優柔不断は切り捨てろ:周りの美少女は全員他人のモノ 作:エルサイズ
――――――――――――――主人公視点
茜を支えながら脱衣所に入り、彼女にバスタオルを手渡した。
「ごめんなさい...まだ腰に力が入らないのよ...」
「いや...俺も調子乗ってガンガン攻めたからさ。まあ、俺のせいだよ」
俺もタオルを手に取って髪をごしごしと拭き上げた。
片手で茜の腰を抱いたままなので少し拭きにくい...
「....」
「茜?どうした?」
彼女はじっと俺を見つめていたまま固まっていた。
「ん...」
目を瞑って顎を少し上に向けている。
俺も目を閉じてそっと彼女の薄紅色の唇と口づけを交わす。
「ん...唇が寂しかったのか?」
「ふふっ...そうよ。あ...ごめんなさい、拭きにくいでしょう?」
俺が片手で身体を拭いていることに気が付いたらしい。
まあ、多少拭きにくいが別に気になるほどではない。
「大丈夫だ。それより茜も早く拭かないと風邪ひくぞ」
「ええ。あ...着替え忘れてきたわね」
「そういえばそうだな」
何も身に着けずに眠りに就いて、そのまま彼女を抱えて浴室に来たからな。
「まあ、後で寝室に取りに行くか」
「そうね」
...しかし、改めて見ると本当に煽情的な身体だ。
身長は低くてスリムなのに、胸は夕華より少し小さいものの十二分に豊満だ。それに小柄なおかげで見た目のサイズ感はほぼ変わらない。そして、臀部もふっくらとしていて柔らかい。というか全身が何処に触れても柔らかい。抱きしめたくなる身体というやつだ。
「ね、ねえ...そんなに見られたら恥ずかしいのだけど...」
茜はドライヤーで髪を乾かしながら少し恥ずかしそうに俺を見ていた。
「あ...悪い。本当に綺麗な身体だなって思ってさ」
「あ、ありがとう...その...先生に言われると嬉しいわ」
頬を染めた茜は本当に可愛い。あまり異性に褒められてこなかったのか、ストレートに褒めると初々しい反応を見せることが多い気がする。
「よし。こんなもんか」
「私も大丈夫よ」
そして、茜と腕を組んで脱衣所からリビングを目指した。
「あ、おはよー」
...何故か夕華が待機していた。
「おはよう。早いな」
今はいつも彼女が起床する時間になったばかりだ。
しかし、彼女は既に着替えてお弁当も3つ準備していた。
「そう?まあ、お風呂であんな大声で喘いでいたら誰でも目が覚めるんじゃない?」
...目が笑ってなかった。
「ごめん...」
「もう...今度は私も混ぜてよね。それより....うへへ...茜ぇ...やっぱりいい身体だなぁ...」
「ひっ...」
まるでエロオヤジのようにニヤニヤしながら茜に迫る。
そして茜は小さく悲鳴を上げて俺の影に隠れてしまった。
「あぁ...隠れないでよぉ...」
「こら」
俺の後ろに回り込もうとした夕華を抱き止めた。
「...遂にお兄ちゃんを倒すときが来たんだね」
「なんでだよ...」
真顔はすぐに崩れ、えへへと笑う夕華。
「ねえ茜...どうだった?」
夕華は俺の身体越しに茜に対して主語が無い質問を投げかけた。
しかし...その答えは聞き返すまでもなかったようだ。
「うん...夢みたいな心地だったわ。多分...これが夢の中で...先生に抱かれた幸せな記憶が霧の様に消えて...目が覚めたらあのアパートだとしたら...多分、私は耐えられない」
そう言って俺の背中にぎゅっと抱き着いた。
...真剣な雰囲気だったので茜の柔らかい胸の感触と少し硬くなった突起に興奮しそうになったことはなんとか我慢した。
「茜...大丈夫だ。もうここが君の家だよ」
茜の方に振り返って細い身体をしっかりと抱きしめた。
「先生...ありがとう」
ギュッと俺の胸元に抱き着く茜。つまり、その柔らかい身体が無防備に押し付けられるわけで....
「先生...」
「ん?」
「...大きくなってるわよ」
「お兄ちゃん...」
「...ごめん」
しょうがないだろ...どれだけ魅力的な身体だと思ってるんだ。
「ふふっ...帰ってくるまでお預けよ」
「じゃあそれを楽しみに仕事を頑張ろうかな」
「なっ...」
自分で言っておきながら赤面しているのが本当に可愛らしい。
「じゃあ私も混ぜてよ」
「おう」
「おうじゃないわよ。その...女の子とシたことなんてないから...少し恥ずかしいわ」
「えー...私も茜犯したいぃ~」
甘えた声でとんでもない事を言い出した夕華。
しかし、夕華と2人掛かりで茜を犯すのも一興かもしれない...
