純性癖ナイツ 作:ひかりねこ
タイトル通りにアンブリエル編の3作目です。結構増えてきました。
「ねードクター、これどうよ? あたしに似合うと思う?」
「んー、どれどれ……って下着じゃないか! そんなもの私に見せちゃっていいの?」
「別に今更でしょ。もっとすごいこと山ほどヤってんだから、ブラやパンツくらいどうってことないっしょ」
弄ってた端末から目を離して、ふふーんと背後で寝転がるドクターに笑いかけると、困ったような苦笑を返された。あたしの下着なんて、持ってるもの全部ドクターは見たことあるクセに。しかも大胆なプレイを何度もやってる割には小心者というか、ちょっと童貞っぽい反応が可愛くておかしかった。
時刻はもう夜で、場所はドクターの自室。そこで男女二人が籠ってると言えば、まあぶっちゃけ健常なお付き合いとは思わないだろう。実際その通りで、ドクターとあたしは何度も身体を重ねている間柄だ。別に交際してる訳じゃない、でも肌を合わせる関係性は、爛れていると思われるだろうけど気に入っていた。
「それよりアンブリエルさん、あの話は考えてくれた?」
「あの話? なんのことだっけ?」
「ほら、付き合ってほしいって話だよ」
「えっ──はぁっ!?」
いや、ちょっと待って初耳なんですけど。付き合うってもしかして、そういう意味? このセフレっぽい関係から一歩進んだ恋人関係になりましょうってお誘いっすかね? いやいや、この変態ドクターのことだから『お付き合い』じゃなくて『お
「……何を考えているか分からないけど、今度の都市視察の話だよ。君に護衛を依頼したいと打診したはずだけど」
「あっ──いや、ちゃんと覚えてたし! だいじょーぶ、問題ないわよ~」
「本当かなぁ……」
うっわ、恥ずかしい勘違い。そりゃそうか、ドクターが身持ち固めるのはリスクあるし、今の気楽で後腐れない関係性の方が何かと便利だもんね。っていうかなによ、『お付き合い』じゃなくて『お
後頭部に刺さる疑惑の視線が辛いけど、とりあえずドクターが言ってる案件は思い出した。数日後にロドスが訪問、交渉を行う独立都市内部の個人視察をしたいらしくて、そのための護衛としてあたしに声が掛かったんだ。頭脳面では敵なしのドクターも、いざ暴力に訴えられたらからっきしだから仕方ないね。
「でもさ、それってあたしでいいの? あたしだって
「向こうは治安の良い都市として知られてるから、そこまで過剰に構える必要は無いさ。迂闊に裏通りへ迷い込まなければ危険も無いから、ぶっちゃけ護衛なんて誰でも良いんだよ」
へー、なるほど。そうなのかって、顔がニマニマするのを抑えられない。こんな緩んだ顔は見せらんないね、背中を向けてる体勢で良かったわ。
ドクターが護衛を頼めば、たぶん色んな人が喜んで立候補してくれることだろう。なのにわざわざ、あたしに声を掛けてくれた。理由はどうあれ、この人が特別に考えてくれてるみたいで嬉しくなる。
「視察といっても、ほとんど観光みたいなものさ。お店を回って、雰囲気を見て、どういう都市なのか空気が分かれば十分。なら誰と行っても問題無いし、それなら私は君と一緒に行きたかった」
「あはは、情熱的で嬉しいじゃん。つまりデートのお誘いってことだ?」
「その通りさ。こんな変態に誘われるのは嫌だったかな?」
などとわざとらしく聞いたドクターの硬くてデッカイのが、あたしのお尻の中でムクムクと大きくなっていく。さっきまでも十分規格外の巨根してたのに、圧迫されて苦しいくらいなんだけど。
……実のところ、あたしとドクターは最初から身体を繋げている、しかもお尻の穴を使って。横向きに寝転がったあたしの後ろから、ドクターが抱き着きながら挿入してる体勢だ。もう1時間も前から、激しく交わったりせず繋がったままダラダラと過ごしていた。
「んあっ、ふぅ……確かにドクターのお尻好きは変態の領域だけどさ、さすがに慣れたっての」
なんかもう異次元すぎるレベルでお尻好きのドクターにアナルセックスを許したのは、思えば結構前のことだったかな。セフレみたいな関係性から始まったのが、ダラダラとアナルの肉体関係を結びながらもちょっとずつ距離が縮まる内に、満更でもない関係になっちゃって。ドクターの性癖に染められたあたしが、変態だって罵る権利は無いんだ。
「いいよ、一緒に都市デートしようじゃん。あたし今、欲しい服とかグッズがたくさんあるのよね~。護衛の報酬代わりにドクターを財布と荷物持ち係にしちゃったりして」
「それを堂々と言える君の度胸に免じて、好きなだけ付き合ってあげようじゃないか」
「へ~、話が分かるんじゃんか。せっかくだしドクターに下着や水着も選んでもらおうかなー、なんて──んお゛っ♡!?」
ケラケラと笑ってたら、不意打ちでガツンとお尻の奥を小突かれた。ビックリしすぎて変な声出ちゃったじゃんか。文句の一つでも言ってやろうと振り返る前に、ドクターの手が顎に添えられた。うわ、なんかドクターの所有物になったみたいで逆らい辛い。
「君とデートしたかったのは本心だけど、実はお願いしたいことがあるんだ」
「お願い? あんま変なのは嫌なんだけどなー」
