戦う正義のヒロイン敗北もの作品集 作: 霜月ナル(元Hpinch_like)
今回はワルキューレの冒険からワルキューレです。
古い作品ですが、いまだ人気のあるキャラクターでちょこちょこ色んな作品にゲスト出演したりしてるので、若い人でも知ってる人は多いんじゃないでしょうか?
私は戦乙女という存在をヴァルキリープロファイルで知ったタイプなので、どちらかというと戦乙女(戦女神)といえばレナスなタイプ。
ですが、ワルキューレもシンプルながらかっこカワイイデザインで好きです。
禍々しい瘴気が満ちるゾウナの城。その最奥で、神の子ワルキューレは対峙していた。マーベルランドを闇に覆う元凶、悪の化身ゾウナと。
「ゾウナ! あなたの好きにはさせない!」
黄金の髪を三つ編みに束ね、緑の甲冑に身を包んだ戦乙女は、聖なる剣を構え、決然と言い放つ。しかし、その声はかすかに震え、表情には焦りと疲労の色が濃く浮かんでいた。
ゾウナは不気味な静けさで佇んでいる。人々の心に巣食う悪意そのものであるこの魔王への、物理的な攻撃はほとんど意味をなさない。ワルキューレが渾身の力で放つ剣撃は、確かに魔王の体を捉え、闇色のオーラを切り裂く。光の魔法が炸裂し、一瞬、ゾウナの姿がかき消える。だが、次の瞬間には、嘲るかのような歪んだ笑みを浮かべ、傷ひとつない姿で再び現れるのだ。その繰り返しが、ワルキューレの体力と精神力を容赦なく削っていく。
「くっ……!」
ゾウナが放つ闇の弾丸を、ワルキューレは盾で弾く。衝撃が腕を痺れさせ、甲冑の上からでも重い一撃が伝わる。さらに、足元から伸びる影の触手が執拗に絡みつき、動きを封じようとする。必死に剣で薙ぎ払うが、切り裂かれた影はすぐに再生し、休む間を与えてくれない。
(なんてこと……。これではきりがない! 神の力をもってしても、この不死身の悪意には……!)
激しい息切れがワルキューレを襲う。肩で息をしながら、盾を構え直す。聖なる力で身を守ってはいるが、ゾウナの放つ瘴気はじわじわと彼女の体を蝕んでいた。肌が粟立ち、内側から冷えるような感覚。神聖な存在である彼女にとって、この邪気は毒そのものだ。
(サンドラ……。みんな……。どこにいるの……? 約束したはず……!)
本来であれば、この窮地に駆けつけてくれるはずの仲間たちの気配が、どこにも感じられない。脳裏に浮かぶのは、共に戦うはずだった仲間たちの笑顔。その希望が、今はかえってワルキューレを苦しめる。悪に心を染められた者もいると聞く。だが、それでも、誰かがこの絶望的な状況を打開する鍵を届けてくれると信じていた。
しかし、期待は無情に裏切られた。援護の光は差し込まず、ワルキューレの周囲には、ただゾウナが生み出した魔物たちが嘲笑うかのように蠢くだけだ。希望が潰える感覚が、じわりと心を侵食していく。
その一瞬の心の揺らぎ、絶望の兆しを、ゾウナは見逃さなかった。
「無駄だ、神の子よ。お前の光も、もはやここまでだ。その顔……希望が潰える様は実に愉快よな」
重く響く声と共に、これまでとは比較にならないほどの強大な魔力が渦を巻き、ワルキューレを襲う。漆黒の雷、魂を凍らせる冷気、あらゆる負のエネルギーが凝縮された奔流が、彼女の小さな体に叩きつけられた。
「があっ……! きゃあああっ!!」
悲鳴が迸る。聖なる盾は激しい光を放ちながらも、ついに耐えきれずに砕け散った。防御を失ったワルキューレの体を、闇の力が蹂躙する。甲冑が軋み、ひび割れ、焼けるような痛みと骨が砕けるような衝撃が全身を貫いた。
吹き飛ばされ、床に叩きつけられたワルキューレは、咳き込みながら血を吐いた。視界が赤く染まり、激しい耳鳴りが思考を奪う。手足は鉛のように重く、指一本動かすことすら億劫だ。愛用の剣が、震える手から滑り落ち、虚しく床を転がった。
(……うそ……。手も足も出ずに……負ける……?)
朦朧とする意識の中、ワルキューレはゆっくりと近づいてくるゾウナの禍々しい影を見上げた。それは、マーベルランドを覆う闇の深さと、自身の絶対的な敗北を告げる、冷たく、重い絶望の色をしていた。仲間は来ない。打つ手もない。希望は砕かれ、力も尽きた。神の子は、悪の化身の前に、ただ無力に打ち捨てられようとしていた。
――ワルキューレの敗北は、マーベルランドにとって決定的な終焉の始まりだった。希望の光であった神の子が倒れたことで、世界は急速に闇に飲み込まれていった。空は厚い暗雲に覆われ、太陽の光は届かず、大地からは生命力が失われていく。さらにゾウナは、マーベルランドに残された最後の希望をも打ち砕かんと、その邪悪な力をもって、神々が住まう天上界と地上を結ぶ道を意図的に断ち切ったのだ。天からの奇跡も、神の助力も、もはや望むべくもない。人々は完全に孤立させられ、深い絶望の淵へと突き落とされた。
……どれほどの時間が経ったのか。
冷たい石の感触と、体の節々の痛みで、ワルキューレは意識を取り戻した。最後に見た、自分を見下ろすゾウナの禍々しい姿が脳裏をよぎり、はっと身を起こす。
そこは薄暗い牢獄だった。湿った空気、錆びた鉄格子、そして満ちる邪悪な気配。砕けた盾も、手放してしまった剣も見当たらない。
(……こんなところに……!)
屈辱と怒りに身を震わせながら、ワルキューレは立ち上がろうとした。しかし、体に力が入らない。神の子としての強大な力、人々を救うために授かった聖なるエネルギーが、まるで湧いてこないのだ。
(なぜ……? 私の力が……?)
