※この作品はR-18です。

シンデレラたちは止まれない!   作:私立聖白ビキニ女学院理事長

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そろそろシンデレラガール射程圏内か?


女神の素質

「本日はよろしくお願いいたします」

頭を下げて着席する。

時間は午前、場所は相手先の社内の会議室で今日は広告会議に出向いていた。

相手側は男性社員が二人と若い女性社員が一人だ。

 

私の左隣には奏(かなで)が、右隣には美波(みなみ)がすでに着席している。

「今回は貴社新商品のイメージキャラクターとして弊社のアイドル、速水(はやみ)奏と新田(にった)美波のデア・アウローラを抜擢してくださり、誠にありがとうございます」

座ったままもう一度頭を下げる。

奏と美波も慣れたもので、慌てることなく私に倣った。

「弊社の新製品のリップは水に強く、オーロラのように輝くことが最大の特徴です。アイドル界で『女神』と名高いお二人を起用できることは当方にとっても僥倖でした」

「あら、女神だなんて面映ゆいわ」

「あ、ありがとうございますっ!商品イメージを損なわないようにがんばりますっ!」

相手の男性社員からの賛辞を奏はさらりと受け流し、美波は鯱張(しゃちほこば)って姿勢を正した。

対照的なリアクション。

奏が月、美波が太陽というコンセプトのデュオユニットではあるが、実際に引っ張っているのは年下の奏の方だ。

美波は少々真面目すぎるきらいがある。

 

「おふたりのMV?と言うんですか、あの、海の底の神殿で歌っているのを観ましてね、『これだ!』と」

「ありがとうございます。あれは撮影や演出においてのすり合わせがかなり難航いたしまして、それがこうして次につながったのであればスタッフの苦労も報われます」

「美波ったら私のことを歳上だと思い込んでて『奏さん』ってずっと呼んでたんですよ」

「あーん、またその話をするー。だって奏ちゃん大人っぽいんだもん」

会議は和やかなムードのまま順調に進んでいた。

 

 

「これが今回のTVCMのコンセプトデザインとなります」

そのムードが一変したのはこれがきっかけだった。

「拝見いたします」

私が受け取ったコンセプトアート及びデザイン案を二人が左右から興味津々に覗き込む。

「ふーん……なるほどね」

「え、これは……」

左で奏が眉をひそめ、右で美波が息を呑むのがわかった。

一度呼吸を落ち着かせる。

「あの、よろしいでしょうか」

私は努めて冷静な発声を心がけた。

「はい?」

対して向こうは軽い反応。

全く疑問を持っていないのだろう。

「速水に比べて新田の衣装の布面積が少なすぎるように見受けられるのですが」

私の指摘を聞いて奏が腕を組んで両目を伏せ、美波がこくこくと高速で首を縦に振る。

 

「そうですね」

しれっと「そうですね」と来たもんだ。

「これは、一体どういったことを意図してのものでしょうか?」

よし、まだ自分の声音は冷静だ。

「ぶっちゃけて言ってしまってもよろしいですか?」

「?……ええ、どうぞ。この際お互い腹を割って話し合っていいものにしましょう」

作り笑顔を見せてはみたものの、内心は悪い予感でいっぱいだった。

そして私の悪い予感はほぼほぼ的中する。

 

「速水さんってすごいセクシーじゃないですか。仕種や雰囲気もそうだし、『キス』がキーワードだったり」

「まあ、そうですね」

何が言いたいんだこの野郎。

大体は想像がついてしまうが、もし想像通りのことを言ったら覚悟しやがれ。

「それに比べて新田さんの方は……その、ねえ?」

ブチッ。

あーあ、言っちゃったよこいつ。

「今、なんと?」

冷静な声音は本日分終了いたしました。

自分でも予想以上の低くて重い声が出た。

相手陣営がざわっとする。

知るか。

おまえらが招いた結果だろうよ。

「新田美波は速水奏に劣ると?」

後頭部が怒りでチリチリする。

思わず身を乗り出そうとした時、膝の上に置いていた左手をぎゅっと握られる。

奏の右手だ。

彼女は何事もなかったかのように前を向いているが、私の手を握る手の熱さと力の入り具合から相当腹に据えかねていることがわかった。

速水奏は自分に対することよりも仲間に対することに感情を動かすタイプだ。

 