「なら君が頷いてくれるまで説得しないとな」
「いや、説明も無しに頷く訳ないでしょ」という至極真っ当なツッコミは、「んあ゛っ♡」って汚い嬌声に塗り潰されて出なかった。いつの間にか結合部にローションが垂らされて、ドクターのおちんちんがピストンし始めてた。ゾリゾリって括約筋を擦られて無理やり排泄時の解放感を堪能させられる。
「へ、へー……碌な説明もせずに女の子襲って言うこと聞かせようなんて、ドクターの鬼畜め」
「だって正直に言ったら絶対頷いてくれなそうだからね。たまにはそういうプレイもアリってことで」
「うわっ、あたしに何させる気なのよ。こりゃとんでもない事言われそうだし、負ける訳にはいかないね」
だいぶ変態極めてるドクターが言えないようなお願いなんて、どうせろくでもないに決まってるんだ。そんなのをおちんちん使って無理やり言う事聞かせようなんて論外、絶対頷いてなんかあげないんだから。
……でもぶっちゃけ、ドクターは絶対あたしの嫌がることしないって信頼してる。本当に無理と訴えたらすぐ諦めてくれる人だって知ってるからね。だからまあ、その……こんなのただの出来レースなんよね。
「君が分かったって言うまでひたすらイかせまくるから、覚悟しておいてくれ」
「ふーん、そういうのやっちゃうんだ。最低だわ~、見損なったわ~、こんな人にお尻犯されて負ける訳ないわ~」
「よし、そこまで誘うなら徹底的にやってやる」
ガシっとドクターが腰を掴んできて、「あ、これ絶対逃げられないやつだ」と思い知る。無理やりキスされたのは最後の慈悲なのかな。普段の優しさを投げ捨すてた激しいピストン運動で、一気に硬いのが
それから先で記憶に残ってるのは、玩具みたいにお尻を執拗に犯されて、散々に喘いで啼かされたってことだけ。気持ちいいのか苦しいのかも分からないまま、喉が枯れてお腹がパンパンに膨らむまで続けられちゃった。
「わ゛がった、ドクターのおねがいきくからぁ……もうお゛しり、ゆるしてぇ……♡」
「ありがとう、アンブリエル」
宣言通りに、結局朝まで徹底的にアナルレイプされて、何度もイかされては
ホント、こんなんあたしじゃなければ誰も付き合ってられないっての。
◇
それから数日経過して、本当にドクターとデートする日がやって来た。
今でもちょっと現実味が無い。ドクターとデートしちゃうのかーって考えると、勝手に顔が赤くなってしまう。一応護衛って真面目な建前はあるけどさ、出る前に仲良ししてる皆から散々弄られてしまった。
だから気分はすっごいウキウキ、鞄に入れた守護銃がぶっちゃけ邪魔なのを除けば良い一日になる──と思っていたのだ。
ドクターとは移動都市とロドスを繋ぐ結合部で待ち合わせしてる。
先にあたしが来ちゃったけど、早く来ないだろうか。色んな意味で待ち遠しいまま待つことしばらく。
「やあ、アンブリエル、お待たせ──っと」
他に人目が無いのをいいことに、やって来たドクターへ思い切り文句をぶちまけた。
「ちょっと、本当にこれ付けてかなきゃダメなん? さすがに恥ずすぎなんですけど……」
「その方がドキドキするでしょ?」
「物には限度があるっての……」
「まあまあ。それより、実際に付けてきたのか確かめさせてよ」
通路の角へと手を引かれて、壁に手を付けさせられる。お尻を軽く突きだした姿勢で、ドクターの手が当然みたく普段着のスカートの中へと入ってくる。身を捩って抵抗する暇もない早業で、スパッツの上からお尻の一点をグッと押された。ドクターの指がコツンと硬い感触に当たったのがお尻越しに伝わってくる。
「ちゃんと付けてきてくれたみたいで嬉しいよ」
「だって約束しちゃったもんは仕方ないし……」
デート前だというのに、あたしのお尻にはアナルプラグが埋まっていた。
このバカアホ変態ドクター、こともあろうに今日のデート中にこれを付けながら過ごしてほしいと言ってきたのだ。そりゃ確かに断られると思うでしょうよ。誰が好きこのんで羞恥プレイをしたがるのよ。
でも、半ば無理やりだろうとお願いを聞くと約束しちゃった以上、あたしは律儀にアナルプラグを付けてきてしまった。自分で腸内洗浄した時はバカみたいだなと呆れたし、渡されたプラグは無駄に可愛いピンク色のハート型をした取っ手でなんかムカついた。意を決してはめ込んだときは正直ちょっと気持ち良くて……ダメダメ、思い出したらデートどころじゃなくなっちゃう。
しかもこのプラグ、単にアナルを塞ぐだけの代物じゃないみたい。どんな機能があるのか、まあ正直予想はついてるんだけどさ……できれば使われないことを祈りたいわ。
「無理をさせてしまってすまないね。だけど、今もアンブリエルのお尻を犯してると思うとめっちゃ興奮する」
「さ、さすがアナル大好きド変態だわ~……はぁ、もう付けちゃったもんは仕方ないし、早くデート行こうよ。こんなことさせるんだから、あたしも買い物は容赦しないからね」
「ああ、もちろんだよ。一緒に買い物デートを楽しもうじゃないか」
それからドクターは、あたしの頭を撫でて安心させるように手を握ってきた。不意に伝わる体温にドキッとさせられる。光輪がピカピカ光ったりしてないかな?
