※エロシーンなし
私は、たきなの家の扉の前に立つ
DA管理下の寮である。
一一よしっ!、だいじょぶだいじょぶ、、いつも通りでっ、、、
すぅぅっ、、はあぁぁっ、、、
私は深呼吸をして、たきなの部屋のチャイムを鳴らした、、
ピンポーン
、、、、
、、、
私はドキドキしながら、たきなが出てくるのを待った。
ガチャっと扉が開く、、
そこには、、短パンとTシャツという、夏っぽい部屋着の上に、藍色のエプロンを付けたたきながいた、、、
「来ましたねちさとっ、こんばんわ、、思ったより早かったですね」
「うん、こんばんわっ!、急いで来ちゃったっ」
「あのっ、、、私、今、料理中で手が離せないので、どうぞ上がってください」
たきなはそう言い放って、扉を開けたまま、バタバタと部屋の奥へ入っていく
なんか、いつも通りで安心した
、、凄く緊張してたけど、、話してみると落ち着いた。いつも通りだ、、、
「おじゃましま~す!」
たきなに聞こえる声で挨拶してから、、私は玄関で靴を脱いだ
たきなの部屋は、浴室や台所、リビングに、寝室、倉庫などが別れていて、一般のリコリスの部屋に比べて広い、まあ、たきなは優秀だからね
奥から、香ばしい匂いと、カチャカチャと、調理器の音が聞こえてくる。
たきなの部屋には何度か入っているけど、今日はいつもよりも眩しくみえた、、
ここはもう、親友の部屋ではなくて、好きな人の部屋なのだ、、
「お邪魔しま~す、たきなっ。ごめんね、急に泊まるなんていいだして」
「いえいえ、、私もこの部屋で一人で寝るのは不安だったので、千束が来てくれて嬉しいです。
千束なら、誘拐犯がまたこの部屋に来ても、私を守ってくれますから」
「そうだね~、守るよ。絶対。もうあんな目には合わせない」
「頼もしいです、、」
「カレーかぁ!いいねぇ、料理手伝うよ。いろいろ終わって疲れがドッときて、もうお腹ペコペコだよぉ、、、」
「ええ、、ほんとに疲れました、、、。今日は早くご飯たべて、お風呂入って、すぐに寝ましょう。」
「うん!、、1人だと怖くて寝られなかったと思う、、、でもたきなと一緒なら、安心!」
「私もです!千束」
一一楽しい、、、幸せ、、、
一一君といると安心する、、、
一一君と2人で、まだ生きていける、、これだけで幸せ、、、
一一でも、、私はわがままだ、、、
一一今以上のカンケイを、求めてしまう、、、
一一一一一一一一一一
「じぁあはい、手を合わせて~っ!」
「「いただきますっ!」」
私達はテーブルに向かいあって、夕ご飯を食べる。
一一ああ、、幸せっ、、、
「あ、、あのっ、、、どうですか?、、、そのっ、味はっ!」
「味??、すっごく美味しいよっ!、久しぶりに食べたけど、やっぱり疲れた時はカレーに限るよね!、疲れがとれるし!、、、ありがとっ!たきな!」
「良かったっ!嬉しいです!」
「たきなは料理が上手いから、毎日たきなの料理を食べたいな」
「千束も上手いじゃないですか、面倒くさがり屋なだけで」
「あちゃー、バレちゃってたかっ!」
「ふふっ」
「あはははっ」
一一一一一一一一一一
たきなは、、突然真剣そうな顔を作り、、戸惑いながらも私に聞いてくる
「、、、あのっ、千束っ。聞いてもいいですか、昨日あんな事になって、大丈夫ですか?辛くないですか?」
私を、心配してくれていたのだ、
「うん、、、、人を、殺しちゃったからね、、、人の時間を奪って、、、私は生きてて、、、
辛いの、、かなっ、、やっぱり、、、
自分のことが、嫌いになってた、、
でも、、、たきなが私の罪を、一緒に背負ってくれる、って、言ってくれて、、本当に半分楽になったよ。
たきなが居なかったら、私はもう、二度と心の底から笑えなかったと思う。
ありがと、、、本当にありがと、、、」
「やっぱり、辛いですよね。、、、千束が本音で話してくれて嬉しいです。千束はいつも、やりたいこと最優先といいながら、ところどころ強がったり、我慢してるんですから。」
「う~ん。そうかな~?、、そうなのかもな~、、、でも、甘えてばっかじゃ、、リコリスの仕事は務まらないよ、、」
「たまには甘えてもいいんですよ、弱音を吐いてもいいんです、、
千束は、私と一緒の時は、強がらないでいいんですからね!」
「、、、うん、、、そうだね、、、そうするよ」
一一私は、たきなの言葉に安心する、、、君を心の底から信じられる、、、
