「これが『服従の首輪』か。思った以上に見た目は普通の首輪だな。」
魔具というからには金属の首輪かと思ったが、見た目だけならペット用の首輪と変わらない。
手に持ってみても手触りは皮の首輪みたいな感じだが、手に伝わってくる魔力はこれが魔具であると教えてくれる。
この手の界隈で知られている魔具の中では割とポピュラーなものだが、その効果は絶大だ。
はめられた者に服従を強いるアイテムであり、その効果は条件さえ満たせば魔法戦士にさえ有効である。
俺の侵食による洗脳と違い精神的な服従はできない代わりに、はめた者が外すか首輪の魔力がなくなるまではどんな強力な魔法戦士であっても外すことができず、外部の者が外したり破壊することもできない。
魔力にしても、適当なタイミングで補充すれば問題ないので、はめられれば逃げることは事実上不可能だ。
ちなみに、俺たち界隈ではこの手のアイテムは『魔具』と呼んでいるが、魔法戦士たちの側は『宝具』と呼んでいるらしい。
「だが、強力なゆえにかなりのレアアイテムなので、そう易々と手に入れられるものではない。赤い亜人も本当はこれを使いたがったが、作戦決行ギリギリまで探しても見つからなかったので諦めたぐらいだ。」
高位な魔族であってもアイテムを作るセンスがなければダメなので、作れる者は自然と限られる。
なので、出回っている首輪を回収してこのように保管しておけば自然と使われる心配も減っていくというわけだ。
「この施設に保管されている首輪は、この箱の中に入っている6つだけか?」
「ああ、そうだよ。正確に言うともう少しあるんだが、完全に破損したりしていて、完品で使用可能なのがこの6つだけだ。」
「破損?お前たちでも修理できないのか?」
「直そうと思えば直せるが、無理に直す意味もないからな。ちなみに、一から作ることも一応は可能だ。もっとも、今すぐに必要というのならばおすすめはできないがな。」
九条曰く、作るのに必要な材料は手に入れるだけなら比較的簡単だが、かなり高価な品が多いとのこと。
それに加えて、作るのに専用の設備を必要とし魔力などもかなり消費する上にお金もかなりかかるので、ここでそんなことをしたら一発でばれるとのこと。
ちょっとずつ消費すればばれる心配はないのだが、その代わりに時間が掛かりすぎるとのこと(下手すると、1年近く掛かるのだとか)
「一から作れればばれることはないかと思ったが、さすがにそんなに待ってはいられないな。しょうがない、これを使うとするか。ちなみに、これを持って行ってばれる心配はないか?」
「それは大丈夫だろう。これらの管理も俺らが一任されているし、ロクにチェックもしていない。適当に作ったレプリカでも置いておけば、問題ないだろうさ。」
それは管理的に良いのだろうかと思わなくもないが、俺にとってありがたいことなのでまあいいか。
「じゃあ、レプリカの作成は頼んだぞ。ちなみに、どの首輪も効果は一緒なのか?」
『服従の首輪』は、服従以外にも他者にそれを明かすことができなくなったり、首輪が本人と契約者以外には見えなくなったりする。
それ以外にも、装着者を常に発情させたりする効果があるのはわかっている。
発情効果に関してはこっちが当初の使用目的だったらしく、服従効果が使えなくても使えるらしい。
「ここにあるものはデフォルトの効果だけだな。他の機能に関しては現時点では搭載されていないぞ。」
「何・・・・他にも機能を追加できるのか?それは初耳だな。」
「まあ、使用目的からして服従効果さえ使えれば問題なく使えるからな。追加機能次第だが、最大で3つまでは追加可能だ。もっとも、できないことも多いからそこは要相談だぞ。」
「それで構わない。選択肢が増えるだけでもありがたいことだ。じゃあ、何が追加できるのか聞かせてもらおうか。」
九条と二人で追加可能な機能を話し合うのだった。
~第8話・完~
ひとりじゃできないもん!!
後付けで色々と設定できる、便利ですよね。