「もし本当に無理そうなら、素直にそう言うんだよ。絶対に無理強いはしないから」
ほら、やっぱりドクターは優しい。とんでもない事言い出すクセに、最後はあたしを一番に優先してくれる。だからこうして、少しは無茶振りに付き合ってあげようって気持ちにさせられるんだ。分かってるから甘やかしちゃうし、甘えてしまうからたちが悪い。
「えー、モウムリソウダシヤメタイデスー」
「それは却下で」
「ちぇっ、ケチ」
棒読みな訴えは当然スルーされ、手を引かれて歩き出す。サンクタじゃないドクターとは共感なんて起きないけど、それでもめっちゃ楽しみって感情が重ねた手の平から伝わってくる。うん、あたしもそこは同感だな。今の関係になってから、真っ当な恋人みたいな行為をしたことって無かった気がするし。期待に胸が膨らんでるんだよ、これでもさ。
「それじゃあ、行こうか。大規模なショッピングモールもあるみたいだし、早く行かないと回り切れなくなる」
「オッケー、それじゃ張り切っていきますかー!」
まあ、真っ当な恋人関係では無いし、余計なオプション付けられてるけど。
純粋に今日という日を楽しむのはアリだよね。
◇
私とアンブリエルの関係性は、一言で表せないくらいには複雑だ。
最初はセフレだろうか? 単に肉体関係を持った男女というだけで、特別な感情はそこまで持っていなかった。性癖に付き合ってくれて感謝してるし可愛い子だと思っていたけど、それくらいの認識だった。
きっと向こうも私のアナル好きに辟易して、そう遠くない内に関係性は自然消滅してくかなと思っていたのに……不思議なことに今日の今日まで続いている。そして長く関係が続けば、最初は持ち得なかったはずの色んな情動が湧いてくるのは必然だろう。
「おっ、ドクター次はあっちのお店行こうよー。可愛い服いっぱい並んでそうだし気になるなーって」
「分かった分かった、じゃあ次はそっちだね」
既に幾つも紙袋を提げた腕を引っ張られて、元気満々に歩いていくアンブリエルへ着いていく。明るい日差しの下、屈託の無い笑顔を浮かべたサンクタの少女は途轍もなく可愛かった。
独立都市はかのシエスタと同じく、特定の国の庇護に付かない都市のことを指す。私たちが訪れているこの都市もその例に漏れず、これが原因なのか国の文化が混ざり込んでいる。広々した公園にはヴィクトリア様式の噴水や街灯があり、ビル街の佇みはどことなくカジミエーシュのカヴァレリエルキと似ていて、しかし遠目に見える住宅街はリターニアの建築様式と似ていた。見ていて飽きない都市だ。
実のところ、とっくに私の目的は達している。この都市の雰囲気を肌で体感し、そこに住む人々の生活形式や顔色を確認できれば問題ない。明日行く予定の政庁も実地調査してきたし、準備の方は万端だった。
なので真面目な建前は早々に終了し、午前中の内からアンブリエルとの買い物デートが始まっている。後はもう、年頃の女の子のエネルギーを解き放つみたいに、種々の店に連れ回されているのだった。
「こっちの服の方がいいかなー? いやいや、ワンピースの方も清楚っぽくてアリかも? ドクターはどっちがいい?」
「うーん……どっちでも君には良く似合うと思うが」
「えー、そういう回答はつまんないわー」
などと口を尖らせ笑いながら、アンブリエルは実に楽しそうである。
彼女に連れられ入店した店は中々ガーリーで、明らかに不審者スタイルの私は非常に浮いている。周囲の人々から突き刺さる視線が痛いが、それも楽しそうなアンブリエルの笑顔があればお釣りがくるほどだ。
うん、本当に可愛いな。いつも私の性欲を満たしてくれるお礼もあってか、無限に彼女に尽くしてあげたくなってしまう。ハンガー両手にどっちが良いか悩む彼女から、どちらも預かってしまう。
「ごめんごめん。それじゃ、お詫びにどっちも買ってしまおうか」
「え、マジ!? ドクターさっきからすっごいあたしに甘いけど……ぶっちゃけ大丈夫? いくら何でも、都合のいい財布みたいな扱いするのは気が引けるんだけど」
上目遣いで心配そうに尋ねられてしまった。本気で気遣ってくれてる姿に『やっぱり可愛いなぁ』と場違いな感想を覚えてしまう。別に私はお金に困っていなければ、無駄に高給取りな面もあるのでこれくらいは散財の内に入らないのだが。
「心配しなくて良いさ、これくらいは平気だから。それでも気が咎めるっていうなら──」
ポケットに手を入れて、カチッとスイッチを押した。
「ひゃ──……!」
瞬間、アンブリエルの身体がビクリと跳ねた。反射的に出かけた悲鳴を何とか口で塞いだが、赤くなった頬までは隠せていない。ちょっと涙目になってキッとねめつけてくるが、それも『お尻でアナルプラグが動いて感じている照れ隠し』と思えば可愛いものだ。
今回のデートに当たって私がお願いしたのは、リモコン式の電動アナルプラグを付けさせてのプチ羞恥デートだった。こうして時折、不意打ち気味に起動させては振動で悶えるアンブリエルを可愛がる魂胆である。すっかり敏感な肛門に育てられた少女には効果覿面なようで、おそらく何度か絶頂したのを隠しているのもお見通しだ。
「ちょっ、ドクター……!?」
「この服2つを買うまで電源は付けっぱだ。ほら、私はこれで対価を貰ってるんだから気にする必要は無い」
「ぐっ、ぐぬぬぬ……嬉しいけど素直に喜べないっていうかー……」
モジモジと足を擦り合わせて、お尻を気にしたいけど人目があるから難しいという表情にそそられる。当たり前に衆人環視の真っただ中だから、迂闊にトロ顔を晒せば大変なことになる。だからお尻を刺激されながら、何でもない顔で買い物を続けるしかアンブリエルはできないのだ。
