純性癖ナイツ 作:ひかりねこ
「ふぁ……」
眩しい朝の光と共に目が覚め、間の抜けた声を出しながらゆっくりと上半身を起こす。寝ぼけた身体を起こすべく伸びをしようとしたところで異変に気が付いた。
「あれ、なんで裸なんだ……?」
普段ちゃんと服を着てベッドに入るはずなのに何故か全裸だ。おかしい、まったく脱いだ覚えがない。寝てる間に脱ぐなんて器用な真似をしたこともない。
いやまて──ここで恐ろしい事実に気が付いた。よく見たらこの部屋は自室ではない。部屋は確かにロドスのオペレーターに貸与される一室だが、内装や小物が明らかに異なる。大きな加湿器や書き途中のキャンパス、それに異質な小型作業機械はリトル・ハンディと呼ばれるもので。漂う香りは女性特有のそれだが、どこか生々しい匂いも多分に含んでいた。
嫌な予感が背筋を走る。だがそれに対する思考を巡らすより早く、すぐ横から身じろぎする音がした。
「んん……あら、もう朝なの……」
女性の甘やかな声。それが全裸の自分のすぐ隣から聞こえてくる。
寝ぼけまなこを擦りながら、むくりと上半身を持ち上げた彼女は当然のごとく裸だ。透き通るような白い裸体が日光に照らされ、細い腕が「ん~~っ」と上に伸ばされる。そのせいで豊満な胸と先端の小さな淡紅色がこれでもかと突き出され強調されている。咄嗟に目を逸らしたが心臓がバクバク鳴って仕方ない。
ふんわりと広がった艶やかな薄桃色の髪の間で、茫洋とした眼が数秒だけ空を泳ぎ、それから驚愕したまま固まっている私へと向けられた。
「あら、おはようドクター。よく眠れたかしら?」
「えっ……あっ、ああ。寝覚めはいい、たぶん」
咄嗟に出てきたのは不格好すぎる言葉。
けれど起き上がった彼女──ルシーラは少しも気にした様子は無い。整った顔立ちに大人の余裕すら浮かべ、クスリと笑った。
「ふふ、なら良かった。昨日はあんなに激しくしたから、まだ疲れてたらどうしようって」
「あー……やっぱり、そういうことなのか」
額に手を当てて天井を仰ぐ。嫌な予感は完全に的中していたようで。
どうやら私は、恋人関係でもないオペレーターと一夜の過ちを犯してしまい、しかも完全にその際の記憶がすっぽ抜けているようだった。
◇
オペレーターであるルシーラとの関係性は、一言で言えば普通に尽きる。
特別な関係性では断じてない。以前にエーギルの都市を訪れた際、シーボーン関連のアレコレに巻き込まれたことがあった。その際にルシーラもまた別方面から関わりがあり、その縁で
どこか儚げで、けれど大人っぽい魅力を湛えたルシーラであるが、彼女の本質は意外と破天荒というか予測のつかない人である。奇妙な発想をいくつもしては行動に移し、時にはロドスでちょっとした問題になったりする。当の本人は悪気もなく楽し気にやっているのでどう嗜めるべきか困っている、と相談を受けたこともあったか。
なのでまあ、どういう
なのにどうして今、ルシーラと同衾した状態で目が覚めたのか──よくよく思い返してみると、昨晩は久しぶりに酒を飲もうとバーに立ち寄っていた気がする。そこで一人飲んでいるルシーラと遭遇して、この機にもう少し会話をしようと相席して、それから……ここから記憶が曖昧だ。
「もしかして、私の方から誘ってしまったのか?」
「そうよ、あなたが強引に私の腕を掴んで──ふふ、冗談だからそんな顔をしないで。誘ったのはむしろわたしの方なんだから」
まったく笑えない、本気で肝が冷えた。そんなことしていたら責任問題で大変な事態になる。
だからといって安堵できる状況でもないのだが、ルシーラは揶揄うばかりでちっとも深刻さを感じない。好きでもない男と交わったのにケロリとして、むしろ良い思い出だったとばかりに満足そうな表情だ。
「でも残念ね、せっかく特別な夜を過ごしたのに覚えていないなんて。ねぇ、本当は全部覚えてたりしないの?」
「……いや、申し訳ないが本当に覚えてない。君とバーで出会って、かなりアルコールを入れたことまでは覚えているが……」
