※この作品はR-18です。

Beliefers   作:とある渓流にいるかわうそ

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今回で主人公sの身辺整理していきますよ!
次の話ぐらいでとりあえず主要人物たちはまとめときたいな…

またキャラ紹介をやれたらと思ってます。はい


3話 もう一つの邂逅

優「ということで、影明はうざいくらいいつも

この出会った時の話して来てたんだよね」

 

と、紅藤優は集まってきた全クラスメイト達に説明をする。

何故こんな状況になっているのかは言うまでもないだろう。

入学式が行われた学園生活初日に突然大泣きする生徒が

いたら、何かしらの出来事は起きるものだろう。

しかし、全てのクラスメイトが集まった要因は

それだけが理由ではない。

ーー今、話題の渦中にいる緑川影明も関係しているからであった

女子はもちろんであるが、男子生徒すらもその美貌の物珍しさに

集まってきているのだから、緑川影明の見た目は

ある意味常軌を逸しているのかもしれない。

 

優「まー、まさかこんな所でその意中の男の子会える

なんて、、、ねー笑 ホモ明君?」

 

影明「ホモ明って言うな!?」

 

勝平「よかったじゃないか。恋に恋しあう2人の

運命の再会!かーっ!感動の話じゃねえかよ笑」

 

影明「……かっぺーくん?ふざけてます?」

 

そんな話をいつもしてますというような雰囲気で

しゃべりあう3人。

実際、緑川影明、石山勝平、紅藤優は

いつも3人でつるんでいた。

出身も同じである。

 

女子校生A「え〜!?影明くんホモなの!?」

影明「ち、ちがう!」

女子校生B「ショック〜……超イケメンなのに」

影明「ちがいますからね?俺はホモじゃありません

からね?」

男子校生A「うーわ、そりゃねーわ〜……」

男子校生B「俺は分かる。というか、お前に会って

分かるようになった!!」

男女校生C「……キモっ」

影明「かぺ藤君たち〜?君たちのせいで俺なんか

クラス公認ホモになりかけてるんですけど??

俺の華々しい高校デビューが台無しになっちまう

だろ!!」

優「語呂よくして名前をまとめて呼ばないでくれる?

……だって影明女の子に全然興味ないじゃん」

勝平「そーそー、ホントにアソコあんのかと疑うわ。

そこに来てさっきの瞬の大泣きっぷり。

あんなの見せられたら誰だってそっちの気を疑うっつーの」

影明「……え?さっきのそんなに異常に見えたのか?

俺は別に普通だと思うんだけどなぁ……?」

 

瞬(……やばい、超恥ずかしい……!)

 

そんな話のやりとりをよそに神崎瞬は羞恥で顔が

ゆでだこのようになっていた。

当然である。高校生なのだから

大泣きするにはもういい歳と言っても良いだろう。

実際問題、こうして自分達2人はカップルだの

ホモだのと疑われてしまってるわけで…

 

そう神崎瞬が悶々と唸っていると「それで」と

紅藤優が声をかける

 

優「冗談は置いといて、何でさっきはあんなに

泣き出したりしたのかな?ホントに恋仲だからって

訳じゃないんだよね?

 

……あ、しゃべりたくないならしゃべらなくて

いいからね?

誰だって辛い過去はあるだろうし。

その上これだけ人数集まってたらなおさらね」

 

影明「え?そんなの俺と10年以上ぶりに会えた

から嬉しくて泣いたんだろ?」

 

勝平「バカは黙ってくれませんかね?^ ^」

 

影明「いやいやいや!何で俺がバカになるの!?

つーかあんな人前で大泣きしたのは黒歴史並に

恥ずかしい出来事なんだから

わざわざ蒸し返すなって!空気読めんのか!?」

 

女子校生E「……影明君ちょっと頭悪すぎない?」

 

黒岩源氏「ケッ!何でこんな奴がこのエリート学園

に入学出来たんだか! 恥晒しはどっか行って

くれねえかなあww」

 

綾風ユキ(どの口が言うんでしょう…)

 

影明「ちょっ!?そこまで言われる筋合いある!?」

 

黒岩源氏「当たり前だろうがよ!ここは日本のエリート

だけが通うことを許されるところなんだよ!

お前みたいなノータリンにいられちゃこっちまで

恥かくんだよ!」

 

勝平「そうだ!お猿は動物園におかえり!」

 

影明「てめこらかっぺぇ!!さらっと加勢してん

じゃねえっつーの!つかお前も俺の事あんまり

言えんだろがぁ!!」

 

優「ハイハイ、もうその辺にしようよ。

神崎君もしゃべるにしゃべれない

じゃないか。

ごめんね?神崎君?騒いだりして」

 

瞬「あ、いいよ。それに瞬でいいよ」

 

優「そう?じゃあ僕の事も優って呼んでほしいな。

それで瞬、どう? もちろん話したくないなら

話さなくていいよ?」

 

瞬「いや、話すよ。皆も気になってるだろうから」

 

ーーそうして、神崎瞬は自分の今までの人生を語った

 

両親が事故で死んだ事ーー

 

親戚は皆自分を煙たがっていた事ーー

 

妹がいじめで自殺した事ーー

 

そして、自分もいじめられた事ーー

 

----------

-----

ーー

 

神崎瞬が話し終えた時、クラスには

彼の人生の悲劇が伝染したかのように

悲しみに包まれていた。

中には嗚咽を洩らす者もいた。

 

だが、一番悲しんでいたのは緑川影明だ。

彼は大粒の涙を流して、泣いている。

その心中は察するに余りある。

彼の大切な人が自分と別れた後に

そんな悲劇の人生を歩んでいたのだ。

ショックは大きいだろう。

 

故に誰かから求められてもないのに

彼は幼なじみの親友に謝りだす

 

影明「ごめん…ごめんな……!

そんな事になってんのに……

救けてやれなくて……

最低だ……最低だよな……!