いかんいかん。

はるかに歳下の奏に窘(たしな)められていてどうする。

二番煎じで恐縮だが、今度は私が右手ですっかり冷たくなっている美波の左手をぎゅっと握った。

「いえね、あったじゃないですか?新田さんの際どいの。悪魔っ娘とかドSメイドとかビキニの水着とか。やはりああいう路線が受けがいいんじゃないかと」

私は頭を抱えたくなった。

いや両手ともふさがっているので無理だが。

またか。

またこれか。

アイドル新田美波について回るイメージ。

拭い去れないレッテル。

だがすなわちそれは、この私の罪でもある。

 

 

アイドル新田美波は確かに水着でブレイクした。

スタイリッシュさとセクシーさを併せ持つビキニ姿が爆発的に受け、その後シンプルな競泳水着ですら世間を魅了した。

それまでは「お嫁さんにしたいアイドル」や「お利口さんアイドル」や「スポーツアイドル」という競合の多いポジションの中のひとりで、もうワンランク上に行けずにいた。

そこで殻を破ってもらうためにも一念発起して挑んだのが大胆な水着だった。

これが次から次へ受けに受け、ブレイク初期はほぼ水着一色のイメージだったものだ。

ブレイクさせるよりも実はその人気を維持する方が難しい。

そうして上層部が選んだのがセクシー路線だった。

先程話題に上った悪魔娘やドSメイドなどがそれに当たる。

その作戦は幸か不幸かまんまと的中した。

新田美波の人気は不動のものとなったのだ。

 

だが一度エスカレートしてしまうと軌道修正は非常に困難なものとなる。

何をやっても、どこに行っても、「エロ水着の新田美波」「サキュバス新田」などのイメージが常について回った。

彼女の父親からも「娘をキズモノにするつもりか」と何度も叱責され、その度に平謝りしたものだ。

アイドルとしてブレイクさせ、トップアイドルの仲間入りをさせることができた。

そのこと自体は素晴らしいことだ。

しかしその方法がマズかった。

普通の仕事をさせても世間が物足りなさを感じないようになるまでどれほど長い時間を費やしたことか。

美波には本当に辛い想いをさせた。

彼女は「あれがあったからこそ今の私があるんですから!」と言ってくれていたが、救われたと同時に身を切られるような痛みも私は味わい続けた。

「もっと他の方法があったのではないか」

「近道を選んだのは間違いではなかったか」

私は自問自答を繰り返した。

 

「アイドルは着せ替え人形ではありません」

声を絞り出す。

情けないことに震えてしまっている。

本当に情けない。

「確かにウチにとって『商品』であることには違いありませんが、血が通った人間ですし傷付きもします。『歩くセックス』なんて揶揄されて嬉しい女の子はいませんよ!」

美波がいたたまれなくなって下を向いてしまう。

引き合いに出してごめんな。

でもどうしても伝えておきたいんだ。

「いやいや、新田さんをエロ売りしたのはそちらさんでしょ?こちらはそれに乗っかろうとしてるだけ。そうでしょ?」

男性社員の下卑た笑い。

言葉を選ばなくなってきたな。

「……仰る通りです」

それを言われると辛い。

返す言葉もない。

けれど。

ここで退くわけにはいかない。

「ですが!彼女を見てください!新田美波を!男に媚びなくたってこの子は綺麗で!かわいくて!魅力に溢れている!新田美波本来の姿を見てくれませんか!?御社の商品だってそうでしょう!?付加価値よりも商品自体の魅力が大事でしょう!?」

一気にまくし立てた。

力を振り絞って力説した。

わかってくれ。

頼むから響いてくれ。

……なのに。

「何を綺麗事を。ビジネスは売れたもの勝ちでしょうに」

鼻で笑われた。

目の前が真っ暗になる。

視野狭窄。

ああ、私の罪はまだ晴れないのか。

 

 