「わ、分かった、それじゃどっちも買うから! ありがとね、ドクター……!」
「うんうん、それで良いんだ。それじゃ、自分で買っておいで。カードは渡してあげるから」
その時の『嘘でしょ!?』って顔は、たぶん一生忘れられずオナニーのおかずになることだろう。絶望と羞恥と、拭いきれない興奮を何とか押し隠そうとする表情。今にも蕩けてしまいそうな顔を引き締め、お尻に揺れる異物を挿入したままアンブリエルは会計へと向かった。私も付き添いがてら後ろで観察させてもらう。
「えっと……この2つを、お願いしまーす……っ、ふぅ……」
「承知いたしました。袋にお入れしますか?」
「はい、それで……っ、んっ」
「お会計はどうされますか?」
「このカードで、よろしくお願い、します……っ」
何とか対応できてるけど、言葉が途切れ途切れだったり甘い声が混じってたりでかなり危ない。幸いバレては無いだろうが、応対するリーベリの女性店員も怪訝そうな目をしてるし。体調が悪いのかな? くらいは思われてそうだな。
さて、ここで私には3つの選択肢がある。可哀想だからアナルプラグの電源を止めるか、現状維持か、あるいはより振動を強めてしまうか。ほんの1秒にも満たない思考の末、私は手元のコントローラーで振動強度を最強まで一気に押し上げた。
「んぐっ──……っ♡♡」
「お客様、体調の方が優れないのでしょうか? よろしければ休憩所までの道をご紹介しますが……」
「い、いえ、大丈夫です……いやぁ、すみませんね、あはは」
ビクビク跳ねる身体を精神力で抑えつけるアンブリエル。どうにか取り繕っているが、もう限界が近いだろう。背後に立つ私は自身の身体と紙袋で死角を作ると、カード決済を待つ彼女の丸いお尻をサワリと撫でた。
「んっ、ふっ──ん♡」」
押し殺した嬌声の質的に、今の微弱な刺激が後押しとなって絶頂したのだろう。隠し切れずにガクガクと足が震えて、熱を帯びた身体がうっすら汗を帯びている。抗議がてら足をガッと踏まれたのも気にならない可愛さだった。
「それでは、こちらご購入の商品となります。ありがとうございました、またお越しくださいませ」
ようやく会計を終えた私たちは、足早にその場を去って店を出た。バレてはいないだろうが、露見するのも時間の問題だったから。約束通りアナルプラグの電源を切った私を待っていたのは、被害者からの怒涛の悪態である。
「ちょっと、もう! ドクターのバカ! あんなところで不意打ちやるなんてダメに決まってるでしょ! 時と場合をちゃんと考えてよね!」
「いや、すまなかったよ。君を困らせる気は無かったが──」
「こんなん最初から困らされてるに決まってるでしょ! だっておし──」
勢いで『お尻にアナルプラグとか入れられて!』と言いかけたのだろう。寸前でハッと気づいたアンブリエルは、自分で口を塞ぎながら恨みがましい目で私を見つめる。それから大きく深呼吸して、クールダウン。
「とにかく、人と話してるときにああいうのは禁止よ。あたしだってその、ドクターにばっか我が儘言い続けるのは嫌なんだからさ」
「それで私の趣味に付き合ってくれるんだから、君は良い女だよ」
「……ありがと」
怒ってはいるけど、本気で激怒してる訳じゃないな、これは。今回はややラインを超えてしまったが、次はもっと気を付けるとしよう。私も本気でアンブリエルを辱めたい訳じゃないのだ。
「ごめん、ちょいとあたしお手洗い行ってくるから、荷物持っててちょうだい」
「了解」
「これでも護衛役なんだから、一人でどっか行かないでよね。すぐ戻ってくるからさ」
「分かってるよ」
というやり取りを経て、アンブリエルが近くのトイレへ消えていくのを見送った。
それにしても、と一人になって改めて思う。ラテラーノ以外でサンクタを見かけるのは珍しいからか、結構アンブリエルを目で追う人は多い。そもそも彼女自身、紛れもない美少女なのだ。気だるげな雰囲気も相まって男からはさぞ魅力的に映ることだろう。
こんな子が、実は今も私のお願いでアナルプラグを入れっぱにしてるなんて、誰も想像だにしないはず。何度もお尻を貫かれ、嬌声を上げてしまうエッチな娘に育てられているなど、夢にも思わないだろうなと優越感に浸った。そして同時に不躾に彼女を見定める視線が不愉快に感じたし、今のプチ羞恥デートで悶える顔を他の誰にも見せたくない矛盾した欲望があった。
「こういうのを、独占欲って言うんだろうなぁ……」
思わず呟いてしまった。口に出すとすごくしっくり来る。
では何故この感情が生まれたかといえば、やっぱりそれはアンブリエルのことが──
「よーっす、お待たせー……どしたの? ウタゲの真似してみたのが意外だった?」
「いや、何でも無いよ。今のはちゃんと可愛かったさ」
「うわ、照れること真顔で言わないでよ、顔は見えないけどさ」
明るく笑うアンブリエルはさっきまでプリプリ怒っていたのが嘘みたいだ。改めて良かったと安堵した私は、ふと気になることに直面した。トイレに行ったなら、アナルプラグをさっさと抜くことだってできるのだけど……彼女はどうしたのだろうか?
気になってしまったから、もう一度リモコンスイッチを押してみる。カチッ。
「よーし、それじゃ次の店に行こうかー……んひゃっ♡」
急な刺激にやられたアンブリエルが『ちょっと、何すんのさ~』という顔で見てくる。それを受けた私は、自分でも気持ち悪いと思えるくらいニッコリと笑顔を浮かべていた。
別に今の一件で呆れたアンブリエルがこっそり外しても怒るつもりはなかった。どうしても嫌なら無理しなくて良いとも明言してる。でも彼女は、まだ付けっぱにしてくれてる訳で──本当に、健気で可愛い娘だ。
◇
