継母の連れ子が元カノだった、いまは僕の父親とヤってる 作:大中小太郎
十五夜目
――伊里戸水斗(現実)――
ニーチェだったか、他の誰かだったか、こんなことを言ったらしい。
――夢は短い狂気であり、狂気は長い夢である。
夢を見ている人間は、正気ではない。
ここで言う正気とは、現実を生きる上で最適な状態であるということ。
夢を見ている最中に、そうある必要はない。
夢を見る人間が向き合うのは現実ではなく、自分の心と体だから。
体を休め、心を整理整頓して、明日と将来に向かうための準備をする。
心身が快適な状態なら快い夢を見るし、寝苦しさや心労があれば悪夢を見る。
その内容が支離滅裂で、時に狂気じみていても、それはある意味で『正常』なのだ。
夢が短い狂気であるとはそういうことだろう。正されている必要のない時間というだけで。
むしろ現実の基準で夢の内容を測って好悪をつけるのは、物差しで重さを量るくらい的外れだ。
では逆に『狂気』とはなにか。
決まっている――起きながらにして、夢を見ていることだ。
○
夏休みも残り僅かという残暑の朝。
誰もがそうであるように、我が家の内に異変など何も無いと確信しながら、リビングに入る。
そこで――結女と父さんが交わっていた。
「ふあっ♡ んんっ♡ お義父さんっ♡ 朝から、元気すぎですっ♡」
「結女こそ、こんなに腰を振ってくれてるじゃないか」
僕がよく読書をしているソファーの上に、父が腰掛け、結女がその膝に跨がっている。
呆然と立ち尽くす僕は、そんな二人を斜め後ろから見ていた。
肌を打つ音、粘液の音、肉同士が擦れ合い混ざり合う音。
全てが混じり合って耳を犯していき、思考が止まる。
「だってっ、気持ちいいからっ♡ お義父さんのおちんぽ私にぴったりで気持ちいいからぁ♡
擦れるとこ全部でっ、イっちゃうようにできてるからぁ♡」
制服をはだけた結女が、父の首に腕を回して、足を開きながら腰を前後させている。
父の肩に半ば隠れていても、揺れる乳房と黒髪が、しっかりと見えた。
逆に言えば彼女からも、僕が視界に捉えられる。
「あっ――『水斗くん』、おはよう♡」
唖然とした。
結女が……僕を見た。僕を認識した。
視界に映ったのだから当たり前のことなのに、なぜか僕はそのことに驚いていた。
「ああ、お前か。起こしちゃったかな?」
父もまた……僕を見た。
首をこっちに向けて、なんの邪気もない笑みで。
「…………」
言葉が出ない。
なぜ……『そんな状態』で、笑ってこっちを見ているのか。
なぜ、僕に見られていると知りながら、結女は胸も隠さず、父は腰を上下させるのか。
「なに……して……る……んだ?」
かすれた声で、途切れ途切れの言葉が、僕の口をつく。
結女と父は、そんな僕の様子こそおかしいというように、軽く笑った。
「なにって、お義父さんにエッチしてもらってるだけでしょ?」
「親子のスキンシップだよ。結女のおまんこが気持ちよくてなぁ」
眩暈がした。
目にした光景と耳にした言葉を、脳が処理できていない。
そんな僕に構わず、結女の嬌声が高まっていく。
「ああっ♡ だめぇ♡ イクぅ♡ もうイッちゃいますっ♡」
「よし、じゃあそろそろ――中に出すぞ!」
結女の動きが激しくなる。
絶頂へと駆け上がるために身体を動かしている。
僕が――見ているのに――僕の、元恋人が――僕の、父さんと――
「きてっ♡ はやく来てくださ……っ!! んおおぉお♡♡♡」
結女が大きく仰け反り、ビクビクと痙攣する。
父が射精し、結女の中を満たしているようだ。
僕が呆然としている間に、結女は盛大な絶頂を迎えて、父は膣内射精を果たしていた。
「…………」
真っ白になった頭の中で、妙な感覚を覚える自分がいた。
