TSロリ勇者は仲間たちにぶち犯される 作:人の心を捨てないと書けない
「この門は絶対に通すな! 勇者どもはまもなくやってくる。魔王様は我らが死んでもお守りっ゛!?」
「じゃあ死ねば?」
城門を守るリザードマンの指揮官が兵士に檄を飛ばす、その最中に首が宙を舞う。周りの兵士達は何が起こったのかを理解するのに数秒かかったが、自らの得物に手をかけて襲撃者を撃退せんと立ち向かう。
「ふん、勝てると思う?」
指揮官を暗殺したその下手人の姿は、まだ年端も行かぬ人間の少女だった。しかし、変わったところがあるとすれば、その臀部から伸びる機械の様な尻尾だろう。
尻尾を自在に操り、その先端に付いたブレードで次々と切り捨てていく。
「伏せろーっ!」
戦場のどこからか、兵士達への警告の声が響く。その声に反応した者が空を見上げると、飛来してくる物体に気がつく。そして城門へと着弾、爆風が巻き起こる。
「全く…カバーするこっちの身にもなれよ…なっ!」
一キロほど遠くの場所からの、的確な砲撃が続く。その超長距離からの攻撃に対処などできるはずもなく混乱だけが広がる。もはや指揮系統などは成り立たなくなっていた。
「オラオラオラァっ! 道を開けなぁ、雑兵どもっ!」
「死になさい、ざぁっこ♡」
「さぁ、行こうか! 我が翼よっ!」
立て直す暇など与えぬ攻勢。彼女達は勇者の一団。この城へ魔王を討伐しに来たのだ。
「吹っ飛びなぁっ!」
一人が斧を振るえば、大気が震えて、大地は裂ける。
「百万年早いのよっ! このカス共!」
一人は魔法を用いて、兵をゴミの様に焼き払う。
「さぁ、道を切り開こうかっ!」
空を舞う竜に跨り、翼を持たぬ者を鏖殺する竜騎兵。
少数精鋭ながら一人一人が一騎当千の猛者であり、兵力差などはものともしない。城門を破壊し、防衛網を突破する。
「ほら、お膳立ては済んだよ! とっとと行きなぁ!」
女戦士がそう叫ぶと、一人の男が姿を現す。その威圧感は、戦場にいるもの全員を怯ませる。片目を覆った包帯と、身体に刻まれた複数の傷跡。そして大柄な体格。その容貌に合ったオーラを出すこの男こそ、今代の勇者である。
開けた魔王城までの道のりを、悠々と闊歩する。その道を仲間が守ってくれるという信頼の現れだろう。止めに入ろうにも、立ち塞がる勇者パーティの壁を押し退けることは兵士達には出来なかった。
「案ずるなカス共ぉぉっ!」
城の中から、一人の魔族が出てきた。その姿を見た兵士達は安堵の声を漏らす。
「し…四天王様だ!」
魔王の直属の四人の強者。そのうちの一人が姿を現したのだ。その実力はそこらの兵士が束になっても敵わない…勇者の仲間たちと同程度だろう。
「騒ぐなカス共! この俺が相手をしてやろう。我は四天王が1人、マギレイン。ここを易々と通す訳には…ぬっ!」
「お主は拙者が相手致す。力不足とは言うまいな」
刀を取り、怯むことなく四天王の一人へ切り掛かる和服の少女。マギレインはそれを腕で受け止めるも、余所見をして勝てる相手では無い。勇者にかまける余裕は無かった。
「…時間はかけられんな。手早く終わらせてやろう!」
「少なくとも、拙者は負けることはござらん」
2人の対決を横目に、勇者と数名の仲間は城の中へと足を踏み入れようとする。その瞬間、空から巨大な生物が雄叫びを上げながら立ち塞がる。
四つの腕に、それぞれ異なる武器を持った牛の魔物。人間の数十倍はあろう体格に、はちきれんばかりの筋肉。
魔族に比べ知性が低い魔物ながら、そのあまりの戦闘力から四天王へと抜擢された魔物界の英雄、ダイアロスである。
