゃんの場合にしても他の方法で呪縛させているであろうか、首輪の効果だけでも十分に従わせることができるだろう。

 

(だから・・・この場から離れるわけにはいかに・・・・でも・・・身体が・・どんどん・・・熱くなってきちゃって・・・ああ・・・さ、触りたい・・・アソコと・・・胸と・・・お、お尻に・・指を・・入れて・・・思いっきり・・・かき回したくて・・・はあ・・・・や、やあああっっ!!)

 

だがこれらを使わないと強く思えば思うほど、身体はそれに反比例するかのように熱く昂ってきてしまう。

まるで私の心の思いを踏みにじるかのように。

 

(こ、これも・・・白亜の・・・仕掛けたことなのでしょうか・・?それとも・・・もう・・・私の心が・・・抑えられないほどに・・・昂ってきちゃってるの・・・・?うう・・・はああ・・・!!)

 

唾液と一緒に流し込んだ媚薬にそういう作用まで引き起こさせる成分を含ませていたのかどうか、そもそもそんなものが存在するのかどうかは素人である私たちには理解しようもない。

 

でもそんなことを考える余裕はすでになくなりつつある。

身体はどんどんと熱くなり、私は各部位に触りたい衝動を必死に抑えるのがやっとになっている。

 

(せめて・・・イってくれれば・・・少しは落ち着くのに・・・で、でも・・・どこかもどかしい感じばかりがして・・・今のままではイけるような気がしません・・・はあああ・・・・っっ!!)

 

絶頂したらしたで私の中の『何か』が私の心を蝕んでしまうが、一度や二度で一気に全部を飲み込むほどではないのも理解できた。

なのでこの場だけでも絶頂してくれれば少しは精神的に落ち着けるのだが、それも見越したかのように耐えているだけでは昂ってはきても絶頂できるような感じがしない。

 

(多分・・ですけど・・・直接触れたり・・・お、犯してもらわないと・・・駄目なようにされているんじゃないでしょうか・・?それとも・・・こ、これを飲むか・・・うう・・・の、飲んじゃ・・ダメ・・・で、でも・・・!!)

 

白亜は薬を捨てることを厳禁にするのと同時に、今日の授業が終わるまでは途中退室や休憩時間中に人気のない場所に行くことも禁じたのだ。

人気のないところに行けなければ、自慰で発散させることはできない。

 

仮にこの授業を耐えたとしても、今日は魔法戦士としての出動日ではないので夕方まで授業がある。

間に休憩時間はもちろんあるけれども、こんな状態ではとても休める気がしない。

 

「ああ・・・い、いやあああ・・・(こんなの・・・耐えられません・・・・イきたい・・・です・・・犯してもらうか・・・せめて・・自分で慰めるだけでも・・・・)」

 

もう思考が混濁し正常な判断ができなくなりつつあり、何かしらの方法で満たしてもらわないと落ち着くことができそうもない。

でもこの場から離れることはできないし、休憩中に一人で自慰によって絶頂することもできない。

 

白亜の言い方や思惑からして、犯してもらう相手さえいれば人目のつかない場所ならば大丈夫なのだとは思う。

でもそうすると、反応があるまで待つか香水を使う以外に方法が存在しないことになってしまう。

 

(それとも・・・こ、この場所で・・・じ、自慰を・・しちゃうか・・・だめ・・・いくらなんでも・・・そんなことしたら・・・ばれちゃいます・・・。)

 

教室といっても、普通の中高のような広さの場合もあれば大学の講堂のように広い場合もあり、今いるのは後者の方だ。

多いといっても生徒同士の距離は離れており、私は後ろの端の方に場所に座っていたこともあり近くに他の生徒はおらず、一番近くであっても10メートルは離れている。

 

ひかりちゃんの方を見てみれば、彼女は反対側の端の方に座っており同じように周りに生徒はいない。

一見すると普通に授業を受けているように見えるが、よく見ると顔は紅潮しているし何かに耐えるように小刻みに身体を震わせているのが見て取れる。

 