「もう結構です」

相手先の女性社員からの声が静寂を破った。

あ。

終わったかもしれん。

「ですよね?もうこんなわからず屋との商談なんてなかったことに」

男性社員がへつらう。

あの若い女性社員の方が上司だったのか。

机の下でこっそり最初にもらった名刺を見返してみると確かにそうだった。

不覚。

「『もう結構』と言ったのはあなたたちの方にです。私は今後独自にこちらのプロデューサーさんとのお話を進めます」

「は?どうして我々が!?」

「私はこの方の『商品愛』に胸を打たれました。それにくらべてあなたたちはどうです?ただただ欲に目が眩んでいるだけではありませんか」

「何だと!?」

「小娘がつけ上がりやがって!」

憤慨する男性社員2人を放置したまま女性が立ち上がる。

そしてこちらへとやって来ると右手を差し出した。

「これからよろしくお願いします、プロデューサーさん」

「こちらこそ!よろしくお願いします!」

慌ててその手を握り返した。

「ですが、その、本当によろしかったのですか?」

横目でチラリとすっかり不貞腐れている2人の男性社員を見やる。

「ええ、構いません。こちらこそご不快な思いをさせてしまいまして申し訳ございませんでした」

深々と頭を下げられて逆に恐縮する。

「そんなそんな!お気になさらないでください!」

この人となら気持ち良く仕事ができそうだ。

私たちはそう確信した。

これは後日談になるが、デア・アウローラをイメージキャラクターに起用したこの耐水性リップは発売と同時に爆発的にヒットし、後の看板商品となる。

 

 

「正直言うとね、妬けたわ」

帰りの車中、右肘を突いて窓の外を見ながら奏がふとそんなことを言い出した。

「奏ちゃん?」

キョトンとしている美波だが、私には彼女が何のことを言っているのかがすぐにわかった。

「美波のためにあんなにも必死になっているプロデューサーを見て、『私のためにもここまでしてくれるのかな』って」

「するに決まってるだろ」

即答する。

「でしょうね。きっとあなたは私にもしてくれる」

案外あっさりと折れる奏。

「だったら」

言葉を継ごうとする美波の唇に右手の人差し指を押し当て、奏がそれを阻止する。

「でもね。あの瞬間プロデューサーに誰よりも大事にされている美波が私は羨ましくて仕方がなかった。それだけのことよ。……ここでいいわ」

「3人でいっしょに飯でも、と思ったんだがそんな感じじゃないな。わかった」

「ええ、ごめんなさい。馴染みの純喫茶が近いの。私はそこで摂らせてもらうわ」

「奏ちゃん……」

美波の表情が曇る。

「美波、謝らなくていい。おまえは何も悪くない。私も謝らない。謝るようなことじゃないからな。そして奏だってもちろん何も悪くない。わかるな?」

「はい……」

「プロデューサーの言う通りよ美波。本当にその通りすぎて憎らしいくらい」

奏が小さく苦笑する。

「美波、ズルいことをお願いしていいかしら?」

「なあに、奏ちゃん?」

「プロデューサーにキスをもらってもいい?」

数秒の沈黙。

「……ええ」

美波が真剣な表情で頷き、奏が後ろのシートから身体を伸ばして左手で私の頬に触れ、そのまま唇を重ねる。

「ちゅくっ……ちゅるっ……ちゅぷっ……は、ふ……ぴちゅっ……れっ……ねるっ……」

顎を使い、味わうような入念なキス。

「ごちそうさま。ふふっ、食事はもういらないくらいかしら」

いつもの彼女に戻り、微笑を残して奏は後部座席のドアを閉めて去って行った。

 

「奏ちゃん、あんなことを考えてたなんて……」

再発進した車内で美波が肩を落としてポツリと呟く。

「昔の奏なら想いは内に秘めたままだった。それをちゃんと美波にも包み隠さず話してくれたんだ。あいつはいい方向に変わったよ」

「……ですね」

「大人になった」などの表現は避けた。

奏は最初から大人だったからだ。

いや、早くから大人過ぎた。

「それにしても奏ちゃん、やっぱりキスが上手いですよね!」

強引な話題転換。

「そうだな。美波も奏に教わってもっと上手くならないとな!」

私もそれに乗る。

「もう!またそうやって3人でエッチしようとしてるんですね!」

「はははバレたか」

ひとまず気まずい空気は去ったか。

「メシ、どうすっかなー」

3人でと考えていたので予定が狂ってしまった。

「あの、プロデューサーさん」

「ん?」

「ウチに来ませんか?」

「……へ?」

なに私、美波の実家でお父様にまた叱られるの!?