俺は……!!」

 

瞬「え?いや何で影明が謝るんだよ!?

さっき話したことは全部影明と別れてからだし!

影明は何も悪くないよ!」

 

影明「……ごめん……ホントごめん……」

 

ボロボロと涙を流して緑川影明は謝る

その様は異常なほどに

 

ーー一体何がそんなに許せないんだーー

 

神崎瞬はふと、そんな疑問が浮かび困惑する。

理由はない、脈絡なんてない。本当に、本当に

突然に、唐突にその疑問が思考に現れたのだ。

神崎瞬は疑問が意思を持ち、神崎瞬の思考に

瞬間移動してきたのではないかと本気で思った

 

そう本気で思ってしまうほどには『その疑問』が

浮かんできた原因が理解できないのだ。

 

しかし、しかしだ。何故か不思議には思わなかった。

今の緑川影明を見ているとーーその疑問に

納得してしまいそうなのだ。

 

 

 

 

だからこそ確かなのだ。

眼は確かに異常を写しているように

 

『神崎瞬は確かに歪みに気づいていた』

 

『この事実は確かなのだ』

 

 

 

 

優「……まぁ、確かにそれは辛かっただろうね…」

紅藤優はそんな影明を横目で見やり、

切り替えるように言った

 

優「いつまでもクヨクヨしてても仕方ない。

これからの事考えよ!

悲劇を塗りつぶすぐらいの喜劇を

皆で創っていったらいいんだよ!」

 

そう神崎瞬に向けて紅藤優は言った

しかし、その言葉は隣の緑川影明を

励ますためのように神崎瞬は思えた

 

影明「そう……だよな……

そうするしか、ないもんな…!」

 

紅藤優の言葉に緑川影明は元気を取り戻した

ーやはり、さっきの言葉は影明のために言ったんだなー

 

勝平「うおおおおおおおお!!

俺も協力ずるうううぅぅ!!!

今までの不幸をチャラにするぐらい

良い思い出作っていこうぜえええ!」

 

勝平も先ほどまでの影明に負けないぐらいの

涙を流して声を発する。

 

影明「よっしゃああああ!!かっぺえ!!

ゲーセンだ!!ゲーセンに行くぞ!!!

俺ら盛り上げ3人組特攻隊の出陣じゃあああ!!」

勝平「おうよ!俺らで瞬の人生の悲劇をチャラに

するぞおおおおお!!!」

 

肩をひしと組み合い、それぞれ反対側の腕を

おーっ!とばかりに上へと上げる。

 

藤堂明隆「ま、こんなの聞いちゃなあ。

俺は勉強したいんだけどな」

一ノ瀬真希「一言余計なこと言うなぁ君」

西島俊則「ぼ、僕なんかが協力出来るなら……」

綾風ユキ「…んふふっ、私も是非協力させて

もらいますね」

花岡蓮「グフフ、そんな悲劇も柏崎澪ちゃんの

動画と歌を聴けば吹き飛びますぞぉ!」

新島遥「ま〜、悪いけどうちはあんまり興味ないかも」

黒湯真司「うーわ!遥ちゃんったら辛辣だねぇ〜!」

金谷希「ねぇ!楓ちゃんチャンスだよ!」

三木島叶「楓ちゃんチョー可愛いから行けるって!」

水無月楓「え、えぇ!?」

 

紅藤優「ん〜…… 何か皆ノリノリになっちゃったねえ」

 

クスッと優は笑う。

 

瞬「だね。影明は昔からコミュ力高くて、誰とでも

打ち解けるのが早いしね」

 

優「うんうん、それで謎に統率力が高いんだよね」

 

瞬「そうそう笑」

 

そんなクラスの和気藹々ぶりを一歩引いて

2人は眺めていた

 

優「それはそうと瞬はお金とかって大丈夫なの?」

 

思い出したように優は心配の声をかける

 

優「ほら、さっきの話聞いてた感じもう誰にも

頼る人いないんでしょ?

瞬も特待生徒だから特待制度使えるから

住むところとか学費とかは大丈夫だろうけど

生活費とか食費は別でしょ?

何か宛とかある?」

 

瞬「え?俺が特待生徒なんて言ったっけ?」

 

優「何言ってんの笑 そんな境遇なのに

こんな金持ち学園になんて特待生徒でないと

入学出来るわけないでしょ笑

そのぐらい分かるよ」

 

言われてみれば確かにそうだ。

ちょっと考えれば容易に分かることだ

だが、さも当然のように特待生徒であることを

前提に話を進められる優は何だか

抜きん出て頭が良いように瞬は思った。

 

瞬「ん?瞬"も"?」

 

優「その疑問ならそう。僕も特待生徒だよ。

入学試験の順位は3位だったかな?」

 

瞬「さ、3位…!」

 

なるほど、それなら頭がいいはずだ

今までの会話を考えてみたら

地頭そのものが相当良いのだろう。

3位である事には何ら不思議では無い

 

ー本当に優等生なんだなー

 

神崎瞬は決して地頭が優れている

わけではない

この聖マリア学園に特待生徒になれたのは

執念とも呼べる血も滲む猛勉強が

あってこそだ。

それでも瞬は何とかギリギリ10位で

特待生徒になれたという具合である。

 

優「で、話戻すけど生活費やら云々稼がないと

いけないんだと思うんだけど、バイトとかって

もう決まってるのかな?」

 

瞬「いや、それがまだなんだ。早く見つけないと

いけないんだけどね…」

 

優「そうなんだ。だったら今僕が働いてる所とかどう?

