純性癖ナイツ 作:ひかりねこ
遠く空を仰げば吹き荒れる天災の嵐が怒涛の如く渦巻いていた。
遠目に観察していても凄まじい迫力だった。もう少し近づけば源石の渦に見舞われて呆気なく死ぬか、死ぬより酷い目に遭うのは間違いない。突発的な発生故にあれでも小規模なはずなのだが、収まるまであと丸一日は掛かると見積もっていいだろう。
「岩陰に隠した車、大丈夫だろうか……」
風に乗って岩や源石が飛んでくることもあるから、正直かなり不安なのだが。
私はそそくさと立っていた岩場から降り、地面に開かれた小さな裂け目へと戻った。人が一人通るので精一杯なそこは奥が意外と広い洞窟になっていて、パチパチと音を鳴らす焚火が岩壁を照らしていた。私は「戻ったよ」と一声かけ、火にかけられた鍋の様子を見ている
青の混じった黒髪のサヴラの女性──ブラックナイトは鍋から目をあげ、私の方へ視線を向ける。足元では二匹の眠獣が気持ちよさそうに火に当たって休んでいた。
「お疲れドクター、外の様子はどう?」
「アレは駄目だね、突発的だがよく成長してしまってる。突っ込むのは正気の沙汰じゃない、収まるまで待つしかなさそうだ」
「そっか、なら仕方ないね。ほら、君も飲みなよ、身体が温まるからさ」
「ありがとう」
差し出されたカップをいただき口を付ける。温かなスープが冷えた身体に染み渡った。これだけでも生き返るような心地である。
少しヒンヤリした岩壁に背を預け、「はぁ」と大きくため息をつく。住めば都というか、意外とこの洞窟内は快適だ。こじんまりした空間で焚火を眺めながら、ブラックナイトが作ってくれたスープを食べるのは悪くない。しかしこんな所で縮こまっている原因を思えば気が重くなってしまう。
──そもそものきっかけは、近くの小さな町へ薬の販売を行いに出向いたことだった。
ロドス本艦の現在地からおよそ二日程度の距離に位置する小さな町で、天災に見舞われることが少ないためか今時珍しい非移動都市の町である。周囲を荒野に囲まれているが、野盗の類が出没するといった情報も無い比較的治安の良い場所だ。大した危険性は無いと判断され、私ともう一人を護衛として向かうことになった。
そこで白羽の矢が立ったのがレム・ビリトン出身のバウンティハンターこと、オペレーター・ブラックナイトだ。元々荒野で眠獣と共に活動していた彼女はまさしく荒野におけるエキスパートである。実際、彼女のおかげで行きの車は実に順調に危険を避けながら進むことができ、これなら予定より早くロドスに帰還できると思っていたくらいだ。
全ての予定が狂ったのは、帰還ルートの途中で天災と遭遇してしまったのが原因となる。
本来この近辺に天災の発生兆候は無かったはずなのだが、現に私たちの帰り道を塞ぐように天災が発生してしまい、立ち往生を喰らう羽目になってしまった。慌てて車を停めて一夜を過ごすための避難場所を策定した結果、ブラックナイトの勧めでこの洞窟を仮拠点と定めたのだ。
「しかし都合よく洞窟があって助かったな。車の中だと万が一防風に乗って源石が飛んで来たら大変だ」
「荒野には案外天然ものの洞穴や洞窟があるものよ。ま、そういうのは大抵野生動物の住処になってるから、迂闊に入るのは危ないんだけどね……もしかしたらこの奥にも居たりして?」
「ほ、本当なのか……?」
「さあどうだか」
ふふっと笑う姿を見るに、どうやら私はからかわれていたらしい。まったく、と内心で呆れながら私もつい笑ってしまう。入職した当初はこちらのことを警戒し、あまりに親切にしないようにと忠告されたくらいなのに、気付けば随分と気安い関係になったものだ。
しばらくスープをのんびりと啜って身体を暖める。チラリとブラックナイトを見ると、クロスボウを手入れしつつ眠っている眠獣を撫でてやったりしていた。女ハンターのイメージ通りに怜悧な美貌を持つ彼女だが、眠獣たちを慈しむ様子も実に似合っている。
食べ終わった容器を隅に除け、焚火へと手をかざす。程よい満腹感が充実感を与えてくれた。
「すまなかったな、こんなイレギュラーに付き合わせてしまって」
「謝る必要は無いよ。君があの天災を起こしたわけじゃないし、護衛としてボスの安全を保障するのは当然のことだもの。むしろ荒野の専門家として私を呼んでくれたことを嬉しく思うくらいだって」
「余計な気遣いだったか。だけど世話にはなってるんだ、終わったら君とそこで寝てるメットとドリルにも礼はしないとな」
何となしに呟くと、ブラックナイトは目を丸くしてこちらを見ていた。まるで珍獣でも見かけたかのような目線だ。
「ドクター、もしかして君ってちびっ子たちの名前も覚えてたりするの?」
「それは当然だろう。私の指示に従って戦ってくれるのは君だけじゃないんだ、名前と特徴と主な役割くらいは頭に入れているよ」
