優柔不断は切り捨てろ:周りの美少女は全員他人のモノ 作:エルサイズ
――――――――――――――主人公視点
駅前で再び圭介を拾い、マンションへの帰路へ就く。
「ふぅ...」
家に着いたら仕事しないとな...
八條先生の分もあるから家事の一部は夕華に任せるか...
「お兄ちゃん...大丈夫?」
夕華が少し心配そうに声をかけてくれた。
「ああ、大丈夫だよ。ちょっと疲れただけさ」
「うん...あんまり無理しないでね?」
「ああ。ありがとう」
「...」
先程から圭介がやけに静かだ。
....駅前で夕華を見た途端、青い顔になって反応が希薄になったんだよな。
「...」
薄っすらと気づき始めているのかもしれないな。...まあいい。計画の内だ。
程なくしてマンションに辿り着いた。
いつもの駐車スペースに車を停め、夕華と並んでエントランスホールを歩く。
エレベーターは最上階を目指し、軽やかなチャイムと共に到着を告げた。
「じゃあ...また学校で」
「うん。またね」
「ゆっくり休むんだぞ」
青い顔の圭介は短く挨拶を交わすと暗い部屋の鍵を開けて部屋に入って行った。
「さて」
我々も部屋に入るとしよう。
二つ隣の扉を開くと、既にリビングには明かりが点いており、玄関には茜の靴が綺麗に並べてあった。
「茜、帰って来てるんだね」
「今日はバイトも休みだって言ってたからな」
茜の靴の横に革靴を並べ、俺と夕華もリビングに入る。
「ただいま、茜」
「ただいま~」
帰宅の挨拶を交わすものの、返事は返って来なかった。
「?」
いつもの茜であれば柔らかく微笑んで迎えてくれるのだが、今日はどうしたのだろうか。
そもそも、茜の姿が見えない。
「あ...」
しかし、その答えはすぐに見つかった。
「んぅ...」
「ふふっ...」
茜はソファの上で横になって眠っていた。
小柄な彼女が小さく丸まっていたので見えなかったのだ。
「ん?」
よく見ると何かを胸に抱きしめている。
「あ...お兄ちゃんのパジャマだ」
「ああ...洗濯しようとしていたヤツだ」
茜は、洗濯する予定で放っておいた俺のパジャマに抱き着いて眠っていたのだ。
「ふふふっ...お兄ちゃんの帰りが遅いから寂しかったんだね」
「そんなに良い臭いがするモノでもないだろ...」
「そうでもないよ?私もお兄ちゃんの匂いで興奮するし」
...まあ、確かに夕華や茜の体臭が臭いと思ったことはない。
「とりあえず...起こすか」
「そうだね」
ソファの前に跪いて茜の寝顔に視線を合わせた。
「茜、茜...ほら、こんな所で寝ていたら身体が痛くなるぞ」
優しく揺り起こしていると、茜はうっすらと目を開けた。
「んぅ...?ぁ....ふふふっ...せんせぇ...♡」
寝ぼけた様子で甘ったるい声を出す茜。
そのあまりにも愛らしい様に頬が緩んでしまった。
「ああ。ほら、こんなところで寝ていたら休めないだろ?」
「うん...」
脳が半分も覚醒していないのだろう。ぼんやりとした返事しか返って来ない。
「寝起きの茜って可愛いでしょ?」
「ああ...良いな」
ソファの背の方から茜を眺めている夕華。半分も目が開いていない茜の頬を指で突き始めた。
「んぅ...」
「ふふふっ...」
ぷにぷにとした感触が楽しいらしい。夕華は茜の頬の感触をしばらくの間楽しんでいた。
「ん...夕華...?」
視線を上の方へ向けて夕華を視界に捉えた茜。
「うん。おはよう、茜」
挨拶を交わしながらも茜の頬で遊ぶのを止めない夕華。
「おはよう...とりあえずやめなさい」
「はーい♪」
ようやく夕華は手を引いたのだった。
「茜、今から夕飯作るけど...とりあえずそのパジャマを貰っても良いか?洗濯機も回したいんだ」
「ええ........えっ?」
自然とパジャマを手渡したのだが、茜はようやく状況が飲み込めてきたらしく、みるみるうちに顔が赤くなってきた。
「こ、これは...っ...ちが...っ!」
「よしよし...ごめんな。寂しかったんだよな」
頭を撫でながら優しく声を掛けた。
「そ、それは...っ...うぅ...」
茜は顔を赤くしながら言葉に詰まっていたのだった。
――――――――――――――――――――――――
「ご馳走様でした」
「ごちそうさまでした」
「いえいえ。久しぶりに作ったけど...味は問題なかったか?」
今日は俺が料理を振る舞ったのだった。
「ええ。本当に美味しかったわよ」
「うん。いつも通り美味しかったよ?」
「それなら良かったよ」
2人とも満足してくれたらしく安心した。
「ふぁ...」
茜の口から大きなあくびが漏れた。
「茜、眠いだろ?今日はもう風呂に入って寝なさい」
「そうね...その...お昼にあんなにシちゃったから...」
学校で茜は足腰が立たなくなるまで俺に犯されたのだ。
あまり体力がある方ではないので、日ごろの疲労と相成って限界に達したのだろう。
「それに関しては...ごめん」
「ふふっ...別に責めて無いわよ」
ふわりと微笑んだ茜。
その優しい笑顔にこちらの気持ちも穏やかになっていく。
「ありがとう。ほら、夕華と俺で片付けもしておくから風呂に行っておいで」
「そんな...片付けくらい私が―――」
「良いの良いの。ほら、早くお風呂に入るっ」
「あ、ちょっと夕華...もう...ふふっ」
夕華が多少強引に風呂場に茜を連れて行ったのだった。
「さて」
片付けることにしようか。
...とはいえ、食器は食洗器に入れて洗うので、手で洗うのは鍋の類だ。
腕を捲り上げ、フライパンを手洗いしていたところ、夕華が戻って来た。
「こっちは食洗器に入れるんだよね?」
「ああ。頼むな」
「はーい♪」
夕華は水で軽く汚れを洗い流して食洗器に食器を入れていく。
3人分なので大した量ではない。あっという間に食器を全て並べ終え、洗剤を入れてスタートボタンを押したのだった。
「よし...こんなもんか」
テフロン加工のフライパンを洗い終えたので、こちらも一通り終わった。
シンクを軽く水で流して完了だ。
「さて...と」
仕事するか...
