※この作品はR-18です。

優柔不断は切り捨てろ:周りの美少女は全員他人のモノ   作:エルサイズ

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62:美咲編

――――――――――――――美咲視点

 

「ん...」

 

意識が段々と覚醒してきた。

 

「ここは...?」

 

見たことがない寝室。

 

根拠はないけれど...何だか安心できる気がする。

 

「ん...?」

 

なんだか良い匂いがする...味噌汁かな?

 

「あれ...?」

 

ふかふかのベッドから抜け出すと、見覚えのないワンピースタイプのパジャマを着ていた。

 

少し丈が短いけど...胸元はちょっと緩いかも。

 

「っ...!」

 

立ち上がった途端、全身に鈍い痛みが走った。

 

まるで...激しい運動をしたかのような...何とも言えない痛みと気だるさだ。

 

でも...とにかく今は...

 

「お腹空いた...」

 

それに、酷く喉が渇いている。

 

それと...もの凄くトイレに行きたい。

 

「ん...」

 

扉を開いて外に出ると、食欲をそそる匂いは更に濃くなった。

 

見覚えはないけれど...どうやらマンションのようだ。

 

ということは...

 

「あった...!」

 

適当に扉を開いて、トイレ(当たり)を引いた。

 

今にも失禁しそうだったので丁度良かった...

 

「えっ...?」

 

パジャマをたくし上げてパンツを降ろそうとしたそのとき..."それ"の存在に気が付いた。

 

「おむつ....?」

 

羞恥心とか屈辱感とかそれ以前に...状況が理解できない。

 

更なる情報として、オムツの状態を見る限り...どうやら就寝中に何度か失禁している。

 

「ぁ...」

 

にもかかわらず...便座に座った途端、自分でも驚くほど量を見ず知らずのお宅のトイレの中に放出してしまった。

 

「っ...」

 

局部を拭いて―――念入りに拭いて、立ち上がる。

 

そして...洪水からシーツを守った英雄(おむつ)に感謝の念を贈りながら後始末を済ませた。

 

「オムツか...」

 

今更ながら...少しショックだ。

 

吸水性ポリマーの重みと風通しの良い股の間に...今更ながら赤面してしまった。

 

ちらりと辺りを見渡し、廊下に誰も居ないことを確認してゆっくりとリビングに向かった。

 

当然と言えば当然だけど...人の気配を感じる。

 

「...」

 

果たして何と言いながらリビングに入れば良いのだろうか。

 

今の私の状態を見る限り、恐らく危害を加えられるとは思わないけど...

 

「...よし」

 

とにかく入ろう。このままでは埒が明かない。

 

「お、お邪魔しますっ!」

 

大きな声で元気よく。

 

片手にオムツのノーパン女が侵入するのだからせめて愛想は良くしないと。

 

「っ...!お、おはよう、美咲さん」

 

「おはよう。気分はどうだ?」

 

そこには、ソファに並んで腰かけている茜先輩とお兄さんが居た。

 

茜先輩は驚いた様子でお兄さんの袖を小さく握っている...可愛い。

 

「えっと...私、どうしてここに...?」

 

多分...ここはお兄さんと茜先輩のマンションだろう。

 

「それ、私も気になるなぁ~」

 

「!?」

 

背後から長い手が伸びてきて、あっという間に抱きしめられた。

 

え?もう一人居たの?

 

...そうだ、料理をしている音が聞こえていたではないか。

 

「夕華、簡単に説明しただろ」

 

「茜の後輩を預かってるから、ってのは説明になってないよ」

 

首を反らせて背後の人物に視線を向けると...ヘーゼルブラウンのロングヘアにくりくりとした目元が可愛らしい美人さんが私を抱きしめていた。

 

「は、橋本先輩...」

 

中学時代から有名な先輩だった。

 

校外にファンが居る程の美人な事と、陸上部の優秀な選手であるところ、女子中学生とは思えない高い攻撃力と守備力を兼ね備えた圧倒的な戦闘力を持っている事で名を馳せていた。

 

「あ、美咲ちゃんも覚えていてくれたんだ~えへへ...♪」

 

そして...上記の物騒な噂からは考えられない程の人懐っこさと優しい性格というギャップが、これまた彼女の魅力を深めていた。

 

「まぁ、橋本先輩は有名人でしたし...」

 

「夕華」

 

「え?」

 

「夕華って...呼んで?」

 

耳元にそんな甘ったるい声で囁かれてしまえば...もう従うしかない。

 

「はい...夕華先輩...」

 

「うんうん。いい子いい子~」

 

橋本先輩改め夕華先輩に頭を撫でられてしまった。

 

あ...私レズでも良いかも...♡

 