「そうね、それで飲み過ぎたドクターを介抱するのにわたしの部屋へ連れて行ったの。細い見た目なのに結構重くて大変だったわ」
申し訳ない、と平謝り。どうやらこの時点でも迷惑を掛けてしまったようで、その後を聞くのがもう怖いが意を決して聞いてみる。
で、ルシーラは私をベッドに寝かせて、衣服を緩めてくれたところまでは良かったのだが……そこでルシーラは気付いてしまったらしい。
「ドクターの男性器、おちんちんが膨らんでいたのよ。疲れとか酔いのせいかしら? あんなに近くで見たこと無かったから興味が出ちゃって」
「……見苦しいものを見せたようで」
「気にしないで、むしろこれはチャンスだって思ったの。自分の知らないものを知るいい機会だし、ドクターとなら悪くないかなって」
「それで、襲ったと」
「ちゃんと許可は取ったわよ? そしたらドクター、『君みたいな美人のお相手なら悪くない』って。ドキッとするほどカッコよかったわ」
それはまた何というか……過去の自分を張り倒したい気分だ。
突飛な思い付きを実行に移しては、新たなインスピレーションへ変えていく好奇心がルシーラの個性だろう。しかしそれが性的な方面に向き、私に対して発露するとは思いもしなかった。断らなかった自分の理性の無さが恨めしい。
ただ、まあ……確かにルシーラのような美人に求められて悪い気がしないのも事実なわけで。彼女は十分に魅力的な容姿と身体つきをしていて、今も裸なせいで生唾を飲んでしまう淫靡さだ。覚えてないのが惜しい気持ちも僅かにある。
「それに参考のために記録もいっぱい残してるのよ。見たい?」
ルシーラの提案はまるで欲望を見透かされたかのようで、魅力的な誘いであった。
断ろう、そう考えているはずなのに口は動かない。さっきから酷く性欲に意志が支配されていて、
「…………興味は、ある」
躊躇の果てに私は正直に頷いていた。
ダメだ、確認する前に早くこの場を収めるべきだろう。そう理性は訴えかけているのに、本能はどこまでも真っ直ぐで誤魔化せない。彼女のあられもない姿を見たいと強く願ってしまった。
「ええ、良いわよ──リトル・ハンディ、昨日の写真を見せてちょうだい」
エーギルの粋を集めた補助機械がスッと近づき、記録された昨夜の情交を鮮明に開陳する。そこに残っていたのはあまりにも生々しく、淫靡で、爛れ切った性行為の痕跡たち。どれだけ私が彼女を貪り、また彼女が私を弄んだかありありと分かるもの。
「これは……お互いに脱いでる時の写真かしら。こうやって下着姿を見られるのは恥ずかしいわね」
まず出てきたのはルシーラが下着を脱いでいる際の煽情的な一枚。水色を基調にピンク色の装飾が施された可愛らしい下着で、ちょうどブラを外そうとする場面を切り取っていた。白く大きな乳房がまろび出ようとするまさに直前で、チラリと見える赤い先端に視線が釘付けになる。だがすぐ後ろに入り込んだ
「で、その次はドクターに舐めてもらってる時のね。ふふっ、陸の人が飼ってるペットみたいで可愛かったわよ」
切り替わった次はベッドで大きく足を開いたルシーラの股に顔を寄せ、一心不乱といった様子で姫割れを舐め上げている男の姿。髪と同じ桃色の草むらから、ふっくらした白い割れ目に舌が這わせるシーンがきっちり写っていた。懸命に舐める様子が臨場感たっぷりに伝わり、彼女の言う通り飼い主に尽くすペットのように感じられる。
そして続きの写真はクンニリングスを受けたルシーラが気をやったシーンのようで、キラリと吹きこぼれる一筋の飛沫まで鮮明に記録として残っていた。ピンと伸びた脚は彼女が受けた快感の大きさを物語っているかのよう。嬌声すら聞こえてきそうな鮮明さだ。
「でも、この後のドクターはとても男の人らしくて……ベッドに組み敷かれるってああいう気分なのね。小説で読むだけじゃ絶対に分からないドキドキがあったもの」
