いいなぁ。
いい加減早く終わらせたいわ……
そして翌日。
神崎瞬にとって、波乱の学園初日が終わり、
いよいよと学園生活が始まろうとしていた。
〜聖マリア学園 1年A組〜
影明「でさー、半端なかったんだよ!その亀さ!
いやだって、普通予測できる!?口からーー」
緑川影明は早くも教室の中心人物となっていた。
それは他を圧倒する絶対的な美貌のためではない
彼の持つ不思議な感覚と昨日の打ち上げ会のためだ
彼には不思議と惹きつけられそうな魅力があった。
そして、そのテンションの高い性格に親しみやすさ
なにより、ほんの少し関わっただけで分かる
人の好さが周囲のクラスメイトたちを引き寄せていた。
そんな中、神崎瞬は作戦を練っていた。
幼馴染の天宮文香と会話する事だ。
そんな時、声をかけるものがいた。
その人物は昨日、打ち上げ会別れ際に話しかけて来た
クラスメイトの水無月楓だった。
楓「おはよう、神崎君。どうかした?ボーッとしてる風
だったけど」
瞬「え!?あ、おはよう。水無月さん」
瞬は軽く驚いた。自分の予想していた人物とは違う人に
話しかけられたからだ。
しかしクラスメイトに、それも昨日少しとはいえ
関わった生徒に話しかけられると言うのは別段
不思議な所はないので、すぐに普通にあいさつをする。
楓「ねえ、神崎君。何か悩み事があるなら私に手伝える
事はないかな?」
瞬「え?あーいや……「ホント?じゃあお願いしていいかな」」
楓の意外な申し出に遠慮から断ろうとした瞬の返事を
まるでさせまい、と言うかのように紅藤優が割って
入る。
瞬「お、おい!?優!!こっちの都合の事を手伝わせる
なんて悪いだろ!?了承するなよ!」
優「別にいいじゃん。昨日相談した通り向こうはかなり
手強そうだし、味方は多いに越した事ないでしょ?」
瞬「い、いやでも…」
なおも瞬が躊躇い気にすると、楓は主張した
楓「神崎君!私に手伝えそうなら手伝わせて欲しいの!
ほら!中学生の時の事のお詫び……と言ったらなんだけど
神崎君が困ってる事なら私、喜んで助けになるよ!
いや、ならせてほしいの!」
どこか『必死』な楓の迫力に瞬はたじろぐ
そして、押し切られるような形でそれに了承する。
瞬「そ、そう…?ありがとう… それなら好意に甘えて、
お願いしても良いかな?」
楓「っ!!う、うん!私も神崎君のためにも頑張るから!」
楓はぱあっと顔を明るくさせる。
優「いやぁ、助かるよー。中々厄介そうだからさ。
1人でも助けがあった方がいいんだよね。
それでーー」
優はざっと天宮文香との件に関して楓に話す。
優「というわけだから、何とかして瞬と文香さんが
話を出来るようにしたいんだ。
で、話した通り肝心のお相手は逃げ回るだろうから
僕らはその逃げ回る文香さんを捕まえて、
会話の場所へと連れ出す役割。
どうかな?協力してくれる?」
優がそう聞くと楓は実に『違和感』のある顔を
しながらも『快諾』無く了承する。
楓「あ、う、うん……仲、直りだよね?
勿論喜んで協力するよ!神崎君のためだもん!」
瞬「ありがとう、水無月さん。よし!
何とか頑張ってフミちゃんと話そう!」
優「これで作戦メンバーは4人ってところだね」
瞬「ん?4人?」
優「影明だよ。あいつにも協力を取り付け
といたから」
瞬「す、優…!さすが、頼りになる!」
優「いえいえ、勝平はだめだったけど。
意中の相手へのナンパで忙しいらしいよ」
瞬「はぁ…あいつったら……」
そんな作戦会話をしていたら教室のドアが開く。
白鳥琴音「さぁ、皆席に着きなさい。HRの時間よ」
その担任教師の号令がかかることにより、クラスの
生徒たちは一斉に席に戻り、点呼を受ける態勢へと
入るのであった。
楓「……………フミ……ちゃん……」
-----------------------
〜ある休憩時間〜
黒岩源氏「おい?今度一緒に遊びに行こうぜ?」
黒瀬明日菜「いやよ。あなた柄が悪そうだもん」
黒岩源氏「そう釣れねえこと言うなよ?何なら
今からでもーー」
源氏は無理矢理その女子生徒の腕を掴んだ
黒瀬明日菜「は、はなして!」
その女子生徒は反抗しようとするが、源氏の掴む
握力は強く、離れられそうにない。
その時だったーー
パシーーーン!!
乾いた音を響かせ、黒岩源氏の手を女子生徒の
腕からはたき落とす者がいた。
そう、彼女こそはーー
姫野ヒカル「黒岩君!また女の子に無理矢理迫って!
本当にいい加減にしなよ!」
聖マリア学園の中等部時代、生徒会長だった
姫野ヒカルである。
彼女の見た目も世間一般的に美人と言われる
レベルを超える美貌を持ち
更には親しみやすく、正義感も強いと言う
内にも外にも非の打ち所がない、まさに
完璧超人と呼べる、学園のアイドルだった
源氏「げっ!?ヒカル!!」
ヒカル「黒岩君?まだ強引に迫ろうって言うなら
ここからは私が相手になるけど?どうするの?」
源氏「……ちっ!覚えてやがれ!」
黒岩源氏は負け惜しみを吐き捨て、そそくさと
その場から立ち去る。
ヒカルは腕っぷしも立つ。
ガタイが良い黒岩源氏が何もせず立ち去るぐらい
にはだ。
その強さには理由があるが、それを語るのは
今はふさわしくないだろう
源氏(ちくしょう…!良い気になりやがって!!
いつの日か、必ずこの俺のモノにしてやるからな!
ヒカル!!)
ヒカル「ふぅ、大丈夫?」
黒瀬明日菜「えぇ、ありがとう。助かったわ」
ヒカル「あなたって外部生徒?」
黒瀬明日菜「はい。あ、そうよ」
ヒカル「やっぱりそうなんだね。黒岩君には
気をつけないとダメだよ?黒岩君は中学時代から
女の子へのセクハラ紛いの嫌がらせを何度も起こ
してる、学園でも有名な不良なんだ。
また黒岩君に、いや、そうでなくても困ったことが
あったら私に言ってね?
手伝える事があったら喜んで手伝うから!」
黒瀬明日菜「えぇ、頼りにしてるわ!」
そう言い、黒瀬明日菜はその場を後にする。
そして、ヒカルもそこを去ろうとしたら
後ろから「よっ!」と声をかける者が現れた。
ヒカル「えっと…?誰でしょうか?どこかで会い
ましたっけ?」
石山勝平「いや、会ってないぞ。ただ入学式で
前でスピーチしてた姿が印象に残ってたので声を
かけただけなんだ。
あ、俺の名前は「石山勝平」!かっぺーって皆呼んでる
それと、初対面でも同級生相手に敬語とか使わなくて
いいよ」
ヒカル「そ、そう。かっぺー君ね。これから学園で
よろしく!」
勝平「おう、こっちこそよろしくな!いきなりなんだけど
ヒカルって中等部の生徒会長だった人だろ?
いや〜、俺外部生徒だからさ!まだこんなお嬢様学園とかに
あんまり慣れてなくってさ!
良かったら今度この学園の紹介がてらにどっか遊びに行か
ない?
勿論、他の皆とも一緒にさ!」
ヒカル「う〜ん…誘ってくれるのは嬉しいんだけど、私って
色々忙しくって。ごめんだけどあんまり私的な事とかは
出来ないんだ。」
ヒカルは断りの意を示そうとするが勝平はなお食い下がってくる
勝平「そうなんだ。でも俺はいつでも良いからさ!