居酒屋なんだけど、時給1000円で高いし、まかないも

出るんだよ。

まぁ、その代わりかなりハードだけどね。個人経営店

だから人も少ないし。というか、従業員僕だけだし

瞬が来てくれたらきっと店長大歓迎で

瞬を雇ってくれると思うよ」

 

瞬「そ、そうなのか!? 是非行かせてもらいたい!」

 

瞬は食い気味にそれに反応する。

よほどバイト探しの成果が芳しく無かったのだろう。

それを見て、優はにこやかに返事をかえす

 

優「じゃあ僕が店長に瞬の事話しておくね。

それから今度面接に行こう。

あ、その前に学園にバイトの申請書は出してある?

仮にも高校生だからね。無断でやってるのバレたら

1発退学処分になるからキッチリしとかないとね」

 

瞬「あ、そうか。ごめん、うっかりしてて

申請もしてなかった…

でも、学園のバイト申請の条件って

厳しくなかったかな?

する事許してくれるんだろうか…」

 

優「まぁ、大丈夫だよ。瞬の身の上なら学園の

バイトの申請条件にはバッチリ当てはまってるから

でも今日は皆で遊びに行こう!入学祝いにパーっとね!

クラスの雰囲気もそんなムードになってるし。

バイトは今度申請出して、面接受けに行こう。

その時は僕も付き添ってあげるよ」

 

瞬「あ、あぁ、ありがとう!本当に恩にきるよ!」

 

そう優に感謝を述べると、優はいえいえ、と言った具合に

朗らかな笑顔を返してくれた

 

ーまさに絵に描いたような優等生だー

 

瞬は紅藤優の事がとても頼りに感じるのだった

 

影明「よっしゃあああ!!入学祝いにで街で

遊ぶぞ!!メインはゲーセンだ!」

 

向こうの方もおおかた話がまとまったようだ。

 

藤堂明隆「ゲーセンか、小学生やって以来だなぁ」

男子校性E「マジ?普通ゲーセンとか友達と行くだろ?」

藤堂明隆「うっせ、俺はずっと勉強してたから

あんまり遊んでねーんだよ。」

女子校生A「え〜?その見た目で勉強ってマジ〜!?

私の第一印象不良って感じだったんだけどなぁ〜」

 

黒岩源氏「俺は行かねえぜ。そんなバカと一緒に

行動したらこっちまで恥ずかしくなるからな」

 

黒岩源氏は緑川影明を小馬鹿にしたように、

いや、今ここにいるクラス全員を小馬鹿に

してるように鼻で笑い、当然と拒否をする。

 

影明「おいおい〜?釣れないっすね〜?

いいじゃんいいじゃん〜?別に何か

特別な用事とかないんしょ〜?

行こうぜ行こうぜー!」

 

と、緑川影明が馴れ馴れしそうに肩を組もうと

黒岩源氏に近寄るが、それに返されたのは拳。

余りに唐突にである。

緑川影明はその理不尽な暴力を当然予測など

していなかったし、意識もしていなかった

しかも肩を組もうとしたので当然至近距離にまで

近づいていた。

 

ーーだと言うのに

 

影明「あぶねっ!」

 

彼はその拳を避けたのだ。普通ならその突拍子もない

拳など避けれるはずはない。

だと言うのに、彼は避けてみせた。

拳が見えたわけじゃない。彼がその暴力を認知した

のは、既に拳が振るわれた後である。

 

つまり、緑川影明はその拳を反射神経だけで避けたのだ

 

黒岩源氏「!?」

 

これには黒岩源氏も驚いた。

 

影明「おいおい!いきなり殴ろうとするなよ!

悪かったって!そんなに嫌だと思わなかった

からさ!

ま、じゃあまた今度どっか行こうぜ!」

 

黒岩源氏「……チッ!」

 

黒岩源氏は悪態をつき、そっぽを向いてしまった。

 

影明「よし!じゃあ残りは全員行くって事でいいなー!」

 

緑川影明がそう皆にそう呼びかけると

またもう1人だけそれに否定の

返事を返す。

 

綾風ユキ「あ、ごめんなさい。私もこの後ちょっと重要な

用事があるんです。だから行けません。

本当に申し訳ないんですけど……」

 

その人物は3大名家の一つ、綾風家の令嬢である。

その声を聞き、緑川影明は『初めて』綾風の

お嬢様である綾風ユキを視た。

そして、こう返事した。

 

影明「そっか……それなら仕方ねーなー。

まー!これからクラスで長い付き合いに

なっていくんだし!いつか一緒に遊ぼうぜ!」

 

綾風ユキ「ーーっ!! は、はい……」

 

綾風ユキは呆然と返事をする。

 

先ほどのやりとりには何の異変はない

おかしいところなどどこにも無い。

 

彼女が断り、彼が了承した。

 

ただそれだけの事であり、それ以上でも

それ以下でも無い。

それ以外のことが加わってなどいない

 

ーーしかし

その事に『何も』付随しなかったのが

綾風ユキの心に強烈なる印象を刻み付けたのだ

 

彼は彼女に対し、あの『仕草』をしなかった。

男性ならしてしまう『仕草』をしなかった。

しかも『初めて』なのに『仕草』をしなかった

『初めて』なら女性でもしてしまうのにーー

 

ーこの人は私に……をしなかったー

 

ーーその事は清らかな少女の心に

淡い甘色を混入させることになったーーー

 

 

 

影明「よーしゃ!じゃあ善は急げだ!

早速出発だ!」

 

ユキ「え?いや緑川さん!?まだーー」

 

ユキが呼び止めるのも虚しく影明は

教室のドアへと向かう。

そして、ドアの目の前に立った時、

いきなりドアが開いた。

 

白鳥琴音「皆、遅れてしまってごめんなさいね。

あら?あなたどうしたの?そんなところに立って」

 

ドアから入ってきたのはA組の担任教師となる

白鳥琴音であった。

 

影明「え、あ!おはようございまっす。A組の

先生っすか? えーと、今から皆でゲーセンに行こう

と思ってて……あ!俺緑川影明って言います!