などと官能的な感想と共に見せてくれたのは、紛れもなく私がルシーラを抱いている一場面を切り取ったもの。おそらく後ろから撮影した正常位だろうか、リトルハンディのカメラには結合した雌雄の性器とルシーラの長い脚、それにのしかかる雄しか写っていない。
それでもゴクリと生唾を飲んでしまったのは、淫靡な結合部と艶めかしい脚のせいだろう。大きく左右に開かれた陰唇は内部の紅色を曝け出し、ドロドロになって雄を咥え込んでいるのが丸分かりで。結合部で泡立つ白い汁が何度もかき回され、一突きごとに白い足が悶える様が容易に想像できる。
「他にもたくさん試してみたわね、ほら、いっぱいあるわよ」
後ろから乱暴にルシーラを組み伏せて犯している一枚。
騎乗位で胸を揺らしながら男性器を受け入れている一枚。
側位で寝かせたルシーラの足を抱えて突き込んでいる一枚。
どうやって撮ったのか、立ちバックの私主観の写真まで紛れていた。おかげで彼女の白い背中はもちろん、薄紅色の可憐な肛門までも収められたアブノーマル極まる一枚に仕上がっている。
「これはまた、なんとも……」
次々と切り替わる画像のすべてに雄と雌の淫らな結合が写っていて、これは完全にハメ撮りというやつではないか。幸い? 男が無理やり撮影しているわけではないけれど男女のあられもない痴態が言い逃れの余地なく残されてしまっていた。
そしてこれらを見せられる内に、忘れていたはずの昨夜の光景が徐々に水底から浮上し始めた。泥酔した頭にも刻み込まれてしまった生々しい女体の快感。白い柔肌、揉み心地の良い巨乳、それに襞ひだが幾重にも絡みついて蕩けるような具合の膣穴まで──ぼんやりと、思い出してしまった。
「見ていて勃起しちゃったの? ええ、気持ちは分かるわよ、とてもエッチに撮れてるものね」
「あっ、いや、これは……」
自分がルシーラを抱いたのだ、と記憶と共に実感が湧いてしまった時にはもう、男根は正直に欲望を露わにしていた。呼び覚まされた性欲を咄嗟に制御しようと思っても既に遅い。痛いほど勃起した一物はすっかりルシーラの前でアピールしていて、羞恥よりもいっそ醜悪さすら感じられた。
なのにどうしてだろうか、雄の欲望を目の前にぶら下げられたルシーラは嬉しそうな微笑みを崩さない。むしろ細い指を躊躇なく肉棒に絡ませようと伸ばしてくる。咄嗟に身を引こうとしたが彼女の指が触れてくる方が早かった。
「ね、良ければ楽にしてあげてもいい?」
「楽にって、それは」
「ふふ、今あなたが思った通りのことよ。ほら、立って」
促されるままベッドの上に全裸で直立させられる。朝日を浴びる中でどことなくシュールな光景だ。だけどそんな奇妙さも、しゃがみ込んだルシーラがいきり勃った肉棒へ顔を寄せてくる興奮の前には呆気なく霧消してしまう。
ふわりとしたピンクの長髪が腰のすぐ傍にある。吐息が亀頭に触れてくすぐったい。これから彼女が何をするつもりなのか、どんなに鈍感な男でも察せられないはずがなくて……私は止める言葉を吐けなかった。いいや白状すれば『してほしい』とすら願っていた。
瑞々しいエーギルの唇はもう、赤黒い先端のすぐ傍まで迫っている。
「いただきます……あーむ♡ ちゅっ、んむっ……ふふっ、ちょっとしょっぱいわね」
パクリと先端が可愛らしく口に含まれた途端、ゾクリとしたものが背筋を駆け抜けた。亀頭を軽く咥えられただけでこれなら本気でフェラチオをされたらどうなるのか。恐ろしさと好奇心、それに期待がない交ぜとなって視線を下にやれば、上目遣いのルシーラと目が合って。
彼女の目が笑ったような気がした。そう認識した直後、くぽっ♡ くぽっ♡ と優しい水音を立てながらルシーラの顔が前後に動き始めた。激しい動きではない。肉棒の先端から半分くらいまでを緩く口内へ出し入れする程度のものだ。
「こうしていると……ちゅっ♡ 飴玉を舐めている子供みたいね。でも子供なら、こんなエッチなことはしないかしら? ほら、こういうのはどう? ちゅるっ、んっ……♡」
