優柔不断は切り捨てろ:周りの美少女は全員他人のモノ 作:エルサイズ
――――――――――――――――――――主人公視点
リビングに戻ると、スマートフォンの画面に不在着信の履歴が残っていた。
「...茜か」
最近はすっかり我が家の母親役が板についてきた茜さんだ。
...何を言われるのか少し怖い所だが、それ以上に茜からの着信が嬉しい。
直ぐにスマホを手に取り、着信履歴の一番上をタップした。
「...おっ」
数回のコール後、茜が通話に応答した
「...もしもし?」
しかし、しばらくゴソゴソと聞こえるだけで返事が無い。
「茜?大丈夫か?」
少し心配だ。しかし、もう夜も遅い時間だ。既に夕華も美咲も華織さんも就寝しているはずなので、通話できる場所に移動しているのかもしれない。
『うん...大丈夫』
どうやら杞憂のようだ。その声に焦りの色は無く、寧ろ緩慢な程だ。
そして、その第一声で何となく察した。
「ごめんな、寂しい想いをさせて」
『...うん。寂しい』
声が響いていない。恐らく、既にベッドの中なのだろう。
「明日、一緒にお昼食べような」
『うん...』
今にも泣きそうな声だ。
『ねえ、先生...』
「うん?」
少し声が掠れている。
『...ううん、なんでもない』
何か言いたい事があるのだろう。しかし、気を使い過ぎる茜は言葉を飲み込んでしまう。
「大丈夫だよ。なんでも言ってごらん?」
出来るだけ優しい声で促す。
『あぁ...もうっ...またそんな優しい声で...っ...』
おや?泣きそうな声に聞こえていたのだが...少し様子がおかしいな。
「茜?」
『ちょっと待ってて』
ゴソゴソと物音が聞こえた後に、再び声が聞こえた。
『お、お待たせ...っ』
「あ、ああ」
一体どうしたのだろうか?
『ねえ...先生?』
切ない声で呼ばれた。
「うん?」
『お願い...好きって言って』
何とも可愛らしいお願いだった。
「好きだよ、茜。愛してる」
溢れる愛情を電波に乗せて伝える。
『ふぁ...っ...あぁっ♡』
「えっ?」
電話口から聞こえて来たのは、甘ったるい雌の声であった。
「あ、茜?」
『せんせぇ...早く帰って...ぇ...っ...♡』
微かにくちゅくちゅと音が聞こえる。...まさか、一人でシてるのだろうか?
「茜...?」
『先生が帰ってこないから...我慢できなくてっ...ああっ♡♡』
甘い嬌声がスピーカー越しに聞こえる。
「だから、一人でシてるのか?」
『うんっ...この前、駅前のマンションでシたときのおもちゃで...んぅ...っ...♡』
ここでシたとき...ソーププレイの事だ。そのプレイの一環として、茜をディルドでいたぶり尽くしたのだ。その際に使用したディルドを今も使っているのだろう。
「気持ち良いか?」
『うんっ...でも...っ...足りないのっ...ふぁっ♡♡』
確かに、もどかしそうな声だ。
「茜はえっちだね」
『誰が調教したと...っ...思ってるのよ...っ...♡♡♡』
俺だな。それと夕華。
「可愛いよ、茜」
パジャマが乱れ、ベッドの上で顔を真っ赤にしながら秘所を慰めている茜が想像できる。
俺がすぐ隣に居れば、たちまちその身体にむしゃぶりついている頃だろう。
『んんぅ...っ...♡♡♡』
口を手で押さえているのだろう。くぐもった喘ぎ声しか聞こえない。
「イキそうなのか?」
少し早いな。確かに茜はイキやすい方ではあるが、もう少し時間がかかる。
『うんっ...イキそう...っ...♡♡ねえ...好きって言って...言って...ぇ...っ♡♡♡』
二人きりの時に見せる甘えん坊の茜の姿。それはもう本当に可愛すぎてたまらない。
「大好きだよ、茜」
セックスをしているときも、絶頂の直前で同じような事を言う。
『私も...好きっ...ああっ♡♡』
ゴソゴソと音が聞こえる。スマホをベッドに落としたのだろう。
そして、しばらくの沈黙の後、再び声が聞こえた。
『はぁ...はぁ...せんせぇ...好き...大好き...♡♡♡』