(それに・・・指とか腕も心なしか身体に近づけているように見えるし・・・やっぱり、ひかりちゃんも耐えているんだ・・・・で、でも・・・私がこんな状態だから・・・ひ、ひかりちゃんも・・・限界が近いはず・・・ど、どうしたら・・・・。)

 

この授業中は気付かれずに耐えられるだろうが、次とその次の授業は生徒同士の距離が近い教室での授業だ。

今でもこんな状態なのに、耐え続けながら連続した授業をそんな状況下で気付かれずに凌ぎ切れる気がしない。

 

(もう・・・もう・・・いやあああ・・・どうしたら・・・いいのか・・・・うう・・・も、もう・・・!!)

 

いつの間にか錠剤が入った瓶の蓋を開けており、その手の中には1錠の薬が握られていた。

白亜が言うには、必要になったら1錠飲むだけでも十分に効果があるらしい。

 

「うう・・・そ、そう・・・1錠・・・だけです・・・これで・・・止めておけば・・・だ、大丈夫のはず・・・・。」

 

それが都合のいい言い訳であるのは理解している。

そんな程度で終わるなら、白亜はこんな風に媚薬を飲ませてきたりはしない。

これがきっかけとなって薬をやめられなくなってしまい、白亜の思惑通りの作用が私たちの中で引き起こされてしまうのだ。

 

(でも・・・だからといって・・このまま・・我慢できる気がしません・・・途中退室も・・休憩時間中に人気のない場所に行くことも禁じられてますし・・・はああ・・・ああ・・・も、もう・・・だめ・・・!!)

 

襲い来る身体の疼きに耐えかね、薬を勢いよく飲み込んでしまう。

水なしでも問題ない上に即効性らしく、喉を通って胃に入っていくのを感じられなくても身体の中に入っていくのを怯えながら身構えてしまう。

白亜の思惑通りであると分かっていてもすでに我慢の限界であり、説明された通りの薬の効用を信じるしかなかった。

 

「うう・・・んん・・・い、一体・・・どうなるの・・・あ、あれ・・・?身体の中の・・・疼きが・・収まってきた・・・?」

 

白亜の言った通りにすぐに効果が表れてきたのか、身体の熱が冷めて触りたいなどの欲求も収まってきたのを実感できる。

 

「収まってきたのいいですけど・・・こ、これから何が起こるの・・・?」

 

ひとまず疼きが治まったのはいいけれど、それによって引き起こされる副作用の方がこの薬を飲ませた本来の目的なのだろう。

というか、むしろ薬を積極的に飲ませるために私たちにとって都合のいい効果を付与したような気もする。

 

「・・・なにも・・・起こらない・・・・?う、ううん・・・油断しちゃダメです・・・すぐに何かが起こるとは限りません・・・少し間を空けてから起こると考えた方が・・・とにかく気を付けないと・・・ひかりちゃんは・・・・あ・・?」

 

ひかりちゃんの方を見ればひかりちゃんもこちらの方を同じタイミングで見ており、心なしか顔の紅潮がなくなり切羽詰まった様子もなくなっているように見える。

そんな様子で左手の掌をゆっくり動かすと、私だけに見えるようにそこには何かが握られていた。

 

(あれは・・・私と同じ薬の瓶?やっぱりひかりちゃんのところにも白亜が来て同じようにしてきたんだ・・・じゃあ、ひかりちゃんもこの薬を・・・?)

 

そう思って私も薬の瓶を隠すように見せ確認するように目配りすると、ひかりちゃんはそれに答えるように頷いてきた。

 

(やっぱりひかりちゃんも、身体の疼きに耐えかねて薬を飲んじゃったんだ。今のところは私にもひかりちゃんにも何も起こっていないみたいだけれど、こうやって飲んでしまったのは白亜の思惑通りのはず。一体何が起こるの・・・・?)

