優柔不断は切り捨てろ:周りの美少女は全員他人のモノ 作:エルサイズ
――――――――――――――主人公視点
夕暮れ時の帰り道。
夕華と肩を並べてマンションへと向かっている。
少し離れて圭介が着いてきている。
「...?」
そんなに離れなくてもいいのにな...知らない仲ではないのに。
「ねえお兄ちゃん、今日もご飯一緒に食べない?」
「ああ。じゃあ後で買い出しに行くか」
エントランスでエレベーターが到着するのを待っている。
3人とも行先は同じだ。
キンッと軽やかな音が聞こえ、エレベーターが開いた。
そこまで部屋数が多くないのであまり大きくはない。
「さあどうぞ」
「ふふっ...なあに、それ」
おどけて見せると、夕華の表情が少し柔らかくなったので安心した。
そして夕華に続いて俺も乗り込んだ。
「ほら、圭介もおいで」
「は、はい...」
何故かぼんやりしていた圭介も後から入ってきた。
「...?」
無意識なのか分からないが、夕華が俺の体の影に隠れた気がする。
「夕華?」
「うん?どうしたの?」
夕華は普段通りのリアクションだった
「いや...何でもないよ」
「そう?」
不思議そうな顔の夕華だった。
「じゃあまた明日学校でね、圭介」
「え?あ...うん、また学校で」
ん?一緒に登校しているんじゃないのか?
「じゃあまたな」
「...」
俺には返事を返さず、ペコリとお辞儀を返しただけだった。
「うーん...」
圭介が部屋に入るのを見届けた後、思わず声を上げてしまった。
「どうしたの?」
「あ、いや...俺、圭介に嫌われたのかな、って思ってさ」
以前はもっと距離が近かったような気がしたのだが、最近はなんだかよそよそしい。
「そうかな?でも...うーん...」
夕華まで悩み始めてしまった。
「まあ、それとなく聞いてみるよ。とりあえず買い物に行こうか。着替えておいで」
「はーい♪」
制服のまま連れまわしていたら少し問題だからな...
軽やかな足取りで部屋に戻っていった夕華を見届けて、俺も自宅の玄関を開く。
カバンから財布と免許証だけを取り出して、エコバッグに放り込んでそのまま外へ出た。
春の夕暮れ時はまだまだ冷える。スラックスとシャツの上からパーカーを羽織り、廊下で夕華が出てくるのを待つ。
程なくして夕華が姿を見せた。
「お待たせ♪」
ショートパンツにパーカーというラフな格好をしていた。
というか...
「夕華、それ寒くないか?」
「そうでもないよ?ほら」
そう言ってぎゅっと俺の腕に抱き着いてきた。
...確かに暖かい。
「ふふっ...私、体温高いから平気なの」
「そうみたいだな。俺も暖かいからそのままくっついていてくれ」
「はーい♪」
そのまま夕華を腕にぶら下げて駐車場に向かった。
エレベーターを降りて駐車場に繋がる鉄扉を開く。
一応、オーナーなので入口に比較的近い場所に車室がある。
「じゃあ行こうか。一応、ちょっと離れたスーパーに行こうか」
「あ...うん、そうだね」
特にやましいことは無いが、むやみに目撃されて良いモノでもないだろう。
俺は運転席に乗り込むと、助手席のひざ掛けを手に取った。
「じゃあ、運転お願いします、お兄ちゃん♪」
「ああ...っ...!」
シートに腰掛けてシートベルトを締めた夕華。ベルトが胸の間に埋まっている、いわゆるパイスラに視線が向きそうになる...
