ビビッ島―。
G国の本土から南に300キロ離れた場所にある島である。
島は
北ビビッ島
と
南ビビッ島
に分かれており、一般的にビビッ島といえば、北ビビッ島の方を指す。
北ビビッ島の面積は約3600平方キロメートルで、南ビビッ島の面積約3400平方キロメートルを合わせれば、総面積約7000平方キロメートル。
日本でいえば、岡山県や高知県の広さである。
◇
ビビッ島東部の都市アスマンにあるガンプラバトルアリーナ【ノーマン】―。
『Battle Ended.』
バトル終了とともに、敗北したガンプラファイターが、破壊された愛機の回収に向かう…。
彼の名はランス。21歳の大学生。
身長は180近い長身で、女性受けするであろう、整った容姿の青年だ。
この、破壊された愛機を回収するために、バトルステージに上がるというのは、正直、屈辱的で…
すごく、カッコ悪い…。
ランスは、自らを『
デビューしていきなり、そんな、厨二病全開な二つ名を自称するようなガンプラファイターが大成した例など、まず無い。
むろん、ランスも例外ではなかった…。
デビュー戦で敗北…。
以後、敗北を繰り返し…
初勝利を挙げたのは、何戦目だったか…。
・
「今日も負けたんだ☆」
と、一人の女性ガンプラファイターが、イートインスペースのベンチに座るランスに話しかけた。
「は…はい…!!」
と、女性ガンプラファイターに話しかけられたランスは、驚きとともに、緊張した面持ちで答えた。
ランスに話しかけた女性ガンプラファイター―。
彼女の名前はリンス。
去年のビビッ島ガンプラバトル大会のチャンピオンにして…
世界チャンピオンだ―。
「あの…
俺に、何か用ですか…?」
と、訝しむランス。
「もちろん☆
貴方に用があるから、話しかけたのよ☆」
と言うリンス。
「何ですか?」
と訊くランスに
「隣りに座ってもいいかしら?」
と訊くリンス。
「どうぞ…。」
と答えたランスの隣りに座るリンス。
そして、体を密着させてきた…!!
「あの…
ちょっ…ちょっと…
近すぎませんか…!?」
と言うランスの声は、驚きと緊張で、やや裏返っていた…。
「元々、そのつもりで座ってるんですけど…☆」
と、ウインクするリンス…。
「へ!?」
と、間抜けな返事をするランス…。
「その様子じゃ、彼女とか、いないみたいね☆
もっとも、私にも、彼氏はいないけどね★」
と、いたずらっぽく笑うリンス。
「そうなんですか…!?」
と、驚くランス。
男受けする美女にして、ガンプラバトルの世界チャンピオンなんだから、彼氏の1人や2人いても、おかしくなさそうだが…。
「ガンプラバトルにしか興味がないような女を好きになる男なんて、いるわけないじゃない☆
もっとも
彼女は何人もいる
けどね☆」
と言うリンス。
(はぃ!?
彼女?
俺の聞き間違いじゃなければ、リンスさんは今、彼女は何人もいるって言ったよな?)