空いてる時間とか教えてくれよ!」
ヒカル「う〜ん……それはすぐには答えられないかなぁ…」
勝平「とりあえずさ!俺の予定とかまとめたメモ渡しとく
からさ!暇になって、そのメモの時間とあったら連絡して
くれたら嬉しいな!
あ、でもお互いの連絡先とか知らねーな!よし、この機会に
連絡先だけでも交換しとかね!」
ヒカル(うぅん……この人結構強引だなぁ……どーしよ……)
姫野ヒカルには『果たさなければならない義務』がある
その『仕事』のためにそう簡単に遊びに行ったりという事は
難しい、というのが大きな理由である。
しかし、ヒカル個人の理由もある。相手の男子生徒の雰囲気
である。
石山勝平は明らかにチャラそうな見た目であり、いかにも
女の子慣れしているような雰囲気である
偏見は良くないと思うものの真面目な性分のヒカルは
どうにもこの石山勝平は苦手であった。
ヒカルがどうにか断る方法を考えていたら、「キーンコーン
カーンコーン」という現状のヒカルにとって救いの音が
学園に響き渡る
ヒカル「あ!チャイムが鳴ったよ!もう授業始まっちゃう
から教室に戻らないと!ほら!かっぺー君も教室に戻ら
なきゃダメだよ!」
勝平「あっ!ちょっ!」
ヒカルはその差し伸べられた救いの音に迷いなく飛びつく
ように、そそくさと教室へと戻っていく
勝平「くっそ〜、逃げられちまったか〜」
勝平は少し悔しそうに独り言ちり、自らの教室へと戻って
いった。
---------------------------
〜また別の休憩時間〜
???「さぁ、白状しなさい」
木原貞雄「くっ……!」
金髪ロングの美少女が目の前の用務員を問いただしている
その少女の名は「セイラ・神無月」
『日本人とイギリス人のハーフであり』
姫野ヒカルと同じく、中等部の生徒会の副会長を務めて
いた
このセイラという少女もヒカルに劣らぬ美少女であり、
ヒカル達と合わせ、学園の3大美少女として中等部で
有名だったほどだ
何故このような状況になっているかと言うと、
目の前の50代の男性用務員、木原貞雄が女生徒の
更衣中の盗撮をセイラが気付き、素早く捕まえた
からである。気づけたのはセイラ自身の潔癖気味な
性格からだろう。
セイラはそういう下卑た視線などには人一倍鋭いのだ
セイラ「あなた、中等部の頃から全く反省しては
いませんのね」
木原「う、うるさい!」
実はこの男、木原は中等部から問題を起こしており
趣味は盗撮という下種の極みのような男であった。
そこでも一度セイラに見つかり、その盗撮の事実も
セイラによって告発されたのだが、『何者かの圧力』
により、その事実はもみ消され、今も学園の清掃員
として働いているというわけである。
セイラ「ですが、これで学園からの追放は決定した
ようなものですわね。学園も2度目は見過ごさない
でしょうからね」
そう言いセイラは手元の押収したビデオカメラを
振り上げる
それを見た木原はその先の事態を怖れ、豚のように
悲鳴をあげる
木原「お、おい!?まさかそいつを壊そうってんじゃ
ないだろうな!?」
セイラ「当然壊すに決まってますわ。こんな醜悪に
満ちたデータで溢れているカメラなんて」
木原「や!やめろ!!その中にはまだ保存してない
お宝データが入ってるんだ!!」
セイラはその嘆願の声で、これ以上見下させないの
ではないかと思わせるほどの眼を更に堕とし、
ゴキブリに向けて話すかのように吐き捨てる
セイラ「あなたって、本当にムシケラ以下のクズ
ですわね。けがわらしくって仕方ありませんわ」
セイラは冷徹にビデオカメラを床に叩きつけ
データの取り出しなど不可能な状態とさせる
それを見た木原は声にならぬ苦悶をあげた
セイラ「あなたのような下種は学園に不要ですわ
明日を覚悟する事ですわね」
そう吐き捨て、セイラは自らの教室へと戻っていった
木原(く、くそっ! 学園の件に関しては『坊ちゃん』
が何とかしてくれるから問題ないとしても……)
木原「ち、ちっくしょおおおおおお!!せっかく
セイラの奴の着替えのシーンを撮ったっていうのに
…… セイラめええええええ!!」
木原は心底悔しく、手をドンと床に叩きつける
のであったーー
---------------------------
〜昼休み〜
綾風ユキ「はぁ……」
3大名家の令嬢、綾風ユキはため息を吐く。
綾風ユキも中等部での生徒会メンバーであり
ユキもヒカル達と同じく学園の3大美少女と
して、名を馳せていた。
もしかしたらその清純な見た目と巨乳、それに
見合ったスタイルの良さ、何より日本のトップクラスの
3大名家、綾風家のお嬢様という事もあり、ヒカル達の
中で1番人気が高かったかもしれない。
そんな学園1とも言えるかもしれないほどの人気を誇る
ユキがどうしてため息を吐いていたかだが
それはユキが最近気になる男子が関係していた
ユキ(緑川さん…すごい人気だわ…あれじゃ近づけない…)
そう、ユキは昼食の時に緑川影明と話してみたいがために
緑川影明に近づこうとしていたが、クラスメイトだけ
ではなく、他クラスの生徒も緑川影明の周囲に集まって
来ており、とても近づけるような状況では無かったのだ
おっとりとした見た目だが、いざという時にはかなりの
行動を起こせるぐらいに積極性のあったユキもこれには
お手上げで、いつも通りヒカル達と一緒にご飯を食べる
べく、ヒカル達の教室へと向かっていた
その移動中、ユキにとって最も毛嫌いしている男性と
出会ってしまった。
ユキ「あなたは…黒岩さん……」
黒岩昭三「これはこれはユキお嬢様。お久しゅうござい
ます。」
その男は黒岩源氏の父、黒岩昭三であり、かつて綾風の
家で使用人をしていた男であった。
この黒岩昭三も中々の資産家であるのだが、それは
勤め先の綾風家から『ある技術』を盗み出して
その技術を利用して財を成したためである。
そのため、黒岩家は綾風家の一派と言えるのだが、綾風
本家としては貴重な『技術』を盗み出された上に
その『技術』を財を成すために悪用されてしまっている
ので、黒岩家との仲はあまり良好とは言えないだろう。
ユキは嫌悪を露わにした目であいさつをする
ユキ「黒岩さん、こちらこそお久しゅうございます。
では、私はこれから用事がありますのでここで
お暇させていただきますね」
ユキが足早にその場を離れようとするが、昭三が
呼び止め、その離脱を阻止する
昭三「まあまあ、そんなに去ろうとしないでくだされ。
お嬢様、少し見ない間にまたお胸が大きくなりましたかな?
少し私と立ち話でもどうですかな?」
ユキ「あなたのような不埒者と話す事など何もありません
そのような汚らわしい目線を私に向けないでください。
不愉快極まりないです」
昭三「これはこれは手痛いですな」
ユキはそんな昭三の言葉は無視し、さっさとその場から
去っていく
ユキがこの男、昭三を嫌っているのは綾風への裏切り行為
とも言える『技術』の悪用だけではない。
昭三が綾風の使用人であった頃から昭三はユキに下卑た
視線を向けていたためであった
特に、ユキが幼い頃から成長が顕著だった胸には並々ならぬ
下種の視線を向け、ユキもその薄汚れた性的な視線を向けられ
不快にも近い恐怖心を抱いてきていたのだ。
ユキ(そして今もあの男は私に対して下卑た視線を向けてくる
……特にこの胸に…… 本当に下種な男だわ)
ユキが自らのコンプレックスである胸に思考を向けた時
ユキの頭に甘い記憶が、ユキの心に甘い感情がよぎる
ユキ(それに比べ、緑川さんは私の事を一切そういう性的な
目では見なかった…… このいやらしい胸にも全く目を
向けなかった……)
ユキの頬に朱色が差し込む。ユキはその甘美が何なのかが
まだ理解していないが、その正体はすぐに分かる時が
来るであろう
一方、置いていかれた黒岩昭三は
昭三「ぐぅ、小娘が…調子づきおって……)
昭三(いつか必ず、そのお綺麗なお身体を穢してさしあげ
ますぞ…!)