しかしどうしたモノか。
書類仕事用のデスクは寝室に置いてあるのだが、今日の所は茜を休ませたい。
茜はいつも俺と同じベッドで眠っているので、彼女が眠っている隣で仕事をすることになる。
特に大きな音が出るわけではないが、茜も気を使って休めないかもしれない。
なので...
「夕華、ちょっとそっちの部屋で仕事しても良いか?」
「うん、良いよ~」
夕華の部屋にも同じようなデスクが置いてある。
しかし、夕華部屋の寝室はデスクが置いてある部屋とは別の部屋なので問題ないのだ。
「じゃあ...ちょっと量が多いから先に夕華の部屋に入っても良いか?」
「うん。どうぞどうぞ」
「悪いな」
俺はプリントとパソコンを持って夕華の部屋へと向かったのだった。
..........................
デスクに向かい集中する事2時間程。そろそろ終わりが見えて来た。
「...よし、こんなもんか」
大した量の仕事ではないが、採点なのでミスがあってはいけない。
「...」
チラリと時計を見る。...22時30分。そろそろ良い時間なので俺も就寝の準備をしようかな。
そう思い立ち部屋を出ると、丁度良いタイミングで夕華が玄関から姿を見せた。
「お仕事終わった?」
「ああ。今から風呂に入るつもりだよ。夕華は...風呂上りか?」
夕華は既にパジャマに着替えており、既に就寝の準備を済ませているのだろう。
...茜以上に激しいセックスをしたはずなのだが、夕華はまだまだ余裕が有りそうだ。
「うん。さっき上がったとこ」
「そうか。茜はもう寝たのか?」
「うん。...ふふっ。さっきまで寝顔を眺めてたんだ~」
緩み切った笑顔で羨ましい事を
「...そうか」
「羨ましい?」
「くっ...」
図星を突かれた。
...俺も茜の寝顔をニヤニヤしながら眺めたい。
「ふふふっ...また今度ね」
「そうだな...」
ふと、会話が途切れた。
夕華は半歩近づき、俺のシャツの裾を小さく握った。
「夕華?」
「お兄ちゃん...あの、ね?」
「うん?」
いつもとは少し違うしおらしい声色。
「お風呂から上がった後で良いから...ちょっとだけ...その」
何やら言葉が出てこないらしい。
俺が風呂から上がった後に何かして欲しいのだろうが、全ての問いにはこう答えると決めている。
「もちろん。良いぞ」
「ありがとう...♡」
えへへ、とはにかんだ後に、夕華は何やら考え事をしていた。
「...何を言いかけたのか分かったの?」
「わかっては無いけど、どんなお願いでも夕華のお願いなら何でも叶えるさ」
「もう...でも、ありがと。その...お風呂から上がった後でもう少しだけ一緒に居たい...って言いたかったの」
なんだそんな事か。
「もちろん良いとも。こっちに戻って来るからもう少し待っていてくれるか?」
「うんっ」
笑顔の夕華に見送られ、自室の風呂場へと向かったのだった。
..........................
約20分後、俺は再び夕華の部屋を訪れた。
「お待たせ」
「いえいえ」
ソファに腰掛けて待っていた夕華。
そのすぐ隣に腰を落ち着けた。
「お兄ちゃん...」
「ああ...んっ...」
「んぅ...ちゅ...」
甘く舌を絡め合う。
口腔に広がる夕華の甘い香り。
堪らずに細い腰に手を回して抱き寄せた。
「んっ...♡」
身体を密着させると、夕華の声色に情欲の色が滲んできた。
「ん...夕華」
「なあに?」
甘ったるい声で返事をする夕華。
その瞳は既に興奮で濡れていた。
...今日一日を通して何度も身体を重ねているはずなのに、どうやらまだまだ足りないらしい。
「...また、そういう気分になってきたのか?」
「...うん...♡」
コクリと頷く夕華。
「...えっちな子だな」
「お兄ちゃんに調教されちゃったせいだよ...♡」
それに―――と夕華は続けた。
「最近...お兄ちゃんと茜だけで過ごす時間が長かったでしょ?」
「...そう...だな」
...確かに、最近はゴタゴタのせいで茜と過ごす時間が長かった。
「しょうがないのは分かってるんだけど...その...ひゃっ..!」
瞳を伏せる夕華の身体を強く抱きしめた。
「...ごめんな。寂しい思いをさせて」
「...ううん、大丈夫。お兄ちゃんの事も大好きだけど、同じくらい茜のことも愛してるから。でも...たまにで良いから...お兄ちゃんを独り占めさせて欲しいな...?」
「...もちろんだ。今夜は久しぶりに夕華だけのお兄ちゃんだからな」
「えへへ...♡」
柔らかく微笑む夕華。....しかし、次の瞬間には妖艶な笑顔を浮かべていたのだった。