混乱しながら自分の体を見回し、ワルキューレは息を呑んだ。首に、冷たく重い感触があった。そこに嵌められていたのは、無骨な鉄製の首輪。表面には、見るもおぞましい、邪悪なルーン文字がびっしりと刻まれている。オークのような下級の魔物にすら使われることがあるという、力を封じるための呪具。それが、神の子である自分の首にはめられている。
「……っ!」
この首輪が、女神としての力を根こそぎ奪い去っているのだ。今の彼女は、特別な力を持たない、ただの非力な女に過ぎなかった。脱出しようにも、鉄格子を破壊するどころか、曲げることすらできそうにない。絶望的な状況を改めて突きつけられ、ワルキューレは唇を噛みしめた。
その時、牢獄の奥から、重い足音が響いてきた。現れたのは、悪の化身、魔王ゾウナ。その姿からは、世界を支配したことによる傲慢さと、揺るぎない邪悪さが滲み出ている。
ゾウナは鉄格子の前に立ち、牢の中のワルキューレを値踏みするように見下ろした。
「……目覚めたか、神の子よ。無様だな。だが、その瞳の光はまだ失われておらぬか」
嘲るような口調。しかし、その瞳の奥には、計算高い熱が宿っていた。
「お前の力は惜しい。だが、それだけではない」ゾウナは続ける。「天上界への道を我が閉ざしたとはいえ、いずれは天上界そのものへ攻め入るつもりだ。その時、貴様は強力な戦力となるだろう。天上界の内情を知る情報源としても価値がある。そして何より……神に仕えし乙女騎士が我が軍門に下ったとなれば、天上の者どもや、まだ僅かに残る地上の愚か者どもが、どれほど絶望し、動揺するか。考えただけでも愉快ではないか?」
「……ワルキューレよ、私のものになれ。さすれば、この忌々しい首輪を外し、相応の地位と、新たな役割を与えてやろう」
それは、単なる力の勧誘ではなく、彼女の存在そのものを利用し尽くそうという、冷徹な戦略に基づいた提案だった。
しかし、ワルキューレは顔を上げた。その青い瞳には、恐怖や絶望ではなく、燃えるような怒りと、決して屈しない意志の光が宿っていた。
「……断る。この身がどうなろうと、悪に……貴様のような存在に、利用されるつもりも、この魂を売ることもない!」
力は失っても、誇りまでは失わない。ワルキューレは、牢の中から、世界の新たな支配者となった魔王ゾウナを、真っ直ぐに睨みつけたのだった。
ワルキューレの毅然とした拒絶を聞き、ゾウナは喉の奥でククク……と低く嗤った。その音は牢獄の湿った空気に反響し、不気味さを増幅させる。
「威勢だけはいいな、神の子よ。だが、どうやってこの状況を打開するつもりだ? 貴様の信じた仲間とやらは、誰一人として現れなかったではないか。あるいは……既に我が手によって、塵芥と消えたかもしれんぞ?」
ゾウナの言葉は、ワルキューレの心の傷を的確に抉った。仲間たちが現れなかった事実、そして彼らの安否が不明であることへの不安と罪悪感。ワルキューレは思わず苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、唇をきつく結んだ。しかし、ここで弱さを見せることは、誇り高き戦乙女の名を穢すことになる。彼女は再び顔を上げ、怒りを込めて魔王を睨み返した。
その、絶望的な状況下にあってもなお折れない強い眼差しに、ゾウナは予想外の興味を掻き立てられた。単なる戦力や情報源としてだけでなく、この気高い魂そのものを穢し、へし折りたいという、昏く、ねじれた欲望が沸き立つのを感じる。
(……面白い。ならば、その誇り、どこまで保てるか試してやろう)
ゾウナがゆっくりと手を掲げると、彼の背後の闇が蠢き、粘つくような音と共に、何本もの漆黒の触手が現れた。それは生き物のようにうねりながら、牢の鉄格子をすり抜け、ワルキューレへと殺到する。
「なっ……!?」
避けようとするが、力を失った体では反応が追いつかない。触手は瞬く間にワルキューレの四肢に絡みつき、抵抗を許さぬ力で締め上げた。
「離しなさい!」
もがくが、触手の拘束はますます強まるばかり。そして、ワルキューレの体はふわりと宙に浮き上げられた。そのまま、まるで磔にでもするように、両手両足がそれぞれ逆方向へと引っ張られ、大の字に固定される。
さらに、その体勢のまま体が回転させられ、無防備な股間が、鉄格子の向こうにいるゾウナへと向けられる形になった。
「……!」
甲冑の一部は砕け、はだけた部分から覗く白い肌。そして、意図的に晒された下半身。予期せぬ屈辱的な体勢に、ワルキューレの顔は羞恥と怒りで真っ赤に染まった。神聖なる戦乙女が、魔王の前で、なすすべもなく辱めを受けている。その事実は、彼女の心を深く傷つけた。
ワルキューレが屈辱に身を震わせていると、鉄格子の向こうにいたゾウナが、音もなくスッと牢獄の中へと侵入してきた。まるで影が形を得たかのように、その動きには一切の物理的な抵抗を感じさせない。魔王はゆっくりと、宙に吊られたワルキューレへと近づいてくる。
その目に宿るのは、先ほどの計算高さとは違う、ねっとりとした昏い光。まるで品定めでもするかのように、触手に拘束され、なすがままになっているワルキューレの体を、頭の先から爪先まで舐めるような視線で眺め回す。力なく晒された白い肌、羞恥に染まる頬、そして恐怖と怒りに揺れる瞳。その全てが、ゾウナの歪んだ支配欲を刺激した。
ゾウナは満足げに口元を歪めると、徐にその手をワルキューレの胸元へと伸ばした。ひび割れ、一部が砕けていた緑色の胸甲に指をかけると、力を込めて引き剥がす。バリバリという嫌な音と共に、乙女を守っていた最後の鎧が剥ぎ取られ、その下にあった豊満な双丘が無防備に露わになった。
「きゃあっ!?」
思わず、甲高い悲鳴がワルキューレの口から漏れた。異性はおろか、他者にこのような形で肌を、ましてや胸を晒すことなど、彼女の経験にはなかった。神々に仕える戦乙女として、清らかさを保ってきた彼女にとって、それは耐え難い屈辱であり、恐怖だった。敵である魔王に、自身の最も柔らかな部分を見られている。その事実は、羞恥でワルキューレの全身を焼き尽くすかのようだった。
魔王ゾウナは、ワルキューレの羞恥と怒りに染まった表情を愉しむように眺めた後、その露わになった豊満な胸へと手を伸ばした。ひんやりとした、命の温もりを感じさせない指先が、柔らかな膨らみに触れる。
「ひゃっ!?」
突然の冷たい感触と、肌を撫でる異質な感覚に、ワルキューレの体がびくりと震えた。それは恐怖と拒絶からくる反応だったが、同時に、これまで経験したことのない未知の刺激でもあった。
「フン……。やはり、ただの小娘か」