下卑た思考を巡らせ、その場を去っていった
〜同じく、昼休み、瞬サイド〜
瞬「ダメだ!全く話しかける隙がない!」
昼食を取りながら瞬は愚痴をこぼす
あの後、休憩時間に幾度も文香と接触しようと試みていた
のだが、肝心の文香が瞬を見るなりそそくさと逃げるように
去ってしまうのだ。実際逃げているのだろうが
優「だねえ。僕達のことも警戒されてしまってるみたいだし
これは中々手強いね」
楓「うん…」
優と楓も文香の足止めのため、文香自身に
話しかけようとした。
実際文香も話に応じたのだが、瞬が出て来たのを
見て即退散。
結果、優と楓も話しかけようとしたら文香が逃げるか
適当にはぐらかして去られてしまっていたのだ。
瞬「はぁ〜、このままじゃ一度も話せずに放課後
を迎えてしまう」
そう、放課後を迎えてしまえば文香はさっさと家に帰って
しまうだろう。
そうなると今日のところは文香と会話をするのは諦める
ことになるのだ。
優「まー、今日しかダメというわけじゃない。毎日学園に
通うんだから、猶予はいくらでもある。焦ることは
ないと思うよ
このまま話せず、放課後を迎えてしまったら一度
『学校の屋上』で秘密の作戦会議をしよう」
瞬「そうだな…今日が学園生活の初日なんだ。まだまだ猶予
はある!よし!クヨクヨせずこの昼休みでフミちゃんと話を
するんだ!」
瞬はそう意気込み弁当を一気に口にかき込むとその勢いの
まま席を立ち、教室を出て行った
楓「あ!神崎君!私も行くよ!」
楓も急いで後を追おうと席を立とうしたら、優がそれを
阻止せんという風に楓を呼び止める
優「待って、楓さん。追う前に僕達の作戦を聞いて
欲しいんだ」
---------------------------
〜放課後〜
スタスタと茶髪の髪をなびかせ、校門に向かう
女子生徒が1人
またスタスタと、その後ろに続く影があった
影明「お前さー、結局瞬から逃げ回ってたじゃねえかよ」
文香「……うっさい、ていうか何で追いついてきてんの?」
その影、影明は女子生徒、文香に苦言を投げかけ
文香は影明に苦言にも文句にも似た言葉を返す。
というのも放課後のHRが終わった後、文香は
瞬に待ち伏せをされるのを怖れてすぐさま教室を
猛ダッシュで飛び出した
文香が階段を降りるところで瞬の所属するAクラスの
HR終了の号令がかかった。
『身体能力がズバ抜けて高い』文香の本気の走りは
おそるべし速さを誇る。
文香が学園の1階に到達した時、文香はもう大丈夫
だろう、と安心して走るのをやめて歩こうとしたら
後ろに影明がいたのだ。
この緑川影明は今まで『身体能力で誰にも負けた
事がないぐらい』高い身体能力を持っている文香に
追いついてきたのだ。
しかも、文香はかなり汗をかいて息をほどほどには
切らしているというのに、影明は疲れたような様子を
まるで見せず、余裕そうだった
天宮文香が内心驚嘆して、影明に追いついてきた理由を
聞くのも無理はないだろう
だが、影明はその問いに答える事はなく文句だけを
文香にぶつける
影明「話そらそうとすんなよ。お前さー、瞬に謝るって
言ってたのに自分から話すどころか、向こうが話しかけ
に来てくれたの拒絶して逃げてただけじゃん」
文香「だ、だって……いざシュン君と顔を合わせると
緊張して…… 責められるんじゃないかって…!
許してもらえないんじゃないかって……
そう思うと怖くなって…!」
影明「アホか。そうなるの覚悟で謝るって話だったん
じゃねーかよ。誠心誠意込めろって言ったのに、結局
自分の都合優先して、誠心誠意の一文字すら行動に
起こせてねーじゃんかよ」
文香「う、うるさいっ!あんた他人事だと思って!!
そりゃあんたの言うことは正しいだろうけど、だから
と言って簡単に割り切れないの!
私、今でもシュン君の事が好きだもん!!嫌われちゃう
かもしれない事考えたら勇気なんて出ないよ!!」
文香は感情のままに声を荒げる。その声音は怒りも含まれ
ているが、その大部分は恐怖で構成されていた。
その声は他人から聞いてもつい同情してしまうような切なさ
が多量に含まれていたのだが、緑川影明はそんな事全く意に
介さず、ボソッとつぶやく
影明「…ヘタレ」
文香「…うぐっ」
ストレートに告げられたたった一言の侮蔑はかなり文香には
効いたようで、文香の目尻に涙の球が浮かび上がる
そんなやり取りをしながら校舎を出たら文香がいきなり立ち
止まる
そんな文香に影明は『大して驚かず』声をかける
影明「何でいきなり立ち止まってんだよ」
文香「ダメ、今校門の前にシュン君と一緒にいた奴らがいる」
文香の言う通りに校門の前に紅藤優と水無月楓が待ち構えて
いた
影明「ふーん、で?どうすんの?」
文香「……とりあえず、校舎で時間つぶす。それであいつら
どっか行くまで待つ」
影明「じゃ、屋上行こうぜ。そこで反省会するぞー」
文香「……?」
影明「どうした?お前だって瞬と仲直りしたいんだろ?
じゃあいつまでも逃げ回ってないで明日どうすればきちっ
と謝れるか改めて作戦会議しねーと。それにちゃんと釘
刺しておかないとお前また明日も逃げ回りそうだし」
文香「……あんた、あの2人が何なのかとか聞かないのね」
影明「ファッ!?」(やべっ!)
文香「……まぁいいけど」(こっちとしても都合良いし)
影明「お、おう!じゃあ早く行こうぜ!」(あぶねー)
文香「……まぁ、屋上なら身を隠すのにちょうど良さそう
だし、それでいいよ」
そう言って2人は屋上に行くため、また階段の方へと歩き
始める。
ーー緑川影明は天宮文香に気づかれないように
左手をズボンのポケットの中へとひっそりと入れる
---------------------------
〜放課後 学園のある部屋〜
白鳥琴音「それでは今週の報告会を執り行います」
学園に設けられたとある部屋にてA組担任の白鳥琴音
を中心に、姫野ヒカル、セイラ・神無月、綾風ユキ
そして、驚くべき事にあの学園トップにして、日本で
強い影響力もある学園長の[アテネ]も同席していた
白鳥琴音「それでは前聖徒会長の姫野ヒカルさんから
報告をお願いしましょうかしら」
報告会の始まりとして、白鳥琴音は姫野ヒカルに報告を
促す。
ヒカルは促されたまま報告を行なっていく
ヒカル「はい!えーと、私が担当している渋谷域は
今日は問題ありませんでした!」
ヒカルがそう報告を行うとセイラとユキもそれに続く
ように報告を続けていく
セイラ「私が担当しております千代田域も問題ありま
せんわ」
ユキ「私と綾風家の担当、豊島域も本日まで異常あり
ません」
軽くではあるが、確かなる報告を受け琴音はふぅと息を
吐く
琴音「まぁ、平和そのものね。まだ多少の『弊害』
は未だ残ってはいるのは確かだけれどね」
そう琴音が言葉を述べると、ヒカルが続けて疑問を
投げかける
ヒカル「あの、前々から疑問なんですけど
確かに私たちも『奴ら』とは幾度か交戦をした事が
あります。けれど、『奴ら』はそんなに警戒しないと
いけないんでしょうか?