「……驚いたよ。今までも何度か傭兵と一緒に戦ったことはあるけど、誰もこの子たちの個体差に興味なんて示さなかったのに」
「私は君たちの指揮官だからね。一人一人特徴を覚えるのも仕事の一つだ」
確かに粗雑なタイプの傭兵ならば眠獣のような小動物は意に介さないかもしれない。だが作戦行動中のブラックナイトの活躍ぶりと、それを支える小さな存在達を理解すれば決して蔑ろにできようものか。戦場では命を預かっている以上、こちらも相応の態度を見せなければ信頼関係など築けない。
私の言葉にブラックナイトは嬉しそうに「そっか……」と一つ呟いて、少し恥ずかしそうにメットの頭を撫でた。相手を眠らせ夢を食べるらしい獣は、すっかり夢の中でくつろいでいる。
「君が私たちのボスで良かったよ。戦術家として負けた以上は従うけどさ、やっぱり好感の持てる相手の方がいざって時に命を懸けても後悔しないからね」
「気持ちはありがたく受け取るけど、無茶な覚悟をさせないために私が居るんだ。ちょっとは信用してくれてもいいだろう?」
「へぇ、言うじゃない。なら存分にアテにさせてもらうよ」
期待を重たいとは思わなかった。これが私の存在価値なのだ、故に誰にも負けるつもりはない。たとえ自分自身が抱くプレッシャーが相手だろうとだ。
パチパチと火花のはぜる音が洞窟内を木霊する。岩壁に伸びた黒い影を眺めていると眠たくなってきそうだ。だが眠りにつくより前にブラックナイトが立ち上がり、「そういえば面白いのを見つけたんだよ」と言い出した。
「面白いもの?」
「この奥、まだ道が続いてるでしょ? さっき君が外の様子を見に行ってる間に確認しといたんだ」
「……まさか危険な生物なり何なり無かっただろうね?」
「だったらすぐにでもここから退去してるよ。ほら、こっちに来て」
ブラックナイトに手を差し出され、腕を引かれながら慎重に奥へと進んでいく。クロスボウによる豆やたこの痕を感じるが、やはり女性らしい柔らかな手の平。こんな状況だというのにドキドキしてしまう自分に辟易しつつ、掲げた灯りの先へと目を凝らす。
「ほら、ここ。よく見てごらん」
「これは……もしかして、お湯が出てる?」
光に照らされ浮かび上がってきたのは、かなり小さめの泉と呼ぶべき水場だった。微かに湯気が立っているのは水温が高いからだろう。けれど水面に近づいてもあまり熱さは感じない辺り、熱湯が湧きたっている様子でもない。
まるでお風呂のように形作られたこの泉、確か炎国の方の呼び方では──
「炎国には温泉っていう、地下から湧き出るお湯をお風呂にする文化があるんだけど、ここはまさに天然の温泉なんだろうね」
そう、温泉だった。今は移動都市が主流となって地下からお湯を組み上げるのは難しいらしいが、かつては各地に温泉があったらしい。炎国でも活動してたらしいブラックナイトが知っているのは当然のことか。
「さっき触ってみたけど適温だったよ。深さも調べた感じ深すぎないし、あまり奥まで行かなければ危険性は万に一つもないよ」
「へぇ、それはまた運が良い……砂埃や汗で身体がベタベタしてたから助かるよ」
「でしょう? 寝ちゃう前にここで身体を洗った方が良いと思ってね」
カタンと灯りが地べたに置かれた。光源を中心に壁に光が反射して、どことなく雰囲気のある場所に感じられる。ここが荒野のど真ん中にある、洞窟の内部とは思えないくらいだ。
じゃあ、どっちから先に入る──私がそう問おうとしたところで、バサリと衣が擦れる音。まさかと思ってチラリと見れば、ブラックナイトはもう服を脱ぎ始めていて、
「な、なんでもう脱いでるんだ!?」
「なんでって、そりゃ温泉入るには服を脱がないとでしょ」
目を逸らしながら思わず叫んでしまった私へ、ブラックナイトはあっけらかんとそう答えた。
隣に異性がいると認識していないのだろうか? さっさと靴を脱いでしまい、身体にフィットした上着が落ち、スカートがパサリと地面へ落ちる音が聞こえる。我慢しきれず横目で盗み見てしまった彼女の下着は名前の通りに真っ黒で、白い肌に浮かび上がるように身体を飾り立てていた。
……けっこう高身長なのは知っていたが、こうして見るとやはりスタイルも良いんだな、などとセクハラ間違いなしの思考が過ってしまう。だがブラックナイトは私の前で見せつけるように堂々と立っており、こちらの不躾な視線など意にも介さぬ様子だ。羞恥心を投げ捨ててしまったのだろうか。
「なによドクター、もしかして私が服脱いだから興奮しちゃったの?」
「いや、その……すまない、その通りだ」
「ふーん、意外だね。今まで私の裸を見た人間は例外なく気持ち悪がったから、そんな反応されるのは新鮮だよ」
