こんな狭い空間でこれほど近い距離でこの様な格好で自分と同い年の女の子に背中を洗われることになるとは思ってもみなかった。
「ハァ・・・ハァ・・・なあ・・・・?」
「ん・・・? なに・・・・?」
ゴシゴシ ゴシゴシ
「その・・・背中、もういいぞ。洗い終わってるだろ?」
「・・・・そうだね」
ボディソープをたっぷり付けたボディタオルで俺の背中一面を泡まみれにした川崎の手が止まる。
ずっと彼女に背を向けているせいで彼女の顔色がこちらからではハッキリと伺えない。さっきみたく鏡を使って覗き見るのもアリだろうが、見ていることに感付かれた時が怖い。鏡を通して女の身体を覗き見るだなんて、変態その物じゃねえか。
「じゃあ今度は前洗うね」
「おう・・・・へっ?」
川崎の両手が俺の脇の横をすり抜けて俺の身体の前面まで伸びてくる。自身の背中に彼女の存在を強く感じる。
ゴシゴシ ゴシゴシ
やや荒い彼女の息づかい。お互いの身体が時折触れ合う。どの部分がとかはもはや関係ない。何処が何と当たっても感じる刺激は同じだ。
「ちょっ・・・・おおっ!?」
「暴れないで・・・あたしの身体に泡付くから」
決して厚い素材で出来ていないボディタオルを通して、川崎の手のひらの感触を身体のあらゆる部分に感じる。
胸板、両腕、そして腹。男のそれとは明らかに違う艶のある綺麗な肌の腕が俺の身体を嘗め回すように動く。
彼女の側から唯一死角となっているであろう俺の股間はもう手で触らずとも勝手に暴発してしまいそうな状態にまでなっていた。唯一の心の拠り所になっているハンドタオルがしっかり盛り上がっている。そのタオルと肉棒が擦れる刺激でさえ今の俺には辛い。
「脚まではちょっと・・・こっちからじゃ届かないね」
「ももっ、もう充分だ! 結構、ありがとうございました!」
「どうせなら最後まで洗いたかったんだけど、これじゃ仕方ないか」
そう言って川崎は俺の脚の太ももにボディタオルを乗せてきた。これでようやくこの緊張の一時が終わるのだと思うと自然と口から安堵のため息が漏れた。
「残った部分と頭は自分で洗って。その間にあたしお風呂浸かっちゃうから」
「あ? ちょっと待て。お前も風呂入るのかよ」
「え? 何かおかしい?」
川崎が立ち上がって湯船に身体を移してお湯に浸かる。それと同時に彼女の存在、彼女の視線が俺の身体の横側に移る。
「いや、おかしかねえけどよ・・・・というか川崎さん。こっち見ないでもらえますか」
「あー・・・いや、あんたがちゃんと身体洗うかどうか気になってさ」
「子供じゃあるまいし、それくらいちゃんと出来る」
「そっ? じゃあ早くしてね。お風呂あがったら今度はあたしが身体洗うから」
「おっ・・・おおおう」
もう俺に自由の意思はない。こうしているとまるで本当に子供の頃に戻った気分になる。
しかし子供の頃とは違う部分がある。脚には脛毛が生えているし、股間には・・・・。
待て・・・川崎の目の届きやすい今のこの状況で”そこ”も洗わないといけないのか・・・・?
「・・・どうしたのさ。ボーッとしてないでちゃっちゃと済ませてよ」
「お・・・・おう」
俺は太ももにかかったボディタオルを手にとって、股間にかけたタオルが落ちないように細心の注意を払いながら両足を擦る。
じっくりと時間をかけて、この状況の打開策を頭の中で必死に考える。
しかし性的興奮が完全に頭の中を支配してしまっており、何も考えられない。意識していないと、あまりの興奮に身体が小刻みに震える。
「”そこ”もちゃんと洗ってね。あたしが汚しちゃったし」
俺の気心を知ってか知らずか、横にいる川崎が浴室の天井を仰ぎ見ながら無慈悲にそう告げた。川崎の言う”そこ”とはつまり俺の思っているものと同じものだろう。
「・・・・お前の居る横でか?」
川崎のそんな態度に、俺はここにきて少し苛立ちを覚えた。自分が俺の立場になったら、お前は素直にそうすることが出来るのか? 無理だろ。あれやこれやと理由をつけて俺をここから追い出すに違いない。女ってのは例外無くここまで自分勝手なのか?
「あたしは気にしないよ。・・・別にあんただし。嫌ならそもそも男に自分の家のお風呂使わせたりしないよ」
どうやら川崎は俺に対して驚くほどの信頼を寄せているらしい。いや、信頼とは限らないか。まあ何にしても心を許してくれていることに変わりはない。
「じゃあお言葉に甘えて洗うことにするわ」
これ以上状況が変わるとも思えない。俺はなるたけ心を無にして、タオルを上に覆ったまま肉棒をソープを塗り込んだ手で必要以上の刺激を与えないようにしながら撫でる。
「タオル取ってもいいのに」
「無理だろ」
川崎はもう完全に俺のことを見ている。最初彼女から感じた恥じらいも、今ではすっかり消え去っている。自宅だからという安心感でもあるのか。・・・俺だからなのか。
「わっ・・・凄いおっきい。どうなってるの・・・それ」
「”それ”も”これ”も、みんなお前のせいだよ」
俺は皮肉の意味を込めて、ぶっきらぼうにそう答える。
「そう・・・だよね。・・・・分かった」
ザバァ
そう音を立てて川崎が湯船から立ち上がった。
「やっぱり最後まであたしが洗うよ・・・・心残りになりそうだし」
川崎がそう告げた後、俺の背中に重みが加わる。
彼女が、川崎が後ろから俺に抱き付いてきたのだ。