継母の連れ子が元カノだった、いまは僕の父親とヤってる 作:大中小太郎
【三夜目】
僕のようなオタク系男子は、創作物を通じて心理学に触れる機会がある。
そこから興味を抱いて、ちょっと専門書に目を通す人もいるだろう。
例えば――
Q:心ってなんですか?
A:バグった本能です
雑だけど、古い心理学の権威は本当にそのようなことを言っている。
人間は動物なので、種を保存するための性欲があり、群れで生きるための愛や友情がある。
僕ら人間の心とは、そういう本能の産物。
もっと言えば、普通の動物と比べて狂ってしまった本能のことであると。
裏返せば、僕らの心とは結局、動物的な本能に根ざしたものなのだ。
そして夢を見るとき、僕らの心は、そういう原始的な方向に傾いていくという。
あるいはそのせいか――今夜も、僕こと伊里戸水斗は、淫らなユメを見る。
○
少し前に、入学式で、結女と写真を撮った。
『なんだかカップルみたいね?』
義母の由仁さんにそうからかわれるくらいには、仲良しに見えたらしい。
そんな結女は、いま――
「あんっ♡ お義父さん、どうしたの? そんなに興奮して」
「結女が制服を着ているからだよ。可愛い、とても似合ってる」
「もう、やっぱり……娘と制服でエッチしたがるなんて、いけない人♡」
父の部屋で、結女と父と抱き合っていた。
まるで恋人がそうするように、互いの背中に腕を回して寄り添っている。
気がつけば、僕は部屋の扉を背にして、そんな二人を見ていた。
「ん……ちゅぷ、ふぁ♡」
結女は唇を重ねられ、父から舌を入れられると、すぐに自分の舌を出して絡め始めた。
二人は互いの唾液を交換し合い、飲み込み、口の端から垂れるそれを拭おうともしない。
あれが、つい最近まで中学生だった女のするキスだろうか。
過去に、結女と僕が恋人だった頃、あんなキスをしたことがあっただろうか。
「あっ♡ ちゅっ♡ ぷぁっ♡ はぁ……っ♡」
父の手が、結女の背中から、尻へと降りていく。
ブレザーの感触を楽しんでいた手が、プリーツスカートの上からヒップを撫でる。
衣擦れの音と、舌を絡める音だけが、部屋の中に響いていた。
「はぁ……っ♡ ねえ、お義父さん。やっぱり制服ってムラムラしちゃうの?」
「正直そういう趣味はなかったけど、結女が着ているのを見たら、どうしてもね」
「ふふ、嬉しい。なら、お義父さんは特別だよ?」
結女の表情は、義理の父にわいせつされることを嬉々として受け入れている。
男から与えられる快感を覚え、媚びて誘うことを覚えた、メスの顔だった。
「入学したばかりの出来たてJK、いっぱい愉しんでいいよ♡」
結女は、唾液の糸を引く口で、父を誘惑するための言葉を紡いだ。
それを聞いた父は、結女の身体を軽々とベッドへ運び込む。
この光景を見て奥歯を噛むのは、これが何度目だろうか。
「んっ♡ お義父さん♡ 手が、いつもよりエッチです♡」
「違うよ、結女が興奮してるんだ。体が男に慣れてきて、快感に期待してるんだよ」
「そんなん、じゃ……ふあっ♡」
結女がベッドで仰向けになり、覆い被さるように父が並ぶ。
父は結女の制服を敢えて脱がさず、布越しの愛撫で結女をよがらせる。
結女は背中を反らせて喘ぎながら、父を求めてキスを繰り返した。
「まあ僕が興奮してるのも本当だけどね。せっかくの制服だ、今日は着衣セックスにしよう。
結女ちゃんの入学祝いに、たくさんイかせてあげるからね?」
「も、もう……服越しって、もどかしいんだけど……あんっ♡」
