※この作品はR-18です。

継母の連れ子が元カノだった、いまは僕の父親とヤってる   作:大中小太郎

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一夜目(挿絵追加)

【一夜目】

 

 

 

その日、僕は夢を見ていた。

視覚と聴覚だけの傍観者になって、自宅のリビングにいた。

 

なぜこんな幽霊みたいな状態に? という疑問も覚えなかった。

夢の中なんてこんなものだろう。

感覚の中心は視覚で、声は聞くというより脳内に生じるもので、体の認識はふわっとしている。

幻覚の中に浮かぶ浮遊霊のように、目の前の情景を疑問なく流し見るだけだ。

今宵、僕はそのような『視点』となっていた。

 

リビングでは、父の峰秋が晩酌をしていた。

なんの気まぐれか、滅多に飲まない酒で、すっかり酔いが回っている。

 

その妻であり、僕の義母である、由仁さんの姿はない。

僕に至っては上述の通り浮遊霊めいた状態なので、やはり居ないも同然だ。

 

「~~♪」

 

そんなリビングに聞こえてくる鼻歌と足音。

鼻歌は、最近どこかで聴いたアニメのOP曲かED曲。

 

現れたのは――結女だった。

 

中学時代の恋人であり、別れた後に親の再婚で義理のきょうだいとなった女だ。

 

リビングに入ってきた結女は――バスタオルを体に巻いただけの艶姿だった。

 

「結女?」

「え? きゃっ、峰秋おじさん!?」

 

結女はそこに義父がいたことに驚いた。

 

(あいつ、いるのは僕だと思ってたな?)

 

現実で、僕は結女にああいうからかいを受けたことがある。

その誤爆だ。あのバカな元カノは、義理の父にあんな姿を晒したのだ。

 

見るな親父! と叫びたいが、視覚と聴覚だけの僕に声は出せない。

 

「その、お風呂上がりか?」

「ええ、その……ごめんなさい、お見苦しいものを」

 

結女は顔を真っ赤にして、タオルの上下を動かし、胸や股を隠そうとしている。

父はそんな結女にたっぷり見とれた後で、コホンと咳払いした。

 

「そうか、結女は由仁さんとの母子家庭だったものな。そういう癖があっても不思議じゃないか」

「そ、そうなんです! 決して誰かを誘惑しようとか、そんなつもりじゃなくて……」

(いいから服を着ろよ)

 

僕はそう思うが、父は違う意見だったようだ。

 

「そうか。由仁さんがそれでいいと言ったなら、僕も構わないよ。湯冷めにだけ気を付けなさい」

「むっ」

 

笑って流す父に、結女は不満を抱いたようだ。

私の素肌に魅力はないというのか――と。

 

「そうですか。ではおじさんの許可もいただいたことですし、この格好でいさせてもらいます」

 

結女はそう言って、父に対してソファーの対面席に腰を降ろした。

堂々と冷蔵庫から飲み物を取り出して卓上に置き、ここで寛ぐ意思を見せている。

そして、タオルをぎりぎりまで緩めて、胸元や太股を見せつけていた。

 

(このバカっ、僕はともかく、義理の父にそんなことしてどうする!)

 

という僕の声も、二人には聞こえていない。

姿も見えていないようだ。

寒気がした……漠然と流していたけど、現状の僕には、見ていることしかできないのだ。

この後――何が起きたとしても、止めることはできないのだ。

 

「…………」

「…………」

 

父と結女の間に、妙な沈黙が続く。

父にとって結女は、二週間ほど前に義娘となったの子だ。

まだ父にとって結女は、再婚相手の連れ子、会って間もない女子高生だろう。

 

その顔は明らかに結女の体を凝視していた。

結女が視線を感じて頬を染め、身じろぎするほどに。

 

「……ごくっ」

 

そのとき、結女は卓上のグラスを手にとって、羞恥を誤魔化すように飲む。

 

「あ、それ僕のお酒だよ?」

「えっ!? やだ、ごめんなさいおじさん!」

 

結女は慌ててグラスを置くが、飲んだアルコールは吐かない限り戻らない。

結女はたちまち顔を赤くして、顔をとろんとさせてしまった。もう酔ったのだ。

 