 

 

「お、お邪魔しまーす……」

車を駐車場に停め、恐る恐る新田家のドアから玄関へと足を踏み入れる。

うう、何度来ても緊張する。

玄関に何枚も掲示された美波のポスターやパネルを見て心を落ち着ける。

彼女の父親は「また娘にこんなけしからん格好をさせて!」と怒るくせに嬉々としてこうして家中を娘のアイドル姿で飾り立てているのだ。

とんだ二律背反親父である。

「ふふっ、プロデューサーさん、そんなに堅くならないでください。今日ウチには誰もいませんから」

「そうなの!?」

いやいや、それはそれでどうなの!?

違う部分が硬くなっちゃう!

 

新田家の食卓に座る私。

なんとも居心地が悪い。

なにやら自分が間男にでもなったような気分だ。

「ご飯ができましたよ、プロデューサーさん。ありあわせの物で申し訳ないですけど」

「悪いな。しかし美波の手料理にありつけるとは……って、どわあっ!?おまえその格好は一体!?」

「あはは……」

妙に「あの、私、着替えてきますね!」から長いと思ったが。

「嬉しいがなぜに裸エプロン」

「は、はだっ!?違います!ほら!」

そう言うと美波は勢い良く後ろを向く。

「なーんだ水着を着てたのか。それはそれで水着エプロンとは海の家チックでマニアックな。……んんー?その水着見覚えがあるな」

「あっ!気付いてくれました!?」

彼女の表情がぱあっと明るくなる。

「この青を貴重としたビキニ、当時めっちゃバズったもんな。これ、買い取ってたのか?」

「はいっ!思い出の水着だし、プロデューサーさんがたくさん褒めてくれましたから」

「そうそう。好きだったなあ、これ」

思い出に浸りつつ、形の良い美波の水着の尻をさわさわと撫でる。

「ひゃんっ!あの時もこの水着でいっぱいエッチしたじゃないですか!今はダメです!」

「ちぇー」

「もうっ、ちょっと驚かせようとしただけなのに効果ありすぎです!」

「『今はダメ』ならまた今度ならこの水着を着てさせてくれるのかな」なんて考えたりして。

 

「おおーっ」

食卓にズラリと並んだ料理の数々を端から端まで眺めて感嘆の声を上げる。

待った甲斐があったというものだ。

オクラにアボカド卵納豆にカキフライ、レバーの赤ワイン煮にカツオのたたきにガーリックステーキ……。

これはなんともボリューム満点。

……待てよ?

このラインナップって露骨にアレな感じでは?

「美波さん?」

「っ!」

あ、真っ赤になって顔を逸らした。

完全に故意犯じゃないか!

なにが「ありあわせ」だよ。

よーし、そっちがその気なら。

全部平らげた上でおまえのこともむしゃぶり尽くしてやるから覚悟しろ!

いただきます!!

 

「あっつ……身体が熱い……熱すぎる……!」

スーツの上着はとっくに脱ぎ捨て、ネクタイを大きく緩めてYシャツのボタンを上から3つまで外してみたがいっこうに涼しくならない。

頭皮と額からの汗がボタボタとしたたり落ち、全身が燃えるようだ。

これが新田美波特製スタミナ手料理完食の代償だった。

「プロデューサーさんすごい汗!ここまでのことになるだなんてごめんなさい!あの、お風呂に入ってください!」

「風呂……汗を流したいのは山々だが、そこまで甘えるわけには」

「この事態を招いたのは私なんですからそんなのいいんです!さあ早く脱いで脱いで!」

剥ぎ取られるように着衣を脱がされ、私は新田家の風呂に放り込まれた。

 

