ふた姉 -シスコンとブラコンとサキュバスと- 作:Scorcher
ふたなりという只でさえ人を選ぶジャンルにも関わらず、血縁要素を含んでもいる作品です。本当にこの作者は読んでもらう気があるのだろうか。
「それじゃトシくん、行ってくるね。」
「ああ、いってらっしゃい。」
そう言いながら彼、三原敏也は姉の詩乃を見送る。アイドル活動に忙しい彼女の一方、大学生活も終盤の彼は、就職活動以外だと平穏過ぎる日々を過ごしていた。
「んん……詩乃姉は本当に元気だなぁ。」
身体を伸ばしながら、姉に託された家事に取り掛かる敏也。誇れる姉を持つ彼の日常は、平穏ながらも充実しているのであった。
◇
学び舎での講義が少なくとも、学生の領分である勉学を怠ることはなかった敏也。近所の図書館から帰宅し、彼は自室へと戻り部屋着へと着替える。
「……少し、帰ってくるのが早かったかな。」
図らずも時間を持て余してしまう敏也。アルバイトに行こうとも考えたものの、姉からは「学生の時に出来ることをしてほしい。」と言われ、彼は残り少ない学生生活を謳歌しようとしていた。
「俺だって……本当はもっと詩乃姉のために……」
そう呟きながら、本棚から背表紙を裏返した一冊の写真集を取り出す。自らの姉が惜しげもなく肌を見せた水着写真集。彼は密かにそれを購入し、姉に隠れて楽しんでいた。
「うぅっ……やっぱり、デカい。」
美しく伸びた黒髪に整った顔立ち。均整の取れた身体つきながら豊かに実った双丘。容姿が理想的でありながら、日頃から生活を共にする敏也から見た詩乃は、内面までも完璧に近い存在であった。
「んっ……はぁ、はぁ……詩乃姉、詩乃姉ぇっ……!」
誇れる姉が見せる水着姿。零れるような乳房が強調されるページが続く中で、敏也は最も開きやすくなったページで捲るのを止め、荒くなっていた息をさらに激しくする。
「んんっ……はぁっ、はぁっ……くぅっ……!」
下半身に帯びた熱は次第に股間を膨張させ、実の姉を糧とした自慰行為を促す。アイドルとして輝くに対する細やかな劣等感。そして実姉を性欲の対象として見てしまう背徳感が彼の中に葛藤を産み、男根を屹立させながらも果てることを拒もうとする。
「んっ……くぅっ……!やっぱりダメだっ!こんなことは、もう絶対に……!」
理性を振り絞って快感に抗う敏也。その最中、玄関のドアが開かれる音がする。
「っ……!?し、詩乃姉っ……!」
抱いていた欲望は瞬く間に冷め、彼はいつもと変わらぬ様子で帰宅した姉を出迎える。
「おかえり。」
「うん、ただいま。あれ、トシくんも今日は早かったんだ。」
「ああ……図書館にある読みたい本も、ほとんど読み終わっていたし……」
「そっか……だったら今日は、一緒に晩御飯が食べられるね。」
年の近い弟に対し、屈託のない笑みを浮かべて喜びを表す詩乃。その姿に日常の感覚を取り戻していく。
「すぐに準備するから、少し待ってて。」
「あっ!いいって、今日は私がやるから。」
「大丈夫、せっかく仕事が早く終わったんだし、詩乃姉はゆっくりしてていいからさ。」
「うーん……そう言ってくれるなら、お言葉に甘えちゃおうかな?」
仲睦まじい姉弟の日常。僅かに取り繕うことありつつも、2人の平穏な生活はもうしばらく続こうとしていた。
◇
「……ふぅ。」
陽が沈み、夜空に月と星が輝く頃。敏也は自室で一人、パソコンで卒業後の就職に備えた準備をしていた。
「はぁ……卒業してすぐはともかく、落ち着いたらやっぱり、一人暮らしの方がいいのかな。」
近い将来のことに考えを巡らせ、悩み続ける敏也。姉と良好な関係を築く一方、自らを律しようとする彼は一人で暮らすことも考え煩悶を繰り返す。
「きっと、俺が一人暮らしをするっていえば、応援してくれるだろうな。それに、別々で暮らしていれば俺の詩乃姉に対する思いだって……」
疎遠となることを恐れつつも、姉との健全かつ良好な関係を維持することを望む敏也。離れることの寂しさに耐えることも成長の一つ、そう自分に言い聞かせようとしながら彼はさらなる研鑽を積もうとしていた。
「なーにをくだらないことで悩んでいるのよ。」
「……!?」
邪な念と共に煩悶から抜け出そうとしていた敏也。そんな彼しかいない部屋に、突如として女の声が響き渡る。
「な、なんだっ!?」
驚きの声を上げる彼が向けた部屋の中央。そこに不気味で禍々しい黒色の球体が現れ、それが弾けると同時に一人の女が姿を現すのであった。