「まったく、義理とはいえ父親の前で未成年飲酒とはいい度胸だね?」

「ごめん、なさい……そうだ、お水でも飲めば……」

 

アルコールをどうにかしようと、結女はその場から立ち上がる。

 

「あっ」

「危ない!」

 

酔いでバランスを崩した結女を、素早く動いた父が抱き留めた。

それ自体はいい、何も悪くない。

 

ただ、バスタオル姿の娘が、義理の父の腕に収まる絵面は、ひどくインモラルだった。

 

「あっ、おじさん……」

「怪我はないかい? 足を捻ったりは? 慣れてないのに急に動いたら危ないよ」

 

自分を心配そうに見下ろす父に、結女は急に頬を染めて視線を泳がせた。

思えば結女は、まだ父のことを「峰秋おじさん」と呼んでいる。

結女にとっても、流石に母と再婚したばかりの夫は、年上の異性なのだろう。

 

「あ……はぁ♡」

「…………」

 

酒のせいか艶っぽい息を吐く結女に、息を呑む父。

明らかに、お互いのことを『親子』ではなく、『異性』だと思っている。

父が結女を意識することは、許しがたいが、同じ男として共感しなくもない。

だがそれ以上に、結女が父のことを異性として意識している姿が、ひどく癪に障った。

 

(おい、早く離れろよ……)

 

僕は、動かずに見つめ合う二人に、強い危機感を覚えた。

 

「動けるかい?」

「それ、が……なんかふわふわして、立てないです……」

 

そう答える結女の顔は上気しており、ひどく扇情的だった。

本当に酒で動けなくなっているのか、いまだに父を誘惑する火遊びを続けているのか。

どちらにせよその全身からは、フェロモンのようなものがまき散らされていた。

ただ傍観しているだけの僕ですら、あまりの色香に息を呑むほどに。

 

(やめろ。おい、止めろ!)

 

どちらに対して言ったのか。

父を誘惑するようなことをしている結女にか。

それとも、結女を片腕で抱いて、もう片方の手を結女に伸ばした、父に対してか。

どちらにせよ、分かっていた通り――僕には、その先のことを止められなかった。

 

○

 

「あっ♡ おじ、さん。ほっぺ、触っちゃ、だめ……離して……離して、ください」

 

ただ父に頬を触られただけで、結女は身をよじり始めた。

頬と背中にしか触れられていないのに、まるで性感帯でも愛撫されているかのように。

 

「ごめん、なさい♡ あうっ♡ お酒のせいか……私、体が、変なんです♡ はぁ……っ」

「そうか……」

 

父の腕の中でぴくぴくと震える結女に、父が生唾を呑み込んだ。

僕はその目の色に、危険なものを予感した。

容姿こそ僕の父だが、その中身が別物なのではないかとすら思う。

少なくとも、腕の中の結女に強い情欲を抱いているのは明らかだった。

 

(バカヤロウ! そんな痴態を父さんに見せるな! 父さんも結女をそんな目で見るな!)

 

僕は最悪の展開を予想して、聞こえないことを承知で叫んだ。

 

聞こえなかったので――予想した通りのことが起きた。

 

「結女!」

「きゃあっ!?」

 

父が結女に覆い被さった。

両手を床に押さえつけて、首筋や胸に顔を擦り寄せ、結女の体を堪能し始める。

 

「いやっ! おじさん、やめ、あんっ♡ 止めてくださいっ。私、そういうつもりじゃ、あっ♡」

「嘘をつけ。そんな格好で誘惑しておいて、いまさら何を言ってるんだ?」

「んむっ!?」

 

父の唇が、娘の口を塞いだ。

その光景を見た僕の脳裏で、何かが爆発した。

 

(止めろっ 何やってんだよっ!!)