それからも、私たちは買い物デートを楽しんだ。
服を買ったり、クレープやパフェを買い食いしたり、アクセサリーを眺めたり、時には下着を選ばされたりもした。さすがに気まずさマックスだったが、自分を叱咤してアンブリエルに似合いそうなピンク色のを選んでみたら、彼女はとても喜んでくれた。
他にもこれからの季節にと水着を見に行ったら、赤色の鮮やかなものを試着した姿を見せてもらったり。よく似合っていて、この恰好のアンブリエルとエッチしたいなと不純なことを考えてしまったら、見抜かれたのか怒られた。まあ、いつか頑張って説得してみよう。
そしてもちろん、定期的にアナルプラグを動かすことも忘れなかった。結局アンブリエルはデート中、一度も抜くことなく私の趣味に寄り添ってくれた。何度も身体を跳ねさせ、軽い絶頂を迎えて、バレるのではと冷や冷やした場面もあったけど、何とか大事にならず切り抜けることに成功した。
「いやー、買った買った! こんだけ戦利品あったら今季中は困らなそうね、ウタゲやキララにも自慢してやろーっと」
「ははは、喜んでもらえたなら何よりだ」
「ホント、ありがとね。荷物持ちまでさせちゃって、大変だったっしょ?」
「礼を言うのは私の方さ。今日はとても楽しかったよ」
重い紙袋に耐えながら二人並んで帰路へと着く。まだギリギリ夕方とは呼べない時刻だが、目ぼしいショップを回り切ったアンブリエルはご満悦である。心なしか出発時より活き活きしてるようにも見えた。
そして、私の方はと言えば──性欲がもう、我慢できそうにない。ズボンの下で勃起した一物を隠すのに必死で、セルフ羞恥プレイ真っただ中だ。これが因果応報なのかと嘆きながら歩いていたら、急にアンブリエルが立ち止まる。
「どうしたの?」
「ね、ドクター……これでもあたし、結構焦らされ続けて大変なのよね」
何が、とは聞くまでもない。散々性感を嬲ったのは私だ。
アンブリエルの視線の先には、控えめな看板を打ち出した
「ドクターだって、まあ大変なんでしょ? じゃあ、さ……ここで思い切り、発散してから帰らない?」
控えめに服の裾を掴まれて。恥ずかし気にモジモジしながら告げられた誘いに、私の理性は一瞬で吹き飛んだ。この場で即座に襲い掛かりたくなるのを必死で堪えて、せめて体裁だけは整える。
「嬉しいよ。だけどどうか、私の方からも言わせてくれ。君をたくさん愛したいから、一緒に付き合ってはもらえないだろうか?」
「ふふっ、いーよ。誘ってくれてありがとね、ドクター。実は今の、結構恥ずかしかったんだから」
◇
ホテルへ入り、個室の玄関をバタンと閉じた直後にアンブリエルの唇を奪った。頭に手を回して、がっちりホールドした逃げられない状態。お返しとばかりに細腕が私の頭へ回されて、貪るようなキスを交わした。完全に欲望だけに任せた乱暴なキスだけど、彼女はうっとり瞳を閉じて受け入れてくれる。
「んぐっ、んむっ──ちゅるっ、んーっ♡」
投げ捨てたバイザーが音を立てて転がる音も気にならない。荷物はその辺の床へ放り投げ、玄関での濃厚なベロキスに夢中になった。どこまでも甘いアンブリエルの口内と唾液を舌でなぞり、ヌメヌメと動く彼女の舌を絡め取って性器みたいに交わらせる。背丈の問題なのか背伸びしてまで私に合わせようとするのがいじらしかった。
「ちゅむっ♡ あむっ♡ れろっ、んっ♡ えへへ、じょーねつてきじゃん……顔面丸ごと食べられるかと思ったわよ」
「今日の君が可愛いすぎたのが悪い」
「だからってすぐキスなんて思わなかったわー……あっ♡」
アンブリエルを玄関扉に手を付かせて、こちらへお尻を差し出させる。奇しくも今朝、お尻にアナルプラグが入っているか確かめた時と同じ姿勢。だけど今回は上から触るだけでなく、大胆にスパッツごと下着まで下ろしてしまった。
黒色に赤の飾りが施されたTバックを剥ぎ取った先には、とろりと愛液を零す姫割れと、ずっとプラグを咥え込んでいた窄まりがある。よく歩いて、よくイったためか、ムワリと雌の籠った匂いが届いてくる。かなり股間に響く淫靡で濃い香りに、食中花に誘われるみたいに一物を取り出した。
「ちょっ、あんま匂い嗅がないでよ。まだお風呂だって入ってないんだし……っていうか、ここでもうヤっちゃうの!?」
「これ以上我慢できる気がしない。まずは一発抜かせてくれ」
「まったくもう……でもいーよ。正直さ、あたしもだいぶ限界だったから。お尻のこれ抜いて、代わりにもっとぶっといの突っ込んでよ」
クイっと持ち上げられたお尻を飾る、ハート型の取っ手をしたアナルプラグ。今日の羞恥に悶えるアンブリエルを演出してくれた功労者だが、今から私がその窄まりを埋める以上はお役御免である。功績を無視して処断する貴族とはこんな気分なのかと、変な感慨を抱きながらプラグを引っ張り出す。
ぐぐっ……ぐぽんっ♡
「んぐっ、んあ゛っ♡」
小気味いい音と共に太めのプラグが抜け落ち、ガコンと床に落ちた。今日一日責められ続けた菊門はすっかりピンク色に充血してふやけており、腸液も交えてぐちゃぐちゃになっていた。指で軽くなぞるだけで腹ペコだとアピールするみたく内側へ引きずり込もうとする始末。ずっと直腸を埋め続けていた異物が無くなり寂しいのか、クパクパと蠢いて次なる獲物の捕食を待ち望んでいるようだ。
そこへ急いでローションを塗した亀頭を擦りつけると、歓喜にわなないたお尻が震えた。サンクタ少女も同じくアブノーマルな刺激を求めていると確信しながら、遠慮せず奥まで一物を突き込んでいく。
「おあ゛っ♡ ん゛ぐ~~~~っ゛♡」
アンブリエルの抑えきれない嬌声を堪能しながら、立ちバックの体位でガツガツ腰を突き込んでいく。