「もう少し、もう少し制服を堪能させてくれ」
結女の制服が半脱ぎにされていく。
ブレザーの前が開かれ、タイが解かれ、ボタンを外されたシャツからブラが晒される。
スカートはめくれ、悩ましく曲げ伸ばしされる生足の奥に、綺麗なショーツが見えた。
「はぁ♡ なんだか、すごい……服、着てるのにぃ。
お義父さんの触ってるとこだけ、着てないみたい……ふあっ♡」
教室では、長い黒髪が印象的な優等生系の美少女だった。
実はそれが高校デビューしただけの根暗女であることを、僕だけが知っていた。
そんな彼女の前の席で、表向き赤の他人のように振る舞いながら……どこか優越感があった。
伊里戸結女という女の、表も裏も全て知っているのは、元恋人である僕なのだと。
それが、とんだ思い上がりだったのだと責めるように――
「お義父さん、もっとぉ♡ 私もう大丈夫ですから♡
お義父さんの手なら、ちょっと乱暴でもいいですからぁ♡」
「結女、すっかり色っぽくなったね。僕とのセックス、愉しんでくれてるかい?」
「はい♡ お義父さんにエッチなことされると、女の本能が悦んじゃうんです♡」
結女が、僕に見せない顔で、父を誘っている。
甘い、蕩けるような艶のある声音。瞳に宿る淫欲の色。
たった数日、義理の父に抱かれてきた結女は、快感ため男の手を歓迎する女になっていた。
「お義父さんの、大きくなってます」
結女は父の下腹部を優しく撫でる。
スラックスの中で父のモノは大きく膨らんでいた。
それを見ただけで、結女の口元はだらしなく緩んでしまう。
その口の端から漏れ出る吐息が、嗅覚のない僕にすら媚薬のように興奮をもたらす。
「入学式で見たときから、お義父さんのスーツ、格好いいなって思ってたんです♡」
「そうかそうか。それで結女は、格好良いスーツの大人に、どんなことしたいんだい?」
「もちろん……いっぱい求めてもらって、いっぱい応えてあげたいです♡」
……どこかで、ストックホルム症候群のようなものだと、思っていた。
人質が誘拐犯に親しみを覚えてしまうとかいうあれだ。
敵に回すより親密な味方になった方が安全だからという、生存のための現象らしい。
結女はそういう理由で、父に媚びているのだと。
乱暴されないため、暴力を振るわれないために媚びていて、本心では泣いているのだと。
そんな僕の『期待』を……結女の淫らな顔と言葉が否定する。
「お義父さん、今日は先に、私からお口でさせてください♡」
結女はベッドの縁に父を立たせると、大きく膨らんだ股間に手を這わせる。
もう、そういう行いを恥じることすらないのか。
半脱ぎになった制服姿で父の興奮を煽りながら、結女自身も呼吸を荒くしていた。
「お義父さん、すごい♡ 服越しなのに、お義父さんの気持ちが伝わってきて、感じちゃう♡」
結女はうっとりとした表情を浮かべながら、スラックス越しに父のペニスを指先で弄んだ。
「待ちきれないよ、結女。さあ」
父はチャックを開いて、下着の中から肉棒を取りだした。
「あああ♡ 大きい……何度見ても、これ、圧倒されちゃいます♡」
結女は熱い眼差しでそれを見つめた後、ゆっくりと顔を近づけていった。
「ん……ちゅっ♡ んんっ♡」
まずは亀頭に軽くキスをして、それから徐々に根元の方まで唇で愛撫し始める。
「……ふぁ♡ はぁ……♡ これ、反則ですぅ♡ 触れてるだけで、感じさせられちゃう♡」
父の男根を手で支えるようにして、裏筋から雁首にかけて舌を這わせていた。