 

僕がいくら叫んでも届かない。

僕の目の前で、父と娘がキスをしている。

僕の元恋人が、僕の父親に押し倒されてキスをされている。

喉が枯れるほど叫んでも届かず、伸ばそうとした手は触れず、ただ視点が間近になるだけだった。

 

「ぷはっ……あっ♡ おじさん……ダメです、こんなことしたら、お母さんが……」

「お母さんは、ここには居ないだろ?」

「そういう問題じゃ……んあっ♡」

 

父が結女の首筋や鎖骨にキスをすると、そのたびに結女は快感の声を上げた。

 

(おい、なにやってるんだよ結女! ちゃんと抵抗しろよ!)

 

あれじゃ抵抗になってない。むしろ恋人に少し強引に迫られている程度じゃないか。

 

付き合ってた頃の僕にさえされなかったことを、よりにもよって僕の父にされながら、感じてるって言うのか!

 

「水斗が、水斗を呼びます!」

「水斗も、ここには居ないよ?」

 

そう、由仁さんはもちろん、僕もまた居ないも同然。

父がそれを知っている風なのが気になったが、重要なのはそこじゃない。

 

「そ、それじゃ……この家にはいま、おじさんと、私だけ?」

「そういうことになるね」

「やだ、おじさん、止めてください。どうか落ち着いてっ。こんなことっ……」

 

義理の父に犯される――その恐怖心に震えながら、結女は父に懇願した。

そのくせ頬は上気しており、全身から立ちのぼる色香は増すばかりだ。

父は――結女の上から退かなかった。

 

(このクソ親父! 結女から離れろ!)

 

叫ぼうとするだけ無駄だった。

殴ろうとする腕もなく、庇おうとする体もない。

浮遊霊めいた僕にできることは、なにもなかった。

 

「大丈夫だよ、結女。怖がることなんてない」

 

父は、結女の両手を頭上で交差させて、その両手首を片手で掴む。

結女は手枷で拘束されたような両腕をふりほどこうとしたが、女の細腕では無駄な抵抗だった。

 

「やだっ、『お義父さん』っ、お願いします! いまならっ、全部なかったことにしますから!」

 

結女は父のことを、『峰秋おじさん』ではなく『お義父さん』と呼んだ。

自分たちは義理の親子であり、このような真似はいけないのだと、訴えるためだったのだろう。

それでも、薄く笑った父の目から、結女への執着が消えることはなかった。

 

「大丈夫だよ、だって――」

 

父はもう片方の手で、結女の裸身を隠していたバスタオルを掴む。

結女は次の展開を予想して顔を赤くし、僕はただ食い入るように見ることしかできない。

 

「――これ、夢の中のことだからね」

 

そう、これは僕の見ている夢だ。

 

夢の住人である父が自らそう言うのは、どこか奇妙だが、そんな父も含めて僕の頭の産物だ。

父に押し倒されている結女もまた、眠る僕が紡ぎ出したイメージに過ぎない。

過ぎないと……分かっているはずなのに。

目に見える結女の肌があまりに鮮明で、耳に聞こえる結女の悲鳴がひどく明確で。

父が結女を襲うその光景は――心理的には、現実と変わらなかった。

 

「お義父さんっ、やめっ……あっ♡ 胸、触っちゃだめっ」

 

バスタオルを剥がされ、露になった結女の乳房に、父の手が触れる。

元とはいえ恋人であった僕が、見たことも触れたこともない結女の胸に。

はっきりと膨らんでいて形のいい美乳に触れたのは、僕ではなく父だった。

 

「ははっ、なんだよ結女、すごく感じてるじゃないか!」

「体が変だって、さっき……んあっ♡ やめ、もう、許してっ。こんなっ、あんっ♡」

 

父は結女の半球を片手で揉み、もう片方の乳首に吸い付いた。

 

「ひぁぁっ♡ やだっ♡ 離してっ、舌っ、だめぇ♡」

 

結女はその刺激を受けるたびに、床の上で大きく身を逸らし、嬌声を上げている。

真っ白な脚が床をつき、細い腰をくねらせている。

逃れようとしているのだろうが、覆い被さった父を退けられない。

それどころか、傍から見る僕の目には、かえってその動きが淫らに見えてしまった。

 

「ふあっ♡ 噛んじゃ、やぁっ♡ これっ、こんなのっ、おかしっ♡ あああっ♡」

 

