優柔不断は切り捨てろ:周りの美少女は全員他人のモノ 作:エルサイズ
――――――――――――――主人公視点
日曜日。俺は夕華と一緒に少し離れた地に来ていた。
そのお店は、一見昔ながらの呉服店のような佇まいをしているのだが、どうやら一流女性アスリートも此処に下着を買いに来るほどの名店らしいのだ。
これは知人のスポーツインストラクターから聞いた情報だった。
夕華もここで採寸してもらい、適正サイズのスポーツブラと更にランジェリーを何着かあつらえてもらったのだ。
「どうだった?」
試着を終えて戻って来た彼女に問う。
「うん...凄かった。これなら走れそう...!」
「それなら良かった...また頑張れそうか?」
「うん...!」
こうして、夕華は再び陸上部に戻れるようになったのだった。
そして、お店を後にした車内にて...
「ね、ねえ、お兄ちゃん...払ってもらうなんて悪いよ...」
「だから気にしなくていいって。...昨日めちゃくちゃにしたお詫びだと思ってくれ」
「あ....うん、わかった。ありがとう、お兄ちゃん」
「ああ。夕華の笑顔が一番だからな」
あの下着は、セミオーダーのようなものなのでそれなりに高価だった。夕華の保護者として当然だろう。
「ふふっ...あ、今日買ってもらったランジェリーは...今度着けるから楽しみにしていてね...♡」
耳元で囁く夕華の言葉にドキッとしてしまった。...いつからこんなにエッチな子になってしまったのだろうか...俺のせいか。
「...それは楽しみだな」
「ふふっ♪」
キーレスでドアを開錠して2人して車に乗り込んだ。
「ねえ、この後どうする?」
「そうだな...折角ここまで来たからお昼ご飯食べて帰るか」
「うんっ。あ、その後に夕飯のお買い物に寄ってもらっても良い?」
「ああ、もちろんだ」
電動車特有の静かな走り出しで走行していると、脇道から合流してきた乗用車に視線が向いた。
「あれって...」
夕華も気づいたようだ。
少し古いディーゼルのRV車なのだが、限定車の珍しいカラーだ。
しかし、目についた理由はそこではない。気になったのはドライバーの方だ。
「ああ。体育の先生だな」
同時に陸上部の顧問でもある。
あの教諭の自宅は全然違う方面だったような気がするのだが...
「あっ...!」
夕華が驚いたような声を上げた。その視線の先は助手席の人物に向けられていた。
一瞬だけ見えた助手席の女性には見覚えがある。
最初は娘か何かかと思ったのだが、どうやら違ったようだ。
「茜...」
「...やっぱりそうか」
俺は見逃しそうになったのだが、目が良い夕華は捉えていた。
「でも...先生と茜がどうして日曜日に一緒に居るの...?」
「...」
恐らく...一瀬茜が身体を許している相手というのがあの男なのだろう。
「ねぇ...茜が言ってた相手ってまさか...」
夕華もその事実を思い出したようだ。
「...ああ。多分そうだ」
「どうして...っ..!」
戸惑いと憤りが混ざり合って混乱しているようだ。
俺はそんな彼女の手を握って落ち着かせた。
「夕華、この件は俺に任せろ」
「でも...茜が...っ...!」
このままでは再び過ちを犯す。そう言いたいのだろう。
「...今日はもう遅かったみたいだ」
夕華に後ろを振り返るように伝えると、彼女も理解したらしい。
「あ...」
そう。彼女が出てきたのはラブホテルだ。出てきたということは...既に事を終えているのだろう。
「うぅ...」
ポロポロと涙を流す夕華の手を握り続けた。
「夕華...必ず俺が一瀬を救う」
「うん...お願いね、お兄ちゃん。よく見えなかったけど...茜、なんだか悲しそうな顔してただから...お願い」
「ああ...必ず」
夕華の手を握りながら...そう誓うのだった。
――――――――――――――茜視点
「っ...!」
「はぁっ...はぁっ...」
ギシギシと揺れる安宿のベッド。
私の上で汗だくになって腰を振っている男は、とにかくセックスが荒い。妻帯者だったと思うのだけど、この男の奥さんは少し気の毒だ。
(ローション使わないと膣内が傷だらけになりそう...)
ナニはそこそこの大きさなので、なおのこと質が悪い。
それに、身体か大きいから押さえつけられると苦しい...
でも...乱暴に抱かれていると...なんだか求められているみたいで少し安心する。
しかも、この男はそれなりに権力があるので色々と噂の火消しに役立つ。
...だから、こんな日曜日に呼び出されても我慢して抱かれているのだ。
「出すぞっ...」
「....痛っ...」
ギシギシと激しく軋むベッド。力任せに腰を叩きつけてくるので分厚いゴムを着けているとはいえ少し不安になってくる。
....これだから正常位はイヤだ...
「うっ!!」
ブルりと震えて腰を押し付けてくる体育教師。年のせいか、1度出したら満足する。...しかし、必ず最初と最後にフェラチオを要求してくる面倒な男だ。
....居たことないけど、恋人ならもっと献身的になれるのかな...。
(先生...)