私たちが戦ってきた『奴ら』は琴音先生や学園長に
聞くほど強大な存在のように思えないんですけど」
ヒカルがそう聞くと、セイラとユキは少し辛辣そうに
言葉を投げかける
ユキ「ヒカルさん、そう言う問題ではないと思います」
セイラ「ヒカル、ちょっと聖徒会のリーダーの意識が
ないのではありませんの?」
ヒカル「ふ、ふえぇ!?」
親友の2人に少し責められたヒカルは間の抜けたような
軽い声をあげる
そのやり取りを聞いていた琴音は2人の言葉にうんうんと
頷き、改めて注意するように周知する
琴音「ユキさんとセイラさんの言う通りよ、ヒカルさん。
確かにかつて、伝説の起源とまで呼ばれた史上最強の
『○○○』、[ヘルメス]様により『奴ら』は討ち果た
され、完全と言っても良い平和がもたらされた。
これは『○○○』なら習う『○○』教本にも記されて
いる事なのは知っているわね?」
ヒカル「は、はい!もちろんです!」
セイラ「例え教本に載っていなくとも、ヘルメス様の
偉業は『○○○』なら知らない者なんていないほどの
一般知識ですもの」
ユキ「ヘルメス様のおかげで私たちは今こうして平和に
暮らせているのですから」
琴音「そうよ。でも、完全と言っても良いであって
まだ"完全"とは言えないわ。
『どうであろうと』『奴ら』はまだ存在しているのは
事実だし、一般人にとっては『奴ら』は脅威である
のは間違い事実なのよ。
だから決して警戒を怠ってはいけないの。『奴ら』
から力のない一般人達を守るのは私たち『○○○』
の義務なのよ」
琴音はそう注意喚起をしたつもりだったが、ヒカルは
なおも不服そうな様子を見せる
ヒカル「でも、流石に用心しすぎじゃないかなぁ…」
そうヒカルが愚痴をこぼすと琴音は嗜めるように
ヒカルに強く言葉を発する
琴音「全く、ヒカルさん?あなたはあなたのご両親から
『○○』の心と役割を受け継いだのでしょう?
あなたはご両親から何を学んできたの?あなたも『○○○』
としてもっと自覚を持ちなさい」
ヒカル「う、うぐぐっ…確かにそうですね……
ごめんなさい……」
そんな時、「お姉さん」と声をかける者が現れた
ヒカル「あ、ショウ。こんな時間まで中等部にいたの?」
その人物は姫野ショウ。ヒカルの1つ下の弟である。
見た目はかなり女性的な見た目をしており、身体つきも
華奢である。言葉で表すなら小動物というのが一番
しっくり来るだろうか。
そのような見た目なので中等部の女生徒達から
多大な人気がある
ショウ「うん。そろそろ終わる頃かと思って。さっき
ちらっと聞こえただけだからよくは分からないけど、
駄目だよお姉さん?しっかり聖徒会としての役割を
果たさなくちゃ」
ヒカル「えー!ショウまでそんな事言うの〜!?」
ヒカルはショックを受ける。
セイラ「……ところで学園長、あの盗撮清掃員の
件はどうなりましたか?」
セイラが話題を切り替えるように静観していた
アテネに質問をする。
その内容は午前の休憩時間中に女子更衣室を盗撮
していた木原という清掃員の処遇に関してである
その質問を受け、それまでずっと閉ざしていた
アテネの口から出てきた言葉は3人にとって
信じられないような言葉だった
アテネ「その事に関しては不問。というより
もみ消しという形になりました」
これには3人共、特にセイラは驚きを隠す
事など出来ない。
セイラはアテネの返答に猛反発するかの如く
抗議を申し立てた
セイラ「ふ、不問!?もみ消し!?どうして
ですの!?あんな女性をふしだらな欲望で盗撮
するような卑劣漢なんて学園の恥ですわ!
あんな男はまた同じことをやりますわ!
今ここで追放しなければ盗撮被害に遭う女子生徒
がこれからも増え続けますわ!!」
最もな言い分である。実際、あの木原貞雄は
反省などまるでしていない。
盗撮の再犯をする事などは明白である
その明白な未来を許す理由を琴音が話した
琴音「確かに、あの木原貞雄という清掃員は
許すまじ職員。普通ならばこの学園から追放
処分なのだけれど、あの清掃員のバックに
[黒岩家]がついてるの。
黒岩家は政治絡みで学園に大きな貢献をして
くれている。その黒岩家を敵に回したら、いくら
学園長が日本で影響力があるとは言え、『学園
の使命』を果たすのに色々と弊害が出てしまう
のよ…」
そう話し終えた琴音本人も相当悔しそうな表情
をしている
その説明聞き、琴音の悔しそうな顔を見たセイラも
また心底悔しそうにギリッと歯軋りをする
その様子を見たユキが自分事のように謝る
ユキ「すみません…セイラさん…… これは
私たち綾風家の責任でもあります。」
黒岩家は綾風家の一派である。なのに何故
綾風家が取り締まる事が出来ないかと言うと
黒岩昭三は綾風家とは無関係に独自にパイプを
持っている大物政治家が絡んでいるためだ。
その大物政治家の影響力は中々大きいもので
綾風家もおいそれと干渉する事が難しい。
それが綾風家は黒岩家の悪行を許してしまって
いる要因になっているのである
であれば、自分の家の不甲斐無さを責任感の
強いユキが謝るのはある種当然といえる結果
だろう
セイラ「謝らないでくださいまし、ユキ
決してあなたのせいじゃありませんわ」
ユキ「セイラさん……」
セイラは慰めるようにユキに微笑む
こうしたセイラの行動は確かに親友を
思いやれる清らかさがあった。
無論その清らかさはヒカルとユキも
持っている。
彼女達3人の親友をも超える絆の固さは
まるでダイヤモンドのようであった
アテネ『さて、ちょっと非情かもしれないけど
次の議題に移りましょう。
皆さんは好きな異性とかは出来ましたか?』
アテネが方向を戻すべく本題に入る
それはこの場では明らかにふさわしくない
苦言を言われるような話題のように思える
それどころか不純異性交遊を完全に助長するような
話題は普通の学校ならば到底許されるものではない
だろう。
だが、その質問に戸惑いのような声をあげるものは
いなかった。
何故ならその議題は『○○○』にとってとても重要な
目的の一つである。『○○○』なら常にその事を
意識しているほどだ
特に、現代最強にして最高の『○○○』として
呼ばれている3人には重要な案件なのだ
故に、学園は不純異性交遊を認めているという
名門校では前代未聞の校則が存在している
実際、この校則があるから聖マリア学園に
入学を決めた外部生もいるのである
その問いにまずはヒカルが答える
ヒカル「いやぁ〜、私はまだそういう人はいない
ですね」
ショウ「そうなの?お姉さんすっごくモテるから
誰か意中の相手とかはいないの?」
ヒカル「いやいや、モテるからって私が誰かを
好きになるっていう理由にならないから!」
ショウ「言われてみれば確かに」
ヒカル「そう言うショウはどうなの?好きな人ぐらい
出来た?」
ショウ「うーん…僕もそう言った人はまだいないなぁ」
ショウがそう言葉にするとヒカルの隣に座っている
セイラがちょっと嬉しいのに、どこか悲しんでいる
という矛盾のある微妙な表情をした
ヒカル(あー……セイラちゃん、ショウに想い人が
いない事をホッともしてるけど…)
ユキ(やっぱり相当残念そうな様子をしてますね…)
その矛盾した気持ちをヒカルとユキは完全に理解
していた。
琴音は琴音で額に手を当て、気難しそうな顔を
している。
それもそうだろう、中等部の頃から彼女はずっと
"その"お手伝いをしてきていたのだから
それなのにショウが全く気づかないのだから
嘆くことぐらいはするだろう
学園長のアテネもセイラの[その気持ち]を
知っているため
『アテネはセイラ『には聞かず』ユキに訊ねる』
アテネ「そう…… それでユキさんはどうなの?」
ユキ「あ…わ、私は…/」
アテネに聞かれたユキは頬を少し朱色に染めて
俯いた。
顔は和やかな微笑みを浮かべている
それを見たヒカルはまさか、というように
顔を強ばらせてユキに訊ねる
ヒカル「ユキちゃん…?その反応…… まさか!?