「あ”~~~~~っ」

バスチェアに座って頭から冷水のシャワーを浴び続けたことでようやく人心地ついた。

あれが人体発火現象か(違う)。

冷水から温水に切り替え、そのままシャワーを浴び続ける。

と、背後でなにやらカラカラと音がした。

「プロデューサーさん、のぼせたりしてませんか?遅いから心配になって」

「美波?」

返事をする前に美波が浴室に入ってきてしまった。

「よかった。何度も声をかけたんですよ?」

「ああ、すまん。シャワーの音で気付かなかったみたいだ。っておまえ、裸じゃないか!」

目が醒めた。

お陰様でバッチリ。

「それはお風呂、ですから」

申し訳程度に身体を手で隠すが、色々はみ出していてほとんど意味がなかった。

「さっきの水着のまま来ればよかったんじゃ」

「えっ?あ……」

愉快な美波さん。

るーるるるるっるー♪

この子普段しっかり者なのに意外なところで抜けてるよなあ。

「とにかく、大丈夫だから」

「きゃっ、プロデューサーさんの身体、今度はとっても冷たい!」

ふと触れた腕がすっかり冷えてしまっていたので驚かれて掴まれる。

「冷たい水をずっと浴びてたからな」

「大変!風邪引いちゃう!私がお背中流しますからプロデューサーさんはじっとしててください!」

世話焼きモード発動。

もう完全に自分が生まれたままの姿であることを忘れてしまっている。

 

「ふい~~~~~……」

バスタブに身を沈め、大きく息を吐く。

身体を洗ってもらっている間にちょいちょい美波の乳首が背中に触れたりしたのだが、真剣モードの彼女は周りが見えなくなってしまっているのでそこからの桃色展開には残念ながらならなかった。

背中越しに泡まみれで手コキとかしてもらいたかったのに。

ちぇー。

「美波もこっち来いよ。いっしょに入ろう」

「ええっ!?」

「なに驚いてんだ。私を洗ってくれるのに一所懸命で今度はおまえの身体が冷えちゃってるだろ。さあ早く早く!」

「ええ~っ……は、はい……」

いつもの美波に戻った彼女はまたしても申し訳程度にムチムチの美ボディを隠しつつ、最小限の動きで私の対面に身を沈める。

ざばーっ。

「お湯、溢れちゃいましたね」

「そりゃ成人が2人入ればなあ」

新田家は一般水準から見れば裕福な部類に入るだろうが、決して豪邸というわけではない。

風呂の広さもバスタブの大きさもいたって標準サイズだ。

 

「あの、プロデューサーさんの、それって……」

頬を染めた美波が正視できずに横目でチラチラと私の「それ」を見やる。

「うん。痛いくらいビンビン!」

バスタブのお湯が減ってしまったせいで、天井に向かってそそり立つペニスがいまやネッシーのごとく顔を出していた。

恐竜の頭じゃなくて亀頭だけど。

ネッシーさんごめんなさい。

「それって、私のせいですよね?美波の。私のせいだから、責任、取らなきゃ。美波が。美波の、おちんちん……」

熱に浮かされたような表情と声の美波がそろそろと伸ばした左手で竿を掴み、右の手の平に玉袋を乗せる。

「はあっ……あむっ」

私が何か言う間もなく、美波は躊躇いもなく亀頭を口に含む。

「はもっ……くぷっ……れぇるっ……ちゅるっ……ぺぇろ……」

初めてキャンディを買ってもらった子供のように、大事に大事にしゃぶって舐める。

「美波がこうしちゃったから。美波がこうしたおちんちんだから。美波の、だから」

自分に言い聞かせているというよりは、事実をそのまま述べることに意味を見出しているようだ。

「おちんちん、おちんちん……硬くて、太くて、長くて、熱くて、逞しくて、とってもいい匂いで立派な、美波のおちんちん……ふふふっ」

やわやわと右手で玉袋を揉みほぐし、竿を愛おしげに上下にゆっくりとさすり、鈴口にキスの雨を降らせる。

のぼせているのは彼女の方ではないのか。

 

