薬の効用は後にさらに明らかになります。
話を進める上で便利な効果ばっかりですが・・・・。
~エルシア視点~
ギリギリだが授業に何とか間に合い、久しぶりに心も身体も平常なまま授業を受けることができた。
今日の最初の身体が疼いたままだったし、途中から薬を飲んで体調が落ち着いても何が起こるのか気になったり薬の効果がわかった後も不安感や不意に生まれてきそうな不信感が気になって授業に集中しきれなかった。
(ひかりちゃん・・・・授業に間に合ったかな。ギリギリだったから確認できなかったけど・・・・。)
私たちはこれまで真面目に受けてきていて成績も優秀だし、授業回数自体はさほど重要視されていない。
(私もひかりちゃんも多少は授業を受けなくても大丈夫だけど、やっぱりなるべく出たいよね。)
根が真面目なのもあるだろうけど、今は白亜が干渉してくる可能性が最も低いのが授業時間中というのもあった。
不必要なリスクを避けたい白亜としては、授業中に何かをしてくることはほとんどないと言っていいだろう。
(でも、身体が疼いてきちゃったらそうもいかなくなってきちゃいます。今のところは大丈夫ですけど、これもいつまでもつのか・・・・。)
大胆に奉仕したからなのか、今は心も身体も落ち着いたままだ。
薬も飲んでいないのにこんなに気持ちが落ち着くだなんて、もうずいぶんと久しぶりのような感じがしてしまう。
(まだ一週間も経っていないのに、何だか普通に過ごしていたのがもうずいぶんと昔のような気がします。)
もう戻らない普通の日常を思い出しながら、身体の疼きに耐える必要もなく薬の副作用に怯えることもなく穏やかに授業の受けられる嬉しさを噛み締めてしまう。
(ひかりちゃんもそう思いながら授業を受けているのかな?それとも・・・そのまま我慢できなくなったりフェロモンが反応しちゃったりして、そのまま誰かの相手をしているのかな?)
そんなひかりちゃんを思わず想像してしまうが、不思議と気持ちが昂ったりはしてこなかった。
思った以上に性欲を解消できたのだろうか?
(でも・・・それならそれで、ひかりちゃんもしなくちゃいけないし、問題・・・ないのかな?)
思わずそんなことを思ってしまう。
誰かに犯される行為に嫌悪感をあまり抱くことはなくなり、むしろそれを心待ちにしている部分ができるようになってきた。
(身体の疼きが抑えられないと授業がちゃんと受けられないし、反応しちゃったら身体を使って解消してあげないといけないからしょうがないよね。)
今の私たちには「受け入れない」という選択肢は存在しないので、それならば受け入れなければならない理由を探して心が堕ちないように強く思うことの方が大事だ。
身体が正常なままで色々と考える余裕ができたのもあって、そう考えている内に思考はどんどんそうするための理由探しになっていく。
(うん、そうですよね。私もひかりちゃんも誰かの相手をし続けなきゃいけないんだし、それだったら常に受け入れる覚悟を持って心だけでも負けないようにしなくちゃいけません。)
すでに身体はどうやっても感じるようになってしまっているのは否定しようがなく、仮に白亜から解放されたとしても完全には元に戻らないだろう。
ならばせめて、心だけでも強く持っておかなければならない。
(でも、今のままじゃ私たちが堕とされるのはそう遠くありません。その前にトーコ先生以外に何かしらの可能性を模索しないと、とてもじゃないけど耐えられません。)
できればひかりちゃんと相談したいけれど、白亜の策略によって私たちの間には何とも言えない微妙な空気が流れている。
それは徐々に大きくなってきていて、さらに薬の影響もあってこのままでは大きな亀裂になってしまうかもしれない。
(皮肉にも、お互いに感じていて心身共に余裕がない時だけ喋れることができる・・・このままじゃ・・・なんとかして、話をしないと・・・。)
この次の授業は私とひかりちゃんは同じ教科を受講しているので、同じ教室になるし大きめの教室なので周りに気付かれずに話をすることはできる。
(でも今のひかりちゃんとうまく話ができるかな・・・・私が良くても、ひかりちゃんから距離を取られるかもしれないし・・・・。)
これまでも何度か話をしようとはしたけれど、その度に何かしらが起こって話が遮られてしまった。
そうこうしている内に話しづらい雰囲気が強くなってきており、時間そのものもどんどんと余裕がなくなってきている。
(何とか強引にでも私から話しかければなんとか・・・でも私から話しかける度に、ひかりちゃんに話を遮られちゃう・・・・まるで・・・・私から逃げようとしているみたいに。)
そう思うと、私の中に心の中から黒い感情が再び浮かび上がってくる。
(偶然なんだと思う・・・でも、もしも・・・・もしも
根拠なんて何もないただの想像でしかないが、私の中でそう考えただけでそうしているという前提で決めつけてしまう。
その思いはどんどん大きくなり、些細な疑念は私の心の中を塗りつぶしていく。
(私たちが逃げられる可能性がどんどん少なくなっている・・・今の私たちができることは、トーコ先生が帰ってくるのを待つかそれ以外の可能性が見いだされるまで耐え忍ぶこと・・・私はその為に話をしたいのに、ひかりちゃんはそれを避けるように逃げて行ってしまう・・・・まるで私から逃げるように・・・・まさか・・・・。)
黒い思いが私の心を覆いつくしていき、揺らがぬはずのひかりちゃんへの信頼感を疑念へと変えていってしまう。
それはさっきまで抱いていた薬を飲んだ時の効果と同じであるのに、今の私はこんな感情を抱くことに違和感を覚えなかった。
(やっぱりそうだ・・・気のせいなんかじゃない!!ひかりちゃんは私から逃げているんだ。もしそうだとするなら、どうしてそんなことを・・・・やっぱり今の状況から逃げたいからなんでしょうか?)