結女はそれだけで気持ち良くなっているようで、瞳にはハートマークが浮かんで見える。
「ああ結女、高校生になったばかりで、なんて淫らな顔をするんだ」
「興奮して♡ もっと私に興奮してください♡
お義父さんが興奮すると、ここがもっと私を気持ちよくしてくれるの♡」
結女のフェラチオは加速していく。
「んぢゅる♡ れろぉ……♡ じゅるっ♡ れる♡ ちゅぷるるるっ♡」
結女は竿を舐め上げ、カリ首を舌の腹で味わい、その接触ひとつひとつで快感に襲われる。
父の陰茎で、唇や舌から感じさせられた結女は、内股を擦り合わせながら口淫を続けた。
「結女、もう下のお口が我慢できないんじゃないか?」
「大丈夫、です♡ お義父さんを、気持ちよくするのが、先です……っ♡」
「遠慮することはないよ。今日は結女のお祝いなんだからね」
父は結女の口から逸物を引いて、結女をソファーに座らせる。
そして半脱ぎのシャツから覗く白い素肌に、軽い音を立ててキスを繰り返した。
「あっ……♡」
結女が思わず、感嘆とも不安ともつかない声を零した。
そして父の手にされるがまま両足を開いて、膝を持ち上げられる。
「やぁっ、この格好、恥ずかしい♡」
足をM字に開かされた結女は、両手で顔を押さえた。
あれだけのことをしておいて、いまさらそんな乙女の顔をするのか。
「誰も見てないさ。この家には僕と結女だけだからね。存分に喘ぎなさい」
父は、結女の足の間に腰を入れていく。
「ひぁっ♡ お、お義父さんっ♡ 入口、こすって……っ♡ 焦らしちゃっ♡ やだぁ♡」
挿入の前に擦り付けているのか、結女が強く体を震わせ、声を噛み殺していた。
僕がここにいるとも知らずに、こいつらはまた、発情した動物のように交わろうとしている。
いや……こんな浮遊霊みたいな状態では、僕なんていないも同然か。
例によって、僕にあるのは視覚と聴覚と、結女の痴態に勃起してしまった股間の熱だけ――
(――――っ!?)
そこでようやく、僕は異変に気づいた。
股間の、熱?
視覚と聴覚だけの幽霊状態だった僕に?
反射的に手を動かすと……あった。
間違うはずもない部位と形状、自分の逸物が確かにある。
(見えないけど、ナニと、それに利き手の感触だけ?)
相変わらず幽霊のような状態だけど、自分の手で肉棒に触れることはできるらしい。
他のものには触れないので、この幽体ペニスが女性を悦ばせることはできないだろうけど……
(自分で、しごけって、いうのかよ……)
この夢が、僕に同情でもしたのか、そんな情けをかけたような気がした。
「んああああああっっっ♡♡♡」
結女の嬌声で我に返る。
父が結女に挿入したのだ。
「ああ、また挿れると同時にイっちゃったね。可愛いよ、結女」
「お義父さん、こそぉ♡ 興奮してる♡ これ、絶対、いつもより、硬いです♡」
結女の姿はベッドと父の体に挟まれて、父に手足を絡めていた。
僕の視点は自然と動き、そんな結女の顔から結合部まで覗ける位置をとった。
まるで、気の利いたAVのカメラワークみたいに。
「お義父さんきてっ♡ 娘の制服に欲情しちゃったいけないおち○ぽっ、受け止めてあげます♡」
結女に求められるまま、父は手加減のないハイペースな動きで、結女の膣内に快感を生み出した。
「んおっ♡ すごぃ♡ 前もすごかったのに♡ わたひ、また感じやすくなってまひゅっ♡♡♡」
結女は僕の目の前で、激しく乱れている。
その艶やかな表情を見て、僕は生唾を飲み込んだ。
思わず、自分のペニスに指を――
(っ、嫌だ! 誰が自慰なんてするもんか!)
