※この作品はR-18です。

蛍は何処へ   作:パリピブラゾール

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これが今書ける精一杯なので初投稿です。


女王蜂(雛ルート)

痴女がいた。誰に聞こうが、そのすべての人間がそう断言するであろう、浅ましい人間の牝がそこにいた。

 

しかし姫君である、己が仕える家の、次期当主である。ならば、屋敷の中庭で身分が不釣り合いの馬の骨を引き回し、女陰を露出して辺り一面に汗や体液を撒き散らすような醜態は、誰かが諫言せねばならなかった。

 

幸い姫君はご機嫌である。弱々しい抵抗を見せる下人を押さえつけ、熱心に腰を振っている。この恐れを知らぬ馬の骨を蹴り飛ばして、恭しく玩具を差し出せばーーそれだけでも醜聞には違いないがーー事足りるはずであった。

 

見つめる視線は突き刺さるように、複数から寄せられている。それどころか、やはり耳目を引くのか徐々に熱が増えていく。鬼月雛はふと周囲を見回して、にんまりと笑った。品のない笑みであった。そして、再び前後運動を繰り返し始めた。

 

挑発するような視線に、ざっと包囲網が縮んでいく。裸足で、草履もはかずに庭へと降り立つものたちが、今にも涎を垂らさんばかりの視線で、この光景に釘付けになっている。

 

鬼月雛と下人がまぐわう姿を見つめるのは、鬼月雛であった。寸分違わぬ容貌を持つ、双子のように瓜二つな少女たちは、影武者や替え玉といった使い捨ての類いではなく、鬼月雛と同じ教育を受け、鬼月雛と同じ過去を経験したものたちであり、この下人に異常な執着を見せる少女らであった。

 

「ああ......ずるいなぁ......」

「見せつけるなど......」

 

相手は自分自身である。見られて興奮していることも、自分が自分に想い人を盗られている錯覚も、なにも言わずともすべて共有できる存在であった。同じように肌着を湿らせ、同じように生唾をのみ、見守っている。ただ一人、想い人とのまぐわいを勝ち取った鬼月雛こそ、この場の真の女王であり、勝者であった。

 

鬼月雛が、包囲網を縮めていく。小石が肌を傷つけようが構わない。ざりざり、と砂が耳障りな足音を奏でる。放心したように、鬼月雛たちは、女王蜂と化した自分に向かってじりじりと近づいていった。

 

 

彼女たちの想い人はただ一人である。鬼月雛が複数人いるならば、かの下人が複数いると考えるのは当然の帰結である。

 

しかし彼女らの傍らに青年の影はない。ただ一人の獲物なのかもしれない。鬼月雛はふと、包囲網の一部を担う自分が、徒党を組んで想い人を輪姦しているような錯覚を抱き、その妄想に酔った。あの自分は青姦を楽しんでいるつもりかもしれないが、それももうすぐ終わる。

 

鬼月雛は、ぐっと足に力を込めて、女王蜂に反逆すべく地面を蹴った。

 

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