「うおっ、それは……! 舌が先っぽを……」
浅く肉棒を咥えたまま、柔らかく唾液に塗れた舌先が優しく亀頭を舐め回す。ぞわぞわ、ぞくぞく、そういう快感と共に肉棒から先走りがとめどなく溢れてくる。昨日の夜にルシーラと交わり萎んだはずの性器だが、すっかり射精する気になって彼女の口淫奉仕を受け入れていた。
何故ルシーラがここまでしてくるのか、なんて当然の疑問は呆気なく隅に追いやられた。温かくてヌルヌルした口内に収められ、今も舐め回されている亀頭から快感が送り込まれてくる。鈴口を吸ったと思えば裏筋を優しく舌で愛撫し、竿をちゅっと吸った直後に喉奥までぐぽっと飲み込んで。私を悦ばせるために必死なのが伝わってくる情熱的なご奉仕フェラに満足感を覚えてしまう。
「んむっ、んぐっ……ちゅるっ♡ れろぉ……♡ どうかしら、気持ち良くなれてる?」
「あ、ああ、とても気持ちいいんだけど──」
「良かったわ。昨日楽しませてくれたお礼に、好きな時にいっぱいびゅ~っ♡ って出していいからね」
楽しませてもらったのは私のはずでは、というツッコミは「うっ」とうめき声にとって代わられた。先ほどまでくぽっ♡ くぽっ♡ と緩やかなストロークで責められていたのが、気付けばじゅぽっ♡ じゅぽっ♡と激しい水音に変わっている。ルシーラの細腕が私の腰に回されているから口淫奉仕から逃げることもできはしない。
ぐぽっ♡ じゅるっ♡ じゅるるる……っ♡ れろっ、ちゅっ……♡
「やばい、それかなり効く……っ! もう
「だーめ♡ もっと我慢してからたっぷりお射精しましょ? その方がわたしも嬉しいもの」
素直に限界を告げてもルシーラは許してくれない。私はベッドで立っていて、跪いて男根に奉仕しているのはルシーラであるはずなのに、これではどちらが主導権を握っているか分からない。支配しているのに支配されてるような倒錯感を覚えながら、せり上がってくる射精欲に身を委ねたい衝動に駆られてしまう。
唾液に塗れた肉棒が何度もルシーラの小さな口を出入りする。今や根本までぐっぽりと飲み込まれ、彼女の喉奥を何度も突いているのに、まだ奉仕を止めてくれない。むしろ簡単にイったら面白くないとばかりに焦らされ、止められ、射精欲求だけがずっと高められ続けて、
「ごめんっ、もう限界が……っ」
「んぐっ!? んっ、ふぅ──」
ついに我慢できなくなった私はルシーラの頭を抑え、根本まで無理やり飲み込ませていた。桃色のふわふわした頭髪を無造作に掴み、苦しそうなうめき声をあげるのを無視して強引に肉棒を扱かせる。狭くて温かい、彼女の熱をたくさん感じて精液がドクドクと作られているのを感じてしまう。
やってはいけないと分かっているのにその背徳感がまた射精欲を煽り、トドメに涙に濡れたルシーラの瞳が私を真っ直ぐ見つめてきたものだから──もう限界だ。この昂ぶりを抑えられない。
「っ、
びゅくっ♡ びゅるるるるるっ♡ びゅーっ……♡
ごくっ、ごくっ……♡
勢いよく吐き出された白濁がルシーラの口内へ流し込まれ、彼女はそれを嫌がることなく喉を鳴らして飲み込んでいく。粘つく精液を零すことなく腹の奥へと収める性処理道具のような扱いだというのに、むしろ瞳は嬉しそうな色を帯びていた。ビクビクと肉竿が震える度に舌が愛おしそうに裏筋を舐め回すからちっとも射精が止まらない。
たっぷり拵えられた精子は一滴余さずエーギルの美女へ捧げられ、彼女が満足するまで精液を生み出しては飲み込まれて……やっと射精が終わったと思えば追い打ちを掛けるかのように尿道に残った精子までも丁寧に吸い取られた。
「じゅるっ、んむっ……♡ ぷはっ♡ 昨日あれだけお射精したのに、またこんなに出してくれるなんて」
にこやかな表情をしたルシーラの舌には白濁がたっぷり乗っていて。その量と粘っこさを見せつけるように口を開くこと数秒、「ごくり♡」と喉を鳴らして全ての精液を飲み込んでくれていた。