「ほら、これのせいでさ」と実に気安い調子で太ももの体表源石を指さした。途端に騒いでいた脳内がスッと冷静になってしまう。感染者の証である痛々しい黒の結晶は、人から容易く人権や平等性を奪う負の代物だ。非感染者からすれば感染者の裸を見たところで『気持ち悪い』『自分に近づくな、触るな』となるのはブラックナイトの語る通りだ。
ただ、私たちロドスに所属する人間に差別や偏見の文字は無い。故に感染者だろうと目の前に居るのは一人の美しいサヴラ女性に変わりなく、隠すことなく堂々と下着姿になられては興奮してしまうのも当然だった。
……この場合、どっちの反応が正しいかと問われれば言葉に窮してしまうのだが。
「別に私は気にしないから君も一緒に入ったらどう? 念のため、二人で一緒に入った方が万が一足を取られたりしても対応できるし」
「ま、まあそれはそうだが……」
「それとも何? 男なのに意気地なしって呼んだ方がいいかしら?」
ニヤリと、実に挑発的な笑みをブラックナイトは浮かべた。蠱惑的な表情はともすれば悪女のようにも見えるもので、見え透いた誘惑なのは明らかだ。わざわざ乗る必要も無いのだが……
「……っ、後からやっぱ無しって言うのは駄目だからな」
「うんうん、心配せずとも平気だから。早くサッパリしたいし脱いじゃってよ」
ここで退くのも男が廃る。敢えて挑発に乗り私は服を脱いでしまい、フードもマスクも全部外した全裸となる。その間にブラックナイトも残った下着を脱いでいて、形の良い胸と黒い茂みに覆われた秘裂が惜しげもなく晒されてしまった。先端に浮かび上がる瑞々しい赤い点と、綺麗に整えられた茂みを脳が認識したことで急速に股間へと血液が集まり出す。
「じゃ、入ろっか」
「ああ……」
さすがに勃起を女性に見せるのは憚られるので、ちょっと前かがみになりつつ足を温泉へと沈めた。
おそるおそる足先を浸けてみる。前情報通り適温のお湯となっていて、爪先から一気に身体がポカポカとし始めた。さらに一歩、二歩と足を進めて、ちょうどいい深さで腰を下ろした。半身がお湯に浸かったことで天にも昇るような快適さが全身に行き渡る。
「ふぅー……これは、中々……」
チラリと様子を窺えば、ブラックナイトの方は立ったまま手でお湯を掬い身体を流していた。やはり特に隠そうともしていないせいで、妖艶な腰回りや丸みを帯びたお尻、黒光りする尻尾まで存分に鑑賞できてしまった。
「今のはなんだかおじさん臭いな。まだ若く見られたいなら止めた方が良いと思うけど」
「ぐぬぬ……まだ私はおじさんって程の年齢じゃないんだがな」
などと苦笑しながら手はさりげなく股間を隠した。ブラックナイトの全裸を目撃したことでいよいよ愚息は際限なく屹立し、お湯の中で隠すのにも精一杯だ。これ以上隠そうとするのはさすがに不自然だし、ここは早いけどいったん出ておいて後から──
「ねぇドクター、
「うわっ! ……えっと、
いつの間にかブラックナイトがすぐ目の前に居た。彼女の視線は股間へと向いていて、私のささやかな隠し事などすっかりお見通しのようだった。
「とぼけないでよ。君のおちんちん、さっきからすごく大きくなってるのが丸分かりよ……あ、また大きくなったね」
座り込む私の前で前かがみになっているものだから、余計に胸元は強調されて顔も近い。プルンと柔らかそうな双丘を彩る赤色の蕾はもちろん、顔に小さく付いた黒子まで分かってしまう距離感。なのに伸ばされた両手は愚息を隠す手をサッと除けてしまうものだから、肉槍がブルンと跳ねあがって彼女へ見せつけるように飛び出した。
「うわぁ、凶悪な見た目してる……私も何度か男の人のは見たけど、断トツで君のが一番だよ」
「見たことがある……? それはもしかして──」
「昔ちょっとあってね。私が借金持ちなのは知ってるでしょう?」
あまり考えたくない予想が脳裏を過った。ブラックナイトは否定せず、淡々と自身の来歴を語っていく。
「チームの皆と離れてから色んな手段でお金を稼ごうとして、時には情婦の真似事もしてみたんだけど……感染者って理由で売れ行きはサッパリ。手や口で奉仕したことが何度かで、本番なんて向こうからお断りよ。かといって感染者に身体を売っても大した額にはならないし、そういうヤツらに限って乱暴だから売るだけ損ね」
「……言い辛いことを喋らせてしまったか」
「気にしないでよ、人生経験の一つってヤツだから。おかげで男を誘惑して油断させる手管も学べたし、第一ここは未使用だから一線も越えてないしね」
誇らしげに語る姿は本当に欠片の後悔も抱いていないようだった。なら、本人が気に留めていない事柄を私が追及するのも憚られる。
だがこの膨れ上がった愚息を晒すことはまた別問題である。見られる前にさっさと上がろうとしたのだが、ブラックナイトは「まあちょっと待ってよ」と行かせてくれない。立ち上がった私の足にしなだれかかり上目遣いで見上げてきて、細い指先でツンと一物を小突いた。