「れえぇっ……れえぇっ……れえぇっ……ちゅっ」

右手で髪を掻き上げつつ、丹念にペニスの形に沿って舌を這わせてはマーキングのようにキスをする。

「美波、今の表情ものすごく色っぽいな。めちゃくちゃそそる。キスした時肉棒がビクンって跳ねたのがわかっただろう?」

「はい……美波、そんなに色っぽかったですか?」

「ああ、そりゃあもう。惚れ直したよ」

「嬉しい……すごく、すごく、嬉しいです。もっともっとご奉仕しますね」

「頼むよ」

右手で美波の髪を撫でてやると、彼女は蕩けるような笑顔を見せてくれた。

「ちゃぷっ、ちゅぷっ、ちゃぷっ、ちゅぷっ、ちゃぷっ、ちゅぷっ……」

「ぉ……ぉぉ……ぉ……ぉぉ……」

あまりの気持ち良さと浮力のせいもあって腰が浮き上がる。

バスタブの縁を両手で掴んで支えてはいるがなんとも不格好だ。

「ふふふっ。こうして……ぱくり。ぢゅっ!ぢゅっ!ぢゅっ!ぢゅっ!」

美波に腰を抱え込まれ、男根も丸ごと咥えられて熱心に吸い上げられる。

頭がチカチカする。

いや、ぼーっとする?

どっちだ?

「プロデューサーさん、美波のお口、気持ちいいですか?」

「気持ちいいなんてもんじゃない。気持ちいいなんてもんじゃないって。極楽は確かにここにあった」

両目を閉じ、美波の口淫に全てを委ねる。

まるで全身を舐め回されているような快感だ。

「くうっ」

ぶるりと背筋に震えが走り、陰嚢がきゅうっと収縮する。

「プロデューサーさん、射精(で)ちゃいそうですか?」

陰茎の傘の部分をちゅうちゅうと啄(ついば)みながら美波が訊ねてくる。

「射精(で)るぞ。火傷するぐらい熱くてドロドロでネバネバの濃いのが大量にな」

「素敵……」

「全部飲んでくれるよな?」

「はいっ。美波に全部くださいっ」

美波が口淫を再開する。

「じゅるるっ!じゅるるっ!じゅるるっ!じゅるるるっ!!」

猛烈に吸い上げられる。

「んっ!んっ!んっ!んっ!んっ!んっ!んっ!んっ!」

美波の頭が激しく上下に動く。

「美波っ!」

本当は彼女の頭を掴みたかったが、今手を離すと浴槽にドボンしてしまうので合図して腰を跳ね上げる。

「んんんん~~~~~っ!!」

私の腰を強く抱き抱えた美波の喉奥に射精を開始する。

ドクンッ!!ドクンッ!!ドックンッッ!!

「んんっ!?んんーっ!んんんん~~~~~っ!!」

灼熱のザーメンの奔流をきつく目を閉じた美波が胃へと送る。

止まらない。

止まらない。

止まらない。

「……こくっ……こく……こくん……こくっ……ぷあっ!」

全てを飲み終え、彼女は大きな吐息を漏らす。

「お腹が……熱いです。まるで腟内(なか)に射精(だ)してもらったみたい……」

「いやー、美波に潜望鏡プレイしてもらえるなんて思ってなかったから大興奮しちゃったよ」

「潜望鏡って?……あっ」

「潜望鏡」が何を指すのかに思い当たった美波が赤面して両手で顔を覆う。

「今さら恥ずかしがるかね」

「だってぇ、おしゃぶりしてる時は夢中でそんなこと考えもしませんでしたし……」

「ははは。なにはともあれ、堪能させていただきました」

 

 

「私のお部屋に先に行っていてください」と父親のスウェットの上下を渡され、「泊まっていくのはいかがなものか」と一応言ってはみたが、私の衣服の洗濯と乾燥を考えると確かに選択肢は他になかった。