左右の乳房を交互に吸われては揉まれる結女。

その口から出る声には、明らかな官能が聞き取れた。

ケダモノのように欲情した男と、信じられないほど感じやすくなっている女。

二人の情交を止めることは、ものにも触れられない僕には不可能だった。

 

「やだっ、おじさんっ、本当に、やめ……ふあっ♡」

「お義父さん、だろう? お仕置きだ」

 

父の唇が結女の上半身を唾液まみれにした頃、ついに父の手が結女の股に伸びていく。

 

「やっ、お義父さん、そこはだめぇっ!」

 

首を振って拒絶する結女の声は、すぐ女の喘ぎ声に変わった。

 

「ふあああっ♡ 指っ、お義父さんの指がぁ♡ そこっ、いじっちゃだめですぅ♡」

「これは、びっくりするくらい濡れているぞ。ほら、聞こえるかい?」

 

くちゃくちゃと音が鳴り始め、結女の顔はさらに赤くなった。

 

「いやぁ、音ぉ♡ 聞かせないでぇ♡ 変なのっ。私の身体、最初から変だったのぉ♡」

「そういうものだよ。この夢の中では、そうなるものなんだ」

 

父の手淫に震えていた結女が、『夢』という父の言葉に反応する。

 

「夢? これ、夢?」

「ああそうさ。ほら、イかせてやるよ!」

「ひゃうんっ!?」

 

結女の身体が大きく跳ねた。

父の手が何かの機械のように小刻みに動き、陰核と陰唇をまんべんなく擦る。

 

「お義父さんっ、私もう、ダメなのっ♡ 止めてっ♡ 手を止めてぇっ♡」

「駄目だよ、僕にイカされるところを見せてごらん! そらっ!」

「んああああああっ♡♡♡」

 

結女が、自宅のリビングの床で、義理の父の手淫によって、愛液を噴き出した。

反り返る全身、窓が震えるほどの嬌声、本気で絶頂している女しかしない反応だ。

 

「はっ♡ ああっ♡ ああぁぁ♡」

 

よほどの絶頂だったのか、結女は意識を朦朧とさせていた。

体はぐったりと脱力して床に倒れ、荒い呼吸を繰り返している。

 

「ほら、こんなに噴いたのに汚れてないし、明らかに処女な結女には処女膜もない。

 だったら、こういうことをしてもいいだろう?」

 

父は確信を得たという表情で、ズボンのベルトを外し、チャックを降ろす。

 

(止めろよ……父さん、もう止めてくれよ……そこは、せめてそこだけは……)

 

僕の祈りは、当然届くはずもなく――ただ父の異様な巨根を目にするだけだった。

 

「うそっ、お義父さん……それは、それだけはっ」

 

逃げようとした結女の足を、父の手が掴んで引っ張る。

小動物のように軽々と運ばれた結女は、その秘所に怒張の先端をあてがわれた。

 

「やめっ、ひぁぁぁぁっ♡」

「おや、先っぽが触れただけでそれかい? はは、随分とセックスに都合のいい夢だな」

 

入口を亀頭で擦られただけで、結女は動けなくなるほど絶頂していた。

そんな状態では、父の挿入を拒めるはずもなかった。

 

「行くぞ、結女。その体、僕のものにするからな!」

「らめぇ♡ どうか、お願いしま――あっ♡ ああああぁぁぁぁっっっっ♡♡♡」

 

父の陰茎が結女の膣内に沈んでいく。

その過程で、結女は痛みではない絶叫を上げると、何度も体を反らして愛液を噴いた。

 

(まさ、か……結女、挿入されて、イったのか?)

