※この作品はR-18です。

戦う正義のヒロイン敗北もの作品集   作: 霜月ナル(元Hpinch_like)

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レジスタンス壊滅編エピローグ

――学園都市市長室。

そこに市長と対面するようにもう一人男が座っていた。

ゼーロウ幹部「ディモン」

これまでの惨劇を生み出した元凶。

恐ろしい悪魔のような男。

二人は利害の一致した共犯者だった。

 

「で、契約通り私は魔導技術やこちらには存在しない物質を提供し徒に市民に被害を出さない」

 

「私からは拠点となる施設や物資、科学技術の提供を約束する」

 

「ああ、その通りだ。魔力も重要だが物資も大量に必要だ。王国と戦うためにはな」

 

ゼーロウの幹部ディモンがそう言うと、市長は満足げにうなずいた。

市長はスイートリップたちが死んだ事件の直後、ディモンに会い交渉を行った。

市民に犠牲を出したくない市長にとってそれは苦渋の選択だったが、他に選択肢はなかった。

しかし、ディモンはその対価としてロアにある様々な技術を提供することを約束したのだ。

それらの技術は日本を今後発展させていくうえで重要なものばかりだった。

それを聞いた市長は即座に取引に応じた。

もちろん、その見返りとして物資の提供も行うことを確約して……。

 

「トランシルヴェール王国との戦いは順調かい?」

 

「ああ、少しづつ奴らの領地を削り取っている。もうすぐ王都を陥落できるだろう」

 

市長が聞くと、ディモンは不敵な笑みを浮かべながら答えた。

大量の物資の提供、強化下魔の研究成果などのおかげでロアでは急速にゼーロウの支配が進んでいた。

そのため、トランシルヴェール王国との戦争でも優位に立つことができている。

このままいけば戦争にも勝利することができるだろう。

 

「――何故、そこまでして王国と戦うんだ?」

 

「ふっ、そんなものは決まっている。クイーングロリアが大嫌いだからさ」

 

ディモンはそう言い放つと、ニヤリと笑う。

クイーングロリアとはトランシルヴェール王国の女王だ。

トランシルヴェール王国は近衛団が全て女性なのを見てわかる通り女性優位の国である。

もちろん女性が社会で活躍することは結構なことだ。

しかし、女性の人権ばかりが優先される国のあり方にはディモンはあまり良い印象を持っていなかった。

さらに言えば女王自身もあまり好きではない。

自己中心的な一面があり、実は冷酷な女のくせに慈母ぶった態度をとるところが特に気に食わなかった。

あの女を徹底的に痛めつけ屈服させ絶望に染まる顔を見たい。

それが彼の望みであり、夢であった。

ゼーロウにいるのは都合が良いからだ。

世界の覇権などに興味はない。

ただひたすらクイーングロリアを痛めつけることだけを考えていた。

そして、この世界に来たことでようやくその願いが実現しそうなところまで来ていた。

 

「まあ、いいさ。君たちの好きなようにやってくれ。ただ、王国に勝ったら我々に便宜を図るように伝えてくれればそれでいい」

 

「わかっているさ。私は契約を守る男だ」

 

ディモンの言葉を聞き、市長は満足げにうなずく。

こうして、彼らは互いに利益のある関係を築きつつ王国の侵略を進めていくのだった。

 

――トランシルヴェール王国滅亡の時は近い。

 

 

 

 

 

「――嫌な予感がします……」

 

自室で窓の外を見つめながら呟いたのはティアナ姫だ。

彼女はロアでの不穏な動きを感じ取っていた。

ここ最近、ゼーロウの侵攻が激しくなり女神近衛団が敗走するという前代未聞の事態が起こっている。

そして、王国を滅ぼそうと大規模な侵攻作戦の準備をしているという噂が城下町で流れていた。

まだ噂の段階ではあるが、彼女の直感はそれを真実だと告げていた。

何か大変なことが起ころうとしている。

しかし、それを誰にも相談できず一人で悩んでいた。

護衛であるエレニスは姉を失い、心に深い傷を負っているためしばらく休ませている。

そのため、今は彼女一人しか部屋にはいなかった。

 

「もし、敵が攻めてきたら……私も逃げずに戦いましょう。それが私の使命ですから……」

 

ティアナは覚悟を決め、聖涙石を強く握りしめながら決意を口にする。

自分は王族なのだ。

民を守るために戦う義務がある。

例え自分が傷つき倒れようとも……。

 

その決意が、彼女を地獄へと突き落とすことになるとも知らずに。

 

――『王国滅亡編』へ続く

 




状況説明や負けるまでに至る描写を書いていたらスイートルージュのエロ部分がちょい短くなってしましました。
変わりにスイートパッションを長く滅茶苦茶にしたので許してください……
前作の時にも思いましたが、フェリセスやスイートルージュのエロを書いてるのって珍しいかも

ゼーロウ幹部に「ディモン」という名前をつけました。
ずっと幹部幹部書いているわけにもいかないので、悪魔のような男という安直な考えから名付けました。
世界征服とかよりもクイーングロリアが気に入らないという理由で戦っている変な奴です。

次回、ついにゼーロウの魔の手が王国に迫ります。
エレニス・ティアナ・グロリアとモブ魔法戦士が大変なことになると思いますのでご期待ください!
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