「うーん……はぁ。お、なんだかずいぶんと小奇麗に片付いた部屋ね。男の邪念に反応して顕現したはずなんだけど……」
「だ、誰だあんたっ!?い、一体どこから出てきて……!」
突然現れた一人の女。その出で立ちはとても人前に出るような恰好ではなく、豊満な身体を下品に曝け出した異様ともいえる容姿をしているのであった。
「まぁとりあえず落ち着なさい。これから起こることを考えれば、私の存在なんて大したことじゃないから。」
「た、大したことじゃないって……いきなり現れておいて……というか、こんなマンションの上階にどうやったら……」
狼狽え続ける敏也を尻目に、派手に露出した格好の女は平然と口を開き続ける。そして、彼を嗜めるように、彼女はさらに言葉を続ける
「安心してちょうだい。私はただ、あなたの願いを叶えるために現れただけだから。」
「お、俺の……願い?」
痴女同然の存在から放たれる言葉に、敏也は思わずそれを聞き返す。だが、その矢先
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
シャワー室のほうから姉である詩乃の悲鳴が響き渡る。
「し、詩乃姉っ!?」
自らの疑問も眼前の痴女も捨て置き、敏也は悲鳴を響かせた詩乃の元へと向かう。そして、シャワー室のドア越しに声を上げる。
「どうしたの!?何かあったの!?」
「と、トシくんっ……!?あっ……ダメっ、今は、その……!」
普段の姉からは想像もつかない憔悴した声。尋常ではない彼女の状態を察しながら、敏也はドア後に問い続ける。
「詩乃姉……大丈夫!?あの……さすがにこのまま俺が入るわけにはいかないと思うから……!」
「う、うん……あ、あのねトシくん。バスタオル、取ってくれるかな?」
「えっ……?あ、ああ……」
詩乃の求めに応じ、敏也は浴室のドアは僅かに開くと、脱衣所に置かれていたバスタオルを手渡す。
「ちょっとだけ待ってて……すぐに……い、いやぁっ……何よこれぇっ……!」
「し、詩乃姉……一体何が……?」
浴室内の状況が全く把握出来ずにいる敏也。時折聞こえてくる姉の困惑する声を聞きながら、彼はその場で立ち尽くしていた。
「ほ、本当に大丈夫なの……?」
「う、うん。トシくん、いいよ……入ってきて。」
「えっ……!は、入るって……!」
「だ、大丈夫だから……!そ、その……私だけじゃ、どうにもならないの。」
落ち着きを取り戻した様子の詩乃。しかし、状況が未だに理解出来ていない敏也は彼女の求めに困惑する。それでも、姉の助けを求める声を聞いた彼は意を決して浴室のドアに手を掛ける。
「あ、開けるよ?」
「うん……いいよ。」
そして彼は浴室のドアを開き、浴室の縁にバスタオル巻いて座る姉の姿を確認する。布越しでも分かるほどに豊満な乳房に目を奪われつつも、彼は姉に声を掛ける。
「し、詩乃姉……一体何があったの?」
「と、トシくん……こ、これ……!」
「えっ……?」
詩乃の顔と胸元ばかりに目を向けていた敏也。しかし、彼女が自身の下半身へと顔を向け、彼も自ずとそこへ目を向けると、そこには不自然なほどに布地を隆起させる突起が存在していた。
「し、詩乃姉……それって……!?」
「こ、これって……そ、そうだよね?お、男の子についてる……その……」
女として、口に出すことすら憚れるはずの言葉。その隆起した姉の下半身を目の当たりにした敏也もまた、それが何かを布地越しであっても理解する。しかし、それが何かを姉の前で言うことを、彼は懸命に避けようとしていた。
「あ、あの……えっと……」
「おお、けっこう立派なチンポね。まぁ、胸の大きさ割には普通かしら?」
浴室内で対面した姉弟の間に流れる気まずい空気。それを切り裂くように、先程敏也の部屋に現れた女が声を上げながら姿を現す。
「ち、ちん……!?っっっっ……!!!!」
「あ、あんた……さっきの……!」
女の下品な言葉を聞き、赤面して顔を俯かせる詩乃。一方の敏也は、再び現れた彼女に苦々しい表情を浮かべながら呆然としていた。
「どう?ビックリした?お姉さんの股間にこんな大きいチンポが生えちゃうなんて。」
「あうぅっ……!」
「な、なんなんだよ……これ?どうして詩乃姉に……こんな……!」
突如現れた露出の激しい女と、困惑の色を露わとする敏也。そして、その傍で股間から雄々しい突起、男性器を生やした詩乃は、2人の前で羞恥に俯き続けるのであった。