好きな人出来ちゃったの!?」
セイラ「う、嘘!?それは本当ですの!?」
ヒカルのその問いかけにセイラは凄まじく反応
した。
どうやらこれほどあからさまな反応をしたのに
セイラは全く気づいていないようだった
セイラもショウに文句を言う権利が無いぐらいには
"そういう事"には鈍感なのだ
ヒカルの問いにユキは当たらずとも遠からず、と
いったような反応を返す
ユキ「い、いえ!まだ好きかどうかは分からない
んです!ただ、少し気になるってぐらいで…//」
ヒカル(うわ!この反応……完全にユキちゃん
恋しちゃってるじゃん!)
琴音(……これはチャンスね)
アテネ「ふむ…それは良い事です。それでお相手は?」
アテネは更に突っ込んだ質問をする。ユキは顔を
綻ばせながらその問いに答えた
ユキ「えっと…同じクラスの縁川影明さんなんです//」
ヒカル「あー、入学式の時壮絶な登場して来たあの超絶
イケメン君かー!」
セイラ「この世の者とは思えないほどのかっこよさ
でしたわよね」
琴音「でも驚きだわ。ユキさんは顔で男性を決める
人とはとても思えなかったのだけれど」
ユキ「もちろんです!私は別に緑川さんの顔がかっこいい
から惹かれたわけではありません!」
琴音がからかって顔で批評するかのような事を言うと、
ユキがそれに反発気味に語気を強めにしゃべる。
しかし、それは自分の名誉というよりどちらかと言うと
その緑川影明の名誉のためのように思えた。
琴音(あら…かなりゾッコンのようね。これは
確かに顔ではない何かがあった様子ね…)
ヒカル「それじゃユキちゃん。その緑川君のどこに惹かれた
の?」
セイラ「一目惚れというわけでもありませんのよね?
まだ会って2日ですのに、ユキがそんなに惹かれている
のはちょっと不思議ですわ」
ユキ「……私のこの大きな胸、私が結構気にしてる事、
皆さん知っていますよね」
ヒカル「うん。ユキちゃん日頃からその胸を皆から、特に
男子からの視線を感じて恥ずかしいって言ってるもんね」
セイラ「えぇ、全く!本当に男子はケダモノばかりですわ!」
ユキ「そうなんです…。でも、あの人は……緑川さんは
この胸を全く見なかったんです。初めて話した時も、
私のこのいやらしい胸はちらりとも見ず、私の顔をずっと
真っ直ぐ見て話してくれました…
その時の緑川さんの顔が今でも目にくっきりと
残ってるんです。
あの邪さや醜さなどが欠片もない[太陽のような笑顔]が」
そう話すユキの顔はまさに恋に恋する乙女そのもの
キラキラと煇り、スイレンのような清楚で美しい顔を
より一層輝きを放って照らしていた
ヒカル「そうなんだ… ユキちゃんがそう言うなら本当に
良い男の子なんだね!緑川君は!」
ユキ「はい!そうなんです!」
セイラ「うーん…私はにわかには信じ難いですわ」
琴音(ユキさんの話が本当なら、それはそれで男として
どうかとも思いますけれど…)
白鳥琴音は少女では無い。大人だ。当然純情なヒカル達と
違って性についてもある程度の理解がある。
その理解が少女達が清らかだと尊ぶ緑川影明の性について
逆に多大な心配を寄せる事になった
アテネ「……そう。ならば学園としてはあなたの恋を全力
で支援しなくてはいけないわね」
ユキ「え?……え、えええええぇぇぇぇ!?」
アテネの言葉にユキはポツリと間の抜けた呆けをこぼした
かと思えば、すぐに素っ頓狂な声をあげて驚いた
アテネ「何を驚いているの?愛する人と結ばれる事は
『○○○』にとって重要な案件だと言う事は理解していると
思うのだけれど。それがユキさん、あなたならなおさらよ。
当然学園としてあなたの恋をサポートするのは必然でしょ?」
ユキ「え!いや!そんな!まだ私は緑川さんに恋してる
という事では無くて!ちょっと異性として気になる
ってだけで……まだ……//」
アテネ「異性として気にしてるって事は緑川君に恋してる
という事とそう相違ないと思うのだけれど」
ユキ「う、うぅぅ……//」
ユキは熟れたトマトのように顔を真っ赤にさせる。
しかし、顔の表情そのものはどことなく嬉しそうである。
アテネ「琴音さん。ユキさんの恋が成就するように
サポートしてあげてください。それが当面の学園と
しての行動指針とします。」
琴音「……?えぇ、もちろんですわ。学園長」
琴音も『○○○』の恋の成就は優先するべき事柄であるので
アテネの言葉には異論はなかった
琴音「……ふぅ、まあこんなところかしらね。
ではこれで高等部最初の報告会は終わりといたします。
明日からも学生と『○○○』としての本分を持って
学園生活を過ごすように。
どちらとしてもあなた達3人は聖マリア学園の見本という
意識を忘れないようにね」 プルルルルッ
白鳥琴音が閉会の言葉を終えると同時にポケットの携帯が
鳴り響く
琴音「はい。白鳥琴音です。……え?学園の屋上で……?
はい……はい…… 分かりました。すぐに行きますわ」
琴音は通話に出た携帯をすぐさま切ると、あからさまに顔を
険しくさせて、場の皆に言葉を残した
琴音「ごめんなさいね。ちょっと学園関係でトラブルが
あって、先生が急遽対処しなくてはいけなくなりました
『奴ら』とは全く関係ないので、心配は無用です。
それでは3人は早く家に帰るように」
吐き捨てるように言葉を残すと慌てた様子である部屋から
扉を開けて出ていった
ヒカル「……なんだったんだろ?何か顔険しくさせてたけど」
セイラ「あの表情はまた生徒の誰かが問題を起こした時の
顔ですわよ。ヒカル。全く…同じ学園生として恥ずかしい
ですわね」
ショウ「さぁ、終わったなら早く帰ろうよ」
ユキ「え、えぇ…そうですね。」
アテネ「……」
ヒカル達5人も後に続いてある部屋の外へと出る。
そしてその部屋には静寂だけが残されるのだった
------------------------
〜ある部屋での報告会中の学園屋上〜
瞬「はぁ……」
神崎瞬はため息を吐く。
そのため息の理由は様々だ。
天宮文香と結局放課後まで話す事が
出来なかったこと
ここまで逃げ回られているという事実に
対するショック
こんな調子で文香と仲直り出来るのか
という不安
瞬「そんで…何で優達は来ないんだよ…
屋上で作戦会議するんじゃなかったのかよ」
はぁ、と瞬はまたもため息を吐いた
瞬(そういや…影明は結局何してたんだ…?
