蛍は何処へ 作:パリピブラゾール
なんと濡れ場のネタを原作者様から頂けました。ありがたや。
でも原作者様。あなた、絶対変態です(褒め言葉)。
「今夜も始まりました。蛍夜環のフライングファイヤーナイト。この番組では、毎夜ゲストをお迎えして簡単に物語を振り返ってみたいと思います! 司会担当は主人公(笑)こと蛍夜環。そして、記念すべき第一回のゲストは~?」
「武器がないならグーで殴ればいいじゃない。ゴリラ姫こと鬼月葵です」
「えw 大分......性格違いませんか(笑)?」
「ラジオだしねぇ......ほら中の人? 的なあれでw」
「ああ、あれで(笑)」
「それにしても、原作ではさんざんねちっこく絡んだのにさぁ、こっちでは環くん全然来ないよねぇ~」
「いやほら。主人公(笑)ですからw?」
「だよねぇw」
(笑い声)
「え、でもこんな風に駄弁ってていいの?」
「あー......えっとですね、今回は物語を振り返るということで」
「ほうほう」
「第一章をね。葵姫とね」
「あーねw」
「解説できたら。いいなと」
「えーでも環くん第一章出番ないよね(笑)?」
「え、それ言っちゃう!?(笑)」
「どうせなら姉御様としてみたかったかも」
「はいはいラジオで殺しあいはNGー!(笑)」
「だよね(笑)」
「さて。第一章ですが。タイトルに「チュートリアル」と入っているだけあって、世界観と登場人物、簡単なストーリーを追っていく、言わば読者にとっての「チュートリアル」でもあるわけですね」
「伴部くんいきなり死にかけてたよね(笑)」
「笑い事じゃないよ葵姫! 想い人でしょ!」
「や。でもほら姉御様に最初の出番とられるし」
「そう。まず主要キャラクターとして姉御様こと鬼月雛というネームドが登場して、ヒロインに具体例が出てくるわけですね」
「あ、でその後に「ヤンデレヒロインしかいない」っていう伴部の嘆きに繋がるわけねー。あーなるほど」
「実際、チュートリアルでは必ずヒロインたちの「病み」の部分が挿入されてるよね。病的な想いと執着。一方で、主人公はモブでしかない、と強調しているわけだから、ここであえて違和感を強調させてる」
「伴部が執着されていると気づいているヒロイン、姉御様じゃないもんね」
「なくしたと思ったお守りは、場面転換で姉御様の手のなか。つまりもう、ヒロインたちの駆け引きは始まっているってことだね。続いて第二話」
「きゃわいい葵姫様の登場!」
「早いよ(笑)」
「ごめん(笑)」
「まず、闇夜の蛍という世界の説明。これは前の伴部くんの独白から続いているね。一話で臨場感の溢れる世界を、語るのではなく余すことなく見せつけた上で、今度は世界線の補足」
「つまりは、蛍夜環くんの」
「はい(笑)。僕の活躍してたゲームな訳ですよ(笑)」
「過去形(笑)」
「でまあ、主人公が改めて無力であることと、鬼月家の歪みが一挙に表される場面、つまり前話の討伐の結果の報告、という形で繋げてる」
「なんの成果も! 得られませんでしたァ!......みたいに?」
「いや姉御様がやってくれたじゃん」
「すべては鬼月家のシナリオ通りに......」
「はいはい下人を消耗しすぎですよ鬼月家のお姫様?......実際、ゲームでの主人公とは立場が異なるわけだから、ここの説明にはかなり客観性が求められているね。ゲームをプレイしたという主人公の知識と、現在の境遇というのを多面的に補完していることになる」
「そういえばここでもヒロイン枠が一人顔出してるんだっけ?」
「ああ、胡蝶さんだね?」
「いやその無理すんな枠じゃなくて」
「確かに無理すんな枠ではあるけども(笑)」
「じゃ、行き遅れ?」
「既婚者でしょ。子供までいるし」
