一騎当千 VtuberReincarnation 作:宣伝部長
「・・・・・動き出したみたいだねぇ~」
大岩の上でで大きな杯で一杯する女性がポツリと一言。
「姉貴っ!!ウチらは加勢に行かなくていいのか?」
「あぁ・・・女狐からは待てと言いつけられているからな・・・此度の戦には高みの見物さ」
「くぅぅぅぅっ!!ウチも早くバトりてぇぇぇ!!!!」
「・・・女狐の宴を酒のつまみに楽しもうかねぇ~♪」
女狐と言うワードを口にする女性はごろんと寝そべり洛陽高校を眺める。
もう1人は高い木に登って悔しそうに戦場を眺めるしか出来ずにあった。
「董卓様っ!!ご、ご報告したいことが・・・・・」
「反乱連合が攻めて来たか・・・」
「・・・っ!?は、はい・・・その通りでございます」
息を切らせて報告に現れた賈詡の言葉が終わるよりも先に董卓は内容を言い当てる。
こっちを見向きもせずに知っていたかのような言葉回しに賈詡は唾を吞み込む。
「そうか・・・案外早い動きだな」
「・・・董卓様?」
「この一件・・・おそらく狙いはボクの首だろうね」
「そ、そんなこの情勢下で我が洛陽に恐れずに反乱を起こす闘士が存在するなど・・・!?」
「あぁ・・・ボクは見誤っていたのかもしれないね」
「今ならまだこの洛陽から・・・・・」
「・・・・・董卓様」
不意に聞こえた頭首を呼ぶ声に賈詡は驚くように振り返る。
そこにはいつの間に居たのか胡軫の姿があった。
しかし、いつもとは違う空気間にこの場がひりつくのであった。
「・・・その殺気・・・何かあったのか?」
「貴方は・・・誰なの?」
「・・・なっ!?」
「・・・・・ふふっ、面白いことを言うじゃないか?ボクは洛陽高校頭首・・・董卓仲穎。君達を導く者だよ」
「・・・違う・・・・・貴方からは董卓様を感じない」
「お、おい!!貴様っ!!なんて事を言うんだ!」
「ふっふっふっ・・・あーっはっはっはっはっ!!!!」
静寂をかき乱すような高笑いに賈詡は驚き、胡軫は身構える。
笑う董卓の姿は黒煙に隠されて風が吹いて黒煙が消えた時には董卓の姿はなく、1人の女性が屋上の柵に座ってにやけていた。
賈詡だけはその人物に面識があり、唇を嚙み締める。
「くっ!・・・お前の仕業かっ!!」
「あはっ!あの子以外でこうも簡単に変装が見破られるなんて驚いたよ!それだけあの董卓って人物に対する忠誠心は本物だったって事かなぁ~?いやぁ~素晴らしい主従関係だこと・・・でもでも!アタシだって姉妹の絆は素晴らしいモノなんだけどねぇ~♪うんうん」
「・・・・・本物の董卓様はどこ?」
「あぁ・・・・・本物か」
はしゃぐように話していた女性など無視したように本題を聞き出す胡軫。
すると先程までのテンションとは打って変わって冷徹な眼差しで2人を見てからぽつりと口にした。
「・・・・・殺しちゃった♪」
「・・・っ!?!?」
女性が発した言葉と同時に風のように胡軫はサバイバルナイフを突き立てた。
しかし、切っ先は女性の額に刺さる目の前で止まる。
まるで見えない壁があるかのように胡軫の不意打ちは止められてしまう。
「あはっ!良い反応してるじゃん!並の相手なら今の一撃でアウトだったんじゃないかな?」
「黙れっ!!!!!!」
「・・・董卓様を殺したと言う証拠は・・・?」
「あらっ?この子に対して貴女は案外と冷静なんだぁ~」
「・・・はい、まだ董卓様が死んでしまったと言う証拠もありませんし、それに私にどうこう出来るような状況ではないと判断したからですから」
「ふ~ん・・・物事をまずは分析してから動くタイプかぁ~・・・・・でもっ!!」
女性は対照的な2人を見て舌舐めずりをして両手を広げてカッと目を見開く。
「この場から逃げられるとでも思ってるのかしら・・・?」
「それなら・・・簡単」
「・・・えっ?胡軫!!あ、貴女・・・噓でしょ、うそでしょ!うそでしょぉぉぉ!!」
胡軫は咄嗟の判断で賈詡をお姫様抱っこすると賈詡の叫びを無視するかの如く・・・屋上から飛び降りたのである。
女性はいきなりの出来事に後を追うように飛び降りた2人の行方を上から確認しようとするが2人の姿はもう何処にもなかったのだ。
「ふふっ・・・面白い。こんなに胸躍る事なんて久方振りだね」
闇夜を照らす月を見上げてポツリと一言を残した女性は何処かに向かうのか屋上から姿を消したのであった。