 

おかしいだろう。エロ漫画じゃあるまいし、処女でそんなことありえない。

それでも、顔を紅潮させて体を反り返らせた結女の姿は、そうとしか見えなかった。

 

「うそ、わたし、はじめて、なのに……ふあっ♡ 痛くない、イちゃってるぅ」

 

結女はもう正常な思考を保てていなかった。

自分の体に起きたことが信じられないという表情で、目の焦点を乱している。

 

「難しく考えることはない。結女も気持ちよくなれっ!」

 

父がそう言って腰を動かすと、そのたびに、結女は激しい快感の声を上げた。

 

「らめえぇっ♡ お義父さん、無理ぃ♡ 知らないっ♡ こんな風になるなんて知らないのぉ♡」

「僕だって知らなかったさ。結女がこんなに感じやすくて快感に弱い女だったとはね!」

「わかんなぃ♡ 私の身体どうなってるかわかんないっ♡ イってばかりで分からないよぉっ♡」

 

バスタオルを敷いただけの床をベット代わりに、結女はもう幾度もオーガズムを味わっている。

もはや父を拒否することも諦めたのか、結女の両手は父の背中に抱き付いていた。

 

「くうっ、なんておまんこだっ! 結女、もう出るぞ!」

「やぁっ、らめっ♡ 中はらめぇっ♡ ぜったいらめぇぇぇっ」

「夢だから妊娠なんてしないさっ! 中出しの気持ちよさを味わえ!」

 

そう言った父が腰を痙攣させる。

見ているだけで、結女の膣内に何かが炸裂していることが分かった。

 

「んあああああぁぁぁぁぁぁっっっっっっ♡♡♡」

 

ガクガクガクガク! と、結女は全身を痙攣させていた。

目から光が失われて、目の前にある父の体に必死に縋りついている。

 

「はひ♡ ふぇあああ♡ あちゅい♡」

 

一瞬の気絶から戻った結女は、口から涎を零しそうなくらい、恍惚とした顔をしていた。

 

(ちがう……あれは、結女じゃない!)

 

僕は、無い腕で、無い頭を抱えながら、必死に考えて言葉にする。

ここは僕の見ている夢だ。僕の非常識な状態が証拠だ。事故死して幽霊になった覚えもない。

 

(だからあれは、そう、僕の妄想が生み出した虚像だ!)

 

そうに違いない。どう考え直してもそれが一番妥当な答えだ。

僕の年相応の性欲が、何かで聞きかじった官能作品を元に、こんな歪んだ光景を描いているんだ。

 

だが……そうだと分かったから、なんだと言うのだろう?

結女が父に抱かれていて、父が結女を抱いているという光景は、夢と知っても消えてくれない。

自力で覚めることができない夢は、いまこのときの僕にとって、現実となんの違いもなかった。

 

○

 

(夢だ、夢だ、夢だ、夢だ!)

 

――悪夢はまだ続いている。

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

「ははっ、結女も愉しんできたな。腰の動きで分かるよ」

「ふあっ♡ やあっ♡ 言わない、でっ♡ 突き上げちゃ、だめですぅ♡」

 

床の上で体面座位になった父と結女は、濃厚なキスを交わして腰を互いに動かす。

父も服を脱ぎ、筋肉質な体で結女を抱き寄せ、結合部を起点に結女を揺らしている。

一糸まとわぬ姿の結女は、汗ばんだ裸身に乱れた黒髪を絡め、甘い声で鳴いていた。

 

「奥っ、奥だめっ♡ そこだめなのっ♡ 全身になにかビリビリしたの走るのぉっ♡」

 

結女はもう父を拒んでいなかった。

一度やってしまったなら、終わるまで付き合うしかないという、女の諦めだろうか。

それとも、体験してしまったセックスが、あまりにも気持ちよくて、止められなくなってしまったんだろうか。

 

「繋がってると分かるよ。結女も思ってるだろう? どうせ夢なら気持ちよさを愉しもうって」

「それはっ、こんなのどうしようもないからっ♡ お義父さんの、言うこと聞くしかなくてっ♡」

 

結女はもう自分の悦楽を否定していなかった。

なるべく父と目を合わせないよう背けているが、その顔は快感に歪み続けている。

義父に性的暴行を受けているという夢を、悦楽によって許容してしまっていた。

 

(覚めろ、覚めろ、覚めろ、覚めろ……っ!)