何か行動してたようには見えなかったし…)
瞬は疑問に思う。それはそうだろう。
紅藤優に緑川影明も協力を取り付けたと
言われたにもかかわらず、影明はずっと
クラスメイトや学園の他クラスと話して
ばかりいたのだ。
作戦のために何か動いていたようにはとても
では無いが瞬には見えなかった
ーーそう、表面上は影明は何もしていなかった
そして、紅藤優も影明と同じ裏の作戦が本命であった
神崎瞬も知らない裏の作戦のフィナーレは、
扉を開ける音を笛として、今始まったーー
文香「……は?」
瞬「……え?」
音とともに、扉から目的の相手、天宮文香が
出てきた。
瞬は驚いて、硬直した。もう帰宅してまったと、
今日はもう話せないと諦めていたからだ。
目の前の状況が実は夢なのではないかと瞬は
錯覚してしまった
文香も同じく硬直した。しかし、こちらはまだ
冷静であった。
何故なら今この状況になって、先ほどまでの状況が
おかしいと思う点がいくつも思い浮かんだからだ
ーそうだ……あの緑川影明はシュン君の親友
みたいな存在ー
ーそんで校門前であいつらを見た時のあいつの
やけにあっさりした態度ー
ーしまった… はめられた!!ー
文香がその思考に行き着き、我に帰った頃にはもう
遅かった。
文香の後ろの扉は「バタン」と重く閉ざされた
文香はすぐさま振り向き、扉を開けようとドアノブを
必死に回して開けようとする。
しかし扉は向こうにいる者によって固く閉ざされ、
びくともしない
文香「クソッ!騙したな!開けて!開けろ!
……開けるつもりがないなら…」
文香はすぅと息を吸い、扉に向けて本気の『蹴り』
を繰り出した。
扉は鉄製である。木やプラスチックなどという
脆弱な素材で出来ていない。
更には資財ある名門学園の今年完成したばかりの
新校舎の扉である。
世間一般で使われているような鉄製の扉と比べても
強度は高いし、ましてや老朽化などによる強度の
低下の可能性なども絶対にないとまで断言出来る
だというのにー そんな扉だというのにー
学園の誇る誉れある鉄製の扉は見事にへしゃげ、
蹴りを入れた部分があり得ないほどに陥没し、
見事なクレーターを形成していた
瞬(うそ…だろ……?あの扉って鉄製の扉だよな…!?)
瞬は文香がここに現れたという事実をも吹き飛ぶ
ほどの驚愕を受けた。
当たり前だ。鉄製の扉なんて普通ならばビクともしない
手加減抜きの全力の蹴りを鉄製の扉に繰り出したと
しても、良くて蹴った部分の表面が少し凹む程度だろう
確実に蹴った本人の脚を痛めるはずだ。
それを足程度の小隕石が高速で扉にぶつかったと
言われても納得出来てしまうほどのクレーターを
扉に形成し、蹴った本人である文香はまるで
痛そうな反応を見せていないのだから驚愕を受けない
方がおかしい。
それこそ、蹴ったと説明するよりもさっきの例えであると
説明した方が現実味を帯びているほどには人間業では
なかった。
しかし、そのあまりの驚きによる衝撃は放心していた
瞬を逆に我へと返らせた。
文香「…ちっ!普通なら扉ごと吹っ飛ばせるのに!
ホントにあいつどんな身体能力してるの!」
毒づきながらも次の蹴りを繰り出すべく構えた文香の
前に瞬は飛び出し、会話をするべく、静止を呼びかける
瞬「ちょっと!フミちゃん!逃げようとしないでくれ!
あの時の事ちゃんと話し合おう!」
文香「………」
瞬が目の前に出て来たことにより、文香は蹴りの準備を
中断する。観念するしかなくなったからだ。
今でも大好きな神崎瞬もろとも蹴り飛ばす事など出来る
はずがない。
ーここで誠心誠意謝らなきゃ一生クズのままだぞー
文香の脳裏にふと一言、浮かんだ
ー関わることすら許されないってことだよー
続けて一言また緑川影明の言葉が浮かぶ
文香(そう…だ…… 逃げてたらダメだ…
ちゃんと…謝らないと…… せっかく…
またシュン君と再会出来たんだから……)
ーまた昔のようにシュン君と一緒にいたいー
ーまた仲良くシュン君と話したいー
ーまたバカな事してシュン君と笑い合いたい-
ーそしてまた………ー
文香(そんな事思う権利なんて無いのかもしれない…
でも、もしまだチャンスが残ってるなら……
今ここで私、変わるんだ…!)
ー善い奴 にクズ はふさわしくねえからなー
ーシュン君に今の私はふさわしくないからー
文香(自分のことしか考えられなかったクズから
脱却するんだ!)
天宮文香は覚悟を決める。謝るための
第三者視点から観たら、くだらない覚悟かもしれない
ただ謝るだけなのだから、大袈裟と嘲るかもしれない
しかし、内容がどんなにちっぽけでも、心はちっぽけと
断じない。
頭が滑稽と断定しても、そんなものは関係ない
ただ謝るという行為に天宮文香は間違いなく人生最大の
覚悟を決め、謝罪の言葉を紡ぎ出した
文香「シュン…君…… ごめんなさい…… あの時は
あんなひどい事言っちゃって…… シュン君は
何も悪くないのに……
シュン君…優しいから……私シュン君に当たっちゃった
の…… 自分が辛くて辛くて仕方なくて……
ついシュン君に当たっちゃった……
シュン君なら当たっても、優しいからきっと受け止めて
くれると思い違いしちゃったから……」
ポツポツとした謝罪は次第に熱を帯びて、灼熱の豪雨と
なって言葉を紡ぎ出していく
文香「入学式の日も……あんなひどい事言っちゃって
ごめんね……! シュン君何も悪くないのに……!
あの時もシュン君に拒絶されるのが怖くて……
また突き離すような事しちゃったの……!
あの時もシュン君は優しいから私に話しかけてくれた
んだよね…!
私も本当は嬉しかった……嬉しかったのに……!
実はシュン君が無理して私に話しかけてきてるんじゃ
無いかって思うと…… 内心、私の事を嫌ってるんじゃ無い
かと思っちゃって……!」
文香の謝罪は終点へと到達する
文香「ごめんなさい!ごめんなさい!シュン君!
いっぱい傷つけちゃってごめんなさい!
許してくれなくたっていいよ……
シュン君が消えろって言うなら私、すぐ消えるから…
シュン君はもう私に捉われないで自分の人生を
「俺の方もごめん、フミちゃん」」
文香は唐突の瞬の謝罪に「え?」というように
ポカンと膠着した
瞬「あの時、あの後、いなくなっちゃったりして…
俺もフミちゃんの事傷つけちゃってごめん…」
文香「そんな……こと……シュン君は悪くない…!
悪いのはシュン君を厄介払いしたあの親戚だよ!」
文香の抗議に瞬は異を唱える
瞬「ちがう…ちがうんだ…… 事実はそうでも、俺の
心は違ったんだ…!
俺もあの時……恵美が自殺して……辛かった…!
辛かったんだ……!
憎んだよ……自分を…!
恵美を死なせて、フミちゃんも傷つけた自分が
心底許せなかったんだ!
だから逃げた、フミちゃんから逃げたんだ、俺は。
フミちゃんを傷つけたくないから引っ越すなんて
嘘なんだよ…
怖かったんだ… 恵美を失って、フミちゃんに見放されて
失うのが怖かったんだ…!
フミちゃんすらも失ってしまったら俺は生きていられる
自信すら持てないほど、怖かったんだ!