 

疼きがなくなったのはいいけれど、同時にこの後に起こるであろう『何か』のことを考えると授業に十分に集中できずそのまま授業は終了した。

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「やっぱり私が言ったことと同じことを言ってきたんだね。それで・・・ひかりちゃんも我慢できなくなって・・・薬も・・・飲んじゃったんだね?」

 

「う、うん・・・そうなの・・・エルちゃんも・・・だよね・・・?」

 

休み時間になり、私とひかりちゃんは廊下で現状を確認し合っていた。

今日は放課後まで人気のない場所に行くなと言われているので、他の生徒や教師が行き来する廊下で話すことにしたのだ。

小声で話しているし、生徒も教師もほとんどが一般人なので聞かれる心配は少ないはずだ。

 

「エルちゃんはどう?何か身体におかしなことが起こったりしてない?」

 

「うん・・・今のところは大丈夫みたい・・・ひかりちゃんはどう?」

 

「私も・・大丈夫みたいだけど・・・すぐに何かが起こるとは思えないから、油断できないよね。」

 

どんな思惑があるのかはわからないけれど、こうやって薬を飲んでしまうのは白亜の作戦通りのはず。

一体、私たちの身体にどんな作用があるというのだろうか?

 

「ひかりちゃんの能力で回復させることってできないのかな?」

 

「やってみないとわからないけれど、白亜もそんなことはわかっているはずだし多分効果はないんじゃないかな?」

 

ひかりちゃんの言う通り、私たちの現状や固有能力でできることは十二分に把握しているはず。

それを踏まえた上でこの薬を渡してきたので、きっとひかりちゃんの回復能力も効果はないと考えた方が良いはず。

念のために後で試してみてもいいけど、そもそもまずは何かが起こってみないと回復するかどうかは判別しようがない。

 

(一体、どんな効果があるのか素人の私たちには理解しようもありません。肉体的になのか精神的に作用するのか?この薬には中毒症状とかはないのか?とかも、現状では判別しようがありません。)

 

今のところ体に異常は感じられないどころか、むしろ気分は今までにないほどすっきりしている。

白亜に調教される前の状態に戻ったようで、常に身体の中にあった微熱や疼きも全くなくなっている。

 

本来なら喜ぶべきことだが、それが元凶によってもたらされた薬によってという現状を考えると嬉しい感情は全く湧いてこず、むしろ嵐の前の前兆のようでかえって恐ろしいぐらいだ。

調教によって変えられた私たちに起こる様々な心身の変調も十分に恐怖だが、薬によって何か起こってしまうのか理解しようがないというのもそれはそれで怖くてしょうがない。

 

「白亜にとって私たちは極上の獲物らしいから、命の危険だとかそういうことはないと思うけど・・・怖い・・・怖いよ・・・エルちゃん・・・・!!」

 

自分の腕で自分を包むように抱きかかえ、ひかりちゃんは涙を浮かべて震えている。

今考えたことはひかりちゃんも当然想像していることなので、何が起こるかわからない恐怖が彼女を包み込んでいるのだ。

私にはそんなひかりちゃんの両肩を優しく支えることしかできない。

 

なまじ一時的に正常に戻ったことで冷静に考えることができるようになったので、現状を整理できてむしろ恐怖感が増してしまったような気さえしてしまう。

 

(まさかこれが白亜の目論んでいたことなのでしょうか・・・?・・・・いいえ、これくらいで企みが終わるとは思えません。白亜が目論んでいることはむしろこれからのはずで、まだそれの前兆のようなもののはず・・・・でもそれが一体何なのかわからないと、対策しようがありません。)

 

本当ならこれらの薬を組織の人たちに調べてもらうべきなのだろうけれど、例によってそう考えることができてもいざ行動に移そうとするとその考えは打ち消されてしまう。

ここから白亜の存在に行きつくことができるかもしれないのだから、止められるのは当たり前なのかもしれないが。

 

「これから一体どうしたら・・・・トーコ先生も当分帰ってこないし・・・今は身体の疼きが治まっているけど、すぐにまた再発するだろうし・・・そうなっちゃったら、またこの薬に頼るしかないのかな?」