しかし、視線をずらそうにも、足元はムチムチの白い太ももが露出して、上を見ると、とびきりの美少女と視線が絡み合う。
「お兄ちゃん?」
不思議そうな顔を浮かべる夕華。...全く、俺は彼女の保護者だぞ。欲情するなど言語道断だ。
「夕華、ほらこれ掛けて」
そう言ってカシミア製のブランケットを手渡す。
「大丈夫だよ。寒くないもん」
「いや、そうじゃなくてな...ほら、この車は椅子が低いだろ?だから外から見えるんだよ。その...足元が」
「え...?あっ....」
さっと頬が紅潮する夕華。どうやら気が付いたようだ。
「わかったか?」
「うん...ありがと、お兄ちゃん...」
ブランケットを膝にかけてぎゅっと抱きしめている。
...というか顔に押し付けて匂いを嗅いでいる。
「あ、ひょっとして臭うか?使ってなかったから車に載せたままだったんだよな...」
「...ううん、違うの。...お兄ちゃんの匂いがするなぁ...って思って...あ、臭いわけじゃないよ?」
「そうか?まあ...夕華が良いなら良いんだけど...」
「うん。すっごく落ち着く匂い...」
男の体臭なんてそんなにいいモノじゃないと思うが、まあ...夕華が気に入っているなら良いか。
「じゃあ行くぞ?」
「うん♪」
俺たちは、少し離れた大型店舗のスーパーへ向かったのだった。
「ただいま、と」
玄関を開けていつもの癖で誰も居ない部屋に向かって声をかけた。
「おかえりなさい♪」
今日は背後から返事が返ってきた。
「夕華、手を洗っておいで」
「お兄ちゃんもね」
エコバッグをキッチンに置いて、2人で洗面台に向かった。
きちんと手を洗って2人でキッチンに立つ。
「今日は手伝うぞ」
「ありがとう、お兄ちゃん。じゃあ、お野菜切ってくれる?」
「任せろ」
「ふふっ」
俺は玉ねぎを取り出して、包丁を持った。
「なんだか良いよね...こういうの」
夕華の優しい声が耳に届く。
その声にはあらん限りの幸せが詰まっているように聞こえた。
「そうか?」
「そうだよ。なんだか...家族みたいで」
少し切なそうな顔を見せる夕華。
俺は少し濡れた手で頭を撫でた。
「みたい、じゃなくて家族なんだよ。夕華、君は一人じゃない」
俺が守る。俺は4つの遺影にそう誓ったのだ。
「うん...ありがとう、お兄ちゃん...大好き」
それは...家族愛という意味だろうか。
....当たり前だろう。何を期待しているんだ。
「おお...今日も旨そうだ」
「ふふっ...たくさん食べてね」
食卓に並んだ料理たち。少しは手伝ったのだが、やはり夕華は料理上手だ。
「あ、からあげは何個か残してね。明日のお弁当に入れるから」
「ああ。いつもありがとう。おかげでお昼休みが楽しみだよ」
夕華のお弁当は本当に美味しい。給食センターのお弁当や購買のパンが悪いワケではないが、やはり夕華の手作り弁当には敵わない。
「ふふっ...あ、でも...」
突如、夕華が真顔になった。
「今日、妹がお弁当作ってるって言ったよね?」
昼休みの事だろう。女子生徒に聞かれたので、そう言って誤魔化したのだ。
「確かに言ったけど...」
「ふーん...妹...妹なんだ?」
おっと...急にご機嫌斜めになってしまったぞ...?
これが女心と秋の空ってやつか?
「まあ...一番近いのは妹かな...って」
「......わかった」
何がわかったのかさっぱり分からなかったが、とりあえず会話はそこで終了した。
その後は特に不穏な雰囲気にはならずに食事を終えた。
いつも通り、俺が洗って夕華が拭く。
それも終えた頃、ソファーに並んで腰かけて、ぼんやりとテレビを見てくつろいでいた。
「...」
「...」
液晶画面では旅番組が流れていた。
俺たちは隙間なく座っているが、特に会話は無かった。
「ねえ、お兄ちゃん」
「うん?」
夕華が先に口を開いた。
「私...そんなに魅力が無いかな...」
突然何を言い出すのだろうか。
夕華に魅力が無いなどと言えば、世の中の女性を敵に回すか、眼科か精神科を薦められることになるだろう。
「そんなわけないだろ。夕華はとびきり可愛いぞ」
「でも...妹なんでしょ?」
「それは...」
夕華は妹だ。そう自己暗示を繰り返さないと...