一一弱音も、本音も、恥ずかしいことも、後ろめたいことも、暗い過去だって、、、全部君になら話せる、、、
一一一一一一一一一一
「あと、、千束、、、これも聞きづらいことなんですが、、、千束は昨日、あの時、「また人を殺しちゃったな」と、言ってましたよね。
今までに、誰かを殺したことがあったんですか??、、もちろん言いたくないなら言わなくていいですから」
「、、、うん、、そうだね、。私は昔、何人も人を殺した事がある」
「私がまだ5才とか6才で、リコリスの養成所にいた頃ね、、、ほら、私って優秀だったからさ、、普通のリコリスと同じように、現場に連れて行かれることも多くて、、、
もちろん、まだ子供だった私は、、人を殺したくなんてなかった、、、でもね、、、
ほら、、私って、先天性心疾患で、、現場で倒れることも多かったわけ、、それだけなら良かったんだけど、、、
たまにね、、、暴走しちゃって、、、」
「暴走?、ですか?、それって?、、」
「うん、、、突然頭がボーッとなって、、ただ、敵を殺すことしか考えられなくなるの
、、そして、敵を沢山殺して、、、
我に返った時には、、自分の手は血で汚れていて、、周囲には死体が転がってた、、、
私は、凄く怖かった、、、
私が、この人の残された人生の時間を奪ってしまったんだって、、、
周りの大人には、こいつらは悪い人だから、そんなに気にすることはない、っていってたけど、私は辛かった、、
私はその頃、病気で命が長くないと言われてたから、、、ね、、、
命の値段を知っていたくせに、、、
長生き出来るはずの命を、私が刈り取ってしまったんだ、って
ふとした時に思い出しちゃって、、気持ち悪くなって、よく吐いてた、、、
でもね、、、本当に酷かったのはそれじゃない、、、
私はね、、27人のリリベルを皆殺しにしたの、、、」
「えっ!?リリベルって、男の子版リコリスですよね、27人も!?」
「そう、、、名前は忘れたけど、どこかの組織の陰謀が働いて、リコリスとリリベルを潰し合わせようという計画に巻き込まれたの」
「えっ!?そんな酷いことがっ!!一体どんな手口でっ!!」」
「よく覚えてない、、、でも、、これだけは覚えてる、、、
リリベルが護衛をしているホテルに、、私達リコリスが突撃して、戦闘が始まって、、
でもリリベルのある人がね、、これは仕組まれた陰謀だから、戦うなって大声で叫んで、、、戦いは1度止まったの、、、
、、、でも、、でもね、、そこで私の暴走が始まったの、、、
その人を殺してから、沢山殺して、最後の1人を殺そうとした所で、我に帰って、、、、そこからは覚えてない、、、
あの最後の人が、絶望した表情で私を見つめて、周りには死体の山で、、
あの瞬間、私の身体は震えだして、自分が現実世界から引き離された気分だった、、、
そこからは、本当に、自分が怖くて、毎晩泣いて、銃も持てなくて、、、もう戦いたくなかった、、、」
「そんなっ、、、!!」
「でも、そこで吉さんと会って、、、人工心臓を貰うことになって、、、少しづつ立ち直っていったの、、
人工心臓を貰ってからは、もう、暴走なんてしなくなった、、、
ミカ先生も、本当の親みたいに、私を育ててくれてね、、、本当に、、感謝してる、、、
あとね、、その1人だけ生き残ったリリベルの人にね、、、謝らなきゃ行けない、と、ずっと思ってた、、、
でも、、謝って済む話じゃないから、、、怖くて、会いに行けなくてさ、、
半年ぐらい経って、リリベルの機関に謝りにいったの、、、
でもその人は、あの事件の後、1度も現場に出られなくて、リリベルを辞めて、消息不明になってた、、、
私が、あの人の人生を変えてしまったんだよ、、、
あの人は、今、生きてるのかな、、生きていてほしいな、、、
出来れば、大切な人達と一緒に、幸せに、、、」
「千束っ、、、千束は本当に、、昔から、、、辛い目に、苦しい目にあってきて。
でも、その明るさで、前向きに前向きに、必死で生きてきたんですね。
本当に凄い人です、素敵な人です!、
私は、千束と会えて本当に良かったっ。たくさんのものを千束から貰いました。
なのでっ、私も千束の助けになりたいです。千束を幸せにしたいです。」
「ちょっとたきな、何言ってんの、私はす~っごく幸せだよっ。たきなと一緒に、、今日も生きてる、、それだけで幸せっ、、
私がどれだけたきなに助けられたのか分かってるのっ?