父と結女の情交を見ながらオナニーすることを、僕のプライドが拒否した。
そんな僕の選択を知るよしもなく、結女の声は甲高くなっていく。
「ああんっ♡ もうだめ♡ またイクッ♡ イッちゃうぅ♡♡♡」
結女が何度も絶頂している。
学校で同級生たちの注目を集めた美少女が、乱れに乱れている。
長い黒髪を振り乱し、父のピストンで乳房を揺らし、可憐な顔は快感に酔いしれる。
(早く、早く終われよっ)
僕は淫夢の終わりを願う。
この屈辱的な勃起状態から解放されることを願って。
だというのに、我慢強い父はしつこく結女の膣内を責めた。
角度や腰使いを変え、緩急を付けて、指は乳首やクリトリスを刺激し始めた。
「ああああっ♡ お義父さんっ♡ イカせすぎでしゅっ♡ 気持ちよすぎて怖いのぉっ♡
わたしいまイってるのに、イキながらイカせられてっ♡ イってない時間ないのぉっ♡」
過剰な快楽を与えられた結女が、顔を左右に振り乱す。
高校生になったばかりの女の子が知っていい快楽じゃない。
おろしたての制服が皺になり、スカートは愛液でびしょ濡れになっていた。
「ああ、出すぞ!」
「出して♡ 中に♡ 子宮にいっぱい注いでください♡」
「くぉっ!!」
「あああああぁぁぁぁぁっっっっっ♡♡♡♡♡」
結女の絶叫と絶頂、そして父の射精。
二人の快感が最高潮になった瞬間を、僕も肌で感じていた。
触れられなかった自分の肉棒がうずいている。
まるで「ボクも、ボクも」と訴えるように、びくびくと震えている。
まるで……この夢を見ている僕の本心を現すかのようだった。
○
夢は場所や時間をころころと変える。
そもそもが頭の中の幻覚なのだから、当たり前のことだ。
気がつけば僕の視界も場所を変えて、視点は風呂場にあった。
「それでね、水斗ったら言われっぱなしで、私もう見てて情けなくて」
「はは、そうか。息子にも困ったものだな」
結女と父が、一緒に風呂に入っていた。
結女は素肌をさらけ出し、長い黒髪をタオルでまとめている。
そして父と共に、後ろから抱かれるような姿勢で、湯船に漬かっていた。
「だから私、こう水斗と腕を組んであげて、周りの男子に見直させてあげたんですよ?」
結女は学校での出来事を義父に語っている。
僕も覚えている。あれはたしか入学の翌日、僕が舐められているのを気にした結女の行動だった。
口調だけ聞けば、父と仲の良い娘が、一日の出来事を語って聞かせているかのようだ。
(それを、そんな格好で、父さんに話すなよ……)
僕の思い出がいまひとつ、なにか別のものになってしまった気がした。
「水斗と腕を組んだのかい?」
「はい。胸が当たって恥ずかしかったのに、水斗ってばお礼も言わなくて――あんっ♡」
仲睦まじい親子の会話には相応しくない声が、結女の口から出た。
お湯の中で、父の手が結女の乳房を掴んでいる。
「お、お義父さん?」
「この大きなおっぱいを、水斗の腕に当てたんだね?」
「んっ♡ はい……でも、制服越しに、ちょっとだけで……」
父に胸を触られているということに、結女もいまさら驚きはないだろう。
ただ、父の態度に嫉妬心を感じて驚いているようだ。
「僕の息子を誘惑するようなことをして、結女は悪い子だ」
「あっ……♡ やっ……あぁ……♡」
ありもしない歯を食いしばる。
いま、あの男に息子と呼ばれるのは、ひどく不愉快だった。
「水斗はムラムラしていたか?」
「ひゃう……♡ そ、それは……わかりませんけど……んくぅ……♡」
結女の身じろぎでお湯がはね、声と音が浴室に反響する。
結女の胸を――あの日、僕が腕にほんの少しだけ触れて心臓を高鳴らせた結女の胸を、父は我が物のように両手で弄ぶ。
「やっぱりお父さんなんかより、結女は水斗の方が好きなのかな?」
「そういう、わけじゃ……んぁっ♡」
閉じられない目と、ふさげない耳が、湯触の情事を捉える。
ならばせめて意思の力で追い払おうとすると、今度は自分の逸物に意識が奪われる。
僕の分身は、まるで二人へ近付こうとするように、先端を伸ばして脈動していた。
「結女の胸は大きいよね。いまいくつ?」
「D、です……んっ♡ 81の、D……あっ♡」
「もっと大きくしたいとは思わないのかい? いつでも協力するぞ」
「んっ♡ ど、どうでしょう……? 水斗は、好きかもしれませ――ひんっ♡」
「なんでいま、水斗の名前を出したのかな?」
「ひあっ♡ ごめん、なさぃ……お義父さんの、ヤキモチが、可愛くて……♡」
……喪失感のようなものがあった。
結女が、僕の名前を使ったことに対してだ。
結女はいま、父の興奮を煽るためだけに、僕の存在を利用した。
そのことに、心の一部がそぎ落とされるような痛みを覚えた。
「悪い子だ。おしおきが必要かな?」
「やんっ♡ お義父さん、怒らない、でぇ? おしおき、いやぁ♡」
「ダメだ。義理のきょうだいを誘惑するおっぱいにはお仕置きが必要だ。重点的にいじってやる」
義理の父に身を預け、結女は浴室に可憐な声を鳴らしていった。
「お義父さん♡ すごいっ♡ 胸だけなのにっ、これ、イっちゃうぅ♡」
「愛情たっぷりのマッサージだからね。結女も喜んでくれてるみたいで何よりだよ」
「あいじょお、うれしぃ♡ もっと、おとうさんの愛情ほしぃ♡」
結女は背後の父に首を傾け、頬ずりしながら甘えていた。
その動きで髪をまとめていたタオルがほどけて、長い黒髪が湯船に浮かぶ。
(まだ、まだ覚めないのか……この夢は……っ!)