一生に一度もあってはならない光景を目にしているのに、なぜか『慣れ』を感じる。
まるで、覚えていないだけで、過去に何度も目の当たりにしてきたような――
「――――っっっ!!」
そんな錯覚を振り払って、目を剥き、口の端を震わせる。
「なにを、して――」
さっきと同じ台詞を口にしながら、二人を引き剥がすべく、足を前へ進めると。
「なにしてるの?」
――結女の声が『背後』から聞こえた。
「え?」
振り返ると、紛れもなく、結女がいた。
少し寝ぼけ眼で、キャミソールとハーフパンツの上からカーディガンを着ている。
ごく平凡な、寝起きの出で立ちをした、伊里戸結女だった。
「っ!」
顔を前に戻してソファーを確認する。
――誰も、居なかった。
結女も、父さんも、男女が交わっていた痕跡も、そこにはなかった。
「…………」
「なに? 幽霊でも見たような顔して……って、ちょっとやだ、まさか本当に!?」
結女は僕の様子をどう解釈したのか、警戒の表情でリビングを見回す。
何の変哲もない、ただの結女だ。
寝起きだから髪も整いきってなくて、服装もちょっとだらしない。
顔立ちも、胸の大きさも、さっき見た結女と比べると、あくまで相対的にだが控えめだ。
「……君、さっきまで、どこに?」
「部屋で寝てて、さっき起きたところだけど?」
嫌な汗を掻きながら訪ねると、結女は怪訝な顔で僕を見る。
「父さんは……」
「峰秋おじさん? この時間なら、もう出勤したんじゃないの?」
結女は居間の時計を見る。
確かに、父さんも由仁さんも出勤している時間だ。
夏休み中の学生を叩き起こして朝食を一緒にというほど酷な両親ではない。
「ちょっと、どうしたの? 大丈夫?」
結女はいよいよ、僕の体調不良を疑っていた。
結女はさっきまで部屋にいた、父さんはとっくに出勤している、さっきの光景と両立しない。
加えて――結女は父さんを『峰秋おじさん』と呼んでいた。
(じゃあ、さっきのは、幻覚……?)
そうだ。おかしいのはさっきの光景だ。
結女と父さんがあんな行為をするはずない。
思えば、夏休み中の結女が制服姿だったし、父さんは変に若かったし。
「ああ……なんでもないよ。ちょっと、白昼夢を見ただけで」
「江戸川乱歩? なに? どっかに屍蝋でも飾ってあるの?」
白昼夢と聞いてそう首を傾げる結女に、思わず笑いが零れた。
白昼夢とは、起きている間に不意の空想が映像として見えてしまうこと、つまり『妄想』だ。
薬屋の主人が殺害した妻を屍蝋にして店先に飾っていた方ではない。
「寝ぼけてたってことだよ」
僕はそう言って、冷蔵庫に飲み物を取りにいく。
――いつもの結女だった。
そんな当たり前のことに、なぜかとても、安堵していた。
あれは、白昼の悪夢であったか、それとも現実の出来事であったか――
そんな書き出しの怖さがしっくり来る、晩夏の朝の白昼夢だった。
○
昼前に、結女は外出した。
帰省中に結女と会えなかった南さんの要求で、夏休み最後のショッピングだそうだ。
いさなからも、それに誘われて同行するという主旨のメッセージがスマホに届いている。
よって、いま伊里戸家には僕一人。
間違いなく、僕一人しかいない。
なのに――
「んんっ♡ ふっ♡ あっ♡」
なぜか、結女の部屋から、悩ましい声が漏れ聞こえてきた。
「んっ、くぅっ……お義父さん♡ もっと♡ おっぱいも、触ってぇ♡」
通りかかった扉の前で、思わず足を止める。
そして無自覚に扉に近付き、向こうから聞こえる声に、耳を澄ませた。
「可愛いよ、結女。もっと鳴いてごらん?」
居ないはずの父の声が、結女に囁く。
くちゅくちゅくちゅっ――と、恐らくは濡れた秘所に手淫をする音が混ざる。
「やぁっ♡ だめですお義父さんっ♡ クリと一緒にっ、中まで掻いたらっ♡
