※この作品はR-18です。

やはり俺と彼女のまぐわいはまちがっている。   作:クロセス

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今回少し重たいお話になったのでそこは注意して下さい。


(19)

ンチュッ……チュッ………レッ………ツパッ………

 

俺の身体の上で背中を丸めた川崎が俺にキスをする。それもとびっきり濃厚なやつを。俺も彼女の機嫌を損ねない為にとそれに応酬するが、激しい興奮状態で口を塞がれた為に本来脳に送るべき酸素の供給が追い付かず俺は軽い酸欠状態に陥り意識が曖昧となる。

 

 

俺の反応が鈍いと感じたのか、はたまた一頻りキスを交わして満足したのか、俺の唇から口を離した川崎は握っていた俺の手を解いて俺の腹の上に手を突くと再び腰を動かし始めた。

 

「いいっ・・・コレ・・・凄い・・・」

 

これまでと違い川崎は何処か吹っ切れた様子で、ぷるぷる揺れる乳房も、蕩けきった表情も、口から漏れ出る声も、その一切を隠そうとしない。

 

「ハァッ・・・アッアッ!・・・ンンッッ!」

 

より一層早まる腰の動き。亀頭の先が彼女の膣奥をゴリゴリ抉っているのが分かる。そんなにして痛くないのかと不安になる程に。

 

その不安感がどうにも気持ち悪かった俺はそのことについて彼女に尋ねようとしたのだが、その前に俺はある事に気が付いて瞬間我に返る。

 

「っ!・・・川崎っ・・・声、少し抑えねえと・・・!」

 

彼女から与えられる快感に脳ミソをやられてそこまで気を回せていなかったのだが、そう指摘せざるを得ないくらいに彼女の発する声は大きくなっていた。

 

例えばこれが保育園のお歌の発表会に向けて幼女が自宅で練習しているというのならまだ分かるし可愛いのだが、こいつはそうもいかない。たった一度の過ちが川崎にとって一生の後悔に繋がりかねない。そんな可能性が一ミリでもあると感じているのなら、一緒にいる俺が指摘してやらないと明日の寝覚めが悪くなりそうだ。

 

 

ご近所さまの耳を気にするあまり小声での指摘となったが俺の声はちゃんと彼女の耳にまで届いたらしく、川崎は左手で口元を押さえる仕草をして見せた。しかし依然として彼女の表情は蕩けたままで、その瞳には情熱とはまた少し異なったカタチの炎が燃え滾っているようにも見える。

 

「んっ・・・駄目・・・無理ぃ・・・」

 

そんな川崎がふとこちらの方に視線を向けたかと思うと彼女はぎゅっと瞼を強く閉じてふるっと頭を振り、そしてまた思い出したかのように激しく腰を打ち付ける。

 

「男の・・・チンポが・・・こんなにイイなんて思わなかった・・・」

 

川崎がハァハァと息を荒げながらうわ言のように呟く。俺はまさか川崎の口から”チンポ”という単語が飛び出してくるとは思ってなくて呆気にとられる。

 

別に彼女の言動に対して引いた訳ではない。むしろ川崎みたいな女の子でもそんなド直球な言葉を口にするんだなと思うと堪らなく興奮する。

 

自身の想像を遥かに越える生々しい事実と、我を忘れて男の肉棒に夢中になる彼女の姿を見て、とうとう俺の肉棒にも限界が訪れる。

 

「うっ! ・・・く・・・川崎・・・!」

 

快感に背筋を震わせながら俺は彼女の二の腕の辺りを手でタップする。気持ち良くなってくれているところ申し訳無いのだが、こればっかりはどうしようもない。

 

事前の備えをしていればまた話は変わってくるだろうが、それについて川崎がこれまで一度も言及していないところを見るに多分この部屋に今その備えは無いのだろう。なら俺はそれに応じた適切な対応をしなければならない。

 

 

パンパンパンパンパンパンッ

 

 

「アッ・・・ハアッ・・・ンフゥッ!」

 

しかし川崎は俺の送る合図など気にも留めず、眉根を固く寄せて目を瞑ったまま、額に流れる汗を拭うこともせず尚も腰を振り続ける。

 

最初に浴室で手淫してくれた時も、先程ここで口淫してくれた時も、俺がそのことを伝えたら彼女はすぐに反応を示してくれたというのに、それが今はどうだ。

 

「ぐっ・・・・まずいってほんと・・・!」

 