「うぐっ……どういうつもりだ?」
「どうもこうも、大きくしたまま出ちゃうつもりってことよ。君さえ良ければ私が一発抜いてあげようか?」
「それは」
白状すればとてつもなく魅惑的な誘いだった。ブラックナイトはお世辞抜きに美人であり、私は別に過去の男性経験などちっとも気にしないタイプである。なので気持ちよくくれるなら一も二も無く飛びついてしまいたいのだが……まだギリギリのところで『性奉仕させるなどとんでもない!』と叫ぶ理性も残っていて。
「ほ、本当にいいのか……? 私は別に──」
「私が誘ってるんだから細かいことは気にしないの。君のここだって、早く楽になりたいって訴えてるよ」
つぅ……と裏筋を指先で撫でられ、背筋をゾクゾクさせる快感が走り抜けた。断ろうと動いた口は声にならないうめき声に変わってしまった。さらにペロリと伸ばされた舌先が亀頭をチロチロと舐め上げ、くすぐったいような快感まで与えてくる。けれどそれ以上は決して踏み込もうとせず、あくまで焦らし続けるような手練手管で私を誘ってきて、
「ほら、どうするの? 言ってくれなきゃずっとこのままだよ」
とろ火で炙られるような
「分かった私の負けだ、お願いします……」
「オッケー。それじゃ、ボスにはしっかり気持ちよくなってもらおうかな」
情けない懇願を受けたブラックナイトはいよいよ本格的に顔を近づけると、いきり立った肉槍へと顔を近づけた。スンスンと匂いを嗅ぎ、大きさを確かめながら触診するように指や舌が優しく走り回る。これだけでも緩くマッサージされてるような気持ち良さだ。
しばらく焦らすようなフェザータッチが続いてから、彼女は「よし」と一言呟く。軽い力で一物を握りながら私の方を見上げた。
「口と手のどっちがいい? 好きな方で射精させてあげるよ」
「あー……どっちもというのは無し?」
「もう、欲張りなんだから。今回だけだからね」
呆れながらもブラックナイトは頷いてくれて、黒髪をかきあげ耳にかけた。色っぽい動作に目を奪われたのもつかの間、唇が大きく開かれパクリと亀頭が飲み込まれてしまう。そのまま喉に当たる程度まで飲み込まれ、舌がチロチロ動きながら竿全体を撫でるように舐めてくれる。
加えて根本の方は両手の指で輪っかを作るように包まれており、上下にゆっくりと動きながら扱きあげてくれる。女性の手で不規則にゴシゴシされるのは自分の右手で擦るよりも明確に気持ちがいい。
「づっ、そこきもちいい……!」
「れろっ、んっ……ふーん、ここが君の弱点なんだ。じゃあもっとたくさん苛めてあげるよ」
裏筋を舐められ声を漏らしてしまえば、即座に弱点とバレて執拗にそこばかり責められる。玉袋を揉まれ、唇でキスするように吸われ、快感に慣れる暇もない。私の反応を窺いながら少しずつ変化を加える手管は紛れもなく男を喜ばせることに長けていた。
これまで体験したことが無いような凄まじい快感の坩堝だ。浅い温泉で仁王立ちとなったまま、
ぐぽっ、ぐちゅ……じゅぽっ……♡
「はふっ、んむっ……ちゅっ、れろっ……顎が外れちゃいそうだよ、むしろ口だけじゃなくて良かったかもね」
しなやかな指と温かな口内による奉仕が止まらない。ビクビクと脈打つ一物は既にいつ暴発してもおかしくない状態だ。きとブラックナイトも理解しているだろうに、全然止めようとしてくれない。むしろ精液を一滴たりとも逃がさないかのように喉奥までしっかり咥え込んで離さない。
くちゅ……くちゅ……♡
「はぁ……♡ はふ……んっ……♡」
ふと、口淫以外にも水音が聞こえてくることに気が付いた。音の発生源はブラックナイトの股間部で、我慢しきれなくなったのか指で自らを慰めている真っ最中だ。割れ目からポタポタと愛液が滴り落ち、天然の温泉へと溶け込んでいく。
私が見ていることに気が付いたのか、ブラックナイトはわざとらしく秘裂へ指を二本添えた。まさかと内心ドキドキしながら見ていると、指がくぱぁ……と左右に大きく開かれた。
「っ、君はどこまで私を煽れば気がすむんだ……!」
恥丘と真逆に産毛すら生えていない真っ白な大陰唇の内側は、目にも鮮やかな赤色をしながら粘ついていて。フードから剥かれてしまった陰核も、針で穴を開けたかのような尿道口も、クパクパと開閉を繰り返す膣口も、本来隠すべき全てがぎらついた男の視線へ差し出されてしまう。
ただでさえ途轍もなく素晴らしい奉仕を受けているのに、さらにおかずまで用意されたらもう駄目だ。我慢などできようはずもなく、呆気なく決壊が訪れた。ビクリと大きく跳ねた一物へと精子が大挙して流れ込み──
「ぐっ、
「──んむっ、んっ…………♡」
びゅくっ、びゅるるるるっ!