勿論この男の事ではない。
脳裏に浮かんだのは...夕華がお兄ちゃんと呼んで慕う彼の事だ。
何処から聞き出したのか知らないが、この事を薄っすらと察していた。...以前に夕華に誤って漏らしてしまったので、彼女から相談でもされたのだろう。家も隣同士らしいし。
「おい、一瀬」
体育教師はゴムを外して足を開いている。...その間抜けな姿を鼻で笑いそうになったけど我慢した。
「はいはい...れ..ぉ...んっ」
じゅぽじゅぽと音を立てて臭い精液に濡れた肉棒を咥える。
....恋人なら...いわゆるお掃除フェラも喜んでしてあげることができるのかな....
ありもしない妄想をしてしまうのは...あの先生に思わずときめいてしまったからだろうか。
...前々からあの教師の事は気に入っていた。若いし優しそうだし授業も比較的わかりやすい。それに真面目で頼りになる、といった好印象ばかりの先生だ。
でも、夕華が彼を見る目は...淡い恋などという軽いものではなく、深い愛情と恋慕の視線だった。私は...そんな彼らの間になど入る資格はない。
「ん...これでいいですか?」
「ああ」
短く答えると体育教師はベッドから立ち上がり、ソファにどっかりと腰掛けてタバコに火をつけた。
...家に居る継父もタバコを吸うのだが、あの臭いはとにかく嫌いだ。
それに...私の身体を蹂躙する男は2人とも行為を終えると私に興味を無くしてタバコを吸い始める。
その度に、私は灰皿にぐりぐりと押し付けられた吸い殻と同程度の価値しかないのか、と思ってしまう。
「ほら、早くシャワー浴びてこい。帰るぞ」
「...はい」
この男は継父と違って暴力が無いだけましだ。
しかし...噂では他の陸上部の子にも手を出しているらしい。....リスクを負ってでも夕華を守る為に告発した方良いのだろうか。
でも...この男から貰うお金で生活できているのもまた一面の事実。だから...せめて私がこの男を満足させて夕華を守らなければ。私の宝物は...夕華だけなんだから。
...シャワーは良い。あの男の臭いを洗い流してくれる。本当はお風呂にも入りたいが、時間が無いとあの男が急かしてくるので仕方がない。
「おい、まだか」
「...ごめんなさい。もう少し」
こんな男に身体を許すのではなかった...
最初のきっかけは...ああ、そうだ。私が無職の継父に朝から抱かれて遅刻したときだ。
私が援助交際をしていると勘違いして問い詰めてきたから、弁解するのも面倒で身体を使って誘惑したら押し倒されたんだった...
「はぁ...なにやってるんだろ...私」
しばらくお湯に当たっていたかったけど、こんな片田舎のラブホテルに置き去りにされたらそれこそ困ってしまう。お金なんて持ってないから...タクシー代を稼ぐために他にも援助交際をしないといけなくなる。
適当に身体を拭いて下着を着けた。
「あれ...?またキツくなってる...」
またブラジャー買いなおさないと...
夕華の胸も大きいから時折揉んで癒されてるけど...私も実はそれなりに大きかったりする。というかまた大きくなってる。
「はぁ...バイトでもするかなぁ」
どうせ家に居てもロクなことにならない。ならば出来るだけ継父の手が届かない所に居たい。
あ...ちゃんと拭かなかったから薄手のTシャツからブラジャーが透けてる...
目立たないかどうか鏡で見ると、ジャージにTシャツという色気も何もない格好なのにメイクはきちんとしている自分が映っていたので少し笑えてきた。どうせ服なんて脱がすんだから化粧だけちゃんとしとけってあの男にも継父にも言われた...律儀に言いなりになっている自分が本当に滑稽だ。
「...終わりました」
「じゃあ帰るぞ」
既に精算機で精算を終えている体育教師の後について部屋を出た。
片田舎のラブホテルだが、きちんと他の客とはすれ違わないように作られていたので良かった。
その後は体育教師の大きな車に乗せられて家の方を目指す。...正直、この男の車はタバコ臭くて好きではない。それに、何度か車の中で咥えさせられたので嫌な思い出ばかりだ。
「...?」
あの白いセダン...どこかで見たような...
そんな気はしたが、あまり視力が良くないので良く見えなかった。
そして、家からそれほど離れていないところで降ろされた。
「じゃあまた頼むな。ほらこれ」
「...はい」
男は薄い茶封筒を手渡して早々に走り去った
当然のように次を約束させられた。...まあ、どうでもいいか。
さて...これからどうしようか。封筒の中には何日かは食べることが出来そうなくらいの枚数が入っていた。
でも...なんだか人肌が恋しい。
夕華が居れば迷わずに抱き着いていただろう。先生と出会ってしまったら...この前あんなことを言っておきながら甘えてしまったかもしれない。
「え...?一瀬さん...?」
不意に横から声を掛けられた。
振り返ると、つい先日顔を合わせたばかりの人物が居た。夕華の幼馴染の....確か斉川圭介だ。
「あなたは...あっ」
...見られてしまった。
タイミングや角度から間違いなく見られている。
「今のって...体育の先生だよね?どうして先生からそんなお金をもらってるの...?」
「...お願い。見なかったことにして」
「でも...」
「...こっちにきて」
彼の手を引いて商店街を抜ける。
そしてしばらく歩いていると、遠くに高速道路のインターチェンジが見えてきた。そして...その付近にある煌びやかな建物まで彼を引いて入っていった。
人肌が恋しかった。...それに、善良な彼なら悪いことはないだろう。