よろしくっす!」

 

唐突の登場に影明はちょっと驚きながら

返事した。

しかし、その返事内容はまずすぎた

それを聞いて白鳥琴音は眉間にしわを寄せる

 

琴音「ゲーセン?今から?ちょっと緑川君、

それは本気で言ってるのかしら?」

 

勝平「いやバカか!?何のために俺らここに

集まってたと思ってんだよ!?

学園の説明も受けずに帰れるわけねーじゃん!?」

 

全く持ってその通りである。

だが、緑川影明がいくらバカとは言え

そんな事を理解していない訳ではない。

緑川影明はそれほどのバカではな

 

影明「はっはっはっ〜!なーに言ってんだよ!

かっぺえ!たーかが説明だろ?

そんなん入学式の時にもらった本読んだら分かるっしょ!

 

てゆー事で先生!今日はもう終わりでいいっすよね!

学園の事はもらった本バッチリ読んで理解しとくんで!

 

よーし!じゃあ皆いっちょ行くかぁ!!」

 

 

申し訳ない。読者の皆様。私は訂正をしなければ

ならないようだ。

 

 

この緑川影明はバカだ!

救いようのないバカだ!!

先生を舐め腐ってるとしか言いようがない!!

 

 

これにはクラスの全員が額に手を当て唸るしかなかった

 

一ノ瀬真希「影明くんって、もしかしてホントにバカ?」

 

勝平「バカだぞ?救えねえほどにな」

 

瞬「これは俺も擁護できない」

 

優「擁護?瞬は優しいね。このアホに

そんな言葉が出るだけ」

 

源氏「おいおい……勘弁してくれよ……

まさか俺らまで怒られるって事ねーよな」

 

黒湯真司「えー!?マジかよ〜!?

このバカホント何やってんだよ」

 

ユキ「…………」

 

ユキを除き全員が散々な物言いである。当然である。

しかし、その当然さがまるで理解できていない

お猿が抗議を申し立てる。

ごめんなさい。お猿に失礼ですね。

 

ミジンコ「は!?何でそんな事言われなきゃなん」

そう言葉を発そうとするミジンコの言葉は

担任教師である白鳥琴音によって遮られる

 

琴音「緑川君?君、後で職員室に来なさい」にこっ

 

ミジンコ「えっ」

 

 

こうして、ミジンコは学園の説明の後、

職員室にて担任教師のありがた〜い

説教によってこってり絞られた。

 

 

----------

-----

ーー

 

 

時間はかなり過ぎ、入学打ち上げ会の帰路

 

影明「ふおおおっお!楽しかったなー!」

緑川影明が伸びをしてそう言葉にする

辺りは赤みがかっており、日暮れが

差し迫ってきている事が視て取れた。

 

その頃にはクラスでそれぞれグループ

が形成されていた。

 

女子高生A「ぶっちゃけさ?誰が一番良い?」

 

女子高生B「私はかっぺー君かなぁ?

かっこいいし、話面白いし!」

 

女子校生C「かっこよさならダントツ

影明君でしょ?何故にかっぺー君?」

 

女子校生B「いや…影明君はちょっと……」

 

女子校生E「影明君はちょっと無いでしょ

確かにこの世の者と思えないぐらい

外見ステータス半端ないけど、外見と

性格が合ってなさすぎでしょ」

 

女子高生A「分かる〜。顔は誠実真面目な

王子様って感じなのに、テンション高すぎる

のがな〜……。学校での件もあって

ダントツでアホっぽいし。ダメな方向でね

とにかく半端なくギャップ萎えする

残念イケメンだわ」

 

女子高生B「後、ちょっとかっこよすぎて

何か、自分なんかが釣り合うような気が

しなくなってくるし……」

 

緑川影明は学校での一件と打ち上げで

女子たちの株を落としに落としまくっていた

謎にテンションが高いせいで

「フゥハハハハ!」とか笑ったり

「くらえ必殺!……」とか大マジで言ったり

「そんなバカな!?うそだああああ」と

ゲームで負けた時に盛大に悔しがったり

まるで漫画のキャラがするようなリアクションや

テンションを本当に素でやっているのを見て、

女子たちの黄色い熱烈さはまるで氷山内部に心が

ワープしたかのように一瞬で冷めてしまったのだ。

 

しかし、全員が全員という訳ではなく

 

女子高生C「確かにね笑 でも私は逆に

良いけどなぁ〜。何もかも完璧だと逆に

辟易ってゆーか、恐れ多くなるってゆーか

性格があんな感じなようにどこか欠点

みたいなのあった方が親しめるじゃん。」

 

女子高生E「お?じゃあ影明君狙いだったりするの?」

 

女子校生C「とーぜん!私イケメン好き

なんだよね〜。影明君は世界一顔面偏差値

高いんじゃないかってぐらいかっこいいから

付き合えたら自慢できるじゃん」

 

一部の女子からは逆に好感を抱かれている

ようである。

結果としての緑川影明への恋愛評価は

地に落ち、非モテ男子の仲間入りを果たした

ようだが

一部の女子にはまだ受けているようだった。

 

女子校生E「私は紅藤君かなぁ。何かすごく

頼りになりそうだし、顔も良いし。

後、背が低いのも良いかも!かっこいいけど

かわいさもあってさ!」

 

女子校生A「え〜笑 私はないな〜笑

紅藤君、確かに超ハイスペックだけど、

背低いのはいただけないな〜。

もう10cm高かったら、あの3人組の中じゃ

一番の有望株だったなのは間違いない笑

ま〜、やっぱりかっぺー君が一番無難でしょ」

 

 

優「……ねえ?あそこにいる雌豚2人コ○シテいい?」

 

その会話を聞いていた優は幽鬼のような無表情で

3人に尋ねてくる。

 

瞬「え?一体どうしたの……?」

 

その様子に瞬はビクビクしながら尋ね返す

 

優「だってあの野郎どもこの僕の身長が低いって

言ったんだよ?低いからかわいいって言ったんだよ?