「...とりあえず、説明するから2人ともこっちにおいで。今日はゴミ出しの日だからオムツはそのままゴミ箱で良いよ」

 

「あ、は、はい。ありがとうございます」

 

お言葉に甘えてオムツをゴミ箱に捨てた。そして、夕華先輩に抱かれたままソファの反対側に腰掛けた。

 

「さて...どこから説明しようか...」

 

「せっかく座ってもらったところ悪いけど...とりあえず、朝ごはんにした方がいいと思うわよ」

 

「あっ、お味噌汁作りかけだった」

 

夕華先輩はパタパタとキッチンに向かい、テキパキと朝食の準備を始めた。

 

...この人、可愛いし家事もできるなんて...無敵?

 

「美咲さんも、手を洗っておいで」

 

「あ、はい...」

 

お兄さんに促されて私もキッチンに向かった。

 

「となり失礼します」

 

「どうぞどうぞ~」

 

お皿に盛り付けをしている夕華さんの隣で手を洗う。

 

かぼちゃの味噌汁とお豆腐、そして小粒納豆とご飯という純和風の朝食メニューだ。

 

「...?あっ...ふふふっ♪安心して?美咲ちゃんの分もあるから♪」

 

「あ、ありがとうございます...って私もいただいて良いんですか?」

 

何故かお邪魔している上に食事もご馳走してもらうなんて...

 

「もちろん♪...それに、お腹空いてるでしょ?」

 

「う...」

 

図星だった。

 

どういう訳かものすごく空腹だ。

 

「あ、私も運びます」

 

「ありがと~」

 

私も夕華先輩に倣って2人分のお皿を持って食卓に運んだ。

 

お兄さんは飲み物やコップの準備を、茜先輩はお箸や食卓の準備をしていた。

 

そして、全ての準備を終えて座席についた。

 

「では、いただきます」

 

夕華先輩の号令で食事に手を付けた。

 

「...いただきます」

 

炊き立てのご飯が凄く美味しそう...

 

何故かもの凄くお腹が空いているし、もの凄く喉が渇いている。

 

「美咲さん、先に水を飲むんだ」

 

お兄さんに900mlのペットボトルに入ったミネラルウォーターを手渡された。

 

「あ...は、はい」

 

そんなに飲めない...と思ったけれど、何故かゴクゴクと一気に半分ほど飲み干してしまった。

 

「...思った通りだな」

 

「...?」

 

真剣な眼差しでお兄さんに見つめられてしまった...

 

「...とにかく食べよう」

 

「ええ」

 

特に会話も無いまま、夕華先輩が作ってくれた朝ごはんを食べ終えたのだった。

 

 

....................

 

 

「さて...美咲さん。今から全部説明するけど...気をしっかり保つんだよ?」

 

「は、はい...っ」

 

そう言われると身構えてしまう。

 

「まず、此処は俺の所有しているマンションの一室だ。ここで夕華も茜も生活している」

 

茜先輩は知っていたけれど、まさか夕華先輩も一緒だなんて...

 

「そして...君がここに居る経緯についてだけど...まず、君は昨日の夜のことを覚えているか?」

 

「昨日...えっと何曜日でしょうか?」

 

いまいち記憶がはっきりしない。

 

「昨日は金曜日よ」

 

短く答える茜先輩。

 

「ありがとうございます。金曜日...金曜日なら、バイト先の懇親会があって...」

 

懇親会...その後は...その....あとは.....

 

「っ...!!」

 

ぼんやりと靄がかかっていた記憶が瞬時に蘇った。

 

「あ...あぁ...っ....そんな....!!!」

 

イヤだ....イヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだ!!

 

「美咲さん...!」

 

茜先輩の声が聞こえたと思いきや、急に暖かく柔らかい感触に包まれた。

 

...茜先輩に抱き締められているという事にはしばらく気が付かなかった。

 

 

――――――――――――――主人公視点

 

 

「...イヤな事を思い出したみたいだな」

 

茜に抱き締められながらボロボロと涙を流している美咲さん。

 

自殺未遂をする程の事があったのだ。

 

...それに、中毒症状は起きていなかったけれど、強烈な媚薬が使用された形跡が残っていた。

 

本人の意思かどうかは聞かないと判断できないが、状況的に自分から使ったとは思えない。

 

「...どうして...どうして...」

 

「...」

 

何とも言えない表情で美咲さんを抱きしめている茜。

 

そういえば...茜は最近何か思い悩んでいる様子だった。

 

今回の件が無関係とは思えない。

 

「美咲さん...」

 

「茜せんぱい...」

 

大きな瞳一杯に涙を浮かべ、震える声で名前を呼びながら茜に抱き着いている。

 