ここは通さない、と言わんばかりの咆哮を上げ威嚇する。が、それに怯む様な相手では無い。
その剛腕を振るう、ダイアロス。その攻撃は、同じく剛腕で抑えられた。
「力比べならなら、アタシの出番だろぉ!」
城門を抑えていた筈の女戦士が重い筈の一撃を難なく抑え込んでいる。
そして、空を見上げると、黒い巨大な竜が近づいてきていた。その竜は勇者達に向けて口を開いて、エネルギーを溜める。それが放出されたら、ひとたまりもないだろう。
「怯えているのかい、我が翼。安心したまえ、私が付いている…さぁ、行こう!」
同じく、竜とそれに跨る騎士が攻撃を止めるべく空へと舞い上がる。
これで城門を守る者は魔法使い1人となってしまった。空を守る竜騎兵が居なくなったため、空と地から城門を取り返そうとする増援を一人で守り切るのは難しくなる。
「今だ! 畳み掛け…ろ? な…なんだ!?」
戦場に、妖しい気配が漂う。全身に怖気が走り、気を抜くと身体が震え出してしまう。城門に近寄ることを放棄したくなるような、嫌悪感を抱く。
「ぅへへへ…任されちゃったからぁ…頑張っちゃおうかなぁ…?」
前髪をダラリと垂らした陰気な少女がブツブツと何かを唱える。その時、少女の周囲に得体も知らぬ亡霊達が漂い始める。聴き続けると、頭がおかしくなりそうな怨嗟の声を上げる亡霊達は、少女の命令で一斉に飛び出す。
「ボクのお友達ぃ…いひひ……いっぱい連れてきたんだぁ…」
禁忌とされる黒魔術の一種、死霊術。ゴーストからスケルトン、この場で倒れた兵士たちですら彼女の操り人形となる。彼女が操れる死者達の数は、百や二百どころでは無い。
禁忌の術を極め尽くした彼女の方が、魔の者といっても相違はないのかもしれない。
「ほーら、でっかいの行くわよっ! 無様に死に晒しなさい!」
死者の軍勢に行手を阻まれる増援達。そこに双方を飲み尽くすほどの極大魔法が放たれる。しかし、実質的な損害は魔王軍だけだ。片方は既に物言わぬ骸なのだから。
そして、仲間達の協力のもと城内に入ることに成功した勇者を含めた数名。閉ざされた扉を蹴破ると、そこにも一人の魔族が待っていた。
「あら、いらっしゃい…久しぶりね、勇者ちゃん?」
胸や腹、背中などを無駄に露出した扇情的な衣装を纏う妖艶な女魔族。逞しく成長した勇者の体を舐め回すように視姦し、舌なめずりをする。
彼女も魔王城に足を踏み入れることを許される、紛れもなく実力者である。四天王の3人目、クラリーネである。
「…あら、意地悪ねぇ…あなたの成長を感じたかったのにぃ…」
「あなたの相手は、私」
「まぁ…私、女の子でもイケる口なのよねぇ。少し幼いけれど…♡」
一人の少女がクラリーネへ襲い掛かる。まだ子供の身でありながら、実力は本物だ。クラリーネの冗談にも眉ひとつ動かさずに、淡々と攻撃を続ける。
「うふ、強いわね…でも、まだ私の方が上よ?」
「……一人じゃないから」
「あら…? ……なるほどねぇ。やけに侵攻が早いと思ったけれど、あなたが手引きしてたのねぇ」
苦戦する少女を、援護するような攻撃がクラリーネに向けて放たれる。そこに居たのは、角を2本携えた魔族だ。
「…申し訳、ありません。クラリーネ」
「別にいーわよ。まぁ、取り敢えず闘いましょうか、お互い立場って物が……あるでしょう?」
クラリーネは力を解放する。相対する二人の緊張感は一気に高まる。普段はゆるく生きている彼女の、本気の戦闘モードだ。勝てなくとも、足止めをできれば良い。二人はクラリーネへ向けて走り出した。
