マスターとマシュのえっちを見ちゃったカーマが自制しなくなった話です。


新作の告知に各SNSを使用しております。ご依頼なども承っておりますので、ご気軽に覗いてみてください。

twitter … https://twitter.com/rA6qGyjPMujyBsf
misskey … https://misskey.io/@C_rithulhu
pixivリクエスト … https://www.pixiv.net/users/84185237/request
skeb … https://skeb.jp/@rA6qGyjPMujyBsf



1 / 1
カーマ(Fate)に寝込みを襲われて堕落させられるはずが好き好き奉仕してくれた話

 夜のカルデアをカーマがうろついていた事に理由はない。魔王としての側面が強い成熟した女の身体をしていたことも、廊下が減光されているほど遅い時刻を選んだことも、特別な理由があったわけではなかった。

 ただ、苛立って舌打ちを漏らすほどの確かな予感はあったから、とある部屋の前で自然と足が止まったときも、

(でしょうねぇ)

 

とカーマは納得したものだ。

 マシュ・キリエライトの部屋の扉はロックで閉ざされていて、内部から音のひとつも漏れてはこない。片方の手のひらをカーマは扉に当てた。本来は部屋の中に来訪者が来たことを告げるはずの機能は、しかしカーマによってキャンセルされていた。魔術的なシャッターでもある扉に触れただけではあったが、彼女には中の様子が手に取るようにわかった。

 もっともそれは、中で行われている行為がカーマにとって縁深いものだったからかもしれない。

 

「アッ……あっはッ……うぁ、かふぅ……ッ♡」

 

 燃え上がりつつある官能で肌を桃色に染めたマシュが、男の下で嬌声をあげている。肉体の快楽に流されてというよりも、その男──カルデアのマスターに抱かれているために生まれる声だ。正常位で交わる彼女はマスターの腰へ遠慮がちに脚を絡ませ、しかし存分に張り出た大きな乳房を男の胸板へ擦りつけるようにくっつけている。それがマスターの快感へつながることを本能的に知っているからだ。

 

「んちゅ、あむ、えろぉ、せんぱぁい……♡ふぅふぅッ、っちゅ……ちゅる……んっ、んぅっ、ちゅっ、ちゅぱぁ……れろ、ちゅむッ」

 

 もう何度目かもわからないキスでお互いに舌を絡ませ、ぐちゅぐちゅと音を鳴らしあう。そのやりとりは拙いものだったが、しかし行き着く先がわかっている動かし方だった。カーマは、すでに二人が幾度か身体を繋いでいることを察した。

 

「あっ、せんぱっ、そこ、っふぅ♡ふぅ……あぁんッ、ぐり、ぐりしてくださ……あぁ♡あぉッ、ンッ、こすって、こすれてッ♡あっはッ、あん、んッ♡」

 

 感触を楽しむようにマスターは腰の動きを変え、腟内をほじくる彼に合わせて、マシュも太ももを緩めてくねらせた。ふたりの目と目が合い、どうすれば相手が悦ぶのか探っている。

 

 じゅぷ。じゅぷ。

 

 控えめな水音が接合部から聞こえていたが、やがてマシュが「んっ」という小さな声を出したタイミングで、マスターの動きが変わった。

 

「んぃッ! あっ……あッ、ぉお♡はぁッ、く、あぉ、

あはぁ♡あぉッ、ん、ンッ、あぁ、あぁんッ、アッ♡」

 

 マシュの声が鳴った内壁をマスターは入念に掘っていく。膣の上側にあるポイントを自分の肉棒でなぞり、不器用にグヌグヌと動かすと、たまに前後へ揺すって調子を変えた。

 

「ああ……あぁッ……、あっ、あっ、ん……んひッ♡うぁ……んきゅ♡く、あぉっ、あっはッ、あはぁッ、あぉ

ッ、はぁッ」

 

 じんわりとした快感を引き出されながら、マシュは身体をより密着させようと手足を絡めていく。腿も、腹も、胸も、腕も汗でしっとりと湿っている。柔らかなマシュの膚に体の前面がぴたりと包まれるようで、小さく動くたび、すべすべとした肌ざわりがたまらない感触を残していく。

 

「っひっ、あはぁ……あッはッ、あぁッ、ンッ、うぁ、あぁ、んひッ、あっ♡」

 

 マシュの鼻で鳴く頻度が多くなっていき、お互いが相手の肉に沈むようにして絡み、まさぐっていった。荒い呼吸にあわせてマシュの膣がきゅっ、きゅっと絞られ、マスターの腰も円の動きから前後への動きに変わっていく。より快楽を求めてのことか、もしくは無意識にか、マシュも腰を遠慮がちに振りはじめ、グチュッ、ヂュブッと淫らな音が大きくなっていった。快感が倍加していくマスターへ彼女が声を上げる。

 

「あぁッ、せんぱいっ……♡んっは、もう、ンッ、イく、イき……♡」

 

 マシュの甘い声色に遠慮が吹き飛んだマスターは腰を猛然と動かし、マシュの唇を強く吸った。男が夢中になってくれたことに喜びながら、マシュは口内へ押し込まれてきたマスターの舌をやさしく受け止めて舐め回し、できるかぎり腰を男の動きに合わせて揺すった。

 

「あんッ、ンッ、ん、あぁ、あっ、ああッ、アッ、っひッ、んっ、くッ」

 

 腰と腰がぶつかり、ヌチャヌチャと間断なく水音がたてられる。腰にしびれるような快感が溜まって、マスターの肉棒がぷっくりと膨れていく。

 

「いっしょッ、はいッ、いっしょにッ♡いぃッ、ふぅ~っ、ふッ、ふぅ、んあッ、せんぱいッ、せんぱ、いッ♡」

 

 上り詰めるのに備えて強くしがみつき、顔を紅潮させながらマシュは急速に快感を昂ぶらせていく。それに比例して膣圧が変わり、ペニスがきゅっ、きゅっと絞るように刺激された。このリズムに対応できず、急に限界を迎えかけたマスターはやみくもに腰を往復させ、ざくざくと突いた。制御されていない本能の動きがマシュの中で新鮮な刺激を生み、彼女もまた急激に果てた。

 

「~~~~~~~~っ…………♡」

 

 身体を強張らせながらマシュは細い叫び声をかみ殺すしてように絶頂する。股間を突き出すようにしてマスターも射精し、膣内へ大量に精をほとばしらせる。濁流を吐き出しながら、強く女の体をかき抱いた。

 カーマは扉から離れ、一切の意識を暗い廊下へ移すとどこに行くでもなく部屋から遠ざかっていった。なんのことはない。よくある愛のひとつだった。男と女。それもなるべくしてなったような、見どころのない、ありふれた愛。快楽を十分引き出す前の段階であり、お互いに試行錯誤と思いやりを繰りかえす未熟なセックス。

 ひたむきに腰を振るマスターの姿は、もし彼がセックスするならとカーマの想像していたそのままで、いっそ呆れてしまうくらい彼のイメージ通りだった。

 カーマは夢想したことがあるのだ。マスターのセックスを。マスターとのそれを。愛して堕落させる権能を持つためにあらゆる性技にも精通した彼女からすれば、児戯にひとしい動きで自分と交歓を交わすものだろうとカーマは考えていた。

 そして同時に、もし共寝をするのであれば、きっと彼は女を知らぬだろうから、それを自分は先導しなければならないだろうと夢想していた。

 カルデアからカーマが消えた。彼女が立っているのは己のみが存在し、己が全宇宙と同義になる空間だ。光の存在しない、地球とは理を別にするそこで、無表情で漂うカーマだったが、やがて眉をゆっくりと引き絞り、苛々とした表情に変わっていった。

 

「じゃあ、もういいんですよね。我慢しなくてもいいってことですよねぇ?」

 

 誰も聞くことのない独り言をつぶやくと、カーマは瞬時にマスターの部屋の中へ立っていた。マシュとの逢瀬からどれだけ時間が流れたものか、消灯された暗がりの中でマスターはベッドに横たわっている。周囲に他の者がいないことをカーマは確認した。多くの守りに囲まれている普段ならこうはいかないだろう。マシュと逢い引きしてことに配慮したものか、それとも偶然か。もしくはその両方かもしれない。

 どちらにせよカーマにとって知ったことではなく、思いのまま彼を好き勝手に扱おうとベッドに歩を進めると、机の上に見知ったものが転がっているのが見えた。

 

「……はぁ?」

 

 無意識にカーマの口から苛だたしげな声が漏れる。それは花で作られた矢で、清潔な布の上にぽつりと置かれているのだった。

 カーマの身体から燃えたつ蒼い炎が弱まり、消えた。この矢はいつかの折に、気まぐれでマスターに渡したものだったはずだ。わざわざ机の上に、それも見たところ簡素な手入れはくらいはされている様子に、彼女の魔王としての部分が薄れたのだ。

 カーマは指を振って扉のロックを少しばかり強化すると、音もなくベッドに入って男の横で添い寝をした。自らの内的宇宙にマスターを引きずり込み、堕落するまで愛し続ける気がすでに失せてしまった彼女はどうするか決めかね、獲物の胸板へ迷うように指を這わせる。

 眠りに入ってすぐのマスターだったが、カーマの動きで目覚めそうな気配はない。魅惑的で豊かな胸をやんわりと押しつけ、みっちりと肉の張った太ももを男の足に絡ませながら、暗がりの中で彼女の顔はじっとマスターの寝顔を見つめていた。

 

「……ふん」

 

 下腹部に伸びたカーマの手がさらに下、マスターの股間へ伸びてまさぐるとズボンがほどけるように開き、意志を持ったかのように膝下まで滑って脱げた。パンツを同様にどかせると、そのまま彼女の細い指がマスターの肉棒に添えられ、やさしく、やわやわと擦りはじめた。弱い刺激を繰り返すうちに、興奮の兆しが肉棒に萌えはじめていく。

 カーマが少しだけ身を起こすと、二人の体を覆っていた寝具が水で流れていくようにずらされ、ひとりでに部屋の中の照明がゆっくり明るくなっていった。

 股間の刺激のためか、あるいは明るさのためか、マスターが半ば覚醒し、寝ぼけて薄目を開けると、自分を見下ろすカーマと目が合った。

 

「へぇ。驚かないんですね」

 

 いやに静かなカーマの声に、うん、と邪気のない返事をしたあと、少し遅れてマスターの体が硬直した。状況を理解しつつある彼だったが、それでも性器の感覚には混乱したのか目を泳がせている。

 先程の生返事は、カーマを信頼しているから、とりあえず口から出たものだったのだろう。彼女にはそれが解ってしまった。

 

「ふぅん? 驚いてるじゃないですか。さっきのは、どういう『うん』だったんですかぁ?」

 

 口の端を吊り上げながら、嬲るような声音で問いかけるカーマだったが、口調とは裏腹にマスターの肉棒への刺激は柔らかく、それでいて完璧な丁寧さを用いてじんわりとした快感を与えていた。空いている方の手でマスターの服のボタンが魔法のように外され、ズボンと同じように軽やかに、脱がされる感触を残さぬ間に剥がされる。

 

「その顔。私が花の矢をあげた時の顔……」

 

 裸になったマスターの上半身を、カーマの指がなぞる。マスターと目と目を合わせながら、カーマは彼の乳首へそっと指先を置き、小さく擦りあわせた。

 もう半ばまで勃ち起がった肉棒を揉む彼女の指が、不意に動きを変える。やさしく揉み込むような動きが、ゆっくりと前後に動かされはじめ、しゅり、しゅりっと小さく音を立てて疼きを煽る。

 ペニスをしごくカーマが亀頭を撫ではじめると、その刺激にマスターが身体を起こしかけた。

 

『動いちゃダメですよ。マスターさん』

 

 手で身体を支える格好になったところで後ろから誰かに抱きかかえられ、しかもその声が存外に子供っぽかったことにマスターは呆然とし、その声の持ち主に思い当たると目の前のカーマがニヤリと笑った。

 

「そうです。私ですよ。小さな私が後ろから支えてあげますから、マスターさんは安心して身体を委ねてください。ただ……」

 

 赤黒い肉棒の先端をなぞるカーマの指と鈴口のあいだに、先走り液のねばついた糸で橋が掛けられた。

 

「もしかして、興奮しました? 小さい私の」

『この声を聞いて?』

 

 耳元に吹きかけられるようにして幼い声を浴びせられ、マスターの首がすくむ。

 

「ねぇ? どうなんですかマスターさん? こっちの私も小さくなったほうがいいですか?」

 

 ぐい、と顔を近づけたカーマとマスターの息が、互いの顔にかかる。薄ら笑いを浮かべていたカーマだったが、しばらくすると急に表情を失くし、鼻先が触れ合うまでさらに近寄った。

 

「その顔。『どうしてこんな事を?』なんて、この期に及んでまだ考えてますね。いいんです。なぁんにも考えなくて、いいんですよ」

 

 半開きになったカーマの唇が、ゆっくりとマスターの唇に重なろうとしていく。ふたりの瞳は相手をじっと見つめて離さず、そのまま唇が触れ合いそうになって──止まった。

 カーマの眉が歪む。

 女の顔がすい、と離れるが、ふたりはまだ見つめあったままだ。

 

「その顔……」

 

 ぽつりと呟いたカーマは視線を外すと、マスターの肉体へ軽く愛撫を加えながらすべり落ちるようにして身を伏せ、マスターの肉棒を咥えて吸った。

 

「はむ……ちゅる……ん……」

 

 手で擦っていた時よりもさらに緩慢な上下運動だったが、その刺激の強さはマスターの腰の奥に強い衝動を沸き起こらせた。背後からカーマの分体に細い手足で、しかし人間離れした力で拘束されているマスターはろくに動けないまま、射精欲が膨れ上がるのをなんとか遅らせようと目を閉じて深呼吸した。

 それは手に取るようにしてカーマへ伝わり、不愉快になった彼女は目を細めて頬をくぼませる。。

 

「はぁ……へぅ、はむっ、レロレロッ、ぐちゅ、んぢゅるっ、ちゅるっ、ぢゅぷッ、べろッ……あもぉッ、ちゅるちゅるッ、べろべろべろ」

 

 カーマは容赦なく肉棒をしゃぶり、擦りあげ、唇でなぞった。口をすぼめたカーマの口腔内と肉棒が密着し、ぬめった温肉が圧迫感をもってマスターをシゴいている。絡められた舌はペニスが吸い上げられるごