川崎の身体に覆い被さり、そのままの勢いで俺は彼女の秘部に肉棒を挿入しようと試みる。
受けから攻めの姿勢に変わったことで俺も女の子の裸体を前に色々試してみたいという欲が湧いてきたが今回の目的はそこに無いからぐっと堪えて我慢する。
川崎の身体に痛みが伴わないように注意を払いながら俺は彼女の秘部を指で軽く開いて亀頭の先を割れ目の穴の辺りに押し当てる。指先に微かに触れる彼女の陰毛の感触に安心感のようなものを感じて胸がポカポカする。
「んん・・・くっ・・・」
肉のヒダを掻き分けて亀頭の先端が穴の中に侵入し始めると川崎の口から声が漏れる。それを恥ずかしく思ったのか彼女はすぐに自身の口元を手で覆った。その所作によって露になった彼女の瞳は固く閉ざされ顔色を伺うことは出来ない。
熱く濡れそぼつ彼女のナカは俺の肉棒をこれでもかというくらい強く締め付けてくる。
やがて肉棒の全てがナカに収まったところで俺は一旦身体の動きを止めて川崎に声をかける。
「大丈夫か、川崎」
「はぁ・・・ふぅっ・・・」
俺の問いかけに川崎は熱い吐息を漏らす。それからうっすらと目を開けて潤んだ瞳をこちらに向ける。
「ん・・へいきっ・・・・」
そんな彼女の様子はまるで微睡みから覚めて間もない幼子のように見えた。しかしそんな彼女の官能的な魅力に俺の全身の血は滾り、これまで感じたことのない激しい情欲に心を侵食される。
「そうか・・・ならぼちぼち動くぞ」
こんなの長々と続けていたら、それこそ頭が変になってしまいそうだ。元より長引かせるつもりは無かったが出来るだけ早めにこの行為を終わらせてしまおう。
俺の言葉に無言で頷く川崎を見て俺はそんな決意を新たに自身の身体の動きを再開する。
とりあえず俺は川崎の両脇の横に手をついて腰をゆっくりと動かしてみることにした。ただ闇雲にがっついても多分川崎は気持ち良くならないだろう。知らんけど。
川崎のことも行為のやり方もまともに知らない今の俺に出来ることといえば、ただひたすらに相手のことを思い遣ることだけだ。
川崎だって散々俺のことを気遣ってくれたんだ、御返しの一つもしないと割に合わんだろ。
「あ・・・ぐっ・・・っう・・・」
俺が腰を前後する度に川崎の喉声が部屋の中に響く。彼女が口元に手を置いているからこうして声がくぐもって聞こえるのだろうが、これはこれである意味好都合と言える。
何せまだ日が暮れて間もない時間帯だ。下手に大きな声や音を出せば余所様の耳にまで届きかねない。万が一の無いように注意せねば。川崎の今後のご近所付き合いに支障をきたす恐れがある。
「んんっ・・・あふ・・・っん」
などと考えていると川崎の口から微かに甘い声が漏れ出した。それは丁度俺が彼女のナカの奥の方を突いたタイミングだった。
お互いの脚が当たってどうにも深いところまで届かないが、それでも彼女の声を聞く限りではそれなりにヨクなってくれているらしい。いちいち感想を聞くのはアレだろうし、それが良いのであれば多少疲れてもこの動きを継続しよう。
「・・・あんたってさ・・・」
そんなこんなで俺が本腰を入れようと動いた瞬間、川崎がこちらを横目にぽつりと呟いた。俺は何かと思い彼女の言葉に耳を傾ける。
「ん?」
「実は経験豊富だったりする?」
「は?」
俺はてっきりこの行為についての要望か何かだと予想したのだが、彼女から投げかけられたそれは俺の予想の斜め上を行くものだった。
「何というか手慣れてない? 」
「んなこたねえよ。俺だってこんなことするのは初めてだし。何ならキスだってそうだ。色々と初めて尽くしで今にも頭がパンクしそうだわ」
俺の言葉に川崎はやや驚いた表情を見せる。
「嘘・・・ほんと?」
「そんなことで嘘を付くメリットが無いし、この状況で打算的な嘘を構築するのは無理があるだろ」
「だってあんた・・・・・」
そう言いかけたところで川崎は口を噤んだ。それから彼女は何やら思考を巡らせているのか、俺から視線を反らして遠い目でボンヤリどこかを眺めている。
川崎が口にした言葉のその後に続く言葉なんて、考えるだけ無駄だろう。まあ確かに、はたから見ればそう思われても仕方のない状況に居たのは確かだ。関わりの浅い連中があの空間を目にすれば、あらぬ妄想を抱くのも想像に難くない。