ぐーっと剛直が飲み込まれた先は、たとえようもない極楽だった。よく締まった肛門括約筋の刺激はそのままに、直腸内部はすっかりほぐれて甘噛みするみたいに吸い付いてくる。しかも触れる場所はゴムのようにこなれていて、弾力ある感触がねっとりと一物を楽しませてくれる。すっかり発情しきった体温は火傷の心配をするほど熱いが、分泌される腸液と塗り込まれたローションが緩衝材となってくれた。
「うおっ……! めっちゃ、気持ちいい……!」
「あたしも、これはヤバいっての……! 一日焦らされたせいで、お尻が、気持ちよくって……♡ ん゛っ♡ ああ゛っ♡」
ぶしゃりと潮が吹き出て、お尻がギュッと締め付けてきた。まさかと思ったが間違いない、アンブリエルはアナルに肉竿をねじ込まれただけで絶頂したのだ。白い喉を晒して顔を天井へのけ反らせながら、肛門から伝わる甘美な衝撃を思うままに味わっている。
突き出された舌を指で挟むと、美味しそうに指先をペロリと舐められた。きっと無意識の行動なのだろうが、それでもなお媚びてくる痴態に興奮が止まらない。まだ挿入したばかりなのに、もう射精を我慢できそうにないほどだ。いや、私だってデートの間幾度となくアンブリエルを見て勃起させられたのだから、むしろこれは正当な権利だろうと──
「っ゛、あついの、お腹に出てる……っ♡」
抑えることなく、びゅーっ♡♡ とアンブリエルの腸内へ射精した。
熱い迸りが、どぷどぷとアンブリエルのお腹の中を埋め尽くしていく。一発目だけあって粘りも濃さも段違いな精液が、駆け付け一杯のごとく少女の最奥へと注ぎ込まれて。本当なら違和感を覚えるだろう感覚を、けれどこの少女は何とも嬉しそうに受け止めてくれるのだ。
ぐっ、ずぽっ……と一物を軽く菊門で扱き、尿道に残った精子の一滴まで絞り出した。挿入されて即座に絶頂まで到達した訳だが、まだまだ性欲は収まりそうにない。何発でもアンブリエルの
「アンブリエル……」
「んっ、ドクター……♡」
どちらともなくキスを求めて、恋人を連想させる情熱を舌に乗せて絡め合い。
そのまま導かれるように、大きなベッドへと倒れ込むのだった。
◇
「ん゛お゛っ♡ んぐっ♡ あ゛っ♡ あ゛っ♡」
ばちゅん、ぐぽんと間抜けな水音が聞こえてくる。
うるさいなーって文句を言いたいとこだけど、音源は自分のお尻なんだから文句を付けようにも付けられない。第一あたしの喉は快楽を訴えるのに必死で、まともな声なんて紡げる余地もないんだから。
先にラブホに誘ったのは確かにあたしの方だけど、ドクターが改めて誘ってくれたのがすごく嬉しかった。あたしばっかり発情してエッチな子って──今更かもしれないけどさ──思われたら嫌だから、この人もやっぱり同じ感情なんだと確信できて喜んだよ?
「あっ♡ あ゛~~っ♡ や゛め、どくたぁ……! お゛しり、こわ゛すつ゛もり、なのぉ……?」
でも、正直これは予想外というか……とんでもなく獣になっちゃったドクターに、絶賛ラブラブアナルレイプされてる最中です。
あんな玩具を付けさせられてあたしばっかり一日焦らされたと思ってたけど、ドクターも同じだったみたい。そりゃあ外せるタイミングでも結局プラグの付けっぱを選んだのは自分だけどさ、まさかドクターも勝手に性欲溜め込んでるなんて思わないじゃんか。こっちがお尻を疼かせている間に、向こうはちんちんを大きくして待ち構えてた訳だ。
「も゛っ、だめっ♡♡ あたま、お゛かしくなる゛ぅ♡♡」
「────っ!」
その結果がこれよ、これ。晩餐にあげられた哀れな雌の末路ってやつ? 玄関で挨拶代わりに一発犯されて、ベッドの上で串刺しにされて、それでも足らずに大きなソファの上で抱きかかえられたまま馬鹿みたいに直腸を貫かれてるんだ。
ガツガツお尻をぶっといので叩かれて、頭ん中真っ白で快感しか分からない。口は何とかドクターの許しを乞うべく訴えてるのに、向こうはもうお構い無しでさ。このまま気持ち良さで廃人にするつもりなのかと疑いたくなるほど、夢中でアナルを犯してる。
ま、そうは言ってもさっきから酷いんだけどね。玄関での交わりの後、服も脱がずにベッドへ寝転がされた後は寝バックで直上から貫かれた。両手をドクターのゴツイ手で縫い留められ、力の入らない身体を抑え込まれた状態で好き勝手に犯されて。ドクターが2回射精する間に、あたしはたぶん10回くらいイかされたと思う。おかげで綺麗だったシーツは入室数十分でもう体液塗れの悲惨な有り様よ。
そこで収まってくれたら良かったけど、まだまだ収まらないドクターに抱っこされてソファへ運ばれた。お姫様抱っこだーと喜んだのも束の間、背面座位で後ろにズブっと入ってきてさ。強烈ピストンで嫌というほど堀り返されたアナルは、全然抵抗なく飲み込んでしまい今に至るってわけ。
はい、回想しゅーりょー。なんかイきすぎて頭おかしくなったのか、今は精神だけ身体から分離してる気分なのよね。身体は今も快感の奔流で死にそうになってるけど、一周回って思考は保ててるというか。微妙に自分の置かれた惨状を客観視できちゃって、余計に恥ずかしい気持ちにさせられる。
「お゛っ♡ お゛っ♡ おお゛っ♡♡」
あーあ、もう汚い声しか出せてないじゃん。性欲で理性失っちゃったドクターにひたすらお尻をいじめられて、抵抗どころか善がり声でアピールしちゃってる。昔はこういう声を出しちゃうのが嫌だったけど、ドクターがいつも「可愛い声だね」とか言ってくれちゃうせいで、すっかり我慢できなくなってる。
何て考えてたらほら、「アンブリエル可愛い……! めっちゃ可愛い……!」って。聞いてるこっちが恥ずかしくなるっての。だけどあたしの身体はバカ正直に悦んじゃって、嬉しそうに甘イキしてはぴゅっ、ぴゅーって潮吹き繰り返してた。まるで犬の嬉ションみたいでホント無理、恥ずかしい。