と、訝しむランス。
「あの…
失礼なことを訊くようですが…
リンスさんって…」
と、ランスが訊くと
「想像通りよ☆」
と、やけに艶っぽく笑うリンス。
「だったら、何で、俺にくっついてくるんですか?」
と訊くランスに、リンスはランスの耳元で―
「貴方は、私が初めて好きになった男性です♡」
―と言った。
翌年…
ランスとリンスは結婚して…
そして、20年の月日が流れた―。
数十年前に発見された、反粒子同士の結合によって生成され、プラスチックに反応して流体化する特性を有した、謎の粒子物質・プラフスキー粒子―。
その、プラフスキー粒子の特性を利用し、TVアニメ
【機動戦士ガンダム】
シリーズのプラモデル『ガンプラ』を使用した、対戦型ゲームバトル
ガンプラバトル
が、全世界に流行した―。
しかし、このガンプラバトルには
唯一にして最大の欠点
があった…。
それは
対戦に敗北したガンプラは損壊してしまう
ことだった…。
そのため、気軽にガンプラを購入する事のできない低年齢層から敬遠され始めるようになり、やがて、ガンプラバトルそのものの人気も失われ始めてきた…。
しかし、数年後
ガンプラが損壊しない方法が確立
され、ガンプラバトルは、次第にかつての人気を取り戻しつつあった。
そんなガンプラバトルが始まって数十年―。
今年も、ビビッ島ガンプラバトル大会が開催される―。
ビビッ島東部の都市アスマン。
アスマンの郊外にある閑静な住宅街に住む、ランスとリンスの娘のミモザは、大空高校(通称・
朝―。
スマートフォンが、起床時間を告げるアラームを鳴らす。
「ん…。」
と、耳障りな
ベッドから起きる、全裸のミモザ…。
ベッドの隣りにいるはずの母の姿が無い。
それもそのはず。
朝食を作っているのだから、いるわけがない。
「ふぁ〜あ…★」
と、あくびをして、母の部屋を出て、母に朝のあいさつをしに、リビングに行く。
キッチンでは、リンスが
裸エプロン姿
で、朝食を作っていた。
「お母さん、おはよう♡」
「おはよう、ミモザ♡」
と、ミモザとリンスが、おはようのキスをする。
そのあと
「シャワー浴びてくるね☆」
と、ミモザはバスルームに行く―。
リビングから出たところで、父のランスと出くわした。
「ぉとーさん、おはよ。」
「おはよう、ミモザ」
おたがい、なにくわぬ顔ですれ違う―。
シャワーを浴びて、バスルームから出て、空高の制服を着て…
リビングに来ると…
すでに朝食は出来上がっており、ランスと
全裸のリンス
が席についていた。
ミモザも席につき、3人そろって
「「「いただきます☆」」」
と言って、朝食を食べる―。
それにしても、なんとも、異様な光景ではある…。
平日の朝食時はともかく、平日の夕食時や休日の朝食時は
リンスもミモザも全裸
なのだ…。
◇
ランスとリンスが結婚して間もない頃…。
(マヂかよ…★)
と、ランスはあきれた…。
まさか、リンスが、家の中で、自分の夫の前だけでとはいえ
人前で平気で全裸になるような女
だとは、思いもしなかった…。
それだけではない。
リンスは
異常な思考を持った人間
だったのだ…。
リンスの異常な思考…
それは…
自分の娘を犯したい
…ということだった…。
「まさかとは思うけど…
それが、俺と結婚した理由?」
と、ランスが訊くと
「そうよ☆」
と、リンスは即答した。
「つまり…
娘さえできれば
相手は誰でもよかった
って、ことか?」
とランスが訊くと
「それは違うわ。
結婚する相手は、
と答えるリンス。
「何でだよ?」
とランスが訊くと
「
と答えるリンス。
(何だよ、それ…?)
リンスは、何を根拠に、ランスを全面的に信じたのか…?
それは、ランスにも、わからなかった…。
しかし、リンスが何の根拠も無く、ランスを全面的に信じたのだから…
ランスも、リンスを全面的に信じることにした。
親が自分の子供を犯すなど、あきらかな犯罪
だが…
しかし、母親が娘を犯すのなら、娘が妊娠してしまうなんてことはない。
倫理的には許されないことだが、しかし
父親が娘を犯すよりかは 、はるかに安全
だ。
だから、ランスは、リンスの全てを受け入れた―。
今にして思えば
リンスの手の平の上
だったのかもしれないが…
しかし、ランスとて男…
女性の裸は大好き
だ。
ましてや、それが、愛する妻であり…
年頃の娘だから…
素直に嬉しい…。
幼少の頃から、リンスに犯されて育ったミモザは、いまや、立派なレズビアンだ…。
そして、母娘そろって、家の中で全裸でうろついている…。
重ねて言うが、ランスとて男…。
そんな妻も娘も、嫌いではない。
それどころか…
(俺って
人生の勝ち組
だよな…☆)
…などと思っている始末である…。
◇
「じゃ、行ってくるね☆」
と、ミモザは通学カバンを手にする。
「気をつけてね♡」
「うん、行ってきます♡」
と、リンスとキスをして、ミモザは家を出た―。