 

その手の中には例の薬が握られている。

私たちの運命の全ては白亜とこれらの薬によって決められていると言っていい状況である。

私たちにできることは何もなく、ここから先も襲い掛かってくる数々の恐怖を耐え忍ぶことしかできない。

 

「あの薬がどれだけ持続効果があるのかはわからないけれど、私たちの飲ませ続けるっている目的がある以上はそんな長続きはしないはずだよ。これだけの量を渡してきたんだから、一錠や二錠で終わりのはずはないだろうし。」

 

どんな効果があるにせよ、この薬の多くを私たちに摂取させようとしているのは間違いないだろう。

だとしたら、この鎮静効果が長続きなどするはずがない。

むしろ効果が切れ始めてからが白亜の目論みが本格的に始まるとみていいだろう。

 

「白亜の思惑通りに動いちゃうのは悔しいけど、身体の熱が消えたこと自体は悪くはないことだよ。今のところは私もひかりちゃんも反応していないみたいだし。」

 

「う、うん・・・そうだといいんだけど・・・・でも・・・いつまでも放っておくわけにもいかないよね?」

 

「・・・・そうだよね・・・・。」

 

ひかりちゃんの言う通り、一時的には私たちの心身を休めるために反応しないことは良い事なのだが、いつまでも放っていい問題でもない。

このまま白亜に洗脳された生徒を放っておいたら、どんな悪影響があるかわからない。

 

いずれは彼らを解放しないといけないのだが、そうすると私たちが身体を差し出さないといけないということになる。

 

「・・・・ねえ、ひかりちゃんはもう気が付いているかな?私たちが犯される度に、身体の中で『何か』が広がってきちゃってるって。」

 

「え・・・う、うん・・・やっぱり、エルちゃんも感じてたんだね。これって一体、何なのかな?白亜の仕業っていうのはわかるんだけど・・・。」

 

何回もこの衝動は起こっているはずなので、すでにひかりちゃんも気付いていたようだ。

 

「私もよくわからないけど、心と身体を蝕んできているっていうのは実感できるよ。白亜が使っている『侵食』っていう能力の効果によるもので、他の生徒が洗脳されていることと似たような現象じゃないかなって考えているんだけど。」

 

それと同時に、これからは白亜の能力名に合わせて『侵食』と呼ぶことにしようとひかりちゃんに提案しひかりちゃんも同意する。

私たちの心と身体を蝕んでいくこの現象は『侵食』そのものと言っていいだろう。

きっと私たちは魔法戦士で抵抗力が高くて一気に洗脳できないから、こんな方法を取ってきているんだろう。

 

「じ、じゃあ・・・これが完全に完了したら・・・白亜の言いなりになっちゃうってこと・・・なのかな?」

 

「多分・・・そうなるんじゃないかなって・・・思ってる・・・。」

 

しかし白亜はそれ以上に、こうやって私たちを犯しながら心と身体を貶めることを楽しんでいるような気がする。

『服従の首輪』によって抵抗力を完全に奪われている上に、私は誓約書によってさらに多くを縛られてしまい白亜がその気になれば全ての自由を奪うこともできるだろう。

 

それらを駆使すれば、私たちの中の侵食を一気に広げられるような気がするのだ。

もしそうだとするなら、あえてそれをしない理由は一つしかない。

 

(そうやって少しずつ侵食を広げていく恐怖を私たちに植え付けつつ様々な調教を私たちに施して辱めながら、それに恐怖しながら徐々に快楽に心身が犯され堕ちていく私たちの過程を見て楽しんでいるんだ。)

 

まさに悪魔のような所業である。

いくら私たちの所在を把握し入念な作戦を練ってきたとはいえ、相応なリスクもあるしこうやって学園内での調教などは常に見つかってしまう可能性が付きまとう。

それなのにそれを実行し続けるというのは、それだけ私たちに執着しているという証拠だろう。

 