 

僕が必死に自分へ言い聞かせる間にも、二人はセックスの場所を変えていく。

 

「どうだっ! バックで突かれるの気持ちいいだろう!?」

「あああっ♡ おっきい、お義父さんのっ♡ どすどすってっ、突き込まれてぇっ♡」

 

父は結女を立たせ、テーブルに手を付かせると、バックで腰を打ち付けていた。

子宮口まで届くほど、巨根を根元までねじ込んで、尻と腰がぶつかる音を木霊させている。

結女は半開きの口から涎を垂らし、自分の体に起きている快感をそのまま口にしていた。

 

「気持ちいいなら正直に言いなさい! セックスするときの礼儀だろう!」

「気持ちいい♡ 気持ちいいですぅ♡ いいっ♡ 夢ならいいっ♡ 私、気持ちよくなるっ♡」

 

あんな乱暴すぎるピストン、現実だったら痛さで嫌がるに決まってる。

なのに、どうやらこの夢の中では、快楽を妨げる苦痛は都合良く排除されているらしい。

結果として、結女は、突かれれば突かれるほど感じて達してしまう、男にとってひどく便利な体になっていた。

 

「くふぅ! また出る!」

「あああっ、また中出しぃぃぃ♡♡♡」

 

背後から膣内に注ぎ込まれた男の溶岩流に焼かれて、結女はまたオーガズムに打ち震えた。

テーブルに胸や頬を押しつぶして間抜け面を晒し、足の間から床へ愛液をまき散らす。

恥も外聞も無い、あまりの絶頂で体裁を失った女の姿だった。

 

(終われ、終われ、終われ、終われよ……)

 

僕がいくら念じても、まだ夢は終わらない。

現実の体ではないせいか、父も結女も、体力の限界を感じさせることはなかった。

きっと、父が満足して結女を解放するまで、この背徳の情事は続くだろう。

 

「ほらっ、これが騎乗位だ!」

「んぁあっ、ああっ♡ 深い♡ これダメぇ♡ 奥でっ、子宮でっ、体がっ、浮いちゃうっ♡」

 

ソファーの上、仰向けになった父にまたがって、結女は突き上げられている。

長い黒髪と乳房が上下に揺れて、手は父の胸板に触れて体を支えていた。

 

「結女、可愛いぞ。本当に気持ちよさそうだ。ほら、動いてごらん」

「動いて、ますぅ♡ 腰、勝手に、動いちゃうぅぅ♡」

「そうじゃない。こうやって腰を落として前後に、こうだ」

 

父は結女の腰を掴んで、自分のいいように縦回転させる。

すると結女は目を見開き、体を仰け反らせて、居間の天井に嬌声を響かせた。

 

「きゃぁぁぁんっ♡ これっ、これぇ♡ 奥がっ、ごりごりされてぇ♡」

「ポルチオ気持ちいいだろう? 慣れればいくらでもイけるようになるぞ」

「やあっ、だめっ、教えないでっ、そんなの体に教えないでぇっっっ♡」

 

結女が結女ではなくなっていく。

少なくとも、僕の知る結女からはかけ離れていく。

父が結女を抱くほどに、絶頂するほどに、射精するほどに。

 

「教えてやる。今夜中に、二度と忘れられないくらい、僕のことを刻んでやるぞっ」

「あ"あ"あ"あ"だめぇぇぇっ♡ もぉ許してぇ♡ イってますっ♡ いまイってますからあっ♡ なんどもイかされるのだめなのぉぉっ♡」

 

 

手を繋いだことがあった。

 

デートをしたことがあった。

 

つまらない贈り物をしたことがあった。

 

そのたび、照れ臭そうに、嬉しそうに笑っていた恋人がいた。

 

――いまここに、そんな彼女は、いない。

 

 

「くっ……!」

「ああぁぁぁっ♡ 熱いのぉぉぉ♡」

 

どくん、どくん。結女の中に白濁液が注がれていく。

父が射精するたび、昇天するほど達してきた結女は、完全に女の悦楽を覚えさせられていた。

 

「はぁっ♡ はぁっ♡ はぁっ♡」

 

父の胸に倒れ込んだ結女は、荒い呼吸を繰り返していた。

強すぎる絶頂の余韻だろうか、不定期に体がビクッとはねる。

 

「どうだった? 結女、愉しんでくれたかい?」

 