蕩けるような甘ったるい声だった。
「俺も好きだよ、茜」
『もう...そんな優しい声で言われたら...またシたくなるじゃない...♡』
...完全にスイッチが入っているな。
「茜」
その前に一つ、確認したいことが有る。
『なあに?』
甘ったるい響きだ。
「俺が電話する前からシてただろ?」
『っ...!』
息を飲む音が聞こえた...ような気がする。
「可愛いよ、茜」
『だ、だって...寂しかった、から...』
本当に可愛いな...この子。
「我慢できなかった?」
『うん...ベッドに先生の匂いが残ってたから...』
「茜...」
本当に可愛らしい理由だ。
『早く、帰ってきてね...?』
甘えるような、か細い声だった。
「俺も...早く茜に逢いたいよ」
『うん...ありがと。ごめんね...?こんな遅くまで』
声にはまだ情欲の色が残っている。まだまだ足りないのだろう。
「良いよ。いつでも電話して良いからな」
『うん...ありがと。大好き』
ああ...本当に可愛いな、茜は。
「ああ、俺も愛してる。じゃあ、そろそろ寝ようか」
もう遅い時間だ。そろそろ寝ないと学校に支障が出る。
『うん。でも、オモチャじゃ足りないから早く帰ってきてね?』
『ああ。もちろん。おやすみ、茜』
「おやすみなさい、先生...♡」
甘い声を残して電話が切れた。
脱衣所からはドライヤーの音が聞こえている。楓さんも入浴を終えたのだろう。
「...」
マズい。茜の淫らな姿を想像したせいで気分が高揚している。
今、少し濡れた楓さんの姿を見れば...一体どうなってしまうのだろうか。
「何を考えているんだ...俺は...」
慌てて邪念を振り払い、冷たい水を飲んで気分を落ち着かせた。
「ふぅ...」
落ち着け...今夜はボディガードなんだ。気を張らないといけないというのに。
そう思い、再びスマートフォンに視線を向けた。
...そういえば、楓さんのスマホは帰宅途中の着信以来沈黙したままだ。
迷惑電話の頻度はそこまで高くないのだろうか。
「...」
とはいえ、他人のスマホ...それも若い女性のモノを盗み見るワケにはいかない。
―――――――――――――――――
「お風呂いただきました。ありがとうございます」
その時、リビングに楓さんが戻って来た。
「おかえりなさい。お風呂の使い方はわかりましたか?」
蛇口やシャワーの形状も特注品なので、あまり使いやすい方ではない。
「ええ。あの遊具以外は大丈夫でした」
ニコニコとご機嫌な様子の楓さん。
「そ、それは良かったです」
「ふふふっ...はい♪」
それにしても...本当に機嫌が良さそうだ。
「あ、そうだ...楓さん、下着や服のサイズはどうですか?」
「は、はい...その...ぴったり、です」
ほんのりと上気していた頬が更に赤く染まる。
「それは良かったです」
サイズが合わなければ本末転倒だ。
「...み、見ますか...?」
「えっ」
ここで衝撃的な提案をされてしまった。
「あ、あなたがお望みなら...その...っ」
楓さんはパジャマの裾を捲り、ほっそりとしたお腹とおへそをこちらに見せた。
可愛らしいキャラクターがプリントされているパジャマが逆に煽情的に見えてしまう。
「なっ...!」
「っ...」
顔を真っ赤にしている楓さん。既にお腹は丸見えになっており、黒い下着の一部が見え始めていた。
「だ、大丈夫です!大丈夫ですから!」
彼女の両手を握り、肌面積の進行を止めた。
「...あなたなら、見ても良いんですよ...?」
エメラルドグリーンの瞳を潤ませながら、上目遣いで俺を見つめる楓さん。
「っ...!」
柔らかい両手を握ったまま、裾を下げもせず、更に捲り上げもしない膠着状態。
「あなた...?」
...マズい。先ほどの茜の痴態を耳にした影響が出ている。
理性では腕を下ろさないといけない事を理解しているのに、本能が力を緩めてくれない。
「いっ...」
「...!」