「で、でも・・・エルちゃん・・・どうして・・・そのことを・・昨夜・・・私に言ってくれなかったの・・・?」

 

そんなことを考えていると、不意にひかりちゃんがそんなことを聞いてくる。

いつの間にかひかりちゃんは私の方を見ており、涙目のまま私を見つめてきている。

 

「ご、ごめんね・・・話そうと思ったんだけど・・・・ひかりちゃんが気が付いているのかわからなかったし、何も解決策がなくて恐怖感を与えるだけかと思ったから話すことが・・・できなくて・・・。」

 

                   ~ひかり視点~

 

エルちゃんは申し訳なさそうに理由を話してくれる。

最初は私を見ながら話してくれていたが、最後の方は目を逸らし口調が尻すぼみになっていく。

それは紛れもない本心であり、偽りのない言葉・・・・なんだと思う。

 

「そう、だったんだ・・・ごめんね、エルちゃん。別に疑うつもりじゃなかったんだけど、ただ疑問に思っちゃったから・・・エルちゃんは私を気遣ってくれたん・・・だよね・・?」

 

「う、うん・・・そう・・・なの・・・・。」

 

今にも消え入りそうな声で答える。

その姿は初めて会った時のような儚く悲しげな雰囲気に包まれていた。

 

(私に本当のことを伝えるのが遅れちゃって、それを心から申し訳ないと思っている・・・だからこそ、こんな感じになっちゃっているんだ・・・わたしを・・・気遣ってくれて・・・・)

 

(本当にそうなのかな~~~?)

 

「――――!?(ど、どうしてこんな時に・・・!?)」

 

「ひかり・・・ちゃん・・・・?」

 

私がエルちゃんの謝罪の意味をそう考え心の内の黒い思いを振り払おうとすると、そのタイミングで『もう一人の私』が話しかけてきた。

 

(いつまでも『心の中のもう一人の私』いうのも何だかあれだし、良いあだ名が欲しいかな?そうだね・・・『闇堕ちした天月ひかり』を略してこれからは『やみり』って呼んでよ。)

 

『心の中のもう一人の私』、もとい『やみり』はまるで友達に軽く提案するように言ってくる。

 

(それは良いとして、本当にエルちゃんの言った言葉を信じられるの?今まで黙っていたのもひかりちゃんを気遣って思い込もうとしているみたいだけど、それが本当なのかなんていくら親友でも理解しきれるわけがないよね?)

 

やみりは心の内から私にそう囁きかけてくる。

その声は紛れもなく私の声そのものであり、私の心を相変わらず激しく揺さぶってくる。

 

(仮に本当だったとしても、黙っていた理由はそれだけとは限らないよね。もしもそうだった場合、黙っていた理由って何だったのかな~~~?ひかりちゃんは何だと思う?)

 

(し、知らない・・・それ以外の理由なんて・・・エルちゃんに限って・・・あるはず・・・・。)

 

(ほんとうに~~?本当にそう思ってる~~~?私はひかりちゃんの心の一部であるやみりちゃんなんだから、ひかりちゃんの考えていることは全部お見通しなんだからね。ひかりちゃんは心のどこかでこう考えているんだ。『エルちゃんが侵食のことを話さなかったのは、私が侵食に気が付いていなかった』って言った・・・つまり『エルちゃんはひかりちゃんが頼りにならないんじゃないか?』もっと言えば『エルちゃんは私を信じられなくなったんじゃないか?』ってね?でもそんなことを聞くわけにはいかないし疑いたくもないから、必死にそうやって私を気遣ってくれているっていう理由でそれを誤魔化そうとしているんだよ。)

 

(そ、そんなこと・・・あるはずがない・・・そんなこと・・・言わないで・・・もう・・・どこかに行って・・・やみり・・・!!)