どれだけ逃げられないと分かっていても、こんな状況から逃げたいと思うのは当然だ。
私の話を聞くのも拒絶することで、一時的な現実逃避をしたいのかもしれない。
(その気持ちはわかるよ、ひかりちゃん・・・でも、もしもそんなことを考えているのだとしたら・・・そんなことは許さないよ。)
根拠のない推測は私の中で具体的な形となり、それが絶対的なものとして決定する。
そう思うと、疑念は怒りに変わってきてしまう。
(そんな風に逃げたいって思うのはわかるけど、それは許されないよ。今の私たちにできることは、耐えて耐えて助かる可能性が出てくることに賭けることだけなんですよ。)
ひかりちゃんへの怒りと裏切られたように感じる思いが、私の心を確実に闇に染め上げていく。
(だからひかりちゃんは、今の状況をちゃんと理解しないといけないんです。私が信じられる、私の大好きなひかりちゃんでいてくれるために。)
――――私がひかりちゃんを信じ続けるために
――――私が大好きなひかりちゃんでいてくれるために
そんな言葉を言い訳にして、私の求めるひかりちゃんでいてくれるためにはどうすればいいのか。
かつての私で考えもしなかった漆黒の思いが、私を突き動かそうとする。
(そうです・・・なにをすれば私がひかりちゃんを大好きでいられるのか・・・なにを・・・・)
「エルシア?エルシア!!」
「――――!!は、はい!!あの・・・なんでしょうか?」
「どうしたんだ、授業中に考え事でもしていたのか?その様子じゃ、ちゃんと聞いていないようだな。お前は普段から真面目でしっかりしているから構わないが、次からはしっかり聞いているんだぞ。」
「ごめんなさい・・・。」
さっきと同じく授業に集中できずに変な考えを起こしてしまったようだ。
――――ブワン
「んん・・・な、何・・・今の感覚?私の中で何かが・・・分離したみたいに・・・?」
心の中に侵食とは違うそんな感覚を感じたと同時に、『何か』が心の中で分断され抜け落ちたような不思議な感覚。
(なん・・だったのしょうか?今の不思議な・・・感覚・・・あれ・・・わたし・・・さっきまで・・・なに・・・考えて・・・・?)
その感覚につられて頭の中が一気に冷静になっていき、今まで何を考えていたのか改めて思い直す。
(何かをしなきゃいけないと考えていたはずなのに、今の感覚と同時にそれが抜け落ちてしまったような感じがします。一体・・・なにを考えて・・・・?)
確かに何かを考えていたはずなのに、それが何なのか全く思い出せない。
(たった今のことで何分も経っていないはずなのに思い出せないなんて、これも薬の副作用なんでしょうか?)
タイミング的にはそう考えるのが自然なはずなのだが、感覚的にそういう感じがしない。
(でもだとしたら・・・・いったい・・・・んん・・・・ああ・・・また・・・・身体の・・・熱が・・・・!!)