「喉に絡みつくほど濃くて熱い……とっても情熱的で嬉しいわ」
「す、すまない……乱暴にしてしまったが大丈夫か?」
「平気よ、これくらい。わたしだって楽しかったのだから気にしないで」
ほら、それよりと甘い声音でルシーラは囁く。すっかり萎んだ肉棒の先っぽに唇を寄せて、愛を誓う新婦のようにちゅっ♡ と甘やかなキスを落としてみせた。蠱惑的で官能的で、それこそ雄を勘違いさせかねない愛ある屈服。あまりの光景の脳がクラりとするが『パシャリ』という無機質な音で現実へ引き戻された。
それが何を意味する音か、先ほどまで写真を幾つも見せてもらったから分からないはずがない。
「すごいわ、朝日と一緒にエッチした写真ってこんなに淫猥な一枚に仕上がるのね。陸には知らないことばかりで楽しくなっちゃうわ」
「また、写真を撮ったのか……」
「ええ、参考になると思って。ドクターにもおすそ分けしてあげるわ──リトル・ハンディ」
ルシーラの呼びかけの直後、サイドテーブルに置かれていた私の端末がピコンと通知音を鳴らした。もうそれが誰からの何なのかを確認する必要はなかった。
そんなことを考えている間にルシーラはスルリと立ち上がると、手際よく散乱した服や下着を拾っていた。スタイルの良い白い肢体が朝日に映えて目に眩しい。
「さてと、そろそろ着替えて準備しないと業務に遅れちゃう。ドクターもそろそろ部屋に戻らないと、誰かに出くわしたら大変よね」
「ま、まあその通りだが」
その切り替えの早さにこちらが付いていけないまま、ルシーラは「それより」と唇に指を当てた。
「ドクターがオペレーターにエッチなことをしたって写真が、わたしの手元にたくさんあることを忘れないでちょうだいね」
「……私を脅迫する気か?」
「いいえ、まさか。むしろドクターこそわたしを脅迫できる立場よ。さっきみたいなエッチな写真をばら撒かれたらもうロドスに居られないもの。ドクターを誘惑した淫売エーギルってレッテルを貼られてしまうし」
だったらつまり、ルシーラは何を言いたいのか。
「互いに互いの弱みを握り合って好きなようにすると、そういうことか」
「ええ、ドクターはわたしを好きな時に呼び出してエッチなことをさせて良いわ。逆にわたしもドクターに付き合ってほしい時は
「だからよろしくね♡」と悪戯っぽく笑う姿の果たしてどこに安心できる要素があるのか。
とはいえ一晩の関係を持ってしまい、その証拠も山ほど撮られている以上、いったん私はルシーラの提案に乗ることしかできず。
……軽蔑されることを覚悟で白状すれば、またルシーラとセックスする機会があると心のどこかで喜んでいたのも誤魔化せない事実だった。
◇
ルシーラという女性は不思議な人だ。
つかみどころが無いというか、儚い雰囲気をしている割に活発で突拍子もつかないことを繰り返す。ロドス艦内で一時期幽霊騒ぎがあった時の犯人は彼女だったと聞くし、食事中に急に不可思議な発想を思いついてそちらに夢中になる姿を見たこともある。
ただ、私の中で一つ間違いないと思ったのは彼女の発想力の豊かさだ。奇妙なところはあれど人の道理を外すわけではない、むしろちゃんとした信念というものを自分の中に持っている。だから自信満々におかしな思い付きを出しては本気で挑めるのだ。
──ただ、今の関係性をおかしな思い付きの一言で括って良いかは疑問が残る。
すっかり仕事終わりに近づいてきた夕暮れ頃、自前の端末が『ピコン』とメッセージ受信の自己主張。まさかと思い端末を開けばやはりルシーラからのものであり、『今は空いてるわよ』と簡素な一文だけ添えられていた。
……いや、訂正しよう。簡素な一文だけでなく直後に写真が一枚送付されてきた。どこかの女性用トイレで撮ったのか、下半身を隠していないルシーラの自撮り写真。ふわふわした桃色の茂みとその下で丸まっている群青色の下着に視線が吸い寄せられてしまう。もう何度も見たというのに、だ。