 

(はいは~~い、言いたいことも言っちゃったし私の名前も決まったことでやみりちゃんはここでさよならしちゃうね。でも忘れちゃダメだよ、今言った私のエルちゃんへの不信感を・・・ね♥)

 

そう言って一気に心の奥に戻っていったのか、やみりの感覚は消えてしまった。

名前を『やみり』と別に定めたからなのか、なんだか口調が軽くなってまるで別人格になってきたような気がする。

 

「ひかりちゃん・・・どうしたの・・・?ずっと考え込むようにして・・・もしかして、何か体調に異変が・・・?」

 

「う、ううん、違うの・・・色々と考え込んじゃって・・・ごめんね、エルちゃん。心配かけちゃって。」

 

「うん・・・それならいいんだけど・・・・。」

 

私を心配するように声をかけ続けていてくれたみたいだ。

 

(やっぱり私を心配してくれてる・・・・そんなエルちゃんをおかしく思えるはずがない!!)

 

           ――――本当に?本当にそう思ってる?――――

 

必死になってそう考えるようにしている私の思いを打ち消すように、私の心の奥から声が響き渡る。

まるで私の身体全体を震わせるような、深く静かな声。

 

またやみりの声かと思ったが、それとは違うと感覚ですぐに理解する。

 

(違う・・・そんなことがあるはずがない・・・・エルちゃんは私を気遣ってくれたんだ。そうに違いない!!)

 

           ――――本当に?本当にそう思ってる?――――

 

それに反するように再び聞こえてくるやみりとは違う心の声。

私を説得するようなものではない、淡々と問いかけるような声。

 

「ひかりちゃん・・・本当に大丈夫?やっぱり、どこか体調に異変が出てきたんじゃ・・・?」

 

「大丈夫・・だよ・・・本当に何でもないから。」

 

「で、でも・・・・」

 

「本当に・・・大丈夫だから・・・!!」

 

私を心配し手を握ってくれるエルちゃんの手を思わず振り払って、少しだけ語尾を強めてしまう。

 

「あ・・・・ご、ごめんなさい・・・・わたし・・・・。」

 

「あ、ご、ごめん・・・!!心配してくれたのに・・・本当に大丈夫だから、心配しないで。ね、エルちゃん!!」

 

私たちの間に漂いかける不穏な空気を振り払うように、あえて明るい口調でエルちゃんにそう返す。

 

「うん・・・だったらいいんだけど・・・・あ、もうすぐ授業が始まるみたいだよ。わたし、もう行くね。」

 

「あ・・・う、うん・・また後でね、エルちゃん・・・。」

 

次の授業は私とエルちゃんは別々であり、その次の授業は一緒になっている。

 

「・・・・ねえ、エルちゃん。」

 

「え・・・なに、ひかりちゃん?」

 

その前に一つだけ、どうしても気になっていることを尋ねてみる。

 

「もう・・・私に・・・言っていないことって・・・ないよね?」

 

「え・・・・う、うん・・・もう・・・ないよ・・・・じゃあ、行くね。」

 

「・・・・・うん・・・・。」

 

目を合わせてぼそぼそと答えてくるが、不意に身体を少しだけ震わせたかと思うと慌てて目を逸らし足早にその場を去って行く。

 

「・・・エルちゃん・・・本当・・なんだよね?信じて・・・いいんだよね?」

 

そうだ、親友であるエルちゃんを信じなくてどうするというんだろう。

信じるんだ、私の一番の親友であるエルちゃんを。

 

               今はまだ(・・)エルちゃんを信じるんだ

 

(でももしも、まだエルちゃんは次を何かを隠していたのが分かったら・・・・そうだ、その時に疑えばいいんだ。それで良いんだよね、エルちゃん?)

 

――――天月ひかりは気付いていなかった

――――エルシアを信じているようで、その心の中にエルシアへの不信感が芽生えてしまったことに

 

その心の中には、快楽への渇望感とは違う闇が目覚めつつあった。

 

――――ドクン

 

そんな目覚めに呼応するかのように、彼女の浸食が進んでしまうのだった。

 

                   ~第65話・完~




友情と絆を責めていきますが、そう易々と壊れたりはしません・・・易々とはね。

ここまで読んでいただきありがとうございます。
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