蛍は何処へ 作:パリピブラゾール
今回だけ、世界観に似合わない言葉を用いることをお許しください(貧弱な語彙力)。
「メリークリスマス!」
伴部を出迎える声と共に、無数の色紙が散った。火薬の臭いが一瞬立ち込めるも、すぐに凍った風が洗い流していく。
同じ顔をした、蜂蜜色の髪をなびかせる、西方の聖人が二人、並んでいる。筒を握った方はにこにこと笑みを浮かべていて、もう一人は腕を組み、斜に構えている。
いかにも双生児であるかのように区別できるが、実際はこの二人は歩んできた道が違うだけで同一人物である。
「さあさあ、伴部さん座ってください!とっても高い、舶来品のお酒を用意しているんですよ?」
「ご機嫌ですね」
「だってもう、クリスマスですもの!」
「いくら世界が壊れようと、日は沈み、また昇り、ってね。月日は巡るってもんでしょう?」
硝子細工の容れ物に並々と、血のように赤いぶどう酒を注ぎ、容れ物同士を勢いよくぶつける。青年が口にするより早く、橘佳世は酒精を一気に飲み干してしまった。
「大丈夫なんですか?そんなに一気に飲んでしまって」
「うふふ、伴部さんは心配性ですねぇ」
早くも瞳をとろんと、眠たげに光らせながら、
「商会の人間は接待をしてナンボですから、そう簡単に飲まれませんよぅ?」
ねー、と同意を求める先では、同じ顔がそっぽを向く。
「あいにく私は節度をもって楽しむ方が好きだから」
いかにも飲み慣れた様子で、縁をなぞらせるようにぶどう酒をくるりと回し、じっくりじっくり喉に送り込む。そんな様子に、橘佳世は頬を膨らませた。
「そんなこと言って!どうせ私が酔い潰れたのを見計らって伴部さんを独り占めしようとしてるんでしょう!」
「ぶっ!?」
「まったく、その手には乗りませんよぉ?」
勢いよく呷るが早いか、橘佳世は頬にためたぶどう酒を、口づけで相手の喉に流し込む。 ちゅぽんと音をたてて離れる二人の顔は紅潮して、唇を奪われた橘佳世はその場にへたりこんだ。
二人の格好はいわゆるミニスカサンタであり、腿を大きく露出したその服は冬空から肌を守ることはもちろん、秘部を隠そうとする意図にも欠ける、ただただ相手の欲情を煽る服である。散々関係を持った青年でさえ、その新鮮さには思わず目を奪われてしまう。
「伴部さん、ムッツリですよねぇ。今さら紳士ぶる必要なんてないのに」
「かといって凝視するわけにはいきませんよ」
「えぇ?この丈で、見えそうで見えないところ、きになりませんかぁ?私たちの、アソコ」
ボソッと耳元で囁く瞬間に息を吹き付け、伴部の体は大きく震える。青年が確かに反応したのを見逃さず、追撃しようとする佳世の前に、影が立ちふさがる。
「あんたばっかり、いい思いをしてんじゃないわよ」
腰が砕けていた橘佳世が復活し、全身を使ってもう一人の自分に一撃を繰り出す。体勢を崩した二人は、重なりあうようにして倒れた。ちょっと、と抗議の声をあげようとした彼女の唇を、荒々しく奪う。
元々男たちの余興に付き合わされ、女同士での疑似体験もさせられていたほどである。その経験の差は言うまでもなく、例え着ているものが洋服であろうと、難なく下着のなかに指を滑り込ませ、くちゅくちゅという水音をたてて、もう一人の自分を喘がせる。
陰部に手を差し入れたまま、くるっと体を回してもう一人の自分の背中側に回ると、後ろから抱き止めるようにして空いた手を胸へと伸ばす。発育のいい胸がすぐに彼女の行く手を阻む。指先でぷっくりとした乳首を弾いた瞬間、橘佳世は堰を切ったように喘ぎ始めた。
「あっ、ダメダメダメいく、イクうっ!」
「ほーらさっさと果てなさい。一人でもいけるんだから、あんたに伴部は不要でしょうが」
「やだぁっ。私は、伴部さんとぉっ……」
「よく言うわねぇ足をがくがくさせて指をしっかり咥えこんでチンポじゃなくてもいいんでしょ?」
「やだっ、伴部さんの、おちんちん……」
「じゃあもう一本入れるわ」
「にゃあああ!」
下半身だけ別の生き物のように動かしながら、かくんと力なく、橘佳世は倒れ込む。軽く指を振った彼女は、立ち上がると青年の膝の上に腰を下ろした。白い下着が見えたのも一瞬のことで、すぐに彼の剛直は少女のなかにからめとられていった。
「う、わ。やっぱり太い……んっ、あんたのっ、ほんっとうにつっかえるわね……やん、変なとこ擦って……」
青年の肩に手を置いて、用を足すように腰を屈める。じゅくじゅくと熟れすぎた果実のような柔らかさが伝わってくる。やがて、青年のすべては納められないまま、二人はひとつになった。
「あっ、ずるいずるい!」
と、我に返った佳世が慌てて駆け寄る。しかしもう一人の自分は既に、勝ち誇ったように腰を振り始めている。佳世はぷうっと頬を膨らませ、同じく伴部に跨がると二人の間に割り込んだ。
「なんですかもう!男のだったらすぐに呑み込むくせに!女だって手を出すくせに!どうして伴部さんまで盗っちゃうんですか!」
「なによ、伴部は別だってあんた自身が前に言ってたじゃないの。伴部は別なの」
「ふんだ!淫売のくせに!」
言うなり橘佳世は、もう一人の自分に掴みかかると、洋服を捲り上げた。剥き出しにした乳房に勢いよく吸い付く。途端に体を硬直させた佳世は、上下の刺激に耐えきれず、体勢を崩した。
それでも刺激から逃れられるわけではなく、ほどなくして佳世は、もう一人の自分を導いたように絶頂し、意識を飛ばした。にゅぽん、と勢いよく抜けた男のものから、湯気がたつような熱い雫が、誰もいない場所へと吐き出されていく。
「伴部さん!今度こそこっちですよ!」
「あ、ん……喧しいわね、あんたは一人で慰めてなさいよ、あの張形でも使って」
「私は伴部さんに言ってるんです!あなたの意見は聞いてません!」
押し問答の末、西洋風の下着を足首に引っかけた二人は、お互いの秘部を重ね合わせるように擦り付けるように秘所の溝に蓋をして、男の分身を包んだ。三人が敏感な先端で交わり、それぞれが耐えきれずに喘ぎ声を漏らす。
「うわ、濡れすぎっ……っ!」
「もう!変なおつゆで汚さないでくださいよ!」
「まんこ濡らしてるのはあんたでしょうよ……あっ倒れる倒れる!」
「ちょっとこっちに抱きついてくるのは……んんっ!」
伴部を包みながらも鏡写しのように敏感な箇所をぶつけ合った少女は、エレキテルを流されたように体を揺らし、繰り返し絶頂する。あっという間に二人の赤いミニスカートは、白濁した男の体液で汚されていく。いつしか二人は抱きつくようにしてバランスをとりながら、お互いに大きく腰を振り、押し付けるようにして快楽を得ようと貪欲になる。
少女たちの歓喜の、甲高い叫びが、いつまでも途切れなかった。