そのあまりにも生娘(うぶ)な反応を見て、ゾウナは鼻で笑った。神の子、戦乙女と勇ましく振る舞ってはいても、その実は男に触れられたことすらないのだろう。その純粋さが、今はただ無防備な弱点となっている。
「……っ!」
嘲笑われ、ワルキューレは顔を真っ赤に染めてゾウナを睨みつけた。できることなら、その不遜な顔に一撃を加えてやりたい。だが、体は触手に固く拘束され、力も奪われている。睨みつけることしかできない自分が、ひどくもどかしかった。
ゾウナはワルキューレの睨むような視線など全く意に介さず、まるで玩具を弄ぶかのように、その胸を揉みしだき続ける。形を変え、押し潰され、指先で硬く尖った先端を弄ばれる。ワルキューレは必死に耐えようとしたが、ゾウナの指は執拗に快楽を引き出そうとするかのように動き続けた。
やがて、ワルキューレの唇から、押し殺そうとしても抑えきれない、吐息のような甘い声が漏れ出し始めた。
「ん……ぅ……」
それは、痛みや苦しみとは違う、体の奥から湧き上がってくるような奇妙な感覚。初めて経験するその感覚に、ワルキューレは戸惑い、混乱していた。屈辱的な状況であるはずなのに、体が勝手に反応してしまう。その事実に、彼女はさらなる羞恥と自己嫌悪を感じずにはいられなかった。
ゾウナは、ワルキューレが自身の体の反応に戸惑い、羞恥に顔を歪める様子を満足げに見つめていた。そして、さらに彼女の心を折ろうと、悪意に満ちた行動を続ける。もみしだいていた手を止め、今度はその長く黒く尖った指の爪を立て、硬くなった乳首の先端をカリカリと悪戯っぽく、しかし執拗にいじり始めた。
「んんっ……!」
それは、先ほどまでの手のひら全体で包み込まれるようなじわりとした快感とは全く質の異なる、鋭く、神経を直接逆撫でするような刺激だった。不快なはずなのに、無視できない強い感覚がワルキューレの体を駆け巡る。まるで意思とは無関係に、体がピクピクと細かく痙攣し、拘束された中で苦しげに身をよじる。
(やめて……! こんな……こんなこと……!)
屈辱と、体の奥から湧き上がる抗えない感覚。その狭間で、ワルキューレは必死に歯を食いしばり、喉の奥で込み上げてくる甘い喘ぎ声を漏らさないように耐えた。ここで声を上げてしまえば、魔王を喜ばせるだけだ。それだけは、絶対に嫌だった。戦乙女としての誇りが、彼女にかろうじて理性の糸を繋ぎ止めさせていた。しかし、その必死の抵抗も、いつまで続くかは分からない。ゾウナの容赦ない刺激は、確実にワルキューレの限界を削り取っていた。
ワルキューレが必死に耐える姿は、ゾウナの嗜虐心をさらに煽るだけだった。魔王はカリカリと弄んでいた爪の動きを止めると、今度はその冷たい指で、硬く尖った乳首を強く抓んだ。
「んっ……!?」
予想外の痛みに近い感覚で、ワルキューレの息が詰まる。だが、ゾウナは容赦しない。抓んだ乳首をくいと強く引っ張り上げると、そのまま爪の根元あたりで、ぐりぃっと抉るように強く刺激したのだ。
「あ゛ぁあッ!!!」
それまでの刺激とは比較にならない、脳髄を直接焼かれるような激しい衝撃が、ワルキューレの全身を貫いた。耐えようとした理性は完全に吹き飛び、彼女の体は意思に反してビクンと大きく仰け反る。声にならない絶叫が喉から迸り、視界が白く点滅した。
それと同時に、体の奥深くで何かが弾けるような感覚が訪れる。ワルキューレはわけもわからぬまま、下腹部にきゅっと力を込めた。次の瞬間、脚の付け根から、じゅわ、と熱いものが溢れ出す感覚があった。薄い下着が急速に濡れていき、生暖かい液体が太ももを伝っていく。
(なに……これ……?)
訳も分からぬまま、初めての絶頂に達してしまったワルキューレは、快楽と屈辱と混乱の奔流の中で、浅い呼吸を繰り返すことしかできなかった。戦乙女は、敵の手によって、未知の快楽の淵へと突き落とされてしまったのだ。
「はぁ……っ、はぁ……、は……」
浅く速い呼吸を繰り返しながら、ワルキューレは呆然としていた。初めての絶頂の余韻と、それが敵の手によってもたらされたという事実に、思考が追いつかない。全身の力が抜け、ただ触手に吊られたまま、焦点の合わない瞳で虚空を見つめていた。
そんな彼女の姿を見て、ゾウナは再びククク……と喉を鳴らして嗤った。誇り高い戦乙女が、己の身体の反応に翻弄され、なすがままになっている。その光景は、魔王にとって何よりの愉悦だった。
ゾウナは嘲笑を止めると、今度はワルキューレの下半身へと手を伸ばした。そして、彼女が身に着けていたスカートの生地を掴むと、力任せに引き裂いた。ビリビリと布が破れ、脚線美があらわになる。
さらにゾウナは、先ほどの潮吹きによってびしょ濡れになり、肌にぴったりと張り付いて秘所の形を浮かび上がらせている下着の上から、その冷たい指を這わせ始めた。濡れた布地の上から、隠された敏感な部分を指先で執拗に、クチュクチュと音を立てるように責め立てる。
「んん……あっ……ぅあ……」
もはや、ワルキューレに喘ぎ声を我慢する力は残っていなかった。くぐもった、それでいて甘い吐息が、抵抗する間もなく唇から次々と漏れ出す。憎き敵から与えられる刺激に、体が、本能が、またしても反応してしまう。自身の未熟さ、体の浅ましさ。それをこれ以上なく思い知らされ、ワルキューレは羞恥と絶望に打ち震えるしかなかった。
ゾウナはワルキューレの甘い吐息と羞恥に歪む表情を愉しみながら、さらに的を絞った刺激を与えることにした。濡れた下着の上から指を滑らせ、布越しでもわかるほどにぷっくりと硬く膨らんだ秘所の一点――ワルキューレのクリトリスを的確に捉え、ねぶるように、押し付けるように指で責め始めた。
「んひぃ!?」
そこは、先ほどの乳首への刺激すら霞むほどの、鋭敏な感覚の奔流を生み出す場所だった。情けないような、それでいて切なさを帯びた悲鳴がワルキューレの口から飛び出し、再び体が弓なりに反る。
「クク……良い反応だ」
ゾウナは低く嗤うと、ワルキューレを拘束していた触手にも命令を下した。数本の触手が蠢き、その先端が器用にワルキューレの胸へと伸びる。剥がされた胸甲の下で無防備に晒されていた双丘を揉みしだき、硬くなった乳首を先ほどゾウナ自身が行ったように、カリカリと、あるいはぐりぐりと刺激し始めたのだ。
「あ……っ、う、ぁ……!」
上からは胸と乳首を、下からは秘所とクリトリスを。同時に責め立てられる感覚に、ワルキューレの思考は完全に麻痺しかけていた。ビクビクと全身が痙攣し、快楽の波が寄せては返す。歯を食い縛り、首を左右に振って何とか意識を保とうとするが、ゾクゾクと背筋を駆け上がってくる抗いがたい感覚は、確実に彼女を次の絶頂へと向かわせようとしていた。
(だめ……! また……あの感覚に達してしまっては……!)