でも、そんなんじゃない。俺が身を置いていたあの空間は、他の何処よりも温もりのある場所だった。さして親しくもない連中に変な勘繰りをされると内心はらわたが煮えくり返っていた。むしろそんな雑音が耳に入るのが嫌で一人で居たまである。
彼女らと疎遠となった今となっては、その事に触れてくる者は唯一奴を除いて他にはいない。………そう思っていたのだが。
「ごめん。変なこと言って」
ふと我に返ると川崎の物悲しい顔が眼前にあった。右の頬に彼女の手のひらの温もりを感じる。彼女の一言を耳にするまで俺自身そうされていることに全く気が付かなかった。
「・・・大丈夫だ、問題ない」
川崎の表情にデジャヴを感じた俺はあの時と同じ様におどけてみせる。実際全然笑えないし面白くもないのだが、そうでもしないと今度はこの温もりに甘えて自分というものを見失ってしまいそうな気がして俺は恐怖を感じた。
……って、いやいや、このネタ川崎に通じなかったじゃねえか。まんま同じ事の繰り返しでどうすんだよ。何か他にこの場の空気を和ませる手段はないものか。
「あたしもいま一杯一杯で、どうしたらいいか分からないんだよ」
頬に添えられた彼女の手のひらに力がこもる。彼女の眉根がハの字に歪んで今にも泣き出してしまいそうな表情に変わる。
待て待て落ち着け。止めろめろめろサキサキめろ。
「なっ・・・ならお互い様だな! これで俺も一つお前のことを知れたよ・・・!」
「? ・・・因みにそれって?」
咄嗟に放った俺の言葉に関心を持ったのか、川崎は俺を真っ直ぐ見つめてくる。
深い考えもなしに放った言葉であるが故に、そこに意味を見いだすのは至難の技だ。
しかし発言者は俺。理由については幾らでも塗り替えられる。あとはどれだけその発言に信憑性を持たせられるかどうか。
はぁぁぁ………仮にもセックスの最中だというのに、どうしてこんな頭を悩ませないといけないのか。
……………たまには思考を止めて、感性に従ってみるのも有りかもな。うん。
「あー・・・サキサキの手は温かい・・・とか」
俺が今感じるものといえば、頬に触れる彼女の手のひらの温もりか、肉棒に感じる彼女の秘部の締めつけと熱さであるのだが。この状況で言及すべきはどちらかというのは最早明白であろう。
「ぷっ・・・・くくくっ・・・」
俺の答えを聞いた川崎は、やがて静かに笑い始めた。
自身の感性から出た、あまりに子供染みた発言に俺は自分で言って恥ずかしくなる。
何だよそれ付き合いたての中学生のカップルかよ。俺もう大学生だぜ? さすがにその発言はないだろうよ。もうちょっと気の利いたセリフを考えろよ。馬鹿なの?死ぬの?
「あんたの口からそんな言葉が出てくるとは思わなかった」
川崎は自身の目元を指で拭ってから半笑いのままそう口にした。その言葉に俺の羞恥心は更にヒートアップする。
「わ、悪いかよ」
「ううん、全然。可愛いよ、すっごく」
「お前なぁ・・・・」
既に言ってしまったことを取り消すことは出来ない。しかし当の川崎は先程までとは違い今は笑顔を見せてくれている。俺にとってこれは大きな成果だ。これなら今の俺の発言は後に黒歴史となるかもしれないが後悔にはならない。正直それだけで十分満足だ。確かに可愛い。凄く。
「・・・・き」
「・・・え?」
その声はあまりに小さなものであった為に上手く聞き取れなかった。
「沙希! ・・・って、呼んで」
「・・・・っ!」
これまでも彼女の顔や身体の一部がほんのり朱色に染まっていたのだが、今は顔を中心に真っ赤に色が染まっている。
「サキサキとかじゃなくて・・・沙希って呼んで欲しい」
川崎からの催促。心なしか彼女の息が荒くなっているように感じる。それから肉棒に感じる圧が更に強くなったような・・・それはさすがに気のせいか。
俺のハラの中を見据えていながらも、これ程までに正面から向き合ってくれる相手なんて、そうそう居ないのではないか。
そう考えたら彼女のその願いすらも叶えてしまいたくなってきた。
「それは・・・・・善処する」
「ん・・・・お願いね」
しかし、どうにも気恥ずかしかった俺はすぐに彼女を名前呼びすることが出来なかった。けれどそんな俺に彼女は微笑みを向けてくれた。
残り二話+αで川崎さんのお話は終わりとなります。残りあと四名のヒロインが登場を控えています。エタることはしないのでどうか今年もよろしくお願いします。