優柔不断は切り捨てろ:周りの美少女は全員他人のモノ 作:エルサイズ
――――――――――――――主人公視点
翌朝、寝不足になりながらもなんとか目を覚ました。
しかし、状況は悲惨だった。
あの後、茜を何度も犯したのだが、彼女は途中から完全に気を失ってしまった。俺も夕華も限界だったので、最後に夕華と一度だけゆったりとしたセックスを終えた後に、そのまま気を失うように眠ったのだった。
そして、当然ながらそのまま寝たので起きても状況は変わっていない。
ドロドロになったシーツと体液が渇いてカピカピになった3人の身体。腰を振り続けたことによる筋肉痛。それなりに急がないといけない時間。色々な要素が混ざり合って気が重くなりそうなものだが、不思議と気分は穏やかだった。
「んぅ...」
「ん...ふへへ...」
ぎゅっと俺の腕に抱き着いて幼い寝顔を見せている茜。
涎を垂らしながら微笑む夕華。夢の中でも何か幸せなことがあったようだ。
この2人の愛らしさのおかげで全てがどうでもよくなってしまう。
...とはいえ起こさないとそろそろマズい。
「茜、茜、朝だぞ」
まずは腕に張り付いている茜からだ。
「んぅ...?ぁ...ふふっ...おはよう、先生...昨日は...素敵だったわ...」
甘ったるい声を上げて挨拶をくれる茜。まだまだ寝ぼけているようだ。
「おはよう。ああ...俺も凄く興奮したよ。...ごめんな、無理させて」
「ううん...いいのよ。その...私もおかしくなるくらい感じてたから」
少し頬を染めて恥ずかしそうに微笑むその姿に胸が高鳴ってしまう。
って、それどころじゃなかった。
「そろそろ起きようか。もう準備しないとマズい」
「あ...そうね。うわぁ...凄いことになってるわね...」
「そうなんだよ...先にシャワー浴びておいで」
「ええ...そうさせてもらうわね。...っ!」
そう言って身体を起こそうとした茜だったのだが、上手く力が入らないようだ。
「おっ...と」
バランスを崩した茜の身体を咄嗟に抱きとめた。
「ぁ...」
茜の小柄で柔らかい身体が腕の中にすっぽりと収まった。
「大丈夫か?」
「え...ええ。ありがとう」
「いえいえ」
何とか茜の腰を支えながら身体を起こす。
どうやら足腰に力が入らないらしい。
「...二人がかりで滅茶苦茶にされたら誰でもこうなるわよ」
ジトっとした目で見られたのだが、全くもってその通りなので否定できない...
「ごめん...茜が可愛すぎて我慢できなかった」
「ふふっ...謝らないで?私もその...気持ちよかったから」
「...」
「それならよかった...またしような」
「...」
「ええ。あ...その...もう一回、キスして欲しい...」
「...」
「ああ。んっ...」
「んぅ...」
茜の薄紅色の唇をそっと塞いで、彼女を抱きしめる。
「...」
...視線を感じて振り返ると、今度は夕華がジトっとした目で睨んでいた。
「んぅ!?」
「ん...ゆ、夕華、起きていたのか...?」
「いや...いつ気づくのかなって思ってたら...2人の世界に入ってチュッチュし始めたし...私、お邪魔でした?」
いつになく棘のある言葉...
珍しくぷんぷん怒っている夕華に少し罪悪感を抱いた。
「ごめん...」
「ごめんなさい...」
「...ふふっ。怒ってないよ。うーん...じゃあ2人ともチューしてくれたら許してあげる」
二通りの解釈のできる言葉で許しを得た。
まずは1つめの解釈として茜と軽くキスを交わす。
「こうか?」
「んっ...え?」
「違うよ!どうしてそうなるの!私に!わたし!」
子供の様に駄々をこねる夕華があまりにも可愛らしかったので、その尖った口にそっと口づけを落とす。
「ん...こっちだったか?」
「ふふっ...そうそう。ほら、茜も早く」
「うぅ...んっ...」
「んぅ...えへへ...ありがとう、茜」
「...どういたしまして」
頬を染めたままぼそぼそとお礼を言う茜。
...ってそろそろマズい時間だ。
そのまま2人を浴室に送り出して、俺は簡単に部屋を片付けた。
―――――――――――――――――――
「なんだかんだで今日もお兄ちゃんの車だね」
「その...ごめんなさい」
「気にするなって。まあ...ほとんど俺のせいなんだから」
今日も2人は車登校だ。
あまり続けるのは良くないとは思うが、今日は仕方ないだろう。
何とか時間もいつも通りに到着できそうだ。
「ふふっ...」
「え...?夕華?」
ルームミラーでちらりと確認すると、夕華は茜の頭を撫でまわしていた。
「あぁ...かわいいなぁ...」
「ゆ...夕華...」
満面のにやけ顔で茜を愛でる夕華。
「ズルいぞ夕華。俺にも愛でさせろ」
「ふふん...残念だったねお兄ちゃん。今は私のモノだよ」
「茜は夕華のものじゃないぞ」
全く...この間違いはちゃんと指摘しなくては。
「そうよ...私は...」
「茜は俺のモノだ」
「だから誰のモノでもないわよ...というかぬいぐるみじゃないのよ?」
呆れたようにジトっとした目で見つめる茜。
....なんだその顔....可愛いな。
「何その顔...可愛いすぎるよぉぉ!」
「わぷっ...」
遂に我慢できずに茜を抱擁し始めた夕華。その豊満な胸に抱きしめられて少し苦しそうな様子だ。
...と、そろそろ到着だな。
「夕華、そろそろ着くぞ」
「はーい」
パッと茜を開放して変態モードから切り替わる夕華。
....その切替の早さには毎度のことながら驚かされる。
「はぁ...はぁ...」
「茜...大丈夫か?」
相当苦しかったのだろう。
「ええ...平気よ...」
乱れた髪を梳かしながら息を整える茜。
そして、2人を降ろす為に学校の近くのコンビニエンスストアに駐車した。
「あ...そういえば、今日はお弁当作れなかった...ごめんね、2人とも」
「気にするな。というか、いつも早起きして作ってくれているんだからもっとお礼が言いたいくらいなんだぞ」
「本当よ。感謝こそあっても夕華が謝ることなんて何一つ無いわよ」
「えへへ...ありがとう、2人とも」
そう言っている間に駐車し終えた。
「ついでに昼ご飯買っていくか」
「そうだね。なんだかコンビニご飯って久しぶりかも」
そういえばまだ夕華が小さい頃はコンビニで昼食を買ってたなぁ...