「環くんもぐっちょんぐっちょんにプレイしたんだっけ?」
「セクハラ発言やめて(笑)」
「ま、胡蝶さんは、語り手が伴部くんのまま、っていうのもあって、ここでは深く触れられてないね。第二話は、さっきも言った通り世界観の解説と、もっとも主人公と深く関わっているヒロイン登場への前振りになってる」
「そう! メインヒロインで真のヒロインで絶対に負けない、最強無敵の葵姫さま」
「えっ自分で言っちゃう?」
「えっ(笑)」
「さて、第三話はそんな葵姫さまの解説になるね。伴部くんが執着されていると気づいている唯一のヒロイン。一方で、その執着は「本来の主人公」が来たらすぐにそっちに移る程度のもの、と解釈しているけどね」
「そんなわけないでしょ! 私と伴部は相思相愛だもの!」
「相思相愛、かどうかはともかく、彼女が伴部に惹かれる理由、恋心だけでなく、圧倒的な力量の差に絶望しなかったこと、そして、彼女を見捨てなかったことが語られるね」
「天才肌だからこそ、やる前からある程度わかっちゃうんだろうね。ああこれは敵わない、って。そう考えたら、退魔士って結構、諦めが早いのかな? でも、ここの描写は理知的に分析しているようにも思えるし、一方で感情でもちゃんと惹かれているようにも読めるのよね」
「それを踏まえた上での行動原理だからね。戦いの渦中において、自分に相応しい英雄になってもらうこと」
「あるいは、英雄としての姿を間近で目撃したい、って気持ちもあるのかもね」
「何気なく物語は進行してるけど、実は一話から数えてこの話、かなりきれいな構成で続いてるんだよね。戦いから始まって、その結果を会議という形で世界観の紹介に使って、姉御様で匂わせる程度だったヤンデレヒロインを全開に説明する。ある意味三話目で見事にピークを描ききっているように思えるよ」
「あー、だから逆に、四話は少し落ち着いた感じでスタートするのかな?」
「一話から三話はそのまま連続しているけど、四話で一旦大きく時間をずらして心機一転、という感じはするね」
「メインヒロイン差し置いて出てくるのがハラボテチェストバスターちゃんだもんね」
「言い方」
「四話の場合、一話では戦闘から始まっているのに対して、どのような過程で妖を見つけるかとか、恐らく「ゲームでも描かれない詳細」を描写しているね。同時にそれは、まだ発見していない妖がどのレベルか、妖の違いに言及する絶好の場でもある」
「ああ、だからこそ妖のヒロインの紹介に移るのかな?」
「いわゆる碧子ちゃんと呼ばれている鬼だね。こちらは執着のベクトルがまた少し違う」
「確かに姉御様も葵姫さまの原動力は恋だったけど......」
「決め手が葵さまの救出にあったのは、うん、同じなんだけど、当事者として助けられた葵姫と、それを目撃した第三者としての碧子ちゃんでは、分析的な受け止め方に近くなる。なにせ、目的は自分を殺してくれる英雄を見つけること、英雄を育てることだからね」
「鬼は英雄に憧れている。行動に惹かれてはいても、伴部にはまだまだ試すような態度が多い。そして、一際異彩を放っているのが伴部を鬼にして殺しあいをするのも面白そうだという、自分本意な点よね」
「他のヒロインはあれでいて、最終的には自分が伴部くんにかしづくことを考えているとするなら、なおさらね。同じベクトルで違う在り方に惹かれたヒロインを用意するだけじゃなくて、わずかに考えがすれ違っているヒロイン、異なる基準で動くヒロインが登場したことで、キャラクターが一気に生き生きとして来ているよね」
「さて。本当はもうちょっと解説したかったけど、長引きそうになるから今日はここまで。また次回も聞いてくれると嬉しいな。」