ひゃうっ♡ おっぱいも同時っ♡ 耳っ、いま舐めちゃっ、あっあっあっあああぁぁぁ♡」
――ぞくりと背筋に震えが走った。
この扉の向こうで、何が行われているのかが、明確な映像として思い浮かぶ。
夏物のブラウスとスカートを脱がされた結女が、清楚な下着姿で父の膝に腰掛けている。
足を開いた結女は、ショーツの中に父のごつごつした手を入れられ、巧みな手淫をされている。
片手で乳首をくすぐられ、耳まで舐められ、結女は恍惚としながら自分の指を噛んでいた。
「気持ちいいかい、結女?」
「はいぃ♡ きもち、いいれすぅ♡ もっとぉ、えっちに可愛がってぇ♡」
結女の蕩けた返事を聞いて、父は満足げな笑みを浮かべると、
「それじゃあ、そろそろ、お父さんのことも楽しませてもらおうかな?」
「はい♡ 来て♡ おまんこに入れてっ♡ お義父さんに仕込まれた体、いっぱい愉しんで♡」
結女はショーツを下ろし、そのまま背面座位の挿入を求める。
中腰になって父を振り返る結女の髪が、柳の枝ように垂れて、自らの手で軽く整えられた。
「ふあっ♡ 入口っ♡ 当たってっ♡ やぁっ♡ 擦っちゃだめっ♡ もうイっちゃうっ♡」
そして父が秘裂に逸物をあてがうと、結女の身体がびくんっと跳ね上がる。
「先っぽしか入れてないのにこんなに乱れて、結女はどこまで淫らになるんだ?」
「もぅ、お義父さんが、そうした癖に……あっ♡」
父は結女の両腕の肘あたりを掴むと、それを引いて肉棒を挿入していく。
「んあああぁぁぁっっっ♡ きたぁ♡ お義父さんのおっきいのっ♡ 奥まできたよぅ♡
これっ♡ これなのっ♡ これがもらえないとっ、私だめなのっ♡ ああイってりゅう♡」
ゆっくり受け入れただけで、結女は涎を垂らすような顔で静かに絶頂している。
父は結女の腕を引く力を弱めず、むしろ一層強く引いて抽挿を始める。
ぱちゅんぱちんと肌を打ち付け合う音と、結女が漏らす甘い声だけが部屋に響いていた。
(幻覚……幻覚、だ……)
結女も父も家を出たことは確認済みだ。ここでの情事なんて物理的にあり得ない。
だからこれも白昼夢なのだと言い切れる。
なのに――このリアリティはなんなんだ。
鼓膜を震わせているとしか思えない結女の喘ぎ、ただよう男女の汗の臭い、目に焼き付く肌の色。
たとえ幻覚だとしても、脳内にこれほど深く刻まれたら、実体験と変わらない。
「あひっ♡ もっとぉ♡ お義父さぁん♡ 一番奥をどすって突いてぇ♡ いつもみたいにぃ♡
お義父さんに、おまんこいじめられるのっ、大好きだからぁ♡」
結女が、媚びる顔と言葉で、父により強い刺激を求める。
振り乱される髪も、口から零れる涎も、紅潮した頬も、揺れる乳房も、本物にしか見えない。
今朝は背後から本物の結女が声を掛けたことで中断されたが、この幻視はいつまでも続いている。
「仕方のない子だ。ほら、こっちに来るんだ」
父は結女の胸を掴みながら抱き寄せ、自分の胸板に寄りかからせる。
結女は父と結合したまま足をM字にして抱えられ、仰け反るように抽送を受ける。
「ひぐぅぅぅっ♡ これ深いっ♡ 突き上げしゅごいっ♡ ああイクッ♡ またイっちゃうよぅ♡」
結女は目を剥き、口を開けて、舌を突き出して――
僕に聞かれるかどうかなんて頭の片隅にもない様子で、喘ぎ、震え、鳴いて、痙攣した。
「出すぞ、結女」
「はいぃ♡ ください♡ 中にいっぱい♡ お義父さんの熱い精子でっ、いっぱいにしてぇ♡」
「く……!」
父が腰を押し付けると、結女の足先がピンと伸びきった。
(駄目だ!)
父が結女の膣内に射精しているのだと気付いた僕は、いまさらのようにそう思った。
阻止しなければならない。幻覚だろうと何だろうと、これ以上は見ていられない!