不測の事態に焦った俺は咄嗟に川崎の腰に手を回して彼女の身体の動きを抑えようと試みる。だがそれでも彼女の動きが止まることはなく、反ってお互いの身体の密着度合いが増して更なる興奮材料を生んでしまった。

 

「うぐぐ……ぐっ………ギギギ………」

 

猛烈に押し寄せる射精感を何とかして堪えようと俺は歯をくいしばって腹筋に力を込める。無論これでどうにかなるモノでは無いというのは分かっているが、だからといって力ずくでどうこうはしたくない。

 

 

久しぶりに再会した川崎は少し強引で少し自分勝手な一面を見せたが、それは俺も同じだ。内心彼女の好意に甘えて彼女からの施しに期待していた。だから、贖罪と言う意味では俺も川崎に謝らないといけない。

 

「すまん、川崎・・・俺は・・・もう」

 

「・・・ひきがやぁ・・・・!」

 

限界だ、出る。俺がそう言いかけた瞬間、川崎が何とも切ない声で俺の名前を口にして哭いた。それはあまりに唐突なことで、思わず吃驚してしまった俺は全身に込めていた力をつい緩めてしまった。そしてその結果―――

 

 

「・・・あっ・・・・」

 

 

ドピュルルルッ ビュッ ツクッ クッ

 

 

俺と川崎、そのどちらの呟きとも知れず、俺たちは互いに果てた。脱力した川崎が俺の身体の上に倒れこむ。その衝撃に堪らず口から息を漏らしつつ俺は静かに彼女の中に精液を吐き出す。

 

そんな最低最悪の行いをしている最中、俺の脳内にはこれまで感じたことの無いレベルの強い多幸感が沸き上がり、やがてオーバーフローを起こした脳ミソは主である俺の意識を真っ白に染め上げる。

 

 

薄れ行く意識の中、俺は脳裏に誰かの後ろ姿を見た。

 

 

 

 

 

 

気が付くと俺は布団の中に居た。ふかふかの掛け布団が肩の上までしっかりと掛けられている。だとしても妙に暖かいなと思い自身の身体に目をやれば、行為の最中に脱ぎ捨てた筈の衣服が元通りになっている。

 

部屋の中がとても薄暗い。行為の最中はまだ夕方で窓の外から夕陽が差していたのだが、今はそれが月明かりに変わっている。どうやら俺が意識をやってからそれなりの時間が経過したらしい。

 

覚醒したばかりで朧気な意識の中、ふと目線を正面に向けると俺のすぐ傍で川崎が頭と身体をこちらに向けた状態で眠っていた。

 

彼女も俺と同じで衣服を身に付けている。ただ彼女の部屋着姿はこの時が初見だった為に、俺は思わず彼女の姿に見入ってしまう。

 

川崎は俺に貸して寄越したパジャマの色違いを着ている。もちろん俺と違って出るところはちゃんと出ていて引っ込むところはちゃんと引っ込んでるのだが。

 

……っと、いかんいかん。こんなまじまじと女の子の身体を眺めていて当の本人は実は始めから起きてましたぁなんて事があったらもう目も当てられない。

 

そんな最悪の想定もしつつ俺が恐る恐る視線を川崎の顔の方に移すと彼女は柔らかな表情ですぅすぅと小さな寝息を立てていた。

 

ある種のトレードマークとも言える彼女の目元にある泣きぼくろが月明かりに照らされてキラキラと輝いている。その様が妙に神秘的に見えて俺は暫しの彼女の顔を見つめてしまう。

 

女の子のパジャマ姿に見惚れたと思ったら次はこれかよ………自分で言うのもなんだが、男ってのはホント単純だよなあ。

 

……うっ、そんなことを考えていたらまた股間の辺りがムズムズと………って、いやこりゃ尿意だわ。確か浴室の隣にトイレがあった筈だ、部屋の主に断りも無く勝手に借りるのは気が引けるがこれは仕方ない。

 

眠る川崎を起こさないようコッソリと布団から抜け出して俺は一人暗がりの中トイレへと向かう。

 

 

 

ジョボボボボッ

 

……っふうっ、おー出る出る。そういや、ここに招かれてからこれまで一度も小便してなかったっけ。そりゃこんだけ大量に出る訳だ。うー………

 

ジョボボボボッ

 

…………実際そこまで出してないよな……多分、三回目だったし………。出した時すげーあり得ないくらい気持ち良かったから、正直全然覚えてねえ………。

 