父親の服を着て娘の部屋で待つ図は実にシュールだ。

もしプレイだとしたら異常性癖すぎる。

「あの、お待たせしました……」

「おお美波待ってたよ。なんかソワソワしちゃってさあ……って、エッッッッロ!!なんだそれ!?」

部屋に入ってきた美波の姿を見て思わずのけぞった。

彼女が身に付けていたのは薄い白のシースルーのネグリジェと、人間国宝の職人が半年かけて作ったような凝ったデザインの同じく純白の下着だったのだから。

まるで新婚初夜の花嫁みたいではないか。

「よくそんなの持ってたな……。通販で買ったのか?」

「いえ、下着は直接肌に身に付けるものですからお店でアーニャちゃんといっしょに」

「アーニャと!?……アーニャもそれ持ってるのか……」

「あーっ!今アーニャちゃんのエッチな下着姿を想像しましたね!」

飛びかかられて、押し倒される。

「してないしてない!(本当はした)って言うか、おまえ自分でも『エッチな下着』って自覚あるんじゃないか!」

「そ、それはぁ……」

気まずそうに顔を背ける美波。

「……プロデューサーさんが怒ってくれた時、とっても嬉しかったんです」

「ん?ああ、広告会議の時のことか」

「『ああ、私はこの人にこんなにも大切に想われてるんだ』って、実はキュンキュンしっぱなしだったんですよ?」

「そうなのォ!?私はてっきりショックを受けてたものだとばかり」

女って怖ぇ~。

 

「プロデューサーさんは」

「うん?」

「プロデューサーさんは、えっちな美波はお嫌いですか?」

不安げな表情。

「そんなわけないだろ。これを見てみろ」

視線を下に落とす。

と、そこにはさっきあれだけ美波に抜いてもらったのに垂直にそそり立つ正直過ぎる愚息先生の姿があった。

「あっ……えっと、よくわかりました……」

「よろしい」

「だったらどうして」

「うん」

「あんなに怒ってくれたんですか?」

「そりゃこっちが意図してない方向にエロ妄想されてそれを一般論みたいに言われりゃ腹立つだろ。それに」

「それに?」

「自分じゃない奴が眼の前で美波のことエロい目で見てたらムカつくじゃないか」

今度は私が赤面して顔を背ける番だった。

言わせるなよ恥ずかしい。

「プロデューサーさん」

その背けた顔を両手で挟まれて正対させられる。

「大好きです。愛してます。美波がえっちになるのはプロデューサーさんにだけですから安心してください」

そしてそのまま唇を奪われた。

 

「美波!美波っ!」

屈曲位で彼女の腟内(なか)に挿入し、振り子のようなモーションで最奥に剛直を抉(えぐ)り込む。

「ああんっ!深いっ!深いいいっっ!!」

「美波、苦しく、ないかっ?」

「いえっ!いいっ!これがっ!いいんです!あなたに征服されてるこの感覚が!」

以前からチラッと思ってはいたが、この子はMっ気があるよな。

今にして思えばドSメイドは解釈違いだったか。

ずっぐずっぐずっぐずっぐずっぐずっぐ!

一定のリズムとスパンで挿入を繰り返した後。

ぐぐりんっ!!

彼女の弱い所を一気に攻め立てる。

「ん、ああああ~~~~んっ!!」

あっけなく美波が達する。

「プロデューサーさん、動いてください」

目尻に涙をうっすらと溜めた美波が言う。

「いいのか?今イッたばかりだろう?」

「いいんです。美波を休ませないでください」

かわいい奴め。

「後悔するなよ?」

「後悔なんてしません」

「よく言った!」

じゅっぽじゅっぽじゅっぽじゅっぽじゅっぽじゅっぽ!

じゅぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅぐ!

ぐっちゅぐっちゅぐっちゅぐっちゅぐっちゅぐっちゅ!

卑猥な水音が室内に響く。

「んあんっ!また!すぐ!イッちゃ!う~~~~~んん!!」

組み敷かれたままの美波の尻が大きく震え、彼女はまたしても絶頂を迎える。

それと同時に腟内(なか)がぎゅぎゅっと狭まる。

「絞られる!これは無理、だ!」

どっっっぴゅ!!

どどぴゅ!どぴゅどぴゅ!びゅびゅびゅびゅぐっ!!