君がいなかったら、、、私はもうここには居ないんだよ、、、私の命の恩人。
私こそ、たきなをもっと幸せにしたいから、、」
「はい、、嬉しいです、、、」
親友と恋人のあいだ、、、
どっちつかずの曖昧な関係の私達は、、互いに直接的な表現を避けながら、、、本心で語り合うのだ、、、
一一もどかしくって、、むず痒いっ、、
一一一一一一一一一一
それにしてもたきなの家、、綺麗すぎるというか、あんまり物がない。
「たきなってさ、一人の時どんなことしてるの?趣味って何??
ほら、私の場合は映画見ることだけどさ、たきなはどうなの??」
「私の趣味ですか。前にも言いましたが、射撃練習と武器の手入れとか、、、」
「たきなっ、、それは趣味じゃないってばっ!」
「ふふっ、、、冗談ですよ、、、。最近は、千束のオススメの映画を見たり、、、小説とか、、漫画を読むことですかね」
「ええっ!?、たきなって漫画読むのっ!?ほんとにっ!?、、全然しらなかったっ!!、、ねぇっ、どんな漫画っ??」
あまりにも予想外の答えに、私は驚く、そしてこう思う、
一一私って、たきなのこと、まだまだ知らないんだな、、、
一一もっと、たきなのことが知りたい。もっとたきなに、私のことを知ってほしい!
「、、とは言っても、つい最近ハマったんですよっ。「花の笑顔の彼女」という恋愛マンガなんですけど、ヒロインの女の子が明るくて可愛くて。男の子との恋愛の、すれ違いの心理描写とかが、もうほんっとに凄くて!、是非、千束も読んでみて下さいっ!」
一一たきなが早口で捲し立てる、たきなが自分の趣味をこれだけ薦めてくるなんて、、よっぽど好きなんだろうなっ、、、
それよりも、、、
「たっ、、たきなっ、、男の子に興味あるの??」
一一そうだ、、性的指向、、私達は同性だから、、たきなの性的指向が私に向いていないと、、どこまで行っても恋愛対象外、、、
一一勿論、同性と異性どちらにも性的指向がある場合もあるし、ジェンダーは無限の種類がある。愛のカタチは人それぞれだ。だからこんな質問じゃ分からないんだけど、参考までに聞かないとっ!
一一というかそもそも、たきなが恋愛マンガなんて、、えええっ!!、、あんまり、、そういうことには興味ないのかと思ってたのにっ!
「まあ最近は、リコリスを引退した後に、いい男の人と結婚したいな、とずっと夢みてました、、、
ですが、、、男達に誘拐されて、酷いことをされて、、。
、、、もう、男の人は怖いです。
男の人が皆、あんなに酷い人ではないことは分かっていますが、それでも怖いです、、、」
「、、、そうだよねっ、、、あんなの、一生分のトラウマだよ、、、」
「はい、、、やっぱりっ、、、大切な初体験は、、、自分が好きな人に捧げたかったです、、、」
「たきな、、初体験は捧げるものだよ。私達は奪われたんだよ。だからまだ、捧げてない、、、だから、私達はまだ処女だよ、、、」
「えっ?、、、う~ん、、、確かに、、そうですね、、、そう考えたほうが幸せです。
ええ、私はまだ初体験を捧げていません、わたしはまだ処女です!」
「うんうんっ!そう思った方がいいよ、、、早くあんな奴らのことは忘れないとね、限りある人生の無駄だよっ!」
一一私が彼らを殺したという事実は、決して忘れてはいけないけれど、、、
「親友と恋人の狭間」