治まっていた身体の疼きが再発してきたので、思考がそちらの方に取られてしまう。
今の私たちにとってはこの微熱のような状態がもはや普通の状態になってしまい、今までの普通の状態が異常とも言えるようになってしまった。
(でも解消したばかりなのか、まだ大したことはないようです・・・・なんとか・・・このくらいのままでいてくれたら・・・・。)
この状態が普通になってしまったのだから、せめて少しでも抑えられるように身体の感覚を総動員させて熱をコントロールできないか意識を集中させていく。
(・・・・うふふ、大丈夫ですよ。貴方のいけない考えは、ちゃんと『私』が引き継いであげますからね。)
「――――!?な、何・・・・気の・・・せい・・・?」
なぜか私自身の声が聞こえてきた気がするも、私が喋っていることなど私自身が分かっていることだ。
周りを見回しても私を見ている人はおらず、先生も何事もないように授業を続けている。
「やっぱり、気のせい・・・だよね・・?んん・・・そ、それよりも・・・・こっちの方を・・・・。」
ただの気のせいだと思い直し、疼きが出ないように再び意識を集中していく。
その甲斐があったのか、何とか授業中は微熱程度で抑えることができた。
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~白亜視点~
「成果は上々のようだな。色々と予想外のことも起こって、こうやって経過を観察するだけでもなかなかに楽しめるな。」
屋上でのんびり寝っ転がりながら、ひかりたちの動向や心理を確認している。
怪しまれないように黒髪のカツラを被り学園の制服を着ているので、周りから見ればただサボって寝ているようにしか見えないだろう。
侵食がかなり進んできたので、学園内ぐらいであればどこにいるのか正確に把握できるし思考も読み取るぐらいはできる。
何よりひかりたちを犯しまくったことで吸収した魔力によって、俺自身が予想以上にレベルアップをすることができた。
実はついさっきまではここまででなかったが、いきなり急激にレベルアップしたのだ。
おそらくは取り込んだ魔力があまりにも多すぎたので、レベルアップする方が追い付かずにここにきてようやく準備が整ったのだろう。
急激な強化は俺自身の身体を壊してしまいかねないので、その準備に時間が掛かったのだと思われる。
今なら覚醒していない並の魔法戦士なら、複数を相手取っても圧勝できるであろう。
「あいつらが香水を使うのは予想通りだったがな。今のあいつらが、襲い掛かる快楽の波に抗えるはずもないしな。それに錠剤の効果にしても、やはりまだ他の効果には気付いていないようだな。」
当然と言うべきかあいつらが心配する通りで、錠剤には他にも複数の効果が発揮できるように仕込まれている。
その一つが『効果の波』であり、飲んで効果が発揮されている間はあいつらの身体の疼きを抑えることができる。
今のあいつらは身体の疼きさえ押さえられれば心もなんとか抑えられるので、副作用の部分を除けば必然的に普通の状態に戻ることができる。
だがあの薬を飲めば症状を抑えられる代わりに、抑えられた時間の分だけ薬が切れた時に一気に来てしまうのだ。
他の魔法戦士や組織にはまだ気付かれたくないので、学園は調教の舞台としては最適でもむやみやたらとひかりたちをそういう形で目立たせるわけにはいかない。
俺自身も目立たないようにしているとはいえ、あまり大っぴらに活動すると印象に残ってしまう可能性もある。
俺の能力は存在感をほぼなくすことができるが、どうしても使用時に魔力は放出せざるを得ない。
戦闘中ならばさして問題ではないが、こういう日常生活においては感知能力に長けた魔法戦士に気付かれてしまう可能性があるのでできれば使用するべきではない。
なので学園内での俺自身の活動は多少なりとも制限されてしまうので、その代わりとしてひかりたち自身から動いて調教を進めるために色々と用意したのだ。
「自分たちで快楽の淵まで歩いていく恐怖を味わいながら、それに心のどこかで楽しみにもしている。その恐怖のギャップを感じるだけでも楽しめる。それにエルシアにも面白い効果が出てきたしな。」
フェラをしている間に薬を前と後ろから押し込まれるとはさすがに思わなかったようだ。
その時の症状が抑えられた時も他の原因を疑っていたし、すぐに自分の意思で持ち上げてしまったのでそういう考えに至らなかった。
「まあ、そうなった原因は薬にもあるんだがな。」
薬の効果の一つに、簡単に言えば自分の中の常識や判断力が鈍っていくというものだ。
先に挙げた効果は薬が消化されるまでだったり切れた瞬間に来たりするが、この薬の効果は永続なのだ。
一つの効果は微々たるものだが、飲めば飲んだ分だけ相乗効果で効果が強力になってくる。
しかもさっきは10錠ぐらい一気に取り込ませられたので、想像以上に効果を発揮する。
「ひかりよりも判断力が高く冷静に考察できるエルシアの思考能力が落ちてしまえば、いよいよもってどうすることもできなくなるな。」
別にひかりの頭が悪いというわけではない(むしろ高い方だ)が、エルシアよりも感情的に動きやすい分だけ危なっかしさは断然にひかりの方だ。
「今さらどうこうできる可能性は低いんだがな。それにしても、想像以上に面白いことも起こったしな。まさかひかりと同じ現象がエルシアにも起こるとはな。」
やみりの件も予想外だったが、それがエルシアにも発生するのは全く想像できなかった。
「エルシアの固有能力の効果なのか、すぐに分離してエルシア自身はまだ気付いてないようだがな。これがどう影響するのか・・・・そうだな、今夜にでも突っついてみるとするかな。」
色々と予定していた計画がどれも想像以上に進んでいるので、ここいらで本格的に進めてみることにする。
「今夜は魔法戦士の任務がないから、十分に楽しめるからな。相手をしない方も十分に楽しませてやるから、安心しろよな。」
今夜のプランを練り始めることにする。
さて、今夜はどちらが相手になるのか――――
~第69話・完~
ここまで読んでいただきありがとうございます。