股間の熱がうっとうしい。見えないペニスがかつてないほど勃起している。
視界では父が結女の唇を奪い、舌を絡めてキスをしていた。
胃の奥が焼け付くような不快感と、反して昂ぶる下半身。
解放されたい、楽になりたい――その手段が射精であることを、僕はなぜか確信していた。
「まったく、水斗もバカなやつだ! こんなにエッチで可愛い結女と別れるなんて!」
「ああんっ♡ お義父さんっ、激し……そんなっ、力尽くでっ♡ ひあああんっ♡」
父は結女と向かい合わせになると、湯船に浮かせるように腰を持ち上げ、正面から突き始めた。
二人の腰が激しく動き、バシャバシャとお湯がはね、結女の嬌声に混ざる。
「いまでも好きなんじゃないか!? 本当は水斗ともこういうことしたいんじゃないのか!?」
「やっ、お義父さん、こわい……っ♡」
「答えなさいっ、結女!」
若さへの嫉妬なのか、父は高圧的に結女を責め始めた。
結女はその言葉に逆らえず、喘ぎながら言葉を紡ぐ。
「水斗はぁ、いいんですっ! 付き合ってるときも、私に、手出ししなくて……
こうやって、お義父さんみたいに、私の女を目覚めさせてくれなかったのぉ♡」
結女の叫びが、僕の過去を糾弾した。
「ははっ、そうかっ。愚かな息子だ!」
「お義父さんがいいっ♡ 水斗よりっ、お義父さんの方が好きだからぁ♡
ずっと素敵でっ、ずっと気持ちよくしてくれてっ、大好きなのぉ♡」
結女は僕の名前を添え物にして、父のことを称え始めた。
もう彼女にとって元恋人の僕は、父の嫉妬と熱情を煽るための材料でしかないのだ。
「結女っ、出すよっ! 中に出していいんだよねっ!」
「はいぃっ♡ お義父さんの中出しで、めちゃくちゃにイかせてくださいっ♡」
父と結女の動きが最高潮に達し、やがて止まった。
「ひあああああぁぁぁぁぁあああああっっっっっ♡♡♡♡♡」
強烈なオーガニズムに達した結女の悲鳴が、風呂場の壁を震わせるほど響いていた。
○
(ああ……もう、いい……)
そのとき、僕の腹が決まった。
僕はついさっきまで、この二人を結女と父親のように思っていた。
二人の情交は許されざることで、そんな二人に欲情して、まして自慰するなど人間のクズだと。
(『こいつら』は、結女じゃない、父さんじゃない……)
大きな勘違いだった。
これは僕の夢で、この二人も僕の妄想の産物。
言ってしまえば、僕の性欲が、結女と父という形を借りて姿を現したものに過ぎない。
そんなものを相手に、僕はいったい、何を遠慮していたんだろう?
(そうだ……どうせ夢で、こんな内容であることの原因も、僕の性欲だとしたら……)
生かじりで得た心理学の知識が、僕の脳裏にひとつの仮説を生み出す。
(解消したら……終わるんじゃないか?)
この夢の原因が、僕の屈折した欲求不満だとしたら、それを満たせばいい。
悪夢を終わらせる鍵がそこにある。
だから僕は……触れまいと思っていた肉棒に、ゆっくりと手を伸ばしていった。
○
「結女の部屋でするのは初めてだったかな?」
「だ、だって……なんだか恥ずかしくて……」
気がつけば――結女の部屋だった。
そういえば、最初の夜も、二度目の夜も、結女が連れ込まれたのは父の寝室だった。
しかし今夜は、結女の部屋だ。
もしかするとそれは、結女がいままで以上に、父を受け入れていることの表われかもしれない。
「んちゅ……むっ……はぁ♡」
「ちゅっ……はぁ、結女。そんなに抱き付かなくても、逃げたりしないから」
気がつけば、結女と父はベッドの上でキスをしながら、お互いの服を脱がせている。
そして、嫌になるほどスムーズに姿勢を変えて、互いの性器を結合させていく。
それを眺めながら――僕の右手は、股間の熱源を握りしめていた。
(っっっ!)