必死に我慢する。これ以上、敵の前で醜態を晒すわけにはいかない。だが、ゾウナと触手による容赦ない責め苦は、ワルキューレのけなげな抵抗を嘲笑うかのように、激しさを増していくばかりだった。
ワルキューレの抵抗が限界に近いことを見て取ったゾウナは、嘲るような笑みを深めた。そして、とどめを刺すかのように、濡れた下着の上から彼女のクリトリスを、今度は指先で強く、ねじるように抓み上げたのだ。
「んんんッ……!!」
それまでかろうじて耐えていた快感のダムが、その一撃で完全に決壊した。脳を灼くような強烈な刺激が全身を駆け巡り、ワルキューレの体は激しく仰け反る。
「イク……! イク……! イクぅううぅ!?」
最後の絶叫と共に、ワルキューレの体はこれまでで最も激しく痙攣し、再び灼熱の奔流が彼女の体からほとばしる。何度も繰り返された強制的な絶頂。もはやワルキューレの体は、この屈辱的な反応を覚えてしまい、絶頂時には潮を噴くのが癖のようになってしまっていた。
激しい絶頂の後、ワルキューレは完全に脱力し、背後で縛られた腕のまま項垂れていた。浅い呼吸を繰り返し、口の端からは無意識に涎が垂れ下がり、糸を引いている。焦点の合わない瞳は虚空を見つめ、ただ呆然としているようだった。
(また……してしまった……。それに、あんな……はしたない言葉まで……)
昨日に続き、今日も憎き敵の手によって快楽の淵に落とされ、あまつさえ教えられた言葉を叫んでしまった。その事実が、ワルキューレの心に重くのしかかる。じわじわと込み上げてくる羞恥で頬が熱くなり、屈辱に顔が歪んだ。
ワルキューレがそんな自己嫌悪に陥っていると、いきなり背後から強い力で背中を押された。
「うぐっ!?」
不意を突かれ、ワルキューレの体は前のめりになる。膝立ちの状態から、腰が持ち上がり、尻を高く突き出すような、屈辱的な格好にさせられてしまった。
そしてゾウナは追い打ちをかけるように、何度も潮を噴いてびしょ濡れになったワルキューレの下着の生地を指で引っ掛けると、乱暴に横へとずらして隠されていた秘所を完全に露わにした。赤みを帯び、濡れて艶めく粘膜が、薄暗い牢獄の中で無防備に晒け出される。
ゾウナは、無防備に晒されたワルキューレの秘所を、品定めするかのようにまじまじと観察した。そして、先ほどの絶頂で再び濡れそぼったその入り口の具合を確かめるように、無遠慮に指を滑らせる。
充分だと判断したのか、ゾウナは自身の腰元の衣服を寛げ、禍々しい熱気を放つ自身の男根を露わにした。
それを目にした瞬間、ワルキューレはヒッと息を呑み、顔面が蒼白になった。目の前で誇示されるソレは、ただ太く長いだけではない。表面はまるで岩のように硬質で、血管が浮き出し、醜いイボのようなものがいくつも付いている。先端のカリ首も深く抉れており、生物のそれというよりは、まさに人を傷つけ、破壊するためだけに存在する凶器のようなおぞましい代物だった。
そしてワルキューレは、かつて天上界で生命の神秘について学んだ際の知識を思い出す。男根。それがどのように使われるものなのか……。これから自分が何をされようとしているのかを悟った瞬間、恐怖が全身を支配した。
「いや……いやぁっ!」
考えるより先に体が動いていた。腕は縛られたままだが、必死に膝を使って後ずさり、なんとかその場から這って逃げようとする。しかし、ここは牢獄の中。逃げ場などあるはずもなかった。
すぐにゾウナに足首を掴まれ、いとも簡単に引き戻される。そして抵抗する間もなく、尻を高く突き上げられた後背位の体勢で、ゾウナの巨大な男根が、濡れた秘所の入り口へと宛がわれた。
「や……やめて……! そんなもの……入らない……!」
恐怖と痛みへの予感から、ワルキューレは必死に懇願する。だが、魔王がその訴えを聞き入れるはずもない。ゆっくりと、しかし有無を言わさぬ力で凶器のような巨根が、未だかつて誰も受け入れたことがないワルキューレの狭い入り口を、無理やりこじ開けるようにねじ込まれていく。
「あああああーーーっっっ!!!」
肉が裂けるような激しい痛み。処女の薄い膜が破れ、内部の柔らかな壁が巨大な異物によって押し広げられる感覚。ワルキューレは、それまでの人生で経験したことのない激痛に、絶叫を上げるしかなかった。
ワルキューレの絶叫も懇願も、魔王ゾウナの行為を止めることはない。彼の凶器のような巨根は、処女の薄い膜を無慈悲に破り、さらに奥へ奥へと突き進んでいく。狭い産道を無理やり押し広げ、ついには行き止まりである子宮口に突き当たり、それでもなお止まらずにワルキューレの子宮そのものを引き伸ばしていくかのような圧迫感を伴って、ようやくその根元まで埋め込まれた。
ゾウナの巨根が完全に内部を占拠すると、ワルキューレの下腹部は、その男根の形が外からでもわかるほどに、ぽっこりと不自然に膨らんでいた。
「ひぃ……ひぃ……っ……!」
ワルキューレは大きく目を見開いたまま、息も絶え絶えに喘いでいた。体が内側から引き裂かれ、異物によって満たされる激痛と圧迫感。それは、これまでのどんな傷や苦しみとも比較にならない、耐え難い苦痛だった。意識が飛びそうになるほどの痛みに、もはや戦乙女としての誇りを保つ余裕など欠片もなく、ただみっともなく懇願の言葉を繰り返す。
「ぬ、抜いて……お願い……抜いてぇ……!」
涙と涎でぐしゃぐしゃになった顔で、ただただ苦痛から逃れたい一心で、彼女は魔王に懇願し続けるしかなかった。