「・・・甘寧の言っていた通りの展開だな」
「許昌・・・成都・・・少数ではありますがこの場に集まっている様子でした」
「ふっ・・・アイツはとんだ策士だな」
南陽メンバーは指示通りに正門から校内に潜入して董卓を討伐する為に奮闘していた。
しかし、孫策の姿はやはりおらず4人での作戦を遂行している。
「でもでも、はーちゃんを置いて来て本当に良かったんでしょうか?」
「今の作戦に軟弱者が居るだけでこの作戦の成功率が下がる・・・・・」
「・・・呂蒙さん」
「むっ・・・?アイツは・・・・・」
4人を迎え撃つように1人の闘士が腕を組んで立っていた。
その男は・・・華雄。
その後ろからはぞろぞろと闘士達が行く手を阻む。
「お前達が俺の相手か」
「華雄・・・洛陽高校で呂布と一二を争う程の男がここに待ち伏せているとはな・・・・・」
「華雄だけでも厄介なのにあの数の闘士・・・どうしますか?」
「あの大男は私に任せて欲しいデース!!」
力強く拳を合わせた黄蓋が名乗りを上げた。
そんな黄蓋に眉をひそめる華雄だが、力強く構えると対峙する相手に睨みをきかせた。
「女1人か・・・俺は女だろうと手加減はしないぞ!!」
「望むところデース!!」
2人の大振りの拳がぶつかり合うと辺り一面の窓ガラスが割れてしまい、衝撃の凄まじさを物語っている。
「この衝撃・・・近いな」
「こりゃあうちらも気ぃつけなアカンな!周倉!!簡雍!!ちゃんと聞いとったか!?」
成都メンバーも4人で行動していたはずなのだが、振り返ってみれば後ろを付いて来ていた2人組が姿を消してしまっていた。
「・・・・・アイツら」
「何で迷子になってんねん!!!!」
「姉御達がいなぁぁぁい!!!!」
「見りゃぁわかるよ・・・こりゃ~迷子だね」
背後からの奇襲を受けて足止めされていた2人。
前を向いた時には関羽と張飛の姿がなく2人は立ち往生していた。
「どうするっすか!簡雍!!」
「・・・目的は悪徳・董卓を倒しちゃう事。だからあーしらも最速で見つけて何とかすればだいじょぶ、だいじょぶ~♪」
「ねぇねぇ!お姉さん達!もしかして・・・董卓を探してる感じ??」
「はい!!その通りです!!」
「そうなんだ!私も探しててさ・・・一緒に董卓を探しに行こうよ!」
「おっ!!いいっすね!!アタシ達と一緒に「待ちな~」ど、どうしたっすか!?」
突如として現れた少女と意気投合したので協同しようとしたが、それを止めるように簡雍が割って間に入ると瓢箪のお酒をぐびっと飲むと少女を見下ろすようにして問い掛ける。
「アンタ・・・・・何者だい?」
「私・・・?胡喜媚!!ねぇねぇ、お姉さん・・・・・どうしてそんなに殺意を剝き出しなの??」
「簡雍!!どうかしたんすか!?」
「あぁ~・・・コイツは敵だぁ~あーしの勘がそう言ってるよぉ~」
「えぇ~??ひっど~い!!初対面の人に対してそう言うのはいけな・・・っ!?!?」
話し合っている最中に違和感を感じた胡喜媚と名乗った少女は退くように一歩後ろに飛び退く。
すると先程まで居た場所には満面の笑顔で周倉が拳を地面が割れる威力で叩きつけているのが目に見えた。
「アタシ・・・よくわかんないけどさ!!簡雍の言う勘は100%当たるから・・・覚悟しなっ!!」
「ははっ・・・私、ヤバい人達に声掛けちゃったかもしんない」
一筋の冷や汗が頬を伝うと静かに3人は身構えるのであった。
「・・・孟徳」
「あぁ・・・近いな」
許昌メンバーは怪しい気配を頼りにとある部屋の前で立ち止まる。
音楽室・・・曹操は躊躇もせずに扉を開けると中へと足を進める。
奥にはピアノが1台だけ置いてあるだけの殺風景な空間ではあったが、部屋の隅に誰かが横たわっているのが目視することが出来た。
「んんっ?コイツっていつも董卓の野郎と一緒に居る眼鏡の姉ちゃんじゃねぇのか?」
「えぇ・・・しかし、こんな場所にどうして居るのかが見当もつかないですね」
「オレ達反董卓連合以外にも洛陽高校を狙う奴らが暗躍しているか・・・・・だな」
「その話が・・・本当だったら貴方達はどうするつもりかしら?」
いつの間にか音楽室の入口付近に謎の女性は舌舐めずりをして薄ら笑みを浮かべていた。
そんな彼女を前にした許昌メンバーではあったが、郭嘉はチラッと賈詡を見てから口を開いた。