亀頭から勢いよく精液が迸る。当然のようにブラックナイトは先端を喉の奥に沈めていて、流れ込む精子全てをお腹の中へと収めていく。形のいい喉は何度も嚥下を繰り返し、射精の勢いで涙目になりながらも最後の一滴まで吸い出そうと口を窄めていて。しかも指の方は根本をポンプでも押すかのように刺激するから残った精液すら余さず搾り取られてしまう。
ぐぱっ……♡ とブラックナイトの口から肉棒が解放されたとき、私の頭はもう真っ白になっていた。射精の快感、奉仕させている喜び、自らの欲望を呑み込んでくれた愛おしさ、全部が交じり合って精神を溶かしてしまう。
「はぁ、んぐっ……♡ ドクターの射精、こんな勢いがあるなんてビックリだよ。精子で溺れちゃうんじゃないかと思った」
「すまないな、無理をしてくれなくてもよかったのに」
「でも男の人って飲んであげると喜ぶんでしょ? 私もまあ好きではないけど、君のだったら別に良いかなって思っちゃった」
ザパリと水音を立てながらブラックナイトが立ち上がった。彼女の手に導かれて天然温泉の淵部分に座らされる。確か足だけ浸かった状態は炎国だと足湯と言ったか。火照った身体に岩壁の冷気が心地いい。
一度射精したというのに愚息はまだ萎える気配が一切ない。我がままな男の象徴を一瞥したブラックナイトが私の前に立つと、ちょうど眼前にはトロトロと愛液を垂らす秘部が来てしまう。
濃厚な雌の香りをこれでもかと振り撒き脳をクラクラさせてくる。
「ね、このまましちゃわない? まだまだ苦しそうなのにほっとけないよ」
「だけど君はその、ほとんど初めてなんだろう……本当にいいのか?」
「ドクターだから良いって誘ってるんだから、そこは素直に頷いてよ。君ほど金払いも良くてキチンとした指揮官、巡り会えるだけで幸運なことなんだからね。」
「それに昔、処女膜は玩具で破っちゃった」と照れ笑い、ブラックナイトはゆっくりと腰を開いた。片手で割れ目を押し広げて狙いを定めながら、もう片手で切っ先を固定し導いて。いよいよ真っ赤な膣口に飲み込まれる寸前となっても私は止める意思を持てなかった。
「これはいわば信頼の前払い、これだけ君に奉仕して良いと思ってるんだから、君もしっかり応えてよね。ついでに、もっと給料も上げてくれると嬉しいな」
「ははは、なるほどそれが本音ってわけか」
「そっちの方が私らしいでしょ? ……んっ、入ってきたぁ……♡」
互いに苦笑しながらブラックナイトが腰を下ろした。零れた蜜がとろりと亀頭に絡みつき、ついで温かな膣口へと迎え入れられる。愛情が介在しないまま、言ってしまえば実利をもって男女の仲になってしまったはずだが、不思議と心は温かかった。
対面座位の体勢となり、ぐぐぐっ……と初めて男を受け入れた狭い膣内を掘削していく。先ほどの奉仕ですっかり内部は潤っていて、少々の硬さはあるが極上の蕩け具合だ。本人の申告通り膜を破った感覚は無く、それ故ブラックナイトがちっとも痛そうな素振りを見せていないことが嬉しかった。
「男の人を受け入れるってこんな感じなんだ……すごいな」
「痛いか?」
「ううん、全然痛くない……むしろその、気持ちいいくらいだから。今はここまで入ってるのかな……♡」
ねっとり絡みつく膣襞をかき分け、亀頭が一番奥の子宮口にコツンと当たった。巨大な一物を受け入れ切ったブラックナイトは困惑と恍惚の混じった様子で、お腹に手を当ててどこまで入ったか確認している。きっと無意識なのだろうが、男を狂わせてしまう蠱惑的な仕草だ。
当然ながら陰茎はさらに膨らんでしまい、「あ、また大きくなった」とからかわれて恥じ入るばかり。けれどこれも、ブラックナイトがエッチすぎるのが悪いのだから私のせいじゃない。
「ふふっ、天下のドクター様もこれじゃまるで子供みたいね。ほら、おっぱい吸っちゃう?」
「むぐっ」
言い訳した罰なのか、豊かな乳房が顔いっぱいに押し付けられた。お湯で濡れたそこはちょうど良い具合に暖かく、顔を埋めれば彼女の心音まで聞こえてくる。スベスベした張りのある膨らみに埋もれながら肉棒を蜜壺であやしてもらうなど、これ以上の贅沢がこの世にあるだろうか。
「あっ、夢中でおっぱいに顔を突っ込んじゃって……んっ♡ まったく、手間のかかるちびっ子ね」
仕方ないなとブラックナイトは笑い、赤ん坊へ授乳するかのように乳首が口元に差し出された。無理やり赤色の蕾に口付ける姿となってしまい、出ないと分かっているはずの母乳を求めるように吸い付いてしまう。よしよしと頭まで撫でられてしまい、これじゃ本当に幼児に戻ってしまったようだ。