ワルキューレの必死の懇願を聞いたゾウナは、一瞬、その要求に応えるかのようにゆっくりと腰を引き始めた。巨根が体内から少しずつ引き抜かれていく感覚にワルキューレは(もしかしたら、抜いてくれるのかもしれない……)と淡い、しかし切実な期待を抱いてしまう。
だが、魔王がそんな情けをかけるはずがなかった。
ある程度まで巨根を引き抜くと、ゾウナは次の瞬間、ワルキューレの期待を嘲笑うかのように、再び力強く腰を突き入れた。狙いすましたかのように、先ほどと同じ子宮の奥深くを抉るように突き上げる。
「んひぃぃいい!?」
再び内側から体を貫かれる激痛と衝撃に、ワルキューレは甲高い悲鳴を上げた。抜いてくれるという期待が打ち砕かれた絶望も相まって、涙が止めどなく溢れ出す。
そして、ゾウナは容赦なく腰の動きを開始した。最初はゆっくりと、しかし確実に、ワルキューレの体内で巨根を往復させ始める。その動きは、徐々に、徐々に速度を増していき、ワルキューレはただただ激痛と屈辱の中で、魔王のなすがままに体を揺さぶられるしかなかった。
ゾウナの腰の動きは、留まることを知らなかった。最初はゆっくりとした往復だったものが、徐々に激しさを増していく。ワルキューレの尻を掴む手に力が入り、巨根が肉の壁を抉るように突き上げられる度に、パァン! パァン! と湿った肌と肌がぶつかり合う、生々しい音が昏い牢獄に響き渡った。
最初はただ、裂けるような痛みと、内臓を圧迫される苦しさだけだった。しかし、あまりに強い苦痛が長く続いたせいか、ワルキューレの脳はその壊れそうな心を守るために徐々に痛覚を麻痺させ、それを歪んだ快楽へと変換し始めていた。
さらに、ゾウナの巨根の表面にあるおぞましいイボイボが、動く度にワルキューレの内部の敏感な一点――Gスポットを執拗に擦り上げていく。その度に、ワルキューレの体には、もはや痛みとは認識できない、強烈な快感が奔流のように駆け巡るようになっていた。
(あ……ぁ……いや……なのに……なんで……?)
痛みはない。あるのは、ただ脳髄を痺れさせるような快感だけ。憎き魔王に、凶器のようなもので貫かれ、蹂躙されているというのに、体がそれに喜んでしまっている。頭のどこか冷静な部分が、こんな責め苦で快感を得てしまう自分は、もう異常なのだと思ってしまう。
(嫌っ!? こんなのは……私じゃない!! 誰か……! 誰か助けてぇ……!!)
心の中では、必死に叫び続けていた。助けを求め、この悪夢のような現実を否定しようと。だが、その悲痛な叫びが、外の世界に届くことはなかった。
魔王ゾウナによる執拗な責め苦は、ついに最高潮に達した。ワルキューレの体は快感に完全に支配され、もはや意味のある言葉を発することもできず、「おっ……おっ、おぉぉ……」と情けない喘ぎ声を漏らすだけだった。抵抗する力も、思考する力も、全てが快楽の奔流に押し流されていく。
その様子を見て、ゾウナは勝利を確信したかのように、あるいは己の絶頂を宣言するかのように叫んだ。
「いくぞ! ワルキューレ! 我が子種……その身で、受け止めよぉっ!!」
その言葉の意味――これから自分の体の中で何が起きるのかを理解してしまった瞬間、ワルキューレの心にかろうじて残っていた理性が、最後の抵抗を見せた。
「いやあああああ! やめてええぇぇっ!!」
最後の力を振り絞り、喉が張り裂けんばかりに拒絶の言葉を泣き叫ぶ。だが、その悲痛な叫びが魔王に届くことはなかった。
無情にも、ゾウナの腰が大きくしなり、灼熱の塊のようなものがワルキューレの体内に撃ち込まれる。ゾウナは低く呻きながら、そのおぞましい巨根からドクドクと脈打つように、大量の精液をワルキューレの子宮の奥深くへと注ぎ込んだのだった。
大量の濃厚な精液を子宮の奥深くに注ぎ込まれた結果、ワルキューレの下腹部は、まるで何かを孕んだかのように、ぽっこりと不自然に膨らんでしまっていた。激しい快楽の奔流と腹部を内側から圧迫される苦しさに、ワルキューレは完全に意識を手放しかけており、白目を剥いたまま開いた口からはだらしなく唾液が糸を引き、石の床へと広がっていく。
やがて射精を終えたゾウナが、満足げにワルキューレの体内から己の巨根を引き抜き始めた。しかし、その深いカリ首が内部で引っかかり、抜ける際に子宮口を巻き込むような形になってしまう。結果、ワルキューレの膣の一部が、体外へとめくれ上がるように飛び出してしまった。
ゾウナは腹を膨らませ、白目を剥き、さらに膣まで飛び出してしまったワルキューレの無様な姿を、昨日と同じように懐の水晶玉へと記録した。その陵辱的な記録を終えると、今度は飛び出してしまった膣へと手をかざし、魔術によって元の状態へと乱暴に押し戻した。
そして、ぐったりと床に倒れ伏しているワルキューレの頭を無造作に掴むと、力ずくで持ち上げ、未だ開かれたままの彼女の口へ自身の巨根を容赦なく突っ込んだ。
「んぐぉっ……!?」
突然口の中に押し込まれた巨大な異物の感触に、意識が朦朧としていたワルキューレも、さすがに驚愕で目を白黒させる。しかし、ゾウナはそんな反応に構うことなくワルキューレの頭を掴んだまま、激しく腰を動かし、いわゆるイラマチオを始めた。
巨根が抵抗する間もなく喉の奥深くへと突き込まれ、気道を塞がれる。呼吸ができない。ワルキューレは苦しさにもがき、必死に空気を求めようとするが、ゾウナが腰を引いた一瞬に僅かな空気が入るだけで、すぐにまた奥まで突っ込まれて息ができなくなる。まるで性処理用の玩具のように、ただ魔王の巨根を扱くためだけの穴として、神の子はその口を使われていた。