低いからないわ〜笑って言ったんだよ?

うん、コ○スしか無い。今すぐコ○ソウ。

ただコ○スだけでなく産まれてきて僕の身長が低い事を

バカにした事を後悔させるほどの苦痛と地獄の拷問に

かけながらじっくりゆっくりコ○ロシテやろう」

 

影明「お、落ち着け!後で言っといてやるから!

とにかく落ち着け!そんなアサシンみたいな顔

するなって!」

 

優「うるさい!黙れ!!あいつらは人間じゃ無い!

ただの薄汚れたうじ虫だ!!

でなければ人が超気にしてる事をあんな風に話題に

して、バカにするなんて鬼畜な事が出来るわけがない!」

 

影明「お、落ち着けえ!お前が言うと『洒落』にならんから!

マジで!!!」

 

勝平「……こんな風に優は自分の身長が低い事が超

コンプレックスなんだ……

あいつの前で「背低いね!」的な意味の言葉は

禁句だぞ?」

 

瞬「あ、はい」

 

そして、この時瞬の優にたいして抱くイメージが

また一つくずれた。

瞬は紅藤優は絵に描いたような優等生だと思っていた。

しかし、この打ち上げ会の時、紅藤優は

年頃の男の子がするような下世話な話もノリノリで

していたのだ。

それどころか

 

「女はおっぱいこそが全てだね。デカい子にだけ

人権がある。最低でもFカップはないと話にならない。

まぁ、今の歳なら将来性を見込んでEカップもありだね。

はぁ〜ユキちゃんが来なかったのはショックだったな〜

あのおっぱい、Gはある。

15歳でGカップある女の子なんて天然記念物並の希少価値

だよ。将来性もふまえるともっと巨きくなる見込みがある。

あ〜、あの胸でパイズリして欲しいな〜」

 

こんな事をあっけからんとしゃべっていた。

この言葉には絵に描く優等生の面影などどこにもない。

 

ーというか、よくよく言ってる事聞いたら

ちょっとクズじゃないか?ー

 

胸がデカくない女は人権ないなどとのたまっているくせに

自分の低身長をいじられると烈火の如く怒る。

自業自得すぎる。あまりにも最低すぎるだろう。

自分もそんな最低発言をしているのに

人の気にしてる事に触れるな!っていうのは

まさに「どの口が言ってるの?」と瞬が

言いたくなるのは当然であろう。

 

勝平「まーまー!優、その辺にして、俺らも

どの女子狙いかの話しよーぜ!

俺は今日の入学式、壇上でスピーチをしてた

姫野ヒカルって子だな。何でも学園の中等部の

頃の生徒会長で、学園一のアイドルだった

らしいじゃん!顔も好みだし!スタイル良さそう

だしな!」

 

瞬「え?ちょ、ちょっと待てよ!?」

 

その発言に突如として異議を申し立てるように

瞬が会話を遮ってくる

 

瞬「かっぺえ、さっきクラスの女子と付き合う

ような話してたじゃん!?それなのに

姫野ヒカルさんを狙うってどう言う事だよ!?」

 

そう、石山勝平は打ち上げ会の時、クラスの女子1人と

付き合う事になっていたのである。

その時、隣にいた瞬は初日で彼女を作っていた勝平に

内心驚いていた。

 

だからこそ、真面目な性分である瞬がさっきの発言に

否を唱えるのは当然とも言える。

 

勝平「ん?確かにそうだけどさー、別に女と何人

付き合おうが良くね?

向こうが嫌ってんなら別れたら良いだけの話だし。

恋愛なんて個人の楽しんだもん勝ちだろ?」

 

瞬「いや個人の楽しんだもん勝ちって……

相手の女の子が傷つくとかって考えられないのかよ!」

 

勝平「いやいや笑 相手の女が傷付くとかって

何でそんな事考えないといけねえんだよ笑

恋愛なんて遊びだよ遊び笑

瞬みたいに恋愛は誠実に愛を育むもの。

それが本当の恋愛だのなんだの思ってるやつ

多いけどさ?

俺はそんな理論バカ過ぎると思うわ笑

本気の恋とか言う奴とかマジ引くんだよな俺笑

恋愛なんて気軽で身軽な方がいいんだよ

自分さえ楽しんだら良いだろ?

付き合ってる方だってそうすりゃいいだけの

話じゃん?

わざわざ相手のことを気にかけながらする

恋愛とかつまらなくて面白くねーんだよ笑」

 

瞬「お、お前……」

 

神崎瞬は石山勝平の理論が全く理解できなかった。

神崎瞬の中で恋愛とは本当に好きになった者同士が

するものであると思っている。

故に、『恋愛は遊び』という意味自体が理解出来ない

 

優「まー、でも勝平はやりすぎだよねー。

てか、また彼女作ったの?ホントよく

彼女作るねー。てか、もう彼女いなかったっけ?」

 

勝平「おう、いるぞ?3人ぐらい。全員と営み済みだ!」

 

優「うーわ… ホント最低じゃん……」

 

勝平「まーばれなきゃ良いんだよ!ばれても別れりゃ

良いだけだしよ!また女捕まえて付き合ったらいい

だけの話だし?」

 

瞬の思考は既に停止してしまっていた。

話に全くついていけない。

 

ーこんな話が、許されていいのか?ー

ー女の子の事を、何だと思ってるんだー

 

神崎瞬は石山勝平に煮えたぎるような

怒りが湧いてきているのを感じる。

 

我慢できずに抗議の声を発そうとした時

 

影明「かっぺえ、お前さぁ…

ホントいい加減にしとけよ。それで

今まで何人の女の子泣かしてきてんだよ。

ハッキリ言わせてもらうけどさ?

俺お前のそういうところは本気で嫌いなんだよ

女の子の事を道具か何かだと思ってんのか?