だから……だから……!自分勝手だったのは俺の方だ…
ごめん…ごめん…… 逃げたりして……本当にごめん
なさい……!」
瞬「こんな事言うのは最低だけど…… また俺と一緒に
いてくれないかな…?
こんな事思う事すら許されない事だけど…
フミちゃんとせっかくこの学園で一緒になれたんだから
また一緒に思い出を作っていきたい。
フミちゃんの事、ずっと忘れられなかったから……
またこれでお別れすると言うのは嫌なんだ……
もちろん、フミちゃんが嫌なら「嫌なわけないでしょ」」
そこで、瞬の謝罪のターンは強制的に終了させられる
そして、また文香のターンへと移る。
しかし、そのターンは謝罪でないーー
文香「何で…?何でなの…!?何でそんなにシュン君は
優しいの!? 責めてよ!罵ってよ!怒鳴ってよ!
簡単に許さないでよ…!また私勘違いしちゃうじゃん…!
そんなに優しくされたら…… 愚かな私はまたシュン君に
纏わりついちゃうよ……」
その言葉を聞いて瞬も声を荒げた
瞬「だから俺は…またフミちゃんと一緒にいたいんだって
言ってるだろ!!
いつ俺がフミちゃんを憎んでるなんて言った!?
フミちゃんを許さないなんて一言も言ってないだろ!!
もう、こんなくだらない喧嘩なんてやめよう!
仲直りして、また一緒にいてくれ!フミちゃん!」
文香「うん…!うん…!!私もシュン君の事一度だって
忘れた事ないよ!今までずっとずっとシュン君の事
考えてた!!
私も仲直りしたい!ずっと一緒にいさせて!シュン君!」
こうして、瞬と文香は、微笑ましい幼馴染は仲直りを
果たした。
この時、確かに過去のわだかまりは全て払拭され、
また昔と同じように仲良しな幼馴染へと2人は
戻れたのだったーー
------------------------
影明「ふぅ… やれやれ…… 世話が焼けるぜ…」
優「全くだねぇ」
学園の屋上へのへしゃげた扉の前に、扉を押すよう
して立つ男子生徒2人
彼らこそ扉の向こうにいる幼馴染を過去のわだかまり
から解き放った立役者と間違いなく言えるだろう
影明「しっかし、さすが策士だよなぁ、優。
俺たち影明スケット団の参謀なだけはあるな」ニカッ
優「いや、初めて聞いたんだけど影明スケッ
ト団とか。唐突に訳のわかんないチーム名
とか役職名とかつけないでくれないかな?」
ここに記すほどでもないだろうが、緑川影明
と紅藤優は最初からグルだった。
屋上で2人を会わせるという本当の計画を練った
のは昨日、瞬の部屋で影明からの電話が来た時だ
と言っても練る、と言うほどの時間などかけては
いないのだが。
神崎瞬すらも騙すような事をしたのは「敵を騙す
ならまずは味方から」という孫子の兵法にのっと
ったためである。
実際、瞬に作戦内容を伝えていたら何かの拍子で
文香にばれ、この作戦が成り立たなかった可能性
は非常に高い。
休憩時間、優が積極的に文香に話しかけ、あえて
警戒させたのも作戦の内だった。
文香に警戒させるように動かなかったら、校門
で優達が立っていたとしても、文香はそのまま家
へ帰ってしまっていただろう。
影明が何もアクションを起こさなかったのは逆に
文香に警戒されないようにするためである。
そうすることによって、放課後、優達が校門に
辿り着くまでの時間稼ぎをすることが出来た
わけだ。
影明「それにしても扉に蹴り入れられた時
マジビビったよな… 鉄製の扉だよな、これ?
蹴りでこんなことなる?
え?マジでえぐくない?」
優「蹴り入れられた時僕たちもそのまま
吹っ飛びそうになったもんね…。僕が『現役』
だった時も、こんなエグい蹴りを出すような
人外は居なかったよ。
というか、ホントによく扉ごと吹っ飛ばされずに
耐えれたよね、僕たち」
文香の蹴りで見事にへしゃげた扉を後ろ目に
見やり、尻込みしながらそれぞれ感想を述べる
影明「そーいや、水無月はどこ行ったん?」
優「瞬達が仲直りして抱き合って一緒に
泣いたあたりで帰ったよ。まぁ、作戦
成功したわけだし、長居は無用でしょ」
影明「そうだな。じゃあ後はお熱い幼馴染
2人だけにして邪魔者な俺たちも帰ると
しm「あなたたち」」
影明達が帰りの準備を今まさにしようと
したところで、冷徹な言葉が耳をこだまする
階段の下から、実に顔を怖くさせた白鳥琴音
が上がってきて、2人の前へと立ちはだかった
そうして、琴音は影明たちの後ろについて
指摘する
琴音「その後ろの奴は何かしら?何をしたら
扉がそんな状態になるわけ?」
指摘するのは当たり前だろう。屋上の扉は
鉄製の扉だ。それが扉そのものが大きく歪み、
真ん中部分が大きく膨らんでいたら
それを突っ込まないわけはないだろう
しかも琴音は学園の教師である。
教師としても扉の状態について言及し、顔を
怒りで歪ませるのは至極真っ当なことだ
影明「……ウシロッテナンデスカ?
ウシロナンカナッテマス?
ねえ?優さーん?^_^」
優「イヤーボクノメニモナントモナッテ
ナイナー?フトゥーノトビラシカミエナ
イナー。
だよねー?影明さーん^_^」
影明「だよねー^_^ いやぁ!俺の目がおかしく
なったのかと思ったよー。やっぱりおかしいのは
先生の目ってことだねー!
先生?眼科に行った方がいいっすよ?それか
精神科ですかね?
後ろの扉がへしゃげてるように見えてるなんて
ちょっとどこかにいz「私、扉がへしゃげてる
なんて一言も言ってないんだけれどね?」」
影明「………」
優「………」
琴音「………」ニッコリ
琴音「それとも、あなたたち2人はその扉の状態が
[普通]と思ってるって事かしら?
もしそうだとしたら、それはとてもいけない事ね。
世間一般的な常識からかけ離れてしまっていると
先生には思えるわ。
これは早急にちゃんと"指導"してあげないといけ
ないようね〜」ニコニコ
優「せ、先生…… 僕は……僕は……!影明君に
脅されてたんです!!」ヒグッ
影明「!?」
優「中学の頃から……僕影明君にいじめられてて…
今回も、影明君のやる事を止められなくって…!
僕もこんな事に加担したくなかったんです!
でも……影明君が…怖くて、つい……!
だから、さっきのも影明君が怖くてつい
口裏を合わせちゃったんです!!」ウェーン!
影明「テメェコラァァァァァァ!?土壇場で
人を売ってんじゃねええ!!」
琴音「はいはい!もう分かったわ!言い訳や
事情は生徒指導室でたっぷりと聞かせてもらうわ!
その代わり、こちらの指導もたっぷりと
させていただきますからね!」ビキビキ
下手な言い訳をして逃れようとする悪ガキ2人に
琴音は怒りのボルテージを一気にMAXにまで
あげ、有無を言わさず2人を生徒指導室へと
引き摺る
影明「ぎゃああああ!せ、先生!ごめんなさい!
ごめんって!!
何とぞ御慈悲を!御慈悲をくれえええええ!!」
優「暴力だ!!嫌がる生徒の腕を無理矢理引っ
張って、引き摺るなんて!校内暴力だ!
訴えます!教育委員会に訴えますよ!」
琴音「うるさいっ!悪ガキども!!これは
正当な教育の一環よ!!