「アンブリエル」
浅ましい絶頂を堪能してたら、ドクターの動きが急に止まった。あたしの身体を心配してくれた……というより、結構真面目な雰囲気あるね。茹った頭と喉が落ち着くのを待って、やっと声を絞り出す。
「なーに、ドクター?」
「こんな時に言うのも何だけど、聞いてほしいことがある」
「あたしを犯すより大事なこと? そんじゃ聞かせてもらおうじゃない」
なんだろうなーと期待半分、不安半分で待つ。意を決したようにドクターが口を開いた。
「私はその……君のことが好きだ」
「うん、知ってるよ。この前もうっかり口走ってたし」
いくらなんでも嫌いな相手とアナルセックスはしないよね、ふつー。
「いや、そうだけどそうじゃなくてさ。恋愛的な意味で、女性として好きだ。彼女になってほしい、付き合ってください」
「……へ?」
ツキアッテクダサイ……付き合ってください? 嘘でしょ、マジで? 今度こそ『突き合ってください』なんてオチじゃないよね? いやいや、そんなギャグにもならないギャグなんて考える方がバカでしょ。
やっと、脳の理解が追い付いてくる。そりゃ今日はデートしたし、前にも好きって言われたけどさ。結局それはライクな方の好きであって、ラブな方の好きじゃないんだと思ってた。そうじゃなければ、とっくに告白されてるのかなーって諦めてたし。
「ちょっと、急すぎてビックリしちゃったわ。はー、なるほどねー」
「ごめん、嫌だったなら──」
「嫌じゃない!」
自分でも驚くくらい大声が出た。さっきの喘ぎ声よりうるさいんじゃないかって声量。それぐらい必死に否定してた。
好き、告白、恋人、彼女。言葉を咀嚼して噛みしめるほど、胸の内に広がってくる幸福感。遅れて顔のニマニマが止まらないっていうか、叫び出したいほどの歓喜に満たされてく。
「嫌じゃないよ、ドクター。ううん、むしろ全然嬉しい。なんでセックス中に言ったの? ってこと除けばもう最高よ」
「それは、その……いつもやってる事の最中の方が、変に緊張しないかなって」
「いやアホでしょ。もうちょいムードとか考えてよね」
バカとしか思えない理由につい笑っちゃった。ドクター、すごい頭良いクセにこういう時はもう大馬鹿になっちゃうんだね。どこの世界でお尻を犯しながら愛の告白するカップルが居るのよ。うわ、ここに居たわ。ドン引きしちゃうね。
だけどまあ、今更それぐらいで冷めるほどアブノーマルな関係続けてないし、ドクターのことも好いているつもりだから。最初からあたしの答えは決まっていた。
「でもいいよ、ドクターの恋人になったげる。ううん、是非ならせてください」
「ありがとう、アンブリエル……すごく嬉しいよ」
後ろから腕が回されて、ぎゅーって抱きしめられる。いつもやってる事と何も変わらないのに、どうしてか比較にならないほど満たされた気分。これが恋人同士のふれあいなのかって、他人事みたいに考えちゃう。こりゃ世間一般の女の子が恋愛に夢中になるのも分かるわ。
「光輪がすごい光ってる。良かった、喜んでくれて」
「うわっ、見るなっての。はぁ~、まったくサンクタってのも疲れるもんね」
あたしだって恋バナ好きな世間一般の女の子だったはずなのに、いつの間にかアナル狂いな人のパートナーにされちゃってさ。たまに無茶苦茶な恋愛ハッピーエンドを見ては「え~、なくね?」って感じてたけど、当事者には当事者なりの幸せがあるんだと今なら分かる。
「それじゃドクター、せっかく恋人になったことだし目一杯甘やかしてよ。あ、ついでに聞いちゃうけど前の初めてを奪うご予定は?」
「え、それ自分で聞いちゃうの? 恥ずかしくない?」
「いや別に? 友達同士でいつ処女失ったとか、彼氏のプレイがどうとか平気でするのが女ってもんよ」
意外とこういうのは男性の方が控えめなのよねーと笑ったら、ドクターは躊躇いがちに切り出した。
「確かに私はアナル好きだけど、いずれ必ず貰って責任は取る。だけど今日はまだ止めときたい。ぶっちゃけ明日も君に来てもらいたいのに、歩けないのは言い訳に困る」
「あー……ひょこひょこ歩きでお偉いさんの前には出たくないね、確かに。っていうか、明日もあたしを連れてく予定だったんだ」
「……この機会に君との距離をもっと縮めたかったからね。素直に話してしまうと照れくさいな」
うわ、今のはすっごいキュンと来た。そっか、今回あたしを護衛に指名したのはそれだけ本気の現れだったんだね。すごい嬉しい、心が暖かくなる。下品だけど、子宮の方までズクンと疼いたくらいよ。
うん、そういう事情なら仕方ない。あたしは出来る女だし? 恋人の事情を汲んであげるのだってお手の物だから、自分から腰を動かしてハマったままのおちんちんをお尻で扱いた。
「うわっ、ちょっと──」
「じゃあ代わりに、こっちでたくさん気持ちよくしてもらうからね。これでもかってくらい激しく──あ、待って今の無し。そしたら明日のメイクが……うあ゛っ♡」
雰囲気に流されて余計なことを言ったと気付いたけど、もう遅かった。ドチュってくぐもった水音が響いたくらい、強烈にドクターの腰が突きこまれる。異物を咥え込んだまま落ち着いていたお尻がビックリしながら痙攣して、きゅうきゅう締め付けちゃってるよ。おかげでバカほどぶっといおちんちんの感覚が丸分かり。
それだけで満足せず、後ろから身体を上下に揺すられてピストン運動っぽくさせられた。視界がガクガク揺れるのに合わせて、何度もアナルをおちんちんが通過する。無理やり排泄快感を覚え込まされて、ぶっちゃけもうヤバいんですけど……!