普段はトップの一角として気を張っていることが多いからか、思いがけず甘やかされる体験は予想外の感覚を齎してくれる。安心感や気持ち良さ、多幸感をたっぷり摂取させられて、腑抜けたように身体から力が抜けていく。眠獣たちの扱いに慣れていて、彼らを子供のように大切にしているブラックナイトだから可能な手段に骨抜きにされていた。
「はふっ、あんっ……♡ おっぱい吸われるのがこんな気持ちいいなんて、知らなかったよ……っ♡ おまんこも入れてるだけで、いっぱい濡れてきちゃって……♡」
ちゅぱ、ちゅぱ、と赤ん坊のように乳首を吸い。
ぐちゅ、ぐちゅと蠢く膣襞に竿を優しく扱かれて。
子供のように頭を撫でられれば性的快感とは違った幸せが訪れて。
「おちんちん、ビクビクしてきてる♡ もう射精しちゃいそうなのかな? ごめんね、
「むぐっ、んっ……」
最後に残った一握りの理性がブラックナイトの言葉を聞き取り、僅かに首を頷かせた。ビクビク震える肉槍はこの極上の雌へ種付けしろと訴えているが、避妊は絶対条件であると分かっている。
私はやっと天国じみた谷間から顔を離し、彼女の細い腰をしっかり掴んだ。揺するように腰を上下左右に揺すり、膣肉を擦りながら射精までのカウントダウンを進めていく。ジワジワとした快感が広がり、余裕のあったブラックナイトの嬌声が初めて乱れたものとなる。
「あぐっ♡ ドクター、いきなり動くのは、だめっ♡」
「もう、後少しで射精しそうなんだ……!」
「だからって、こんな急に……っ♡ あぁっ♡」
嬌声と一緒にバシャバシャとお湯が跳ねる音が木霊する。忘れがちだがここは洞窟で、それ故にかなり反響してしまう。ブラックナイトの艶やかな喘ぎ声が響いてしまって耳からも犯されているようだ。
もうこれ以上の我慢は無理だ。射精してしまう。吸い付いてくる膣襞をかき分け、ブラックナイトの腰を向こうへ追い出すようにして竿を引き抜いた。クパクパ口寂しそうに開閉する膣口を惜しむ間もなく肉棒を握って、彼女の恥丘へ押し付ける。
お湯と愛液で濡れそぼった茂みに亀頭が包まれた瞬間、二度目の限界が訪れた。
びゅくっ、びゅるっ♡ びゅるるるるっ! びゅーっ……♡♡
「ひゃっ、熱いのが、出てっ♡ っ~~~~……♡♡」
二回目とは思えない量の精液が一気に吐き出され、黒く輝く綺麗な茂みを白へと塗り潰してしまう。サワサワした硬い感触に擽られながらの射精はまた格別で、膣内であやされるのとは違った快感をこれでもかと与えてくれる。
ブラックナイトも射精の熱量と雰囲気に当てられたのか、一物が抜けてしまった膣をヒクヒクさせながら呆気なく絶頂に到達した。ぷしゃりと透明な潮を吹きだし、陰茎へと飛沫をかけながら顔をのけぞらせて法悦を甘受して。この上なく幸せそうなイき方に対抗するように射精の勢いが止まらない。
「はぁ……はぁ……こんなので、イかされるなんてね。陰毛にぶっかけるなんて、もしかして君って変態だったりする?」
「そんなつもりは無かったが……気が付いたら押し付けてしまってた」
「ふーん、なら今は信じてあげるよ。それにしても、すごい量だね……♡」
長かった射精がようやく終わり、白い糸を引きながら亀頭が恥丘から離れていく。べっとり精液の付着したそこは見るも無残に蹂躙されつくし、綺麗に整えられていた姿など想像もつかないほど。黒を白に染め、美しいものを蹴散らす背徳感にドキドキしてしまう。
などと考えていたら、節操なしにムクムクと膨らんでくる股間の愚息よ。たった今射精したばかりだというのにまだ足りないのかと自分で問いかけたくなってしまう。咄嗟に隠そうとしたが、さすがに目の前で勃起したら否が応でも目についてしまって。
「……嘘でしょ、まだ射精し足りないの? もう二回も出したのに?」
「……私はその、随分と性欲が強い方らしくて。自分で処理するときも三、四回はやったりする」
「君が本当に人間なのか、なんだか疑わしくなってきちゃった。正体は絶倫性欲お化けだったりしない?」
だいぶ失礼なことを言われたような気がするが、実際私も異常だと思うので否定できない。これほど強烈な性欲を抱えていると日常生活でも暴発しないか不安で仕方なかった。まして女性を抱くとなれば、自分のペースに付き合わせた挙句抱き潰すことになれば目も当てられない。
「別に付き合う必要は無いさ。君にはもう十分良くしてもらった、ここで終わりにしても──」
「終わり? ちょっとドクター、まさか自分だけ満足して終わりにしちゃうつもりなの?」
「え?」
水音を立てながらブラックナイトが立ち上がった。釣られて私も立ちあがると、互いの身長差が浮き彫りとなる。頭の上の小さな角が可愛いなと場違いなことを考えてしまう。