今思えば不健康だったものだ。いつも美味しいお弁当を作ってくれる夕華には本当に感謝しかない。
「私...コンビニの食べ物って新鮮だわ...」
「そうなのか?」
物珍しそうにコンビニのお弁当を眺める茜。
...勝手なイメージだが慣れ親しんでいるものだと思っていた。
「ええ。その...あんまり余裕がなかったから夜遅くにスーパーに行って半額のお惣菜を買ったり、普通に自炊してたから」
...このギャップが茜の魅力の一つだろう。
派手めな見た目なのに家庭的。クールな言動なのに優しくて意外と甘えん坊。
このギャップに俺も夕華もメロメロにされてしまった。
「じゃあ...私はこれ!」
そう言って夕華はおにぎりやらサンドイッチやらをぽいぽいとカゴに放り込んでいく。
「相変わらずよく食べるわね...」
「お腹すくからね~」
夕華は、比較的大きな身体であるが故なのか運動部なのかはわからないものの、男子高校生並みに食べる。
「普段もお弁当の他にパンも買ってるわよね」
「え?」
「あ、茜っ!それは言っちゃダメ!」
どうやら俺に知られたくは無かったらしい。
...夕華の弁当箱は俺のモノより一回り大きいのに凄いな...
「まあ、その分消費してしまうから大丈夫じゃないか?」
「うぅ...そういうことじゃないよぉ...」
大食いキャラだというイメージが嫌なのだろうか....今更だと思うが。
「ほら、茜も食べたいものをカゴに入れていいぞ」
夕華が持っていたカゴを受けとり、俺の分のカップ麺とサラダを一緒に入れた。
「え...でも...」
「ありがとう、お兄ちゃん♪」
「いえいえ。いつも作ってくれてるんだからこういう時くらい出すよ。ほら茜も遠慮するな」
「そんな...私はいいわよ」
そう言って茜は塩おにぎりを一つと、コンビニブランドの緑茶だけを手に取っていた。
「茜...さすがにそれは少ないんじゃない?」
「...いいのよ」
茜は確かに夕華に比べると食が細かった。しかし、まだまだ成長中の身体。それでは明らかに栄養不足だ。
「...茜、俺にカッコつけさせてくれよ」
「先生...」
「俺は...甘えられる方が好きなんだ。だから遠慮するな。ほら、好きなモノを持ってきてごらん」
茜はしばらく悩んだ後、おにぎりをもう一つと、ちょっと多めのパスタサラダを手に取った。
「その...これが良いわ」
「ああ。他には要らないか?」
「じゃあ私はカレーパンが良いなー」
夕華はふらふらとパンコーナーへと歩いて行こうとしている。
「夕華...」
さすがに食べ過ぎだ...
「うっ...冗談だよぉ」
「ふふっ...ありがとう、先生。本当にもういいのよ。あまり食べれないから」
「そうか...わかった。じゃあ会計してくるよ」
「はーい」
「あ、私も行くわ」
そして、会計を済ませて車へと戻ってきた。
「俺は袋は要らないから、2人で使うといい」
「うん。ありがとう、お兄ちゃん」
愛らしい笑顔でビニール袋を受け取る夕華。
...2人とも準備は出来たみたいだな。
「じゃあ、いってらっしゃい。2人とも」
「うん!お兄ちゃんもいってらっしゃい!」
「あ...」
茜は何か言いたげな様子だ。
「茜?」
「あの...その...」
あたりを見回している茜。
つられて周りを見ると、まだまだ早い時間帯の上、片田舎のコンビニなので人通りも交通量も少ない。
バスが近づいてきているくらいだろうか。とはいえまだまだ乗客は少ないようだ。
「茜?どうしたの?」
「っ...」
少し頬を染めてモジモジしている茜。普段の彼女からするとその姿はあまりにもギャップがあって可愛らしい。
「あ、あの...行く前に...抱きしめてもらっても...いいかしら...?」
上目遣いで俺を見つめながら懇願する茜。
その問いに答える前に思い切り抱きしめてしまった。
「いってらっしゃい、茜」
腕の中の彼女にそっと声をかけた。
「...いってきます...先生」
穏やかな茜の声。そして不満げな夕華の膨れ顔。
「茜ばっかりずるい...」
「はいはい。ほらおいで?」
「やった...♪」
そして、2人を開放した後に、俺も車に乗り込んで学校へと向かうことにした。
「じゃあまた学校でな」
「はーい♪」
「いってらっしゃい、先生」
2人の美少女に笑顔で送り出される。それだけで今日一日を頑張れそうだ。
「...ん?」
ルームミラーで確認すると、丁度バスから乗客が降りて来るところだった。
それは....うちの男子生徒の制服だった。