 

お前のやってる事は最低のクズだぞ?」

 

緑川影明がかなり不服そうに石山勝平を非難した

神崎瞬は緑川影明が自分の言いたい事を代弁して

くれたので、抗議の声を引っ込める事にする。

 

勝平「へーへー、分かりましたよーっと

別に俺の人生だからいいだろーっと笑」

 

しかし、石山勝平は何も響いていないとばかりに

適当に言葉を返す

 

影明「……ったく、お前いつか本当に罰があたるぞ

つーか、俺が神様なら多分お前を地獄に落とすわ」

 

勝平「わかったわかったって。

それより、お前らは誰狙いなんだよ?

特に『影明』はさ」

 

優「僕は断然同じクラスの綾風ユキちゃん

だね!! おっぱいダントツで大きいからね!

顔もすっごい好みなんだよ!童顔だから!

やっぱり女は顔と胸だね。

これこそがこの世の摂理だよ。

あ〜ロリ巨乳最高〜」

 

勝平「優、お前は聞かなくても分かってた笑

てか、お前も俺の事言えねえだろ笑

お前も『そういうところ』はホントクズだよな笑

 

そんで、影明は?」

 

影明「ん〜、ぶっちゃけ俺付き合うとかってよく

分かんねえんだよなぁ。友達と何が違うのかさ

もちろん大切って事は分かるけど、男女の仲とか

彼氏彼女とかってまるで意味が分からねえんだよなぁ」

 

勝平「……毎度毎度言ってるけどさ、そうじゃなくて

女の胸とか尻とかにさ、お前ムラムラしねえの?

ホントに性欲ないんか?お前?」

 

影明「???胸と尻がなに?ムラムラ?性欲?

女の話が出るたびに訳分からん単語使うのやめろって

分かるように言ってくれよ」

 

影明は非難するように勝平に発言する。

そして、勝平が、更には優まで

額に手をやりため息を大きくつく。

 

神崎瞬はその様子を見て思った。

 

『このやり取りは日常的にしている』のだと

 

ー異常だーー

 

何が、など聞くまでもなく明白であろう。

『緑川影明には性欲がない』ことである

男ならば女性の身体に多少なりとも

否、多大に興味を示すのが健常な男である。

神崎瞬も女性の身体に興味が無いなんてことない

胸の大きな女性やお尻の大きな女性、

女の子の裸を見たら性的な反応をしてしまう。

 

ー影明は…女の子が目の前で裸になっても

性的な反応など一切示さないのではないかー

 

緑川影明が"先ほどの言葉"を発した時

緑川影明の表情は真顔だった。

冗談や強がりなどが入り混じってない

純度100%の真剣で言っていた。

そう確信出来るほどに神崎瞬は

『緑川影明には性欲が存在していない』

そう思ってしまうのであったーー

 

 

影明「お!解散場所に着いたようだぜ!」

 

話しているうちに、解散場所に決めていた

商店街の入り口にある広場へと着いた。

 

男性A「仕事久々に定時で終わったしさ

久しぶりにこれから飲みに行かね?」

男性B「いいね!いつもいつもこき使って

くれやがる会社の愚痴大会開催って事で!」

女性A「さんせ〜!いや〜それにしても

私らの勤めてる会社ってマジブラックだよね〜

労働基準法に違反しまくってるよね」

女性B「ねえねえ〜?何買いに行く〜?」

女性C「龍堂院デパートに行こうよ!

また画期的な商品を開発したらしいよ!

ホント龍堂院グループの出す商品って

いいよね〜!」

女性D「えーと、今日の夕飯は何に

しましょうか……」

男性C「うおおおお!柏崎澪ちゃんが

映ってるうううう!!

みぃおちゅわあああん!!」

ビルのテレビ:柏崎澪

「皆〜!今日はありがとね〜!

澪嬉しいから今日は特別に新曲

うったいま〜す!

皆最後まで聴いてってね〜♪」

 

広場は更なる活気を見せる。

その活気はこれから街が夜の街へと

移りゆくスタートホイッスルだ。

しかし、聖マリア学園の生徒たちは

夜の活気に飲まれる前に

帰らなければならない

彼らは、まだ学生なのだから

 

影明「今日は楽しかったな〜!

明日からはいよいよ学園生活の

希望あるスタートだぜ!

これから3年間、楽しい生活に

しような!皆!」

 

藤堂明隆「ま〜俺は今までと変わらず

勉強生活送るから、皆楽しくなれるかは

分かんねけどな」

三木島叶「も〜藤堂君ホント夢のない事

ばっか言うなぁ」

金谷希「ほら!皆が別れた後がチャンスだよ!

うちらは帰るけど楓ちゃんはちゃんと彼にアタック

するんだよ!」

水無月楓「う、うん!」

黒湯真司「おーう!じゃあ俺先帰るわ〜!

また明日学校でな〜!」

新島遥「バイバーイ!」

 

緑川影明が別れの合図をあげるとクラスメイト

たちはそれぞれ言葉を交わし、散り散りになっていく。

 

影明「そんじゃ、俺らも帰りますかね」

 

勝平「おう。影明、途中まで一緒に帰ろうぜ

優はこれからバイトだろ?」

 

優「うん。今日で結構お金使っちゃったから

また稼がないとね。」

 

影明「大変だな… ま、困ったらいつでも頼って

くれよ!じゃあまた明日学校で!瞬もな!」

 

瞬「うん、バイバイ」

 

影明「おーう!」

 

勝平「じゃあな〜!」

 

優「また明日学校で」

 

そう言い、影明と勝平は学園と反対方向に

優はそれとはまた別の方向へと歩いていった。

 

瞬も寮のある学園へと戻る。

 

ーーあ、あの!ーー

 

しかし、聞き覚えのある声が

神崎瞬の帰宅を静止させる。

 

瞬「えっと…何?」

 

水無月楓「あ、ごめんなさい。

いきなり呼び止めちゃったりして…」

 

そう言った呼び止めた少女は

見目麗しき可憐な少女だった。

 

ーすごい美人……ー

 

その美少女は、入学式スピーチをした

姫野ヒカル。

3大名家の一つ綾風家の令嬢

綾風ユキ

そして、入学式時、綾風ユキの隣に

座っていた、金髪の美少女。

 

この3人に勝るとも劣らない可憐と美貌を

目の前の少女は持っていた。

 

神崎瞬の記憶が蠢いた

 

聞き覚えのある声というのは“さっき"ではない

そんな近い過去ではない。もっと遠くの過去から

その感覚を感じさせられる

 

水無月楓「あ、あの……神崎君は覚えてるかな?