「ちょっ、待ってドクター……っ♡」
「ダメだ、待たない。君が許可を出したんだから、足腰立たなくなるまで無茶苦茶にする」
「そんなこと、したらあっ♡ 明日、どーすんの♡ さっ♡」
「引きずってでも連れてく。可愛い彼女を自慢したいもの」
うへー、こりゃヤバいね。ドクターってこんな俺様系じゃなかったはずなのに、キャラ変しちゃってるじゃん。少し怖い、でもこんだけあたしに夢中なんだと分かれば嬉しさもある。むしろもっともっと夢中になってほしくて、自分から踊るようにお尻を振った。どちゅっ♡ どちゅっ♡ って耳を覆いたくなるエッチな音がこれでもかと聞こえてくる。
「うぁっ、だめっ♡ イ゛っぢゃう……♡♡♡」
「こっちも、
お尻の奥で弾けた熱い感覚と、下腹部を覆い尽くした絶頂の大波。
とにかく熱い二つの感覚に挟まれて、あたしは絶頂しながらドクターの射精を受け止めた。もう何度も注がれて、もう数えるのも億劫なほどイかされてるのに、幸福感が半端ない。頭がトびそうなのに、すっごい幸せ感じちゃってるよ。ああ、これが両想いセックスなんだね。アナルの方だけどさ。
「アンブリエル……」
「んっ、ドクター……♡」
休憩みたいにキスしながら、だけどもちろん分かってたんだ。
あたしも、ドクターも、今夜はこれくらいじゃ全然満足できないってことにさ。
◇
それからはもう、箍が外れたみたいに交わり合った。
まずはお風呂場に連れてかれて、すっごい丁寧に全身洗われた。エッチなことは一切せず、壊れ物を触るみたいに肌を擦って髪を洗ってくれたから、気分は物語の王侯貴族よね。しかもずーっと「可愛い」「綺麗だ」「髪がサラサラしてる」なんて褒めてくれるものだから、言葉だけで一度イってしまった。たぶんドクターにはバレてるね。
で、身体のケアが終わったらお待ちかねとばかりに胸や性器を散々触られた。お尻にはシャワーのお湯を入れられて、緩やかな精液排泄浣腸をさせられたし。いくら固形物は無いにしても、アナルからお湯を噴き出す場面を見られたのは一生の恥よ、ずっと責任取ってもらわないと割に合わないっての。なのにキスしながらまた見せてほしいとか言われた、やっぱ変態すぎるわ。
「なになに、このボディソープを身体に塗り付けてと……へぇ~、ドクターもこういうの好きなんだ~?」
あたしの洗浄が終わったら、今度はドクターの身体も洗った。しかも女体で擦るとかいうマニアックなプレイで。お尻で擦ったり、整えてたアンダーヘアでたわし洗いなんてのをやらされたり、まあ凄かったわ。
でも全身ぬるぬるになりながら肌を合わせるのは、単に交わるのとはまた違った背徳感や快感があってさ。最後はしっかりシャワーで洗い流したけど、それまでにお互い一回ずつは絶頂してた……うそ、あたしはそんなもんじゃすまないかも。
「ほらドクター、するんでしょ? 今なら綺麗になったばかりの美少女アナル、たくさん犯しほうだいよー♡」
テンションに任せてうりうりーってお尻を振ったら、めっちゃ簡単にドクターは釣れた。すっごい呆気なく組み敷かれて、まんぐり返しで固定されると真上からゴリゴリ削るみたいにアナルを犯される。こうして見ると現実味が無いなー、あたしのお尻にあんなデッカイのが出たり入ったりしてるなんてさ。
ズポッて入って隠れてるから、まあ直腸には入ってるはず。でもそれを意識するより、気持ち良さに襲われてしまう。で、やっと正気に戻ったと思えば今度はズルってお尻から抜け出してて、また気持ちよくさせられる。
「ん゛お゛っ♡ ひぐっ♡!? あ゛っ♡ ああ゛っ♡」
信じられないほど下品で汚い声が、お風呂の壁に反響してもうすごいことになってる。さっき一生の恥を体験させられたってのに、もう二度目レベルの恥よこれ。どうにか止めたいって思うのに、ドクターがお尻の掘削続けるせいで止められない。無理やり喉と口を開かされて、ピストンすれば啼く楽器にされちゃってるんだ。
「あんな! 尻を振る下品な誘い方! 他で絶対するなよ!」
「し、しないから゛っ♡ もうちょい゛、ゆるめてっ♡ こわ、れるぅ♡♡」
「反省するまで続けるからなっ!」
しかも変なところでドクターの独占欲に火を付けちゃったみたいで、怒られながらどんどん責めが苛烈になってく。っていうか、そっか、ドクターはあたしを他の人に取られたくなくて必死なのね。まったく、ちょっとは安心すればいーのにさ。誰にでもお尻振って媚びを振り撒くなんてやる訳ないってのに。
そこがどうにも人間臭くて、ドクターにもそんな一面があるんだなって気付かされる。仕方ないから抱きしめてあげようと思ったけど、伸ばした手は届かず空を切るだけ。あーあと思ったら、急に身体が持ち上げられた。
「あっ♡ ちょっ、ドクター……? んむっ、んあっ♡」
気付けば対面座位となって、ドクターの顔が目の前にあった。あたしが何か言うより先に唇を塞がれて、ゴツゴツした両腕が背中に回される。おちんちんの方も気付けば最奥まですっぽりハマっちゃって、ビクビク震えながら射精してるし。あたしも壊れた蛇口みたいにお潮やおしっこを吹いてドクターの身体を汚しちゃってた。
これ、もしかしてお互いにタイミングばっちりだったのかな? それともまさか、あたしが腕を伸ばしたのを見て抱きしめてほしいって解釈したの? だったら以心伝心ってやつじゃん。
「ドクター……♡」
「好きだ、アンブリエル」
「あたしもよ……ほら、ぎゅーってしてあげる」
……ま、どっちでも良いか。
だって、抱き留めた身体がこんなにも暖かくて、温もりに溢れているんだから。言葉に出さずともバッチリのタイミングで互いを求められるなら、こんなに幸福な事って他にないよね。無言で、ねっとりベロを交わし合う時間すら愛おしかった。
「ぷあっ……♡ ドクターも意外と嫉妬しちゃうことあるんだね」
「嫉妬深くて独占欲強めで悪かったな」
「もー、拗ねないでよ。ほら、まだやりたいこといっぱいあるんでしょ?」
「そうだな……今度はシックスナインとかどうだろう。アンブリエルのお尻を舐めたい」
「うわっ、一瞬で平常運転じゃんか……はぁ、しゃーないわね。あたしもおちんちん舐めたい気分だったから許してあげる」
「ありがとう」
何度も交わし合った軽口だって、こんなにも心が弾まされてしまう。
あたしって今、世界で一番の変態に捕まってるけどさ。同時に世界で一番幸せな女の子なのかなって思っちゃうんだ、これが。
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