「どこへ行くつもりだ、この先は魔王様の玉座…貴様のような物が立ち入って良い場所では無いぞ」
玉座へと続く大階段、そこで待ち構えるは最後の四天王。そして魔王に次ぐ実力者である魔族、デーヴァル。
「魔王様の元は辿り着くことは出来ぬ。私がここで引導を渡してくれる」
そのセリフを吐けるだけの実力が、この魔族にはある。魔力を全身に巡らせて、臨戦態勢に入る。だが、勇者は剣を抜こうとしない。
「…何のつもりだ、貴様」
「お主の相手なぞしとる暇はないそうじゃ。儂がが代わりに相手をしてやろう」
獣の耳を生やした幼女が前へ出る。
「…獣人如きが、図に乗るなよ!」
「若造が調子に乗るでない、年季の違いを教えてやろう!」
拳をぶつけ合う両者、幼女は体格に見合わず互角の勝負を繰り広げる。そして、その場を任せて玉座へと向かう勇者。
「待てっ! 貴様っ…くっ、邪魔をするなぁ!」
「お主が邪魔じゃ。疾く失せよ」
そうして、魔王城の最深部。玉座の間の大扉を前にした勇者。
「いよいよだね…」
仲間達がこの場を作ってくれた。全ての力を蓄えたまま、魔王と対峙するという絶好の機会を。
ここまで辿り着けたのは二人、勇者と僧侶である。勇者は、「下がっていれば良い」とだけ淡白に言う。僧侶は少し顔を歪めたが、無言で頷いた。
そして、扉を開く。その隙間から闇の魔力が溢れ出す。四天王など比にならない程の、強大な魔力だ。
「よく来たな。この鮮やかな電撃戦…賞賛せざるを得まい…」
玉座に腰掛ける巨大な魔族。この男こそ、魔王である。魔族と魔物達を統べる王、圧倒的な力を持つ絶対的な存在。僧侶は思わず体を震わせてしまう。
「だが勇者よ…貴様が我を倒せねば、全て意味が無いのだ! いざ…尋常に勝負ッ!」
大剣を抜いた魔王が跳び出し、勇者も聖剣を抜く。光の魔力が溢れ出し、闇の魔力と激突する。
この戦いの趨勢を決する最後の戦いが、今始まった。
「大丈夫かいっ! 早く回復をっ…」
「やっ…やってるけど、治らないっ…!」
壁に叩きつけられる勇者。僧侶と駆けつけた竜騎士が寄り添うも、傷が深いのか治癒魔法の効きが悪い。
「…純度の高い闇の魔力は、聖なる力を打ち消すのじゃ。…致し方ない」
獣人の幼女は魔王に向けて拳を振るう。しかし、それは難なく受け止められる。そして首根っこを掴まれて、体が支えを失い首が絞まる。
「デーヴァルを倒したその腕前は見事よ。だが…年の功では覆せん実力差という物があるのだぁっ!」
「ぐぅっ……がはっ…!」
そのまま壁に投げ捨てられる。咄嗟に受け身をとり衝撃を逃したのだが、それでも大きなダメージが彼女の小さな体躯に響く。立ちあがろうとするも、足に力が入らないようでガクガクと下半身が痙攣するばかりだ。
「そらぁっ!!」
女戦士が切り掛かるも、それも受け止められる。
「ダイアロスをも凌ぐ剛腕…人の身でありながら大した物だ。しかし、甘いわっ!」
魔王の一撃を斧で受け止めたものの、大きく仰け反らされる。腕はビリビリと痺れて、自慢の斧は欠けてしまった。
「チッ…冗談じゃないねぇ…!」
この場に駆けつけた勇者のパーティは察した。魔王に勝てるのは、やはり一人しかいないという事を。
魔王自身も手傷をいくつか負っている。しかし、勇者は今だ苦痛に悶えている。
「あっ…まだ立っちゃ…!」
痛む横腹を抑えながら立ち上がる勇者。周りの仲間の静止を振り切り、聖剣を抜く。
「それでこそだ、勇者よ。さぁ、存分に殺し合おうぞ!」
聖剣が一層の輝きを放ち、激突した……