結局私は自分に打ち勝てず『そろそろ仕事終わりだから来てほしい』とだけすぐ返した。それからソワソワしつつ待つこと数分、ルシーラはすぐにやって来た。
「こんにちは、ドクター。あなたの方から呼んでくれるなんて嬉しいわ」
「あんな写真を見せられて興奮しない男はいないよ」
「あら、そうなの。だったら嬉しいわ、あなたもちゃんと男の子なのね」
ごく自然に入室し、それが当然とばかりに私のすぐ横に来る。ルシーラの漂わせる甘い香りが脳に悪い。まるで条件反射を刷り込まれた獣のように、彼女の香りが鼻腔に届くだけで性的な欲求を堪えきれなくなっている。
だからそのまま私の顔を覗き込んだルシーラが、慣れた手つきでフードを外して唇を重ね合わせたのもいつもと同じ成り行きで。過ちを犯したあの夜以来、彼女との逢瀬を何度も繰り返してしまったことを如実に語っていた。
そう、結局私はルシーラとの関係を断てなかった。身体だけの関係、愛情の介在しない爛れた間柄。それが今の私たちの関係を示すもっとも適切な言葉である。
「んっ、ちゅっ……♡ あむっ……ドクターの舌、ちょっと苦いわ」
「仕事中にコーヒーを飲んでたからかな」
「眠気覚ましはいいけど飲みすぎは身体に毒よ……ふふ、今度刺激的なおやつを持ってきてあげるわ」
なんだそれは、と問いかけた口は再び塞がれてしまった。甘い唾液を纏った舌が執拗に私の口内を嬲り尽くし、微かに残った理性が「この関係はもう止めよう」と言いかけるのを防いでしまう。むしろ本能はお返しとばかりに彼女の口内に自分から舌を差し出して唾液を交換し合っていた。
ぴちゃ、ぴちゃと淫蕩な水音が脳内に何度も木霊する。薄桃色の髪がふわりと頬をかすめて心地よい。互いに手を添えて貪るようなディープキス、触れ合う唇の柔らかさも、鮮やかに赤い舌の滑らかさも、すべて味わうために長く長くキスをして。気付けば酸欠になりそうなほど深く長く舌先だけで睦み合っていた。
落ちていく。まるで堕落だ。深海に沈むような背徳感を理解しているのに抜け出せない。
「ぷはっ……蕩けそうなキスだったわ♡ おちんちんもパンパンになっちゃって、苦しそうね……♡ ほら、立って?」
促されるまま椅子から立つとルシーラがカチャカチャとベルトを外し、下着ごとズボンをずり下げてしまった。途端に勃起した醜悪な肉槍が彼女の眼前に出てしまう。本能は正直にルシーラという美女を求めて先走りを垂らし、私もまた期待を隠すなどできそうにないのだ。
ここから何をしてくれるのだろう? フェラチオか、手コキか、以前にしてもらったショーツに包まれて気持ち良さも忘れられない。彼女が与えてくれる快感を刻み込まれてしまっている
「そうね、今日は……わたしも一緒に気持ち良くなりたいわ。あなたのガチガチになった逞しいので、わたしという絵具をいっぱいかき混ぜて、キャンバスを染め上げてみない?」
床へパサリと落とされたのはルシーラの下半身を守っている黒色の布地たち。ロングスカートにも見えるそれらが取り払われた結果、白く艶めかしい両足が根本まで直に見えてしまった。もちろん写真にも写っていた群青色の下着も露わとなり、白い刺繍のあしらわれた華美なデザインを観察できてしまう。
執務机にそっと腰かけた彼女は右足を自分で抱えると、クロッチ部分を僅かに指でずらした。あのキスで既に濡らしていたのか、ぬちょ……♡ と粘ついた水音が微かに聞こえた。白くふっくらした陰唇、薄紅色の中身、それらが私を誘うように微かに開かれている。淫らな雌の香りが僅かに届いた。
「ね、ドクター……♡ いっぱい腰を振って、びゅーっ♡ ってお射精しちゃいましょ?」
「っ、ルシーラ!」
トドメにそんな誘い文句を向けられたら、もう一秒だって我慢できそうになかった。
ガチガチに反り返った肉棒の根元を掴んで慌ただしく切っ先をルシーラの膣口へと沈めていく。ずぶずぶと一物を挿入する作業はどこか潜水にも似ていて、息を止めていないと心地よい圧迫感と温かさに呆気なく屈してしまいそうだった。