そこには、人生において過去最大の快感があった。
まるで脳みそを直接こすりあげられているかのような、凄まじい刺激が走る。
「ああっ♡ やあんっ♡ お義父さんっ♡ もっと、もっと強くっ♡」
揺れる結女の裸体を凝視していると、右手が勝手に加速する。
結女と父の情事が盛り上がるのに合わせて、僕は肉棒を扱き続けた。
なにか……越えまいと思っていた一線を越えてしまった気がする……
そんな苦みを抱えながらも、思考の99%は、いま生じている快感を追い求めた。
「イクッ♡ イッひゃうぅっ♡ おとうしゃあんっ♡」
「いいよ。好きなだけイきなさい」
絶頂の声を響かせながら、結女の身体が反り返る。
ビクビクと痙攣する義娘の体を抱いて、父は結合を保ったまま結女に覆い被さる。
そうして、腰を打ち下ろすように振ると、肉がぶつかり合う音と共に、結女の嬌声が上がった。
「すごおいっ♡ まだ大きくなってるっ♡」
恥も外聞もなく乱れる結女を見ながら、僕は衝撃を覚えていた。
(イか、ない? なんでっ!? もう、いまにも出そうなのに……っ!)
なぜか、僕は達することができずにいた。
体感で測る限り、射精するのに充分な快感は得ている。
なのに、見えない何かがリミッターとなっているかのように、そこから先へ行かない。
(なんでだよっ! 早くっ、早くっ、終わらせろよっ!)
こんな屈辱的な自慰を長引かせたくない一心で、僕は力任せに分身を擦った。
「もう少しだよっ、結女っ。僕ももうすぐイクから、受け止めてくれっ!」
そんな僕に構わず、父は結女を責め立てている。
「はいっ♡ くださいっ♡ お義父さんのっ♡ わたしのお腹の中にぃっ♡」
結女は全身を震わせて父を受け入れていた。
その光景を見て、ようやく僕の頭の中で火花が散る。
視界が真っ白になり、体が熱くなった。
「あああああぁぁぁぁっっっっっ♡♡♡」
結女の絶叫と共に、僕は自分を苛む全てから解放された。
つまり、ようやく絶頂を迎えることができたのだ。
「っ、くっ……はぁっ、はぁーっ……」
荒い息をついているのは父だったが、僕も同じだった。
僕が達することができたのは、父と同じ瞬間だったようだ。
それに気付いた僕は、言語化できない不快感に苛まれることになった。
(ああ、それでも……終わったんだな……)
そう思うと同時に、僕の意識は闇へと落ちていく。
仮説は正しかった。
この淫らな夢の源泉が僕の性欲なら、それを慰めれば夢もまた終わるのだ。
(はは……)
乾いた笑いが零れた。
この悪夢に対する解決策を見付けたから、というのもある。
しかしその解決策は、別の事実も物語っていた。
性欲を解消すれば、自慰をすれば、結女と父がまぐわう悪夢から目覚められる。
それはつまり――
「お義父さん……もう一回、する?」
「もちろんだ。次は後ろから犯してやる」
「やだ、もう♡ 犯すなんて、言わないで――あっ♡ やあっ♡ あああぁぁぁっ♡」
今後同じ夢を見るたび、二人を見て自慰をしなければならない――ということだった。
しかも原因が性欲であるというのなら、それを取り除くなんて不可能。
だとしたら、僕はいったい、あと何度、あと幾夜――こんな悪夢を見ることになるのだろう。
【三夜目・了】
ご一読いただきありがとうございます。
主人公の自慰って、NTR作品における重要な節目だよね。
本当は前の話に盛り込むつもりだったけど、字数の都合で独立した話にしました。
なお、文中の心理学については聞きかじりなので真に受けないでね?