そうして部屋に飛び込もうとした僕は――
「いだっ!?」
目の前に扉があったというのに、鼻から正面衝突した。
なにをしてるんだ僕は、扉を開けることも知らない原始人か。
視界が白昼夢の映像に染まっていたことで、扉が開いているものと勘違いしていた。
「…………」
気がつけば、白昼夢は消え去り、結女の声も聞こえなくなっていた。
恐る恐る開いた扉の先、留守中の結女の部屋には――誰もいなかった。
○
欲求不満なのではないか――僕はそう考えた。
思えば父の再婚依頼、つまり結女や由仁さんが同居して以来、自慰の機会は制限されていた。
ずっと父子家庭だった僕は、その手のことに家族の目を気にせずに済んでいた。
しかし母親や女のきょうだいがいると、不意の遭遇を警戒しなければならない。
そういう欲求不満が、諸々の要因と噛み合って、急な妄想に繋がっているのではないか。
そう考えた僕は、家に一人であるこの機会を活かして、久しぶりに自由を満喫することにした。
(動画でいいか……)
素晴らしきかな情報社会。僕は自慰の肴を求めてPCを起動する。
自慰の対象は人それぞれだ。
アダルトな女優、漫画やゲームのキャラ、アイドル、そして身近な誰か。
中学時代は……『綾井結女』で自慰をした。
笑いたければ笑え。中学生男子に恋人ができて、その子とのセックスを望まないはずあるか。
しかし同居するようになってからは逆だ、断固として結女を思い浮かべていない。
万が一、事の最中に頭の片隅にでも浮かぼうものなら、即中断というくらいに。
――僕は『伊里戸結女』を、性の対象と見なしてはいけない。
僕らはもう義理のきょうだいだから。
僕の中で、性を通じてあの頃の気持ちを思い出して、何か間違いを踏まないように。
故に――朝からの白昼夢は、その自己ルール違反だ。
頭を切り換えなければならない。
結女に向きかけている僕の性欲を塗り替えてくれるものを求めて、動画サイトにアクセスする。
密かにお気に入りにしている女優で、ざっと無料動画を探していく。
『親の再婚で義理の姉になった美少女と――』
これは駄目だな。僕と結女の関係と重なる。
『黒髪美少女の妹と親の留守中に――』
これも駄目だ。外見が結女と類似する。
『継母の連れ子が――』
黙れ。
僅かでも結女を想起させる外見やシチュエーションを避けながら探し続けた結果、それなりに惹かれるタイトルを見付けた。
壮年男性が女子高生とホテルでうんぬんという主旨の動画だ。
僕の生活と重なる部分はないし、女優もまあ悪くないので、再生する。
すると――まるでSF映画の仮想空間のように、白昼夢が始まった。
○
いさなが……いた。
かつて僕に告白してくれた、僕の親友。
女優が似ているだけかと思ったが、間違いなく本人だ。
顔立ちや体付きはもちろん、学校の制服まで同じだった。
「んっ♡ ちゅっ♡ ちゅぷ♡」
いさなは、どこかのホテルの一室で、ベッドの上に膝を付いていた。
そのまま、目の前にいる男性と抱き合って、唇を重ねている。
舌を絡め合い、唾液を交換し合う濃厚な口付け。
いさなはうっとりとした表情を浮かべ、男性の首後ろに腕を交差して、夢中で舌を絡めている。
(いさ、な……?)
本人だと確信していたはずが、それを疑いたくなった。
あまりにも……淫らで。僕の知るいさなからは想像も付かないほど、発情したメスの顔で。
目の前の男に胸を揉まれながらディープキスをする姿が、東頭いさなの印象からかけ離れている。
「ふぁ……っ♡」
唇が離れると、いさなは名残惜しそうに声を上げた。
そのまま、男の手はいさなの下腹部へと伸びる。
「あっ……」
ショーツ越しに触れられただけで、いさなの身体はびくんと跳ねた。
男の指が割れ目に沿って上下し、愛液で濡れそぼった布地が張り付く。
いさなは切なげに眉根を寄せ、その男を懇願するように見上げる。
「お義父様ぁ♡」
お義父様? お義父様だって? 誰のことだ?
まさかいさなの父親だとでもいうのか――と、僕は相手の男性を注視すると。
「なんだい? いさな。おまんこを触られるだけじゃ物足りないって言うのかな?」
僕の――父だった。
伊里戸峰秋に他ならなかった。
(待て、なっ、なんで……いさなが、父さんと……っ)
僕の混乱に構わず『動画』は進む。
「意地悪しないでください♡ そっちよりおっぱいの方が感じるって、知ってるくせに……♡」
いさなはそう言って制服の前を開く。
ブラジャーをずり上げ、窮屈に押し込められていた巨乳を解放すると、父はいさなの背後に回ってその乳房を掴んだ。
下から持ち上げるように揉み、親指と人差し指の間で乳首を転がすように弄ぶ。
「あんっ♡ はぁ♡ 気持ちいいです、お義父さまぁ♡」
いさなは甘えた声で鳴き、父にしなだれかかる。