水中で抵抗を受けながら前へ進むように、ぷりぷりの肉襞たちを押しのけ掻き分け、溺れないよう慎重にエーギル美女の最奥を目指していく。トロトロと溢れだす愛蜜は滑りを良くしてくれる一方で膣がいっそう吸い付きフィットするよう仕向けており、
「ドクターのお顔、とっても気持ちよさそうね……♡ ほら、今はここまで来てるわよ♡」
ルシーラの細い指が自分のお腹をつぅとなぞった。陶磁器のように滑らかな白い肌の下腹部、ショーツとの境目あたりを指さしている。そこまで雄の象徴が突き進み埋め尽くしているのだろう。指先に導かれるまま柔肉の温かな海を掻き分けて最奥を目指し、一番大切な場所を白く穢そうと剛直を押し込んで。
コツンと亀頭に当たったのはルシーラの一番大事で敏感な場所、子宮口で間違いなかった。
「んっ、ふぅ……♡ 奥まで入ってきたわね、お腹がはち切れちゃいそう♡」
「このまま動いて良いかい?」
「ええ、もちろん。わたしと一緒に──って、あんっ♡ いきなりはだーめ……♡」
甘い声で嗜められるも止められない。せっかくたどり着いた子宮口とキスを出来る特等席に背を向けてズルズルと入口へ戻って行く。ねっとりした愛液が根本まで絡みついている肉竿を見て、それから再びルシーラの膣内を穿って快感を貪った。
襞の一枚一枚が絡みついてちょっと動かすだけでも一苦労の密度。腰に力を籠めるためにルシーラの腰に手を回すと、彼女の方からも両手を私の背中にかけてきた。執務机を支えにした立位、女性の一番大切な部位を一突きする度に机がガタガタと鳴るのも気にならない。それくらい気持ち良くて夢中になってしまっている。
「っ、ルシーラ……!」
「あっ、ん……♡ 余裕の無さそうな顔、好きよ……♡ ほら、こっちも触ってみて♡」
パン、パンと強く腰を打ち付ける中、ルシーラの上衣がスルリとはだけられた。つい目で追いたくなってしまう魅力的な膨らみ、その右側の豊丘が露わになっている。赤色の突起はピンと立って美味しそうに色づいていて、促されるまでもなく果実を口に含んでいた。
「んっ、あっ♡ いい、わ……♡ 上手よ、っ、んんっ♡」
ちゅぱちゅぱと乳首に吸い付いて、まるで赤ん坊のように甘くて硬い突起に惹かれてしまっていた。少し歯を立てたり、舌で舐め回したり、自分のものであるとマーキングするみたく味わってしゃぶりつくす。埋めた頭は蕩けるように柔らかい胸に抱きこまれてそれすらも気持ちいい。
その間も当然腰は動かしていて、ゆっくりにしろ早くにしろ彼女の膣内を隅々まで探索し、少しでも気持ち良くなろうと躍起になっていた。そうやってザラザラした部分を擦り上げたり、ポルチオ付近を刺激するとルシーラも一緒に気持ち良くなってくれるから、それが嬉しくてまたピストンに力が入ってしまうのだ。
ぱちゅん♡ ぱちゅん♡ ぱちゅん♡
どちゅっ♡ ぐちゅっ♡ ぱんっ♡
「ドクターにお腹、擦られると……っ♡ 素敵なアイデアまでぜんぶ、とんでいっちゃいそうで……♡ やっ、ん♡」
「だったら、今日はっ、ここでやめるっ?」
腰を振りながら分かりきった問いを投げる。
きっと私と同じくらい快感に惚けた美女の瞳を見やれば、
「ううん、やめないわっ♡ だって気持ち良くなった後のほうが、いろんなことを──ひゃっ♡ おっぱい乱暴に掴むのは、だめよっ♡」
予想通りの回答が来たから、どちゅん! と思い切り腰を突き込んで、柔らかい双丘を掴んで揉みしだいた。ここが執務室であるとか、ルシーラとの関係性は爛れているとか、そういう悩みは何処かへやってしまう。だって仕方ないじゃないか、こんなにも抱き心地の良い
薄桃色の髪の毛を振り乱してよがるルシーラには普段の余裕さは無く、とにかく与えられる快感を必死に享受するしかない乱れっぷり。たくさん気持ち良くなった方が後から色んな発想が浮かぶから、と笑っていたのに反さず思い切り気持ち良くなろうとしてくれて。
「もっ、だめ……っ♡ なんかいイったか、んあっ♡ ちゅっ、んむ──」
溶けていく。落ちていく。ルシーラという水底へ誘われ沈み、浮上できない。
でもそれでもいいか、と頭のどこかで囁く声。こんなに気持ちが良くて、ルシーラも求めてくれているならそれでも良いのかと、開き直りの気持ちが芽生えている。それに比例するように湧き上がる射精欲はもう、とっくに自分の意思では止められない段階まで来ていて、狭くて温かい最奥の小部屋に放たれるのを待っているから。
ルシーラの唇を塞ぎながら亀頭をグリグリと彼女に押し付ける。その動きで察したのだろう、細い足が私の腰に回されてがっちりとホールドしてきた。膣内射精以外許さないと言わんばかりの体勢、私の欲望を全部受け止めてくれるつもりの彼女に応えるべく、根本のギリギリまで深く深く肉槍を刺しこんで。
びゅくっ♡ びゅーっ♡ びゅるるるるっ♡
「んっ、~~~~っ♡♡ あっ、ん……♡ あついの、どぴゅどぴゅって注がれてる、わ……♡」
複雑なことは何もかも放り捨てて射精の快感だけに頭が焦がされていく。白濁がルシーラの子宮目掛けてこれでもかと発射され、己の欲望が美女を孕ませるかもしれない背徳感に心が酔いしれる。今日は安全日であると分かっていても中出しに対する高揚と恐れは慣れないものだ。
ドクッ、ドクッと精液が幾度も吐き出され、怒張は今も萎えずにルシーラの胎内に埋まったまま。吐き出される熱を受けて彼女もうっとりと目を閉じ、少しずつだがぷしゃりと愛液を吹いて感じているようだった。ギュッと締まった両足のホールドは痛いくらいだがそれだけ気持ち良くなってると思えばむしろ誇らしい。
「はぁ、ふぅ……気持ち良かった?」
「とっても良かったわよ……あなたの出した
肩で息をするルシーラ端正な顔がすぐ間近にある。上気した頬に潤んだ瞳はどこまでも煽情的で、またも犯したくなってしまいそうだ。そうなる前に慌てて結合部を離すとにゅるりと抜けた穴の奥から、どろりとした男女の混合液が零れ落ちた。
こんなに出したのか、と自分でも呆れる中、ルシーラはストンと執務机から床へと身体を移動させた。ちょうど私の股のすぐ前に顔があって、気付いた時には舌先が射精したての一物を舐めていた。
「ちょっ、ルシーラ!? そこまだ敏感だから……!」
「サービスよ、お掃除してあげるわ。ふふ、小さくなって可愛いわね」
ふにゃりと萎んだ肉竿をニギニギと優しく手で支えられて、ルシーラに弄ばれるようにして舌先でお掃除フェラをされていく。纏わりついた愛液と精液が根本から先端まで丁寧に舐め取られ、尿道に残ったものまで丁寧に吸い取られる。
くぽっ……れろっ、ちゅむっ……♡ 優しく丁寧に、奉仕するようなフェラをルシーラはしてくれて、その間に一物はまたも硬さを取り戻しつつあった。先ほどと違い彼女の唾液でテラテラと黒光りする頃にはすっかり大きさを取り戻し、まるで見せつけるかのように復活した異様を誇っていた。
「あら、こんなに大きくしちゃって……お射精したばかりじゃなかったの?」
「その、ルシーラのお掃除が良すぎたから、つい」
「仕方のない人。でもいいわよ、足りないならもっと気持ち良くなりましょ?」
エーギルの誰も知らないような激しい交わりをしてみましょう?
淫蕩に塗れた瞳はそのように私へ語り掛け、次なる快楽を誘っていた。子供すら女性の子宮で育てなくて良いほど科学の発展したエーギル人にとって、このような性行為自体がある意味で不要なものなのだろう。
でも、だからこそ陸に上がった一部の者はその魅力に惹かれ、自分で経験しないと済まなくなってしまうようだから──壁に手を突いてお尻を突きだしたルシーラに覆いかぶさると、そのまま二回戦目へと突入する。
ズブズブの肉体関係から浮上できる切っ掛けは、今のところ見付かっていない。
今のペース・文字数で書き続ける方がいい?
-
今のままでいい
-
1話の中にもっと濡れ場があってもいい
-
1万文字以下でたくさん投稿してほしい