父は結女の黒髪を優しげに撫でながら問いかけた。

犯しておいてなにをぬけぬけと! と、僕の胸中に怒りの火が灯る。

 

「ん……♡」

 

しかし、父の胸中で心地よさそうにしている結女の顔を見て、怒りが吹き消された。

父の問いに返事はしていない、しかし否定もしていないし、撫でる手を拒んでいない。

そこに結女の本心が垣間見えた気がして、僕は呆然とする。

 

「じゃあ、続きは僕の部屋でしようか」

「きゃっ」

 

父はソファーから起き上がると、結女を抱いて立ち上がる。

 

「お、お義父さんっ。待って! もう、もうお終いに……っ」

「言っただろう? 『今夜中に』って。まだ夜は明けてないよ」

 

いわゆるお姫様抱っこで、結女がリビングから運び出されていく。

疲労しきった体ではろくな抵抗も出来ないのか、結女はされるがままだった。

 

「いや、無理です……もう無理……あんなの、またされたら、死んじゃう……っ」

「大丈夫だよ。セックスでイった女はみんなそう思うだけさ。すぐ大好きになる」

 

二人の声がリビングを出て行く。

僕の視界はそれを追わなかった。

 

(待て、待てよ……)

 

自由に身動きもとれない僕は、ありもしない腕を伸ばし、聞こえもしない声を出す。

 

(結女を、連れて行くなよ……っ!)

 

結女が父に連れ去られていく。

僕の元恋人が、僕以外の男にさらわれていく。

置き去りにされた僕の懇願に気付くこともなく、二人の姿は廊下に消えた。

 

少し時間をおいて、部屋の扉が閉じる音が聞こえた。

それと同じ方向から、結女の甘い悲鳴が、夜の我が家に小さく零れ始めた。

 

一人リビングに残された僕は、眩暈に襲われる。

 

(ああ、やっぱりだ……)

 

世界が薄れていく。

水彩画のようにぼやけて、僕の視界はどこかへ遠ざかっていく。

極めつけに、どこかから時計のアラーム音すら聞こえてくるじゃないか。

 

(やっぱり、夢だったんだ)

 

深い安堵感と共に、意識が薄れていく。

全ては夢であったということ。

その事実だけが、僕にとってなによりの救いだった。

 

○

 

結論から言うと、本当に夢だった。

リビングに結女と父がまぐわったような痕跡はなかった。

僕や由仁さんが家を空けていた事実もないし、結女と父の様子も普通だった。

結女が変わらず父を「峰秋おじさん」と呼んでいたのが、確信した理由のひとつだ。

というか、僕自身も夢を忘れていたので、これは後になっての確認だ。

 

どうやらこの夢は、夢の中で目覚めたときに『これまで』を思い出すらしい。

 

つまり僕は――またしても、この悪夢を見ている。

 

そう、全てが夢であったということは、『望まなくても見せられる』という意味だった。

 

「ちゅっ♡ れろっ♡ んっ♡ はぁ……♡ お義父さん……♡」

 

リビングから、結女の声が聞こえる。

前と同様、視覚と聴覚だけの浮遊霊となった僕は、廊下でそれを聞いていた。

 

夜の我が家、暗い廊下に光を流出させる居間の入口。

僕の視界は、水流に流される木の葉のように、そちらへ運ばれている。

その先で何が行われているかなんて、分かりきっていた。

 

嫌だ、見たくない!

 

そう思う自分とは、まったく逆の自分もいた。

あの先に、昨夜と同じ、結女の艶やかな姿があるなら……と。

僕の視界が結女の声に引き寄せられているのは、あるいはそのせいなのかもしれない。

 

(なんで、こんな、夢を……)

 

僕の意思とは無関係に演じられるこの夢は、いったいいつまで続くのか。

その答えを示すこともなく――今宵も淫らな夢が幕を開け、誰にも知られず閉じていく。

 

 

 

 

【一夜目・了】




ご一読いただきありがとうございます。

現実のNTRなら止めさせるなり遠ざかるなりできるけど、
悪夢は望んでなくとも見るものだし、解決策もあまりない。
水斗くんに恨みはないけど、真綿で首を絞められてもらいます。
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