父の手は、我が物顔でいさなの巨乳を弄んでいた。
まるで僕の視界に対して強調するように、その手でいさなを喘がせる。
「んぅ♡ もっとぉ♡」
いさなの声に応えて、父はいさなのスカートの中に手を突っ込んだ。
そして――ショーツを下ろし、直接触る。
くちゃくちゃと音を立てながら、父はいさなの陰部をまさぐっていた。
胸と一緒に愛撫された瞬間、いさなは喉を反らして嬌声を上げる。
「あぁんっ♡」
ビクビクッと痙攣しながら、しかし快楽に耐えようと身を固くする。
父はそんないさなの反応を楽しむかのように、クリトリスと膣口を執拗に責め立てた。
いさなの口から漏れる声はどんどん大きくなっていく。
「あぁっ♡ イクッ♡ イキますっ、お義父様ぁっ♡」
――絶頂した。
いさなは父の腕の中で、ガクンと身体を弛緩させる。
それでも父はいさなを攻め続けた。
イッたばかりの敏感な部分を指先で擦り、乳首を強く抓って、豊満な乳房を引っ張り上げる。
「ひぎゅううっ♡」
痛そうな悲鳴を上げながらも、いさなは悦びに打ち震えていた。
「はひぃ♡ お義父様ぁっ、もっと、おっぱいもっといじめてくださいっ♡
お股はいいですからっ、両手でっ、揉みくちゃにしてっ♡ 乳首も、両方ともっ♡」
いさなの望み通り、父はいさなの胸を乱暴に揉む。
すると、いさなの身体がまた跳ねた。
「ふぁああぁぁっ♡ しゅごい、おっぱい犯されてるみたいれふっ♡
これっ、このかんじ、すきっ♡ だいすきっ♡ お願いしますっ♡ このままっ♡
あっあっあっ♡ んあああぁぁぁっっっ♡」
いさなは胸に五指を食い込まされながら、媚薬でも打たれたように乱れ狂う。
その末に、下着の中で愛液を噴きながら、腰を浮かせるほどのオーガズムを叫んでいた。
(嘘だ……似てる、だけ……たまたま、女優と男優が、いさなと父さんに似てるだけだ……!)
僕は食い入るように画面を睨む。
早送りも巻き戻しもせず、この二人が父といさなではないのだという根拠を探した。
それは、二人の行為に夢中になるのと同義だった。
「ぢゅるるっ♡ えへへ、お義父様? 私のパイズリフェラ、上手くなったでしょうか?」
「いさなは最初から上手かったよ。始めからやり方も知ってたし、むっつりさんだな」
「むっつりなんて、ひどいです♡ あんっ♡」
父はそう言って、自分のモノをいさなの谷間へと押し込む。
いさなが両腕で挟み込み、圧迫するように力を込めて、谷間から出た亀頭に吸い付く。
じゅぽっ、ずぼっと、唾液とカウパーが混ざり合う音が響く中、いさなは夢中で肉棒にしゃぶりついていた。
「ちゅぱっ♡ はぁ♡ お義父様のおちんちん、美味しいです♡
たくさんの女を鳴かせてきた悪い子に、お口でお仕置きしちゃうんですから♡」
いさなは下品に口をすぼめて、父の逸物を根元まで呑み込んで吸い上げる。
そしてまた乳房に挟み、慰めるように愛撫する。
「んぷっ♡ んんっ♡ んんんんん~っ♡」
苦しそうなくぐもった声を上げながら、いさなは懸命に奉仕を続ける。
やがて、父がいさなの頭を掴んで固定すると、喉の奥にまで突き入れた。
「んぐぅっ!?」
そのまま激しくピストン運動を始めて、いさなの口腔を犯し尽くす。
「んぶっ♡ んぶうっ♡ んぼぉっ♡ んんんっ♡」
いさなは涙目になりながらも、父のされるがままになっていた。
そして、射精の瞬間、父はいさなの頭を思い切り引き寄せる。
「んぐっ……!」
いさなの喉奥に精液を叩きつけ、それからようやく引き抜いた。
いさなは口の中いっぱいになった白濁を吐き出すこともできず、ごくりと飲み干した。
「ぷはっ♡ もう、お義父様、娘のお口をなんだと思ってるんですか?」
「ああ、ごめんよ。どうしても、気持ちよくて」
「ふふっ♡ そう言っていただけると、何度でもされたくなっちゃいます♡」
あんな扱いを受けたというのに、いさなは頬を染めながら笑っている。
一人の男に屈服して、嬉々として隷従するかのような、女の姿だった。
それが、いさなであるという光景を、僕はいまだに受け入れきれない。
やがて、いさながベッドで仰向けになり、父が足の間に腰を割り込ませたとき――
「っ!」
スマホから鳴った通知音が、僕を我に返らせた。
手に取ると、他ならぬいさなからメッセージが届いていた。
『見てくださいこのアイス! 五段重ねです!』
……画像付きの、至って平和な内容だった。
たぶん、結女や南さんと町を巡る間に、アイスクリーム店にでも立ち寄ったのだろう。
「…………」
毒気を抜かれた気分で、改めてPCの画面を見る。
画面ではエロ動画が再生中だった。
女子高生……には見えない年齢の女優が、淡泊な演技で喘いでいる。
いさなとは似ても似つかない。男優だって、僕の父とは別人だった。
(いまのも……白昼夢、か?)