「君が洛陽を攻める理由を聞いてもいいのかな?」
「知らないわ・・・・・アタシはお姉さまの指示でそこに居る女の息の根を止めに来ただけ・・・洛陽の事なんて知った事ではないわ」
「・・・ただの従順な犬か」
「・・・ふんっ、貴方達は董卓ってヤツを倒すのが目的なんでしょう?アタシはそいつに用があるからどっかに行ってくれないかしら?」
「それは出来ない相談だな・・・そいつは俺が貰うつもりだ」
「おいおい、何を言い出すんだ?今は洛陽とやり合ってる最中なんだぞ?」
「郭嘉・・・やめとけ。あの目で言ってるんだからウチらの頭首様は大マジだ」
「今の話だと・・・アタシの邪魔をする・・・でいいのよね?」
「それはお前の捉え方次第だな」
曹操の態度に怒りを露にし始めている女性はグッと拳を握り締める。
そんな彼女を尻目に曹操は賈詡をお姫様抱っこして連れ去ろうとし始めるのであった。
「ほんっっとうにあったまにきたぁぁぁ!!!!!」
自分の話を一切聞かない曹操に対して怒りが頂点に達したのか腰に備えていた柳葉刀を抜くと横一回転斬りを仕掛けたのだ。
しかし、振り切る事は出来ずにいた。
そう・・・払われたのだ、李典の三節混によって・・・。
「この者は私が引き受けます。皆さんはお先に董卓の元へ」
「油断するな・・・李典」
「はっ!心得ておきます!!」
「勝手に話を進めんじゃ・・・っ!?ちっ!!」
女性が後を追おうしたが、迫り来る混を受け止めると押し込まれてしまった。
李典はモノクルを外してから混を器用に回転させるとビシッと相手に切っ先を向ける。
「お相手・・・願えますか?」
「はぁ~・・・その整った顔をめちゃくちゃにしてあげる!!」
「偽物の董卓が現れた・・・と」
「・・・・・うん」
「そうなって来るとこの作戦は無駄になるんじゃないの?」
「犯人の・・・口ぶりから・・・まだ董卓様は・・・何処かにいるはず・・・・・」
祠に身を潜めていた焔達の元にやって来たのは思いがけない一報であった。
胡軫から聞いた報告に嫌な汗が背中に流れたのだ。
そんな最中に呂布、陳宮、高順も合流する。
「洛陽高校の中はもう交戦がはじまったみたいよ・・・って、何があったのかしら?」
「・・・董卓の行方が不明なんだよ」
「可笑しいでありんすなぁ~・・・うちはギリギリまで董卓のお側におりんしたのに・・・・・」
「・・・・・誰?」
「おほんっ!呂布っちのフィア「何処で見た!!」へぇ?」
高順がきらびかやなオーラを放ちながら名乗り出ようとしたが、それを遮るように胡軫が食い入るように叫んだのであった。
「えっと~・・・・・いつものスイカ畑だったかのう?」
「焔・・・なにがあったの?」
「そ、それが・・・オレが思い描いていたシナリオが誰かの手によって変えられてしまったかもしれません」
「そんなっ!?今回の作戦が外部に漏れ出てしまっていたのでしょうか?」
「その可能性は極めて低いはず・・・それにオレの作戦を見抜いた上で誰かが董卓をこの盤面から消したみたいなんだ」
「・・・それはあり得ないことね。董卓がそう簡単にやられるとは思えないもの」
「えぇ・・・自分も董卓の強さは把握しています。だからこそ今の状況が謎めいていて危機的状況なんです」
董卓を凌駕する程の存在の登場。
それが一番の問題点として浮上してしまい頭の中は整理出来ずにいた。
そして・・・打倒する目標でもあった董卓の消失。
もう動き出してしまっている歯車を止める事は出来ない。
「それで?アタシ達はどうするんだい?」
「まずはスイカ畑に向かいましょう!そこに謎を解明する為の鍵が必ずあるはず」
「この事を報告は・・・?」
「いえ、このまま進行します!まだ確定要素はないんだから校内で見つかるケースも考えたらこのまま行きましょう!」
スイカ畑に向かおうとした一行。
「待て」
不意に聞こえた声に全員は何故か引き止められる様に動きを止めた。
すると物陰からスッと現れた女性が立ちはだかる様に立ち止まる。
「・・・・・例の偽物か?」
「・・・違う。ヤツとは・・・違う感じが・・・する」
「貴女・・・何者なの!!」
ぴりついた空気の中で呂布が大きな声を上げる。
すると女性は前髪を掻き上げてこう名乗ったのである。
「ボクは・・・太公望。君たちの仲間だ」