ゾウナは一見すると、ただ容赦なくワルキューレの口内を陵辱しているように見えた。しかし、その実、彼はワルキューレが完全に意識を失わないよう、呼吸困難に陥ってもギリギリで意識を保てる程度には、わずかに加減をしていた。意識がない状態でいくら体を弄んでも、この気高い戦乙女の精神を徹底的に追い詰めることはできないからだ。苦痛と屈辱を、はっきりとした意識の中で味わわせることこそが、ゾウナの目的だった。
だが、いくら加減しているとはいえ、繰り返される窒息寸前の苦しみにワルキューレの声にならない呻きは次第に小さくなり、体の抵抗も弱まっていく。流石にそろそろ限界かと感じたゾウナは、タイミングを見計らい、ワルキューレの口内奥深くへと自身の精液を解き放った。
先程あれだけの量を膣内に注ぎ込んだばかりだというのに、魔王の精力は衰えを知らないのか、変わらずどろりとした濃厚な精液が、大量にワルキューレの口の中へと吐き出される。
「んぐ……! ごふっ……!」
あっという間に熱い液体がワルキューレの口内を満たし、抵抗する間もなく喉を通り、胃の中へと流し込まれていく。それでも溢れた分は口の端から零れ落ち、さらに一部は鼻腔へと逆流し、ピュッと音を立てて鼻の穴からも白濁した液体が飛び出して、彼女の無様さを一層際立たせた。
やがてゾウナが満足し、ぐったりとしたワルキューレの口から己の巨根を引き抜くと、まだ勢いの収まらない精液が辺りに飛び散りってワルキューレの顔や胸、そして床にまで白い染みを作っていく。もはや彼女の体は、魔王の汚濁によって、完全に染め上げられてしまっていた。
膝立ちで呆然とするワルキューレの足下から、先ほどの白濁した液体とは違う、黄色い液体がじわじわと広がり始めていた。繰り返された苦痛と恐怖、そして喉奥を塞がれたことによる窒息寸前の状態が、彼女の体の箍(たが)を完全に緩ませてしまったのだ。ワルキューレは、失禁してしまっていた。誇り高き戦乙女として、あるまじき失態だった。
ゾウナは当然のように、その瞬間も見逃さなかった。水晶玉を取り出し、精液と尿にまみれて呆然とするワルキューレの姿を、冷徹に記録する。
記録を終えると、ゾウナはワルキューレの背後で腕を縛っていた魔力のワイヤーを、こともなげに霧散させた。拘束が解けて完全に支えを失ったワルキューレは、もはや体勢を保つこともできず、自身の排泄物と魔王の汚濁の中にぐしゃりと倒れ込む。
ゾウナはそんなワルキューレを一瞥すると、またしても新たな記録が追加された水晶玉を、彼女の傍らに無造作に転がし、音もなく牢獄から姿を消した。
この後、ワルキューレが再び意識を取り戻した時、またしても彼女を待っているのは絶望だけだろう。傍らに置かれた水晶玉で、自身の失禁という新たな醜態を含めた陵辱の一部始終を見せつけられ、さらに精神的に追い詰められる。そして、昨日と同じように、あの精液のかかった「食事」を無理やり食べさせられるのだ。
抵抗する意志はまだ残っていても、心と体は確実に蝕まれていく。ゾウナの仕掛けた、終わりの見えない屈辱と陵辱の繰り返しの中で、ワルキューレの精神は、少しずつ、しかし確実に、闇へと引きずり込まれていくのだった……。
――それから数日間、ワルキューレにとって地獄のような日々が繰り返された。昼夜の区別なくゾウナは現れ、その体を嬲り、汚し、時には魔物たちにまで辱めさせることもあった。食事は決まってあの精液のかかったパンと水。ワルキューレは何度も吐き気を催し、涙を流しながらも、生き延びるためにそれを胃へと流し込み続けた。陵辱の記憶は水晶玉によって繰り返し見せつけられ、彼女の精神は確実に疲弊し、蝕まれていった。それでも……それでも、心の奥底で燃える、人々を救うという使命の炎だけは、かろうじて消えずに残っていた。魂の最後の一線だけは、まだ魔王に明け渡してはいなかった。
そんなある日、いつものように牢獄の床で蹲っていたワルキューレのもとに、複数の魔物が現れた。抵抗する間もなく、彼女の体は再び魔力の枷で拘束され、牢獄の外へと引きずり出される。どこへ連れて行かれるのか。不安に駆られるワルキューレの前に、道中、新しい衣服が投げ渡された。それは、かつて彼女が身に纏っていた緑色の甲冑と、白い衣に酷似したものだった。しかし、手に取ってみるとすぐにわかる。鎧は形こそ似ているが、金属ですらない安物で、何の加護も宿っていない。ただの模造品、見せかけだけの装備だった。
言われるがままに服を着替えさせられ、魔物たちに連れて行かれた先は、城下の広場だった。そこには急ごしらえのステージが作られており、その前には、まだゾウナの支配下で生き延びていたマーベルランドの人々が、怯えた様子で集められていた。
ワルキューレがステージの上に押し上げられると、高らかな声が響き渡った。魔王ゾウナだ。
「マーベルランドの愚かな民よ! そして、かつての英雄ワルキューレよ! よく聞け!」
ゾウナは集まった人々を見回し、宣告する。
「これより、このワルキューレと我が精鋭たる部下どもを、このステージで戦わせる! もし万が一にも、この女が勝てたのならば……特別に貴様らを見逃して解放してやろう!」
その言葉に、人々の中から僅かな、しかし確かな希望のどよめきが起こる。ワルキューレは民衆の前に立たされ、模造品の剣と盾を渡された。彼女の目の前には、見るからに凶悪な魔物たちが複数、ゆらりと立ちふさがる。
(戦う……? でも、この首輪が……!)