「今度やってみるか」
「私の話聞いてた?」
「やった!」
「やった!じゃないわよ。うぅ...わかったわよ。でも...もう少し待って...?」
俺に抱き着いたまま夕華を上目遣いで見つめている茜。
その姿にきゅんと来たのか、夕華は胸を押さえて膝をついた。
「茜...可愛いよぉ」
ああ...純真で愛らしい夕華は何処に行ってしまったのだろうか。
まあ、夕華が可愛いのは1ミリも変わってはいないか。
「とりあえず...着替えに行きましょう...?」
胸の中から茜が俺を見上げていた。
「そうだな。夕華、ちょっと着替えてくるよ」
「はーい...あ、ちょっと待って。はい、茜の制服。洗濯しておいたよ」
「ありがとう...夕華」
小さく微笑んで夕華から制服を受け取った。
...その時の夕華は変態的な笑みを浮かべずに優しく微笑み返していた。
寝室に戻ると、改めて情事の激しさを思い出してしまった。
「その...結構激しかった...のね?」
「まあな...俺も久々にタガが外れたかもしれない」
夕華はまだ不慣れなところがあるからな。
「そう...なのね。あの...先生...?」
「ん?」
「私の身体...気持ちよかった...?」
“身体”が気持ちよかったのか?という質問だ。
「少し違うな。“茜だから”気持ちよかったよ」
「...!...ふふっ...ありがとう。んっ...」
「ん...こちらこそ。さあ、着替えよう。そろそろ準備しないと遅くなるよ」
「ええ。...あっ」
軽く口づけを交わした後に、茜はパステルピンクの下着を手に取ると少しの間固まってしまった。
「...ああ。その...ごめん」
「いえ...その...私も夢中だったから」
下着たちは運の悪いことに結合部の下に敷かれていたらしい。
二人の混ざり合った体液が乾いてしまい、一度洗濯する必要があるようだ。
「うーん...今日は先生の好きな色が良かったのに...」
ぼそっと呟いた何気ない一言が嬉しかった。
仕方ないか、と漏らして紙袋からもう一着下着を用意した。
煽情的な黒い下着だった。これはこれで似合っている。
「それもよく似合ってるよ」
「ふふ...ありがとう」
って...ずっと茜の生着替えを眺めているわけにもいかないか。
俺も肌着と靴下を準備してスーツに着替えた。
「....」
「ん?」
ブラウスとスカートをはいてストッキングを中途半端に穿きかけた彼女が、ぽーっと俺の姿を見つめていた。
「どうした?」
「あ...いえ。なんでもない...です」
「なんで敬語...?」
今更気を使うことなんてないのに...
「その...先生ってやっぱり大人なのね...って思ったのよ」
「まあ歳は大人だよ」
「ふふっ」
小さく笑うと彼女はストッキングを完全に穿き終えた。
デニール値の低い肌色が見えるストッキングが彼女の色気をより強調している気がする。
「よし。じゃあいこうか」
「ええ」
リビングで待ちくたびれている夕華と一緒に車で登校したのだった。
――――――――――――――茜視点
「じゃあ二人とも、また教室でな」
「はーい」
「ええ」
そう言い残して学校へと走り去る先生の車。
「...」
何となく...寂しかったのかしら。彼の車が角を曲がるまで、そのLEDテールランプをずっと見つめてしまった。
「ふふっ...茜、そんな切ない
「え...?...そんな表情してた?」
「うん。恋する乙女って感じの顔」
「...そう」
恋。その言葉で思い出してしまった。
「浮気...になるのかしら」
斉川君のことだ。昨日、散々先生に抱かれておきながら違う男性の事を思うことは...あまりにも尻軽な発想だろうか。
「浮気?」
「え?」
気づけば隣を歩いていたはずの夕華に顔を覗き込まれていた。
「いや...今茜が浮気がどうのって言ってたから」
「あ...」
どうやら声に出ていたようだ。
...夕華になら相談してもいいかしら...?
「ねえ...斉川君のこと...なんだけど」
「圭介?うん」
「その...昨日、一緒に出掛けていたじゃない?」
「そうだね」
「あの...一応、彼とは交際...してることになってるの」
「...え?」
夕華はパタリと足を止めてしまった。
「...ごめんなさい。黙っていて」
「あ...ううん、大丈夫なんだけど。でも、昨日はお兄ちゃんと...それに、お兄ちゃんのこと...好きじゃないの?」
「それは...」
もちろん好きだ。前から気にはなっていたけど、昨日は身体に強制的に彼を教え込まれてしまった。
「好きだよね?」
「...わからない」
斉川君に対して気持ちが無いというわけではない。彼の優しいところは魅力的だ。
「うーん...じゃあどうして圭介と付き合うようになったの?というかいつからなの?」
「つい先日からよ。その...追い詰められていたときに...斉川君が優しくしてくれたから、縋りたかったのかもしれない」
なんて失礼な女なのだろう。なんて尻軽な女なのだろう。自分で嫌になってくる。
「そうなんだ...うーん...あのときの茜の状態なら仕方ないとは思うよ」
「でも...っ!」
「だから、そんなに自分を責めちゃだめ。茜が追い込まれていたのは周りの悪い大人のせいなんだから」
夕華の暖かい手が私の頭を撫でている。
「夕華...」
「茜はどうしたい?」
私は...どうしたいのだろう。
先生の事は好き。でも...先生には夕華が居る。
夕華と一緒に愛してもらう...それも一つの選択肢なのかもしれない。
でも、夕華だけのものだった先生からの愛情を...私は半分奪ってしまう。
それなら...私は斉川君を愛する方がいいのではないだろうか。
「...私は...斉川君を選ぶ。選んで...みる」
「選んでみる?」
「わからないの...私は...先生が好き。でも...夕華の邪魔もしたくないの」
「そんな...邪魔だなんて...」
「ううん...私はこのままだと...きっと先生の全部が欲しくなる。だから...一度考えてみる。酷いことしてるとは思う。先生にも...斉川君にも」
「茜...ふふっ...茜」
「...?」
夕華は何故か妖艶に微笑んで耳元で囁いた。
「ふふふっ...私は茜の意見を尊重するよ。でも...いつまで耐えれるかな...?」
「え...?」
「ふふふっ...」
夕華は答えてくれなかった。
そうしている間に...学校にたどり着いていた。