どうやら僕は、不意の妄想で、ただのエロ動画にいさなと父を重ねて見ていたらしい。
なんて、現実離れした妄想だろうか。
いさなと父は、面識こそあるが、不義密通をするような縁はない。
どちらも、性格的にリスクある男女関係に至る度胸もないだろう。
なにより父は由仁さんにぞっこんだし、いさなも……まあ、僕の『親友』だ。
むしろ、父といさなの関係を疑うよりも――
(僕は、いさなをそんな目で?)
こんな妄想に襲われるなら、僕の方にこそ問題がある。
それはまあ、あの大きな胸を意識したことは何度もあった。
でも、だからこそ、いさなのことも自慰の対象からは除外していた。
あの子で自慰をして、あの巨乳を脳内で弄んだ後、やっぱり告白を断らなければ……なんて思う自分を想像すると、おぞましさすら感じるからだ。
告白を断った以上は、せめてきっぱり『異性』から除外するのが、せめてもの筋だろう。
いさなだって、自分を振った男と『友達』でいてくれているのだから。
その方針は今後も変わらない。
結女と同様、僕は、いさなを性の対象としてはならない。
(……白昼夢、原因っと)
動画を閉じた僕は、その後、何かの病気を疑って検索を始めるのだった。
○
その後、淫らな白昼夢は、一日の節々でやってきた。
例えば、トイレに行こうと部屋を出たら――廊下で父と結女が交わっていた。
「あっ♡ だめっ♡ もうっ♡ 許してぇっ♡」
廊下の壁際に顔を押し付けられた結女が、バックから突かれている。
ガーターベルトのついたセクシーな黒下着で、恍惚とした顔をしながら。
ズボンを下ろした父が獣のように腰を振り、パンッパンッスパン! と肉を打つ音が木霊する。
「あんっ♡ ああぁっ♡ 激しっ♡ お義父さぁんっ♡」
「ああ、いいぞ結女、すごく締まるっ」
「んうぅ♡ もっとぉ♡ 奥まで来てっ♡」
結女はもう、僕に見られているか否かなんて、どうでもいいようだった。
視界に僕が映っていようといまいと、結女が見ているのは自分の悦楽だけだった。
父が結女の乳房を片手で掴み、腰を縦回転するように突き上げると、結女の声が甲高くなる。
「あぁぁすごぃぃっ♡ 奥っ♡ イクッ♡ イッちゃう! お義父さっ、イクゥウウッ!!」
結女が絶頂を迎えても、父の動きが止まることはなかった。
そんな父の顔が、こちらに向く。
「どうした? いまさらなにを見てる?」
呆然とした。
今朝の白昼夢でも会話が起きていたが、それ以上に、僕を挑発するような言葉に息を呑んだ。
「ほら見ろ、結女の顔を。奥を愛情たっぷりに突いてやれば、こんな顔をするんだぞ?」
父は結女を突きながら、僕に見せつけるように笑っている。
結女は虚ろな瞳で、快楽に酔い痴れていた。
「あっ♡ ダメっ♡ またイっちゃいます♡ お義父さんのおちんちんで♡ またイグぅっ♡」
父の腕の中で、淫らによがり狂う結女。
僕のよく知る彼女が、僕じゃない男に犯されて、いやらしく乱れている。
「よく見ろ、こうするんだ」
父はそう言って、結女の中に挿れたまま、結合部をぐりゅっと押し付ける。
その刺激で、結女はさらに身体を震わせる。
「あ、あっ、ぁぁぁぁぁっ♡ だめっ♡ 子宮っ、ぐりって上げたらっ♡」
「いじめた後は、キスや手で愛情表現すれば――」
父は結女の顎を掴むと強引に振り向かせて唇を奪い、さらに強く膣内を穿つ。
結女は目を剥き、舌を出して喘いだ。
「んうぅっ♡ えあっ♡ んむぅっ♡ ぢゅぷっ♡ んうぅううぅううっ♡♡♡」
結女は背後の父の首を片腕で抱き寄せ、自分からも舌を絡め合い、唸るように絶頂する。
その股から愛液がびしゃびしゃと床に散っているのを見た僕は――
「っ!!」
自ら、額を壁に強打した。
すると、衝撃で夢から覚めたのか、結女と父の姿が消え去った。
○
結女と由仁さんが帰宅した後も、白昼夢はどこかで襲ってきた。
「峰くん、今日は遅くなるみたいだから、お夕飯は先に食べてくれって」
「じゃあ、私が作るから」