………中学1年生の時、クラスメイトだった

水無月楓だけど……」

 

そのワードと名前で、神崎瞬の錯覚は否定される。

記憶が一気に蘇る。

当時、その中学で学校一の美少女といわれていた

女子中学生をーー

 

ーー神崎瞬が初恋に似た数少ない

温もりを覚えた女子中学生をーー

 

瞬「みな…づき……さん? 何でこんな所に…」

 

楓「っ!!!ーーー覚えててくれてたんだ……」

 

水無月楓は目から涙がボロボロと浮かび、流れていく

それは心の底から幸福の水が湧き、目という水道口から

溢れていっているような、そんな様だ

 

瞬「もちろん覚えてるよ…… けどどうしてここに、

いや、この学園の生徒にいるの?」

 

楓「え?」

 

その問いに楓はキョトンと首をかしげる

そして、その問いに答えを返す

 

楓「いや、私たちがいた中学って

隣町にあるよ? だから別にそんな

不思議でもないと思うんだけど…」

 

瞬「え……?あっ」

 

そう言われてみれば確かにそうだった。

自分は昔、ここの隣町に住んでいて、

学校に通っていた。

 

ー確かに、その時は俺は中学1年だったー

 

神崎瞬が中学1年という単語を思い浮かべた

瞬間ーー思い出したくない光景が頭に浮かぶ

 

妹を失った時と同じぐらい、いや、与えられた

永さを思えばそれ以上か

辛いだけの毎日ーーー

その辛い中でも一緒にお互い支えあってきた

唯一の友達ーーー

そして、その友達に裏切られた絶望ーーー

 

神崎瞬の顔に暗い影が差し込む。

それを見た水無月楓は泣きそうな顔に

なり、『必死』に謝罪を申し立てる

 

楓「ご、ごめんなさい!辛い思い出を

思い出させて!」

 

瞬「いや、いいよ。気にしないで」

 

神崎瞬は励ますように言葉を返したつもりだったが

それがむしろ楓の心に触れたようだ。

水無月楓は目に大粒の涙を流しながら

今度は別の謝罪を述べ始める

 

楓「ごめんね……ごめんね……神崎君……

あの時は何も力になれなくて……

私勇気が無くて……私もいじめられるのが

怖くて、何も出来なかった……

神崎君は『油女』君を迷いなく助けにいった

のに…… 私は助けに行けなかった……

『油女』君も……神崎君も……」

 

そう言い、楓は大粒の涙を滝へと変え

更に謝罪の言葉を続ける

 

楓「ずっと……ずっとね……

私謝りたかったの……!

神崎君がいじめられてるのを

見ていながら、見てないフリを

してごめんね……

私もいじめられるのが怖くて

皆と口裏合わせたりしてごめんね……!

皆と一緒になって……

罵倒したりして本当にごめんね……!!」

 

水無月楓は『必死』に『必死』に

謝り続ける。

自らの行いを悔やむように

『必死に縋り付くように』

 

神崎瞬はその様子を見て、優しく

言葉をかける

 

瞬「いや、あの状況なら仕方ないよ。

怖いと思って当然だと思うし、

俺だってまだいじめられる前は

怖かったんだ。

ただ、いじめられている『油女』君を

見捨てられなかったて言う気持ちが

勝っただけの事で」

 

神崎瞬にそう言われると、水無月楓は

救われたように顔をパッと笑顔にする

その笑顔に中学1年生の時に抱いた温もりが

蘇るようだった。

 

楓「ありがとう……!

私…私ね?神崎君がずっとすごいなって

思ってたの。

誰かのために迷いなく助けに行ける所が…

神崎君は私にはない優しい勇気を持ってるから…

私ずっと神崎君の事が忘れられなかったの。

ずっと神崎君の事が私の憧れだったの。

またこうして神崎君と会えて、私本当に幸せ」

 

水無月楓は心より感謝の笑顔を向けた。

 

その笑顔を向けられて、神崎瞬は少し

照れ臭そうにその笑顔に言葉を返す

 

瞬「あ、ありがとう// もう遅いし

もう帰ろう。そして明日学校で

話そう!」

 

楓「うん!」

 

------

ーーー

ー

 

 

水無月楓と別れ、帰路についていた

神崎瞬は今日の事を思い浮かべる

 

瞬(今日は本当に色々あったな…)

 

瞬(ずっと会いたかった影明と

出会えたり……)

 

瞬(高嶺の花と思っていた水無月さんが

まさか俺の事をあんな風に思ってたなんて…)

 

思考が逡巡する。

 

神崎瞬は水無月楓にかつて

ーー初恋に似た温もりを感じたーー

そう、"初恋に似た"である。

初恋ではないのだ。そして似るという

表現をした事は神崎瞬はそれよりも以前に

初恋をしていたのだ。

 

幼馴染の影明。そして楓への初恋に似た感情

 

 

それは入学式で緑川影明を見つける前

 

ーー小学3年生の時に初恋をした

女の子を見かけた事ーー

 

それを連想する事は神崎瞬にとって

無理のないことかもしれない

 

ー……明日、学園に行ったら確かめに行こうー

 

神崎瞬は思った。

そして、ある事に気づく。

 