「射精(だ)されて!また!イッちゃうああ~~~~~っ!!!!」

美波の身体を折りたたみ、最後の一滴まで男汁を注ぎ込む。

収まりきらなかったザーメンが噴火のように蜜壺から溢れ、彼女の胸や顔にまで降り注ぐ。

「熱い……熱ぅい……すごい、匂い……」

呆けたように呟く美波。

「休んでる暇はないぞ?」

顔を近付けて念を押す。

「はい、壊れちゃうぐらい美波を愛してください」

「任せろ」

もちろんきちんと有言実行した。

 

 

「ちゅっ……れるっ……ぺるぺるれぇる……ちゅっ……ちゅちゅっ」

事後のお掃除パイズリフェラ。

睾丸が痛くなるまで射精したのでさすがに一旦休憩。

頭を撫でて労うと美波はくすぐったそうに目を細めた。

それでもご奉仕をやめないのはさすがです美波さん。

「パパとはまだ険悪なんですか?」

ふとそんなことを訊いてくる。

「いんや。前みたいなことはないよ。なんだったら『この前のあの衣装はよかった』とか『今度は美波のこんな姿が見たいんだが』とかメッセージで言ってくるよ」

「パパとSNSでつながってるんですか!?」

「イエス」

パパとはSNSでつながり、娘さんとは心と身体でつながっております。

「そんなぁ、知りませんでしたよぉ」

うん、教えてないからね!

今言っちゃったけど。

「まあ、そういうわけだから心配するな。パパさんからは娘をもら……あ」

「『娘をもら』?」

美波の手と口が止まる。

やっべ、口が滑った。

「『娘をもら』?続きは何ですか?『ってくれないか』ですか?」

瞳が爛々と輝いてらっしゃる!

「え~っと……あ~……その……そうそう!『娘をモラハラするなよ!』ってな!わはは!」

ナイス機転!

セーフ!

「そういうことにしておいてあげます。ふふっ、今は、ね?」

そう言って微笑み、美波はお掃除パイズリフェラを再開してくれた。

妙にご機嫌だな?

 

 

『ねえねえあそこの新作リップもうチェックした?』

『あのデア・アウローラがCMやってる奴?』

『それそれ!美波ちゃんがなんかめちゃめちゃ色っぽくてさ!』

『奏ちゃんに押されてたイメージあるけど、最近の美波ちゃんすごいよねー』

『特にあのリップの塗り方やばくね?』

『わかるー!女のあたしでもドキッとしたもん!』

 

「だ、そうよ?」

街の声を拾ったVTRを見て、奏が美波と私の感想を求めてきた。

「よかったな美波、見てくれる人はちゃんと見てくれてるってことだ」

「はい!とっても嬉しいです!」

美波と両手でハイタッチする。

発売されたリップはこのように大好評だった。

「『ちゃんと見てくれてる』、ねえ?」

奏がくすくすと意地悪く笑う。

「奏ちゃん?」

「なんだよ奏」

「そうね。街の人はまさか美波のあのリップの塗り方がプロデューサーのをフェラしてる時の美波と同じだとは思わないものね?」

「か、かか奏ちゃん!?」

バレてんじゃん。

泡を食う美波に対し、私は黙秘権を行使することにした。

 

きゃいきゃいと言い合う奏と美波。

女神と称される二人だが、これまでずっと対極の存在だとされてきた。

だが今ではどうだろうか。

どちらが上でも下でもなく、完全に並び立っているように私には見える。

「美波、サービス期間はもう終わりよ。これからは遠慮なくいかせてもらうから」

「私だって、ま、負けないから!」

うんうん、これからが実に楽しみだ。

このユニットはこれからますます遠くまで羽ばたいていけることだろう。

「プロデューサーさん!呑気にしてる場合じゃありませんよ!」

「ええ、美波の言う通りよ。女神ふたりを相手にして、無事で済むなんて思わないことね」

たはは。

ほら見ろ。

新田美波を地味なんて言った奴はどこのどいつだ。

こんなにも立派な翼を隠し持っていたじゃないか。

これからが実に楽しみだなあ!

……楽しみにしててもいいんだよね?




キャラを侮辱するようなあだ名やミームは心底嫌いです。これは私なりの意趣返しの意味もあります。
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