仕事から戻ってきた由仁さんに、結女が気を利かせて台所に立つ。
二人の様子におかしなところはない。父さんは残業があるらしく、家にもいない。
なのに――
「ぢゅぷっ♡ ぢゅうっ♡ ぷはっ♡ あむっ♡」
「んんっ♡ ちゅるるっ♡ はぁ♡ ぢゅうう♡」
気がつけば……椅子に座った父に、結女と由仁さんがフェラをしていた。
「いいぞ、二人とも。好きなだけ舐めていいからな?」
居ないはずの父が、二人の髪を撫でながら、陰茎をよりいきり立たせている。
「んっ♡ んんっ♡ んふぅ♡」
「んっ♡ んんっ♡ んっ♡」
二人は一心不乱に口を動かしていた。
ダイニングの椅子に腰掛けた父の前で、テーブルの下に体を潜り込ませる形で。
母娘によるフェラチオを、父は当然の権利であるかのように享受していた。
対面席に座っている、僕の目の前で。
「いいぞ、二人とも。すごく上手だ」
父が褒めると、結女も由仁さんも嬉しそうにする。
まるで犬のように尻尾を振るように、じゅぽっじゅぼっと音を立ててストロークを続ける。
「見えてるか? この二人の口は絶品だぞ」
努めて無視していた僕に、父が煽るように言う。
僕は何も応えない。その代わりに――唇の端を噛んだ。
ブチッと音がするくらい強く。舌先に血の味が広がり、痛みで目が覚める。
改めて前を見れば……なにも起きていなかった。
僕の対面席には誰も座っておらず、結女と由仁さんは――
「水斗くん? どうしたの? 固まっちゃって」
「ご飯、口に合わなかった?」
既に二人は食事を終えて、食器を流し台に運んでいるところだった。
ついさっきまで、父の肉棒を口にしていた様子は、微塵も見て取れない。
「ああ……ちょっと、唇を噛んだだけだよ」
僕はそう答えて、途中だった食事を再開、一気に掻き込んだ。
○
――はっきり言えることが一つある。
この白昼夢を見ているのは、僕だけであるということだ。
結女や由仁さんが同じ光景を見た様子はなかった。
たとえ、彼女たちが普段どんな夢を見ていたとしても、この白昼夢には無関係だろう。
これは、僕の頭の中だけにある異変だった。
それはいまも続いている。
風呂に入っているときでも、白昼夢は、まるで見せつけるように、結女と父の情事を描いた。
「あんっ♡ あっあっあっ♡ ああっ♡ んんんっ♡」
風呂で体を洗う僕の耳に、脱衣所から結女の声が届く。
目を向けると、曇りガラスになっている浴室の扉越しに、結女と父のシルエットが見えた。
結女は洗面台に手をついている。父はその後ろから、結女の片足を持ち上げて腰を振っている。
「あっ♡ そこっ♡ お義父さんっ♡ もっとっ♡ もっともっともっとぉ♡」
父のピストン運動に合わせて、結女が甘い声を出す。
「ここか? んん? この角度も好きみたいだなっ」
「あぁんっ♡ すごっ……すごいぃっ♡ あはっ♡ おっきいのきもちいっ♡
お義父さんっ、いつでも出していいから♡ たまには、私より先にイってもいいのにっ♡」
……僕は、精神力を総動員して、無視を決め込んだ。
震える手で体を洗い、いきり立っている逸物に気付かないふりをした。
そうすると、更に煽るように、結女の体が浴室の扉にぶつかる。
思わず目を配ると、曇りガラスに結女の乳房が潰れて、その部分だけ影になっていた。
まるで僕に対して叩き付けるように、父が結女をバックで突きまくり、結女が喘ぐ。
「あんっ♡ あっ♡ だめっ♡ こんなのっ♡ 我慢できないっ♡ んんっ♡ あああぁぁぁっ♡」
「ほらっ、そろそろイクぞっ。お前の子宮に全部ぶちまけてやる!」
「うんっ♡ はいっ♡ お願いしますっ♡」
父がラストスパートを掛け、結女は甲高い声を上げ、浴室の扉がガタガタと揺れる。
僕はそれを意識から遠ざけようと、シャワーの出力を最大にして頭から浴びた。
「あはっ♡ くるっ♡ 大きいの、来ちゃいますっ♡ あっあっあっ♡ んっ~~~~っ♡」
ビクンッ! と一際大きく結女が跳ね上がり、父のうめき声が重なった。