「大丈夫...もう大丈夫よ。ここにはあなたの味方しか居ないから」

 

茜は優しい声色で語りかけながら美咲さんの背中を撫でていた。

 

そして、しばらくの間茜が抱きしめていたので、美咲さんも徐々に落ち着いて来たらしい。

 

「ごめんなさい、茜せんぱい...」

 

まだまだ落ち着いたとは言えないモノの、先程に比べると動揺の色が薄れた。

 

「お兄さんも...夕華先輩も...急に取り乱してしまい...本当にごめんなさい...」

 

「詳しい事は分からないけれど...状況から察するに君が謝る必要は微塵も無いよ」

 

薬物を使ったセックスを自分から欲するタイプにはみえないし、"知り合い"の情報にも上がっていなかった。

 

「わかるんですか...?」

 

震える声で尋ねられた。

 

「...昨夜、君がどんな酷い目に遭ったのか...それに関して具体的な事は分からない。でも...」

 

「でも...?」

 

美咲さんは俺を真っすぐに見つめている。

 

「でも、君の身体に残っていた薬物の正体に関しては...おおよその当たりはついている」

 

俺の"知り合い"は薬物に関しては手を出さない方針だが...彼らも一枚岩では無いのでその手の情報も出回っている。

 

「あれって...やっぱり薬物だったんですね...」

 

どうやら心当たりが有るらしい。

 

...どのような方法で薬物を使ったのか、その返答次第で今後の動きが変わる。

 

「美咲さん。これだけは確認したいんだけど...自分の意思で薬物を摂取したワケじゃないんだよね?」

 

真っすぐに美咲さんの目を見て問いかけた。

 

ビクンと身体を跳ねさせた彼女は、少し泣きそうになりながら答えようとした。

 

「は、はい...っ...そ、そんな...薬物だなんて...心当たりがありません...っ」

 

時折言葉に詰まりながらそう答えた。

 

「もう...お兄ちゃん?そんな顔で質問したらダメでしょ?お兄ちゃん、真顔だと結構怖いんだから」

 

「え?マジで?」

 

知らなかった...

 

「うん。茜はドМだから良いけど、慣れてない子は怖がっちゃうと思うよ?」

 

「そうか...夕華は付き合いが長いし茜はドМだから平気だったのか...」

 

「うん。私はお兄ちゃんが優しいって知ってるから♪」

 

全幅の信頼を置いてくれている事が嬉しかった。

 

「...茜先輩ってドМなんですか?」

 

「...私も言い返してやりたかったけれど、否定も出来なかったから何も言わなかったのよ」

 

ドМという点は否定しなかった。

 

「とにかく、君は無理やり使われたんだね?」

 

「はい...多分、ローションに混ぜられていたんだと思います」

 

なるほど...確かに効果的かもしれない。

 

「そうか...まず、薬物について説明すると...これは違法薬物に近い強力な媚薬だ」

 

「媚薬...」

 

ある程度予測が付いていたのか、そこまで驚いた様子は無い。

 

「そう。依存性は低く中毒症状が出にくいんだけど、それでもかなり強い薬だ。症状としては、感度がかなり上がって絶頂しやすくなる。そして、思考力を奪って正常な判断が出来なくなるんだ」

 

しかし、中毒症状や禁断症状が出にくいので問題が大きくなりにくいのだ。

 

それでも、これは立派なレイプ事件の一種だ。

 

「そんな薬が...」

 

「ある。ただし、中毒症状が出にくいとはいえ毒は毒だ。だから早めに体外に排出する必要がある。その方法として、君の肝臓と腎臓には良い働きをしてもらったんだ。...ああ、そうだ。これが副作用の一つだね。自分では制御できない失禁と脱水症状。脳が毒物だと認識しているので、肝臓の動きを急激に活発化させて、体中の水分を使って毒素を分解するんだ。そして、無尽蔵に腎臓へと尿が送られて、腎臓は自分の仕事をしてそのままの勢いで排出されるんだ」

 

「それであんなに喉が渇いて...」

 

「君の場合はそれだけじゃないよ。解毒の為に水分を使うことは知っていたから君が完全に眠りに就くまでに大量の水を飲ませたんだ。...まあ、オムツをストックしていた件に関しては気にしないでくれ」

 

真っ赤になっている茜の横顔が見えた。...まあいいか。

 

一通り薬物の件について説明を終えると、美咲さんも随分と落ち着いた様子だった。

 

さて、次は彼女の話を聞かないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちなみに、オムツはお兄ちゃんが茜に穿かせて変態プレイしたときの余りだよ」

 

「夕華っ!?」

 

 

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