苦痛に歪む楓さんの顔を見て我に返る。いつの間にか凄い力で彼女の手を握っていた。
「す、すみません...」
「ぁ...」
慌てて手を離すと、何故か楓さんは名残惜しそうに俺の手を見つめていた。
そして―――
「っ...!」
柔らかい両手が俺の左手を包み込んだ。
「か、楓さん...?」
真剣な表情で俺を見つめる楓さん。エメラルドグリーンの瞳は強い決意に燃えている―――ように見えた。
「え、えいっ...!」
ぐっと腕を引かれ、俺の左手は吸い寄せられるようにして彼女の身体を目指した。
「!?」
彼女が何をしているのか、それに気が付いた時には既に―――
「ふあっ...っ」
顔を真っ赤にして、ぎゅっと目を瞑っている楓さん。
「っ...!」
柔らかい。とても、柔らかい。暖かい、大きい、そして柔らかい。
...ダメだ。俺も混乱している。
「ど、どう、でしょうか...?」
耳まで赤くしたまま、上目遣いで不安そうに尋ねる楓さん。
どうもなにも最高の感触です、と答えてしまいそうだ。
「や、柔らかい...です」
まるでウブな少年のような返答をしてしまった。...彼女に憧れている"本物のウブな少年たち"に袋叩きにされそうな状況だというのに。
「それだけ...でしょうか?」
足りないらしい。
俺の左手も自由が利かない。それどころか、本能はもっと彼女の身体を求めている。
「...これ以上は、止まらなくなります」
全力で自分を抑えている。このままでは無垢な女神を穢してしまう。
「それは...私の身体が魅力的、という事でしょうか...?」
ぐっと身体を寄せられて、潤んだエメラルドグリーンの瞳で真っすぐに見つめられている。
「それだけではありません。あなただから。楓さんだから、止まらなくなりそうなんです」
「私だから...?」
小首を傾げている。
無垢な女神は愛らしい仕草で俺を狂わせる。
「ええ。楓さんだから―――」
俺は...彼女を抱き寄せた。
「ひゃっ...!?」
「―――あなただから、あなたの全てが魅力的だから、止まれなくなりそうなんです」
右腕で細い腰を抱き寄せて、左手で柔らかい乳房を包み込む。
...相手が茜なら、悩む間もなく舌を絡め合い、既にベッドに押し倒している。
しかし、最後に残った理性が顔を寄せるだけに留めている。
「あなた...えへへ...♡」
ふにゃりと緩んだ笑顔を浮かべる楓さん
「楓さん...?」
怖くないのだろうか...?
自覚があるとはいえ、獣欲で目を血走らせた男に抱かれているというのに...
「えへへ...私、魅力的なんですね...♡」
緩んだ笑顔に少し和んでしまう。
「ええ。あなたはとても魅力的です」
「ふふふっ...英語の教科書みたいなしゃべり方ですね♪」
腰を抱かれて胸を揉みしだかれているというのに、楓さんは冗談を言う余裕があるらしい。
「楓さん、お分かりですか?この状況について」
あとほんの少し、俺がトリガーを引けば...楓さんは強引に身体を開かれて、その美術品のような美しい四肢を蹂躙されてしまう。
「...ええ。わかっています」
愛らしい笑顔が一転して、真剣な眼差しへと変わる。
「私は...こんな歳で処女なのでちょっと恥ずかしいですけど...あなたと、え、エッチしたい...っ...と、思ってます...っ」
衝撃的なカミングアウトをされてしまった。いや、交際経験が無いと話していたので薄々察していたのだが、やはり彼女は清らかな乙女であった。
「それなら...猶更これ以上進むワケには―――」
言い終わる前に、彼女の細い指が俺の唇に触れていた。
「でも、もう...止まらないでしょう?」
反対の手で俺の左手を包み込んだ。
「ほら、あなたの左手はもっともっと触りたいってお話ししてますよ?」
すりすりと左の手の甲をなぞる楓さん。
「楓さん...っ...」
つい先ほど、茜への愛を囁いたばかりだというのに、なんと節操のない事か。...いや、それは今更か。
「あなた...私は―――」
しかし、甘い時間は唐突に終わる。