ワルキューレは剣と盾を構える。しかし、首にはあの忌々しい、力を封じる首輪が嵌ったままだ。神の力は使えず、身体能力も著しく低下している。これでは、ただの非力な女と変わらない。
案の定、戦いが始まると、ワルキューレは魔物たちの猛攻になすすべもなかった。剣で攻撃を受け止め、盾で打撃を防ぐ。それだけで精一杯。手も足も出ず、完全に防戦一方だ。
ステージの下の人々は、最初は必死にワルキューレの名を呼び、応援していた。しかし、彼女が明らかに劣勢で、ただ打ちのめされるのを待つだけのような状況を目の当たりにするうちに、その声援は次第に小さくなり、やがて広場は重苦しい沈黙に包まれていった。人々の目に宿っていた希望の光も、再び絶望の色へと変わっていくのが、ワルキューレにも痛いほどわかった。
ワルキューレは必死だった。力を失った体で、それでもなお神の子としての意地だけで魔物たちの攻撃を逸らし、躱し続ける。しかし、多勢に無勢、そして何より力の差は歴然としていた。ついに一体の魔物が繰り出した重い一撃を盾で受け止めきれず、ガラ空きになった腹部へと強烈なパンチがめり込んだ。
ドォン!!と鈍い音が響き、ワルキューレの体は「く」の字に折れ曲がる。
「おごぉぉぉぉ!?」
内臓を直接殴られたような衝撃に、胃の内容物が逆流し、ワルキューレはその場で無様に嘔吐してしまった。
だが、魔物たちは休む間を与えない。別の、鞭を持った魔物が、嘔吐して苦しむワルキューレに近づき、容赦なくその体を滅多打ちにし始めた。ひゅう、と風を切る音と共に鞭がワルキューレの白い肌を打ち、瞬く間に模造品の衣服はボロボロに引き裂かれ、肌には痛々しいミミズ腫れが何本も刻まれていく。
「あ……ぐ……ぅ……」
もはや声も上げられず、ふらふらになったワルキューレ。そこへ、一際体格の大きな、筋肉隆々の魔物が狙いを定め、走り込んできた。そして、渾身の力を込めたラリアットをワルキューレの首元へと叩き込んだのだ。
「んごぉ!?」
短い悲鳴と共に、ワルキューレの体はステージの床へと叩きつけられ、動かなくなった。ただ、手足がピクピクと小さく痙攣しているだけだ。ラリアットを放った魔物は、倒れたワルキューレの頭髪を無造作に掴むと、ぐいと持ち上げ、集まった人々へとその無様な姿を見せつけるように掲げた。
その直後、ワルキューレの股間から液体が流れ出した。黄色い小便が、ステージの床へとじわじわと広がっていく。
嘔吐し、鞭打たれ、打ちのめされ、失禁する。かつての希望の象徴であった戦乙女の、あまりにも無様で、惨めな姿。それを見た人々は、完全に打ちのめされた。
「そんな……ワルキューレ様が……」
「嘘だろ……?」
「なにが戦乙女だ……ただのクソザコじゃねえか……!」
僅かに残っていた希望は、侮蔑と絶望へと変わった。広場は再び、ワルキューレが初めて敗北したあの日と同じ、重く、救いのない沈黙に支配されたのだった。
決着はついた。ワルキューレが失禁し、完全に戦闘不能となったのを確認すると、ゾウナは再び高らかに宣言した。
「残念ながら、貴様らの希望であったワルキューレは無様に負けてしまった! ……だが、慈悲深い私は貴様らに最後のチャンスをやろう!」
ゾウナはワルキューレの頭を掴んでいた魔物に目配せする。魔物は心得たとばかりに、ぐったりとしたワルキューレの体を無造作に掴むと、ステージの上から人々が集まる広場へと、ゴミでも捨てるかのように投げ捨てた。
「う……」
地面に叩きつけられた衝撃で、ワルキューレはわずかに呻き声を上げる。ゾウナは続ける。
「その無様に負けたワルキューレに、お前たちが罰を与えろ! 好きにするがいい……ただし、殺すことだけは許さん!」
その言葉に人々は戸惑い、顔を見合わせていた。自分たちが信じ、応援していた相手を罰するなど……。しかし、恐怖と絶望、そして責任転嫁の心理が、彼らの倫理観を麻痺させるのに時間はかからなかった。群衆の中から、一人の男が叫ぶ。
「死にたくねぇなら、やるしかねぇだろうが!」
その言葉を皮切りに、男は気絶しかけているワルキューレに覆いかぶさると、自身の昂った男根を、彼女の秘所へと乱暴に突き入れた。
「ぎ……!?」
突然の新たな痛みに、ワルキューレの意識が覚醒する。しかし、目の前の光景が理解できない。魔物と戦っていたはずなのに、なぜ? なぜ守るべきはずの人々が、自分を……?
混乱するワルキューレをよそに、最初の男に釣られるように、別の男がワルキューレの口を無理やりこじ開けて己のものを押し込み、また別の男は尻の穴へと自身の男根を突き立てる。さらには、力なく投げ出された彼女の両手に、自身の男根を握らせて扱かせ始める者まで現れた。
ワルキューレを見下ろす人々の目には、もはやかつての尊敬の色はない。あるのは、裏切られたという怒り、自分たちの不幸を押し付ける憎悪、そして、恐怖から逃れるための歪んだ欲望だけだった。
「てめぇが……! てめぇがちゃんと勝ってりゃ、こうはならなかったんだよ!」
「そうだ! なにが戦乙女だ! この役立たずが!」
人々はワルキューレを罵りながら、己の欲望をぶつけていく。
(違う……! 私は、みんなを助けようと……! なんで……なんでこんなことに……!)