チョロロッ……ロッ……

 

いやいや、馬鹿か俺は。量がどうとかは関係ない、中出しは中出しだ。責任逃れも甚だしい。

 

川崎だけに全てを背負わせたりしないと息巻いて立ち回った結果がこの様か? 最悪を回避どころか最低最悪じゃねえか。何をやってんだこの大馬鹿野郎が。

 

俺は取り返しのつかないことをした。それこそ一生かけても償いきれないくらいの大罪を犯してしまった。

 

俺はこれからどんな顔をして彼女と接したら良いんだ。そもそも彼女は俺のことを許してくれるだろうか。

 

今回のことで川崎の俺に対する信頼は地に落ちただろう。私生活で苦労を抱えている彼女が俺みたいな奴を相手にするメリットはもはや何処にも無い。

 

 

ならその先に待つ結末は………………

 

 

カコッ ジャアアアアッ

 

 

トイレを借りて出すものは出せたが、内心は最悪だった。暗がりの中で俺は少しの間その場に立ち尽くす。

 

部屋に戻ればそこには川崎が居る。そんなの当たり前のことだが、一度意識してしまった以上それがどうにも恐ろしく感じてしまう。

 

様々な想いが頭の中を巡る。起き抜けの脳ミソに過度な負担をかけてしまったせいか、不意に足元がふらついて俺は咄嗟に傍にあった物体に手を突いて何とか転倒を免れる。

 

暗がりでそれまでハッキリ見えてなかったが、その設置物の正体は乾燥機だった。

 

………そうだ、もしもあの時のままだったら、この中に俺が元々着てた服が入ってるんじゃないか?

そう考えた俺は乾燥機の蓋を開けて中に手を突っ込む。すると乾燥機の中には俺の服がそのまま残っていた。

 

そうして自分の服をその手に掴んだ瞬間、俺の頭の中にある考えが浮かんだ。

 

 

だが、そうするともう二度と川崎とは会えなくなる。

 

でも、そうすることで川崎は二度と俺の顔を見なくて済む。

 

 

………彼女に対しての責任はどうなる。彼女の抱えている悩みについて聞いてそれを解消してやりたいと考えたんじゃないのか。

 

それに俺は自分の過ちについての責任も取らないといけない。もしも、もしもだ、もしも川崎が妊――――

 

 

バチン!!

 

 

自分という男が最低最悪を通り越して下衆の極みに成り下がる前に、俺は自身の頬を手で強く叩いた。

 

 

バチン!! バチン! バチン!

 

 

俺は疚しい気持ちを持って川崎と仲良くしたいと考えた訳ではない。本当に何気なく、自然と心の底からそう思ったんだ。

 

彼女と接して感じた様々な気持ちを一過性の物にはしたくない。今の俺にとってはこれが全てだから。

 

その気持ちを守る為なら俺は何だってする。これまでも色々と策を弄してやってきたんだ、今更それが出来ないなんて事は無いだろう。

 

 

………まっ、俺の気持ちどうこう以前に相手に拒否られたらそこで試合終了なんですけどね。

 

 

 

 

 

俺が部屋に戻ると川崎が布団から起きて座り込んでいた。相変わらず部屋の中は薄暗くてここからだと彼女の表情などを伺い知ることは出来ない。

 

それでも何となく、川崎の眼差しが俺の方へと向いていることが分かる。彼女は何を言うでもなく、只々こちらの様子を伺っているようだ。

 

それは奇しくも”あの瞬間”を彷彿とさせた。

 

あの時の俺は自分の本当の気持ちを二人に伝えるのが怖くなって逃げ出してしまった。さっきは違う意味で逃げ出しそうになったが、今はもうその気持ちは消え失せた。今はただ目の前の一人の女の子と向き合う。

 

「・・・・川崎」

 

この気持ちをどう言葉にして伝えたら良いのか分からない。でもその気持ちを言わないで黙っていたら、そこで言の葉は途切れてやがて胸に抱えた思いすらも届かなくなってしまう。

 

あんな苦い思いをするのはもう懲り懲りだ。だからせめて、今の自分が抱えている思いを何でも良いから形にして伝えてから散りたい。

 

 

「俺は・・・・・・」

 

 

 

 




ひとまずここで今回のお話は終了です。次回この二人のアフターを一話書いてその次の二人目のヒロインのお話に移ります。
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