自身が積極的に何かを行動を決意している事に

自身の呪われているとも思える悲惨な人生。

その悲惨な人生は神崎瞬から自信と『   』を

奪い、結果、彼は何をするにも消極的な思考を

するようになってしまっていた。

 

そんな自分がだ。自分から何かを行動しようと

している。

神崎瞬自身、自分の変化にかなり驚いている

 

ーこの1日で、自分は随分と変わったものだなー

 

神崎瞬は自分の心境の変化に戸惑いつつも

それを心地よく思ってもいた

 

 

 

--------------

 

 

 

しかし、『その事実は間違っている』

1日をかけて変わってなどいない

『瞬時』に彼は変わったのだ。

いや、戻ったという方がより正確か

 

彼は"あの時"に元に戻ったのだ。

いや、違う、違う。戻ってなどはいないか

 

針金が一度曲げたらもう二度と完全に

曲げる前の状態に戻らないように

彼の心がそう簡単に戻るわけなどない

曲げた針金をまた伸ばして元の状態のように

『矯正』するのと同じように

 

彼の心も『矯正』されただけなのだ

戻ったように『矯正』されただけなのだ

『矯正』なのだ。『修復』ではない

 

『根本的な所はまだ何も解決などしていない』

 

 

 

 

--------------

 

 

 

 

 

栗色の髪がなびく

 

染めた髪がなびく

 

その風貌に"あの頃"の雰囲気は微塵もない

 

しかし、顔にはしっかりと"あの頃"の面影が

残っている

 

神崎瞬は学園の入り口の前で緑川影明と別の

思い出

 

幼馴染の女の子"天宮文香"と邂逅していた---

 

 

 

 

 




長くなった…… 何か余計なこと色々書き過ぎかも?
分けようかとも思ったんですが、どうにもキリが悪くて
予定しているところまで書いちゃいましたね

さて、『』の中はいわゆる伏線、含みのある言葉ってやつです
それぞれヒント解説していきます。

『その疑問』
『神崎瞬は確かに歪みに気づいていた』
『この事実は確かなのだ』

→この内容は何もいう所はないです。
脈絡通り影明君の事ですね
このBeliefersの物語の根幹をなしています
なので、ヒントすらも与えるわけにはいきません

『何も』『仕草』『初めて』

→原作での特徴でもあるのですが、ユキちゃん
には『ある部分』にコンプレックスを感じてます
原作したことある人はおそらくピンと来ると思います
知らない人も後の影明くんへのある所での説明で
何をしなかったのかは大体予想つくのではないでしょうか

更にまだ描写してませんが、影明君もユキちゃんと
同類のコンプレックスを持っています。

だから言う。作者は変態だ!!

『洒落』

→ここには紅藤君の本性、素性を指していますね
ただ、字面で推察されるような事ではないです。
本性も間違いないのですが、どちらかというと
素性の方が大きく関わっています

『恋愛は遊び』

→伏線です。誰とは言わないけど
あえてヒントも伏せときます。
作者はドsなのでね

『影明』

→これには影明君の素性が関わってます
勝平君が言っていますが、紅藤君も
思っています。願いなんです。
その願いは影明君のためではありません
自分達のためです


『そういうところ』

→こっちの方が紅藤君の本性を表していますね
ぶっちゃけちゃうとね、紅藤君はクズなんですよ
勝平君とは別の方向でね。
決して悪い奴じゃないです。むしろお人好し
な部類で心は正義です。
つまり、ただクズなんです。正義のクズなんです


『このやり取りは日常的にしている』
『緑川影明には性欲がない』
『緑川影明には性欲が存在していない』

→先に弁明しますが、影明君はちゃんと
性欲ありますよ!性癖が歪んでるとかじゃ
ないです。ちょっと歪んでるけど作者に
比べたら全然マトモな範疇なんですよ!

この意味する所はなんというかね
『歪み』なんですよ。端的にあらわすと
影明君自身がありとあらゆるところが
歪んでるんです。
性欲もその歪みからきてしまってます

『必死』『必死に縋り付くように』

→一見普通なように思えるけど、ちょっと
違和感を感じるよね。
ただ本当に申し訳ない気持ちで謝るなら
『必死』って言葉つくかな?
必死に謝罪を申し立てるじゃなく
本当に謝罪を申し立てるとか
ひたすらに謝罪を申し立てる
とかの言葉の方が誠意が伝わるよね
もちろん必死に謝る事にも誠意は伝わります。
楓ちゃんも本当に申し訳ないと思ってる事は
間違いなく確かなんでしょう。
だけど、『謝罪』の意だけを示したいのであれば
もっととふさわしい言葉があると思います
『必死』という言葉に、何か
『謝罪』以外の楓ちゃん自身の都合を
感じさせてなりませんね

『油女』

→ノーコメントで。


『   』
そして-------の間の内容

→実は『』内は最初書いてました。
でも、勘のいい人は気づいちゃいそうなので
あえて消して隠しました。

-------の間は説明の通りです。
あんな悲惨な人生を、死んでしまいたくなりそうな
不幸で救いのない人生を歩んだ人間が
そう簡単に変われますか???
そう簡単に戻れますか???
たった1日で戻れるわけがない。
だから『瞬時』に普通に戻った神崎瞬は
異常なんです。
だからこそ戻ってなんかはいないんです。
歪んでるのは何も変わらないのにそれが
伸ばされて真っ直ぐなように見えてるだけ
なんです。

例えで表すのもそれこそ針金なわけなんですよ。
何もしてない針金は綺麗に真っ直ぐですが
一度曲げたりした針金は伸ばしても綺麗な真っ直ぐ
になんかならない。ぐにゃぐにゃと歪みながら
真っ直ぐになる。

今の神崎瞬はまさにそのぐにゃぐにゃ真っ直ぐに
なっている針金なのです。

生じた根本的な『歪み』は何も解決してない


勿論伏線は『』内だけではありません。
至る所に散りばめてますので考察してみてください



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