「夕華は...」
取返しのつかないことをしそうになる。
「私は...?」
夕華はぎゅっと抱き着いてきた。
彼女の柔らかい身体が俺を狂わせていく。
「...ダメだ。俺と夕華は教師と生徒。保護者と子供なんだ」
「...良いよ」
「え?」
「私は...良いよ。お兄ちゃんになら...何をされても」
甘い声が俺の理性を削り取っていく。
「だ、だめだ...俺は...夕華を守らないと...」
「ねえ...お兄ちゃん」
彼女は姿勢を変えて俺の脚に跨ってきた。
夕華のしなやかな腕が俺の首に回された。
夕華の甘い香りが俺の脳を制御不能にしていく。
「キス...して?」
「夕華...っ...!」
「んっ...」
夕華の熱い身体を抱きしめて、その瑞々しい唇を奪う。
俺は...我慢できなかった。
「んっ...ちゅ...」
夕華は少しぎこちなかった。しかし、この柔らかい唇の感触から全身に幸福が溢れるような感覚を覚えた。
「ん...夕華...」
「お兄ちゃん...」
そっと離れる。しかし、再びその柔らかい唇が恋しくて仕方なかった。
浅い口づけだけで自身を押さえつけることが出来たことを褒めて欲しい。
「ふふっ...キス...しちゃったね」
頬を上気させてそう告げる夕華。
それは...もう昨日までの関係に戻れないという意味だった。
「ああ...こんなこと言うのは大人として失格なのかもしれないが...最高の気分だ」
「うん...私も」
そこで会話は途切れた。
そして再び絡み合う視線。
夕華はそっと瞳を閉じ、俺はもう一度唇を重ねた。
口内が夕華の甘い香りで一杯になる。
「ん...夕華...好きだ。大好きだ」
「うん...私も大好き...ずっと...ずーっと前から大好きだったの」
夕華の甘い声が耳元で囁かれた。
もう迷わない。俺は...この腕の中の少女を永遠に守り続ける。
いつかは...胸を張って交際出来る日がくるだろう。しかし、今はまだ秘密の関係だ。
「ふふっ...♡」
ぎゅっと抱き着いて存分に甘えてくる夕華。
その大きな双丘が惜しげもなく俺の胸板に押し付けられており、思わず男の部分が反応してしまった。
「あっ...♡」
ビクンと揺れる夕華の身体。
「...悪い」
「う、ううん...大丈夫...お兄ちゃんも...男の人...なんだよね」
なんだと思っていたんだ、と言いそうになったが、真っ赤になっている夕華の可愛らしさに言葉を失ってしまった。
「ごめんね...私...キスしたのも初めてだったから...よくわからなくて...」
「そうなのか?」
これだけ容姿が優れていて明るい夕華の事だ。彼氏の1人や2人...というか毎日一緒に居る圭介と何かしらの関係があったものかと思ったが...
「うん...その...」
なにやら言いにくい様子だ。
「うん?」
「...お兄ちゃんが...ずっと好きだったから...」
「...っ...そうか」
恥ずかしそうに上目遣いで小さく呟いた夕華。
あまりの可愛さに一瞬だけ意識が飛びそうになった。
というか耐えられない。抱きしめるぞ。
「ひゃっ...お兄ちゃん...?」
「ああ...どうしてそんなに可愛いんだ...俺も大好きだぞ、夕華」
「お兄ちゃん...恥ずかしいよ...♡」
まんざらでもない様子の夕華。
しかし、下腹部で触れ合う男の象徴が気になるようで、もぞもぞと腰を動かしている。
「気になるか?」
「えっ!?...うん。ちょっと気になるかも」
なんだかんだで男の体に興味津々の様だ。
「見たいか?」
俺としても少し恥ずかしいが、夕華が見たいというのなら...それを叶えてやるしかないだろう。
「.....うん...」
蚊の鳴くような小さな声で肯定の意を示す夕華。
「わかった。...じゃあ、脚の間に座ってごらん」
それは...先日の淫夢の中と全く同じ構図だった。
「うん...こんな感じ?」
膝の間に女の子座りになり、俺を見上げている。
ふと...小さい頃の夕華の姿が重なり、何とも懐かしい気分になった。
「お兄ちゃん...?」
「あ、ああ...そうだ...それで...」
ふと気づく。まだシャワーも浴びていないではないか。
そんな不衛生な状態で晒して良いものだろうか。
...まあ、倫理に反する行為をしているので今更ではあるのかもしれないが。
「ゆ、夕華...まだ洗ってないから汚いぞ。だからちょっとシャワーに...」
そう言って立ち上がろうとしたのだが、夕華は腰回りに抱き着いてそれを阻止した。
「お兄ちゃんが一日頑張ってお仕事した結果なんだから...汚くなんてないよ。だから...みせて?」
「...わかった。嫌ならすぐに止めるからな。すぐに言うんだぞ」
「うん...大丈夫だよ...♡」
こうして、俺と夕華のインモラルな関係が始まった。
どうでもいいのですが...コイツの理性は1ページ持ちませんでしたね。