彼女は自らの秘部に手を添えると、「まだここが疼いて仕方ないんだ」と指で擦り始めた。ぐちゅぐちゅと湿った水音が響き、思わずゴクリと喉を鳴らした。
「私はまだ一回しかイけてないの。だからドクターがまだできるなら、今度は私をイかせてよ。ほら、そっちの方が両得でしょ」
「……分かった、なら今度は君をたくさん気持ちよくしよう。これでいいか?」
「うん、合格。それじゃよろしく頼むね」
クルリとこちらに背を向け岩壁へと手を突く。シミ一つない綺麗な背中と、黒く滑らかな尻尾と付け根が蠱惑的だった。もちろん丸みを帯びたお尻は見ているだけで勃起を促され、昂ぶりを抑えられずにお尻を鷲掴みしながら愚息を押し付けた。スリスリと数回擦り、位置を調整してから先端を入口へとあてがう。
今度はブラックナイトの方が受け身な体位だ。となれば、ここからは私が自由に動けるわけで。
「ん、いいよ、来て……♡」
こちらを振り向いたブラックナイトの流し目が、どこまでも妖艶だった。
二回目の挿入は一回目よりも順調だった。ぬかるみの中に引きずり込まれるように肉棒が吸い込まれ、アッサリと最奥まで到達する。膣内はきゅうきゅう絡みつきながらも亀頭やカリ首にしっかりフィットし、締め上げながらも繊細な責めを両立していた。
このまま突っ込んでいるだけでも遠からず射精できる極上の名器だ。しかし今度はブラックナイトを気持ちよくさせてあげるから、ガンガン動いていかなければ。一度深呼吸して落ち着いて、腰を掴んでピストンを開始する。
ばちゅん♡ ぐちゅん♡ ずちゅん♡
「おっ、あぐっ♡ 最初から、こんな激しい、っ……♡ んあっ♡」
粘ついた水音を立てる度にブラックナイトの嬌声が絞り取られていく。先ほどは彼女優位の体勢だったのですっかり弄ばれたが、今度は私が優位な立ちバックなので責め放題だ。腰だけでなく尻尾の付け根や胸にまで手を伸ばし、全身の性感帯を刺激しながら膣内を苛め抜いて容赦しない。
「あっ♡ あうっ♡ ひゃうっ♡ んんっ♡ ちょっと、少しは手加減して──ひゃあっ♡♡」
自分からイかせて欲しいと頼んだのだから、手加減などする必要が無い。その事実を知らしめるために一際勢いよく腰を押し付け、グリグリと亀頭を子宮口へ押し付ける。今は立場が変わって私が上なのだから、雌は雄に従えと大上段から命令するように子宮も膣も躾けていく。
私の意思をブラックナイトも理解してしまったのだろう。雄へと媚びるようにジワリと愛液の分泌量が増し、よりドロリとして濁った本気汁が垂れ流された。出入りする竿を白くコーティングしながらポタポタと足元のお湯へと垂れていき、淫靡な空気を醸し出す。
「だめ、こんなの、すぐに……♡」
「ああ、いいぞ……! 好きなだけイけばいいっ」
実質処女だったブラックナイトにとって、好き勝手に膣内を掘削される感覚は強烈すぎたらしい。ピストンを開始してものの数十秒でアッサリと高みへ昇りつめ、身体を震わせながらきゅっと膣内を締め上げて。絶頂直前の身体に追い打ちをかけるように子宮口を突いてあげれば、即座に全身がビクリと震え、そして、
「あっ、イっ……くぅ──~~っ♡♡」
ぷしっ、ぷしゃぁぁぁっ……♡
さっきよりも量を増した潮を噴き上げながらブラックナイトは絶頂した。クールな外見からは予想もつかない可愛らしい嬌声をあげながらぷしぷしと潮を吹き続ける。水面に落ちた飛沫はバシャバシャと音を立て、余計に官能を駆り立たせる。まるでお漏らしでもしたかのような勢いだった。
「あぅ……一瞬で、イかされちゃうなんて……♡」
「これで満足とは言わないだろう? 何せ私は君をたくさん気持ちよくしてあげないとだからな」
「ん……♡ 意地悪ね。いいよ、私を思いっきりイかせちゃってよ」
負けじと私を誘うこの雌を分からせたい、そんな暴力的な欲求が芽生えてしまう。さっきまで奉仕してもらった側だというのに図々しい、だが抑えられないし抑えることを望まれていない。
絶頂したばかりで呼吸も荒いブラックナイトの腰を掴み、さらに責め立てるべくピストンを再開した。今度は乳首やクリトリスへと手をやって好き放題に女体をまさぐって離さない。敏感な部分ばかりを苛められてすっかり身体は屈服したようで、膣が何度も痙攣してはギュッと一物を締め上げ絶頂を示してくる。
「おっ♡ んっ♡ んぎ……っ♡ そこ、もっと突いて……!」
「ここか……!?」
「んあぅっ♡♡」
膣にあるぷっくり膨らんだ部分を彼女の希望に沿って突いてあげれば、一瞬で頂きにまで昇りつめてしまって。ならばと何度も亀頭で同じ部分を擦り上げる。弱点を自ら明かしてしまったうっかり屋な雌を堕とすべく全力で、叩きつけるように腰を振る。