学園生活初日で扉を壊すような悪ガキどもには
こんなものは暴力に入りません!」
悲鳴と抗議をあげながらそのまま影明と優は
琴音によって生徒指導室へと引き摺られていった
------------------------
クチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュ
「瞬…くん……瞬くぅん……//」
ここは家の中の生徒の自室である
クチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュ
部屋には秘部をこする音がこだまする
楓「嬉…しい…よ// 嬉しいよぉ//また瞬くんに
会えて……
ずっと…ずっと……忘れられなかったからぁ//」
言葉は喜んでいるが、顔はそれには全く似合わない
どこまでも沈めるような暗闇のようだ
声音もとても喜びを表していない。悲しみの色で
いっぱいだ
クチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュ
楓「瞬くん……// 好き//好き//大好き//」
クチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュ
水無月楓は愛の言葉を吐き続ける
自らの心を慰めるために
クチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュ
水無月楓は初めての自慰行為を続ける。自分を慰めるために
『イヤ』なことを忘れるために、逃れるために
クチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュクチュ
そうして哀れな少女は自分を慰め続ける。
その様は実に惨めで、哀れそのものだった
×××××××××××××××××××××××××××××××××××××
ー『救世主』を見つけたー
ーギリギリって所ね。もういないものと
諦めていたわー
ーすまないな、そこからかなり近いものだから時間が
余計にかかってしまったー
ーこっちも朗報よ。 『引き鉄』となれそうなモノ
を発見したわー
ー…それは幸先がいい。『引き鉄』はもっと時間が
かかると思っていたんだが…
まさかそんな短期間で見つかるとはなー
ーそれで?『救世主』はどこにいたの?ー
ーあぁ、そこから………だー
ー本当に近いわねー
ーだからこそ、そっちにはどうだ?ー
ーいや、残念だけど…… でも、『心当たり』が
ある。そこには…………ー
ー……なるほど、ならば『そいつ』をどうにかした
方がいいなー
ーえぇ、上手くいけば『救世主』と接触しなくて
済むかもしれないわー
ーあぁ、何事も情報というものは隠した方がいいからな
あらゆる場面、場所でこの事だけは変わらぬ鉄則だ
では、2週間後にまた落ち合おうー
ー了解ー
×××××××××××××××××××××××××××××××××××××
あーーーーー!!良かった!! 今度こそ宣言通り
主要キャラ達全員出せたわ!20000文字もテキスト
使っちまったよ!
個人的には今回でプロローグが終わった気分です
次回から物語が本格的に始まりますよ!
最初の方の流れは原作【聖徒会長ヒカル】の流れ
を則って話を進めていき、途中で脱線して
beliefersの物語に路線変更って感じになるかな?
今回時間かかりました。実はこの辺あんまりやりたい
内容というわけではなく、あまり気分が乗れなかったっ
てのもあります。次回も割とそうかも
『違和感』『快諾』
最後の方の楓っちの描写見たらわかると思うのですが
楓っちは瞬君の事が好きなのよね。
好きになった理由はごくごく一般的なものです。
なので、彼女の本心としてはあんまり
手伝いたくないってのが本音でしょうね
そりゃ恋敵を助けるような行為っすもん
けど、手伝っちゃうのよ。この子、性根そのものが
結構善良なのよ。だから自分の都合で助けないとか
出来ないのよね。
入学初日の打ち上げ会で『必死』に謝ってたのも
瞬君の事が好きだったからってわけです
さぁ〜僕の嫌いな三角関係になって参りそうですね〜
嫌いなのよね、三角関係。だって選ばれなかった子が
かわいそうだもん。基本的に僕は三角関係を書きません。
え?お前今回書いてるじゃんって?
そうですが???三角関係書いてますが???
必要ない……ていうか嫌いなこの関係を何で書いてる
かって言うと、一つは[ある漫画]の好きなキャラが
どうも失恋しそうな感じで進みそうだからその救済
のつもり。
まぁ、それだけでこんな三角関係書いたりしません
ので、2つ目が重要なのですが
この神崎瞬達の三角関係、
そして水無月楓は【beliefers】の重要なテーマを
この先描くためにいるのです。
だからこそ……嫌だ!!出来るだけ感情移入しない
ようにって思ってたのに!!
もう感情移入しちまったよ!!テーマそのものが瓦解
しちまいそうだ!誰か助けて!
『日本人とイギリス人のハーフであり』
読んで字の如くです。原作とはちょこっと変えてます
けどね。向こうは確か東欧系のクォーターだったはず
ぶっちゃけセイラちゃんの原作設定そこまで知らねー
んですよね。教会のシスターっていうのと、何か
淫魔の血を持ってる?力を持ってる?みたいな
じゃあ、わざわざ『』つけなくていいじゃんって
思うかもしんないんだけど、この淫魔の血を持ってる
って言うのを設定変更した結果『』をついてるのです。
この淫魔の血を【beliefers】用に設定改変したので、
セイラちゃんは後々大きな波乱を呼び起こす重要な
ファクターとなってくるでしょう
『ある技術』『技術』
これも原作準拠してます。原作は名門退魔士の家系、
綾辻家でその一派の黒沼家ですが昭三さんは綾辻家
から占術を盗んでいます
『技術』ってのは要はそれです。ぶっちゃけ隠すほどのこと
じゃないんですが、まだ一応【beliefers】としては
【退魔】ってワードは出してないので、それに関連
する事は『』で囲ってます
『学校の屋上』『大して驚かず』
優君立案の裏作戦の事です。もう本編に書いてるので
わざわざ後書きに書くような事はないね
『身体能力がズバ抜けて高い』
『身体能力で誰にも負けた事がないぐらい』
屋上の場面でも書いた通り、マジバケモンなのよ
フミフミは。そりゃ誰も勝てんわ。
おっと、失言です。ごめんなさい。
で、それに身体能力で勝てる影明君もバケモン
ですよね。
『○○○』
ぶっちゃけ隠すような事じゃないので言っちゃい
ますけど、退魔士です。
『○○』は退魔です。わざわざ隠してるのは『技術』
の項目と同じように、まだbeliefersで退魔という
ワードを出してないのであえて伏せときました
『奴ら』『弊害』
妖魔どものことです。これも隠す必要はないのですけry
『どうであろうと』
ん〜……あんまり書きたくないですなぁ
まぁヒントをあげますと、次回の話を読めば、気付く人は
気付けるかもしれないです
『学園の使命』
退魔稼業のことですね。まぁあんまし説明しなくていいと
思います。そのうち本編できちんと説明しますけどね
『さて、ちょっと非情かもしれないけど
次の議題に移りましょう。
皆さんは好きな異性とかは出来ましたか?』
アテネさんの言葉っすね。言い遅れていましたが
アテネは原作のアナスタシアさんと思ってください。
本編の通り、この言葉自体におかしなところなんて
どこにも無いんです。だから登場人物達は全員普通の
反応をしてるわけです。
『』の真意はこの言葉の前後を読んでみてください。
気付く人なら気付けると思いますよ
『アテネはセイラ『には聞かず』ユキに訊ねる』
この言葉の『には聞かず』の部分は言い換える事が
出来るわけです。
『蹴り』
後にこの蹴りに関して、フミフミの不良時代の
『異名』について語る時があります。
その布石ね?
『現役』
『』ついていなくとも割と踏み込んだ言葉だよね、これ。
優君にも何かの秘密があります。それはフミフミの不良
時代のエピソードを語る時と一緒にその秘密も語ろうと
思います。
優君もね、現役時代に異名みたいなの持ってるんすよね
『イヤ』
うん、これは普通に分かると思うんだけど、屋上での瞬
ちゃまとフミフミのイチャイチャラブラブ劇場の事
ですね。
お疲れ様^ ^!カエデっち!^^
『救世主』
重要そうっすねー。ナニカ
『引き鉄』
不穏っすねー。ナニカ