「っっっ!?」
それと同時に、僕は白昼夢から解放された。
解放されたはいいが、目を剥いた理由はそれではない。
僕の右手が、いつの間にか逸物を扱いていたことと、知らぬ間に射精していたことだ。
頭から被っているシャワーが、僕の白濁液を排水溝に流していく。
シャワーの音と、髪を伝って垂れる水滴を感じながら、僕はしばらく呆然としていた。
その後……無言で洗剤とブラシを手にとって、裸のまま浴室を掃除するのだった。
○
(今日は、もう寝よう)
睡眠不足が原因ではないかと結論付けた。
何らかの理由でここ数日の眠りが浅くて、自覚できないうちに脳が寝不足になったのだ。
結果、脳が不意の『寝落ち』に襲われて、その度に悪い夢を見ているのだろう。
いまも――結女の部屋から、壁越しに声が聞こえてくるように。
「んああぁぁっ♡ お義父さまぁっ♡ お願いっ♡ このまま滅茶苦茶にイせてくださいっ♡」
「いいぞ。ほらっ、もっと鳴いてみろっ!」
「んはっ♡ 嬉しいっ♡ あああぁぁぁおとぉさぁん♡ 気持ちいいっ、気持ちいいのぉ♡
あひっ♡ ふああっ♡ お義父さんの逞しいおちんぽ突かれると何度でもイっちゃうっ♡
私のおまんこっ、あなたのものでイクようになっちゃってるのぉ♡ んぁぁぁまたイクぅ♡」
結女の、媚びるような甘ったれた声が、僕の鼓膜を汚していく。
一度でも意識がそちらに向くと、壁なんて存在しないかのように、耳へ滑り込んでくる。
僕はせめて視界だけでも守るように、ベッドの上で声に背を向け、夏掛けで頭を覆った。
「お義父さんっ♡ 好きっ♡ 大好きっ♡ んあっ♡ そこっ♡ イイっ♡ すごいぃっ♡」
耳を塞ぐ。にも関わらず声は脳裏に響く。
試しにスマホで録音してみると、その声が再生されることはなかった。
つまり幻聴だ。実際に聞こえているのは、結女の寝息くらいのはずだ。
(幻聴なんだとして、白昼夢なんだとして……なんで、結女と父さんなんだ……っ!?
なんで、一日ずっと、何度も、僕に見せつけるように……っ!)
痛いくらい勃起した逸物を無視して、僕は親指の爪を噛む。
この白昼夢には――悪意のようなものを感じる。
結女が乱れる様を、父に奪われているところを、僕の眼に刻みつけてやろうという意図を感じる。
でも、どこの誰にそんな動機があって、どんな手を使えば可能なのかは、まるで想像できない。
「出すぞっ、結女! 受け止めてくれるな!?」
「はい♡ はいっ♡ 出してっ♡ いっぱい注いでくださいっ♡ あぁぁぁ来るっ、来るっ、来るぅ♡
種付けピストンすごいすごいイグイグイグぅぅぅ♡ あ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙っ ♡♡♡」
結女の嬌声が、こちらの頭を割ろうとするように木霊した。
もはや欲情を煽るというより、性欲を梃子にして心を内側から怖そうとしているかのようだ。
(眠ろう……眠れば、きっとなにか、改善されるはず……)
病気を治そうとするように、僕は睡眠を選んだ。
これの原因が疲労や心労なら、熟睡することで取り除かれるはずだ。
そして翌朝になれば、こんな悪夢を見たことさえ忘れてしまえるだろう。
逃避にも似た考えて、僕はひたすら目を閉じて、壁越しに聞こえる甘い声から意識を遠ざける。
長い長い戦いの末に、やがて僕の意識は眠りに落ちていった。
眠りの先こそ、白昼夢の源泉なのだと、思い至ることもなく。
――夢は短い狂気であり、狂気は長い夢であるという。
――なら、狂ってしまった人間が眠りについたとき、夢は何を描くのだろうか?
【十五夜目 了】
ご一読いただきありがとうございました。
アニメ最終話で心が浄化されて、NTRを書くのが大変だった……
NTRで脳を破壊された水斗くん、ついに妄想が止まらなくなるの巻です。
――追記――
誤字報告をしてくださった方、まことにありがとうございます。
校正が不十分で申し訳ないです。