もはや言葉すら不要だった。私もブラックナイトも嬌声やうめき声をあげるだけで精一杯、まるで獣のごとき交尾をひたすら続行する。野生と本能を剥きだしにした全力の交尾は容易に快楽の限界値を押し上げ、また充足感を満たしてくれた。
「……?」
ふと、視界の隅を黒い何かが横切った。ビックリしながらそちらを見やれば、何てことは無い。ブラックナイトの眠獣が一匹、目を覚ましてこっちへ来てしまったようだ。あの子はドリルだったか、まだ寝ぼけ眼で水面をジッと眺めている。
「あっ、うそっ、ドリル……!? やだ、見ないでっ♡」
激しく乱れていたブラックナイトも彼の存在に気が付いたようだ。赤面しながら身をよじり、身体を隠そうと無駄な足掻きをしてしまう。だがこの状況に興奮も覚えているようで、膣内がキュッと引き締まってうねうねと締め上げてきた。
「見られて恥ずかしい? それとも気持ちよくなっちゃった、とか?」
「だめっ、あっち行って、恥ずかしいからっ……♡ ちびっ子にこんな姿見られるなんて、わたし耐えられない……♡ あぁっ♡ イ、ぐっ……♡♡」
ぷしっ、ぱたたたたっ……♡
思わぬ羞恥プレイが引き金となったのか、盛大に潮を吹きだしながら絶頂してしまった。声を我慢しようとする腕は後ろ手になるよう引っ張って、羞恥に塗れた嬌声も全部聞かせてもらう。たとえ獣といえど、我が子のように可愛がっている子の前での絶頂は背徳感に満ちていて、私まで道連れにされそうだ。
「お願い、見ないでっ♡ ん~~♡♡ んぐっ、んあっ♡」
「また、
もはや射精の我慢など一切きかなかった。数度の射精で敏感になりすぎたせいか、あまりに呆気なく限界を迎えてしまう。吐き出す寸前で陰茎を引き抜く、別れを惜しむように絡みつく膣肉を振り切って竿をブラックナイトの尻肉に挟み込み、解放する。
柔らかくもっちりした尻で扱きながら精液を撒き散らした。彼女の白い背中に精子がかかり、さらに尻尾やお尻の穴まで白い斑点が飛び散ってしまう。既に三回目とは思えない量だったが、さすがに今回は常識的な吐精で終わってくれた。
ずるずる……ばしゃん!
「あっ……♡ あ──~~……♡」
一物が抜けたことで支えを失い、足の力が抜けたブラックナイトはへたり込んでしまう。先の強烈な絶頂体験と羞恥プレイが随分堪えたようだ。気が付けば瞳は光を失ってしまっており、今にも倒れ込んでしまいそうなほど上半身はふにゃふにゃだ。
これはさすがに続行不可能だろう。まだ続ければブラックナイトを傷つけることになってしまう。それは私の本意ではなかった。
眠獣はといえば、結局水面を見つめたまま何をするでもなく、トコトコと来た道を戻って行った。果たして何をしに来たのか、何故こっちに迷い込んできたのか、何も分からない。まさか主人を辱めるためだけに来たとでもいうのか?
「本当に寝ぼけていただけ……なのか?」
分からないが、ともあれ終わったことだ。実際は見られて無かったと教えればブラックナイトも少しはマシになるだろう。だから今はとりあえず……精液でベトベトに汚してしまった、彼女の身体を洗ってあげるとしよう。
◇
次の日の朝、洞窟から這い出てみれば天災は嘘のように消え去り、真っ青な青空が広がっていた。これなら私たちも早速移動できそうだ。ほっと胸を撫でおろして荒野を歩き出す。もちろん、隣にはブラックナイトと眠獣たちも一緒だ。
「良かった、これなら今日中にロドスまで戻れそうだ」
「安心するのはまだ早いよ。乗って来た車が壊れてないか確認しないと。岩陰に隠したとはいえ影響を受けたかもしれないし」
「確かに、それもそうだな。もし壊れていたらまた洞窟に逆戻りして助けを待つしかないか」
放った言葉に他意は無かったのだがブラックナイトはぷいと横を向いてしまう。尖った耳は先まで赤くなっている。マズいことを言っただろうかと首を傾げ、それから昨日の交わりを思い出してこっちまで顔が赤くなったのを自覚した。
「……あそこの洞窟、思った以上に過ごしやすかったな」
「そうね……悪くなかったよ、色々と」
「そうだな」
「ねぇ、ドクター」
「どうした?」
ザクザクと土と砂を踏みしめ歩いていく。もうそろそろ車を隠していた場所だ。
「もしさ、もう数日あそこで過ごすことになったら……今度はお金を貰うからね」
「悪いな、私は君いわく『貧乏なお人よし』だからあんまり払いは良くないんだ」
「そっか。じゃあまあ、少しは安くしてあげてもいいよ」
──岩陰に隠していた車は、飛んできた石によって窓が思い切り割れてしまっていた。
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