ワルキューレの心は、絶望に染まっていく。痛み、屈辱、そして、信じていた人々に裏切られたという悲しみ。
やがて、最初にワルキューレを犯していた男たちが、一斉に獣のような唸り声を上げた。膣内、口内、そして尻の穴へ。さらには体の外側へも。おびただしい量の男たちの精液が、同時にワルキューレの体の中と外を汚していく。その凄まじい感覚の奔流に、ワルキューレの体はまたしても抗えず、不本意な絶頂を迎えてしまう。
「……っ!?」
その様子を見た男たちは、さらに罵声を浴びせた。
「おい見ろよ! こいつ、俺たちに犯されてるのにイキやがったぜ!」
「とんだアバズレじゃねえか! くそっ!」
そして、一人が終われば、また次、と。
「おい、次は俺だ!」
「どけ! 俺にもやらせろ! 死にたくねぇんだよ!」
人々は、我先にとワルキューレの体に群がり、入れ替わり立ち替わり、彼女を犯し続けていくのだった。
――朝から始まったワルキューレへの「罰」は、夜まで延々と続いた。空は常に厚い暗雲に覆われているため日の光そのものは届かないが、それでも僅かな明るさの変化が、おおよその時間の経過を示していた。広場に集められた男たちのほとんどが、入れ替わり立ち替わり彼女を犯し尽くした頃、ようやくその狂乱は終わりを迎えた。
最後にワルキューレを犯し終えた男が離れていくと、そこにはもはや「戦乙女」の面影など微塵もない、ひとりの壊れた人形が残されていた。衣服は完全に引き裂かれ、体は夥しい量の精液と自身の排泄物、そして流れた血で汚れている。異臭が漂い、口や秘所、そして肛門からは、受け止めきれなかった精液がだらしなく垂れ流されていた。瞳からは完全に光が失われ、ただ虚空を見つめ、「……な……んで……」とかすれた声で何かをブツブツと呟き続けている。
一方、ワルキューレを犯し終えた人々は、安堵と達成感に満ちた表情を浮かべていた。「これでオレ達は助かったんだ!」「あの女が罰を受けたんだからな!」口々に喜びの声を上げ、魔王ゾウナへと向き直る。
そんな彼らを見て、ゾウナは満足げに頷いた。
「ワルキューレへの刑罰、ご苦労だった。貴様らの、生き汚さ、醜さ、実に愉快であったぞ。さて、お前達を見逃すという話だが――」
ゾウナがそう言いながらゆっくりと手を翳すと、広場に変化が起きた。喜びに沸いていた人々から、ふっと何かが抜け落ちるように、魂が失われていく。次々と人々はその場に崩れ落ち、生気を失っていくではないか。
「な、なんで!? 見逃してくれるって……! 約束じゃ……!」
まだ立っていられる者たちが狼狽え、叫ぶ。しかし、ゾウナは冷ややかに嗤うだけだった。
「フン、最後のチャンスをやるとは言った。だが、『見逃す』とも『命を助ける』とも、私は一言も言っておらんぞ?」
絶望的な裏切り。死にゆく人々は、恐怖と後悔に泣き叫びながら、本能的に助けを求めた。自分たちが散々犯し尽くした、地に伏せるワルキューレに向かって。
「ワルキューレ様!」「助けてくれ!」「俺たちが間違ってた!」
地に倒れ伏し、虚空を見つめていたワルキューレは、その声に反応したのか、ほんの僅かに、チラリと人々の方へ視線を向けた。だが、それだけだった。その瞳に感情はなく、何の行動も起こさない。
やがて、広場に集められ、ワルキューレを犯した人々は、最後の一人に至るまで全員の魂を奪われ、絶命した。死体の山と、汚されたワルキューレだけが残された静寂の中、ゾウナはゆっくりとワルキューレに近づき、その耳元で囁いた。
「人間の愚かさ、醜さ……これで思い知っただろう? 貴様が守ろうとしたものは、所詮この程度の存在よ」
ゾウナはさらに追い討ちをかけるように、最後の誘いをかけた。
「さぁ、ワルキューレよ。人間の愚かさは見届けたな? もはや守る価値など無い。共に天上界をも蹂躙し、この歪んだ世界を一度破壊して、我らの手で正しく作り直そうではないか!」
闇の世界への誘い。全てを破壊し、新たな秩序を築くという、魔王からの甘美な囁き。魂の底まで汚され、信じていたもの全てに裏切られたワルキューレは……。
――数週間後。
天上界では、地上を覆う闇が日に日に濃くなり、ついに地上を観測することすらできなくなっていた。神々の長である大女神は、地上へ向かったまま消息を絶った愛娘、ワルキューレの身を案じ、祈りを捧げる日々を送っていた。
そんなある時、玉座の間へ、一人の兵士が大慌てで駆け込んできた。
「大変です、大女神様! 魔王ゾウナが……! 突如、魔物の大群を率いて、天上界へと侵攻してまいりました!」
報告は天上界を震撼させた。地上を蹂躙するだけでは飽き足らず、ついに神々の領域へまで牙を剥いたのだ。直ちに防衛線が敷かれ、天上界の屈強な兵士たちが魔物の軍勢を迎え撃つ。
戦いの最前線。歴戦の兵士の一人が、次々と襲い来る魔物を、聖なる槍で蹴散らしていた。
「ふん、魔王の手下といえど、所詮はこの程度か!」
油断ではなかった。だが、彼が一体の魔物を仕留めた、まさにその一瞬。閃光が走り、兵士の首が宙を舞った。何が起こったのか理解する間もなく、その体は力なく崩れ落ちる。
「なっ!?」「何者だ!」
仲間たちが動揺し、叫ぶ。魔物ではない、明らかに格の違う、鋭い一撃。闇の中からゆらりと現れたその人影を見て、兵士たちは息を呑んだ。
そこに立っていたのは、かつて希望の象徴であったはずの戦乙女。しかし、その姿は変わり果てていた。緑色だった鎧は禍々しい漆黒に染まり、瞳には光がなく、ただ冷たい殺意だけが宿っている。金髪は色褪せ、表情は能面のように固まっていた。紛れもなく、彼女は絶望し闇に染まったワルキューレだった……。
その後、天上界がどうなったのか。激しい戦いの記録は、途中で途絶えている。
ただ……。
ゾウナによる侵攻から数日後、大女神の居城の奥深くから、無様で悲痛な絶叫が響き渡ったという。それが、この物語の結末を、静かに物語っていた……。
今回魔王ゾウナが竿役だったんですが、実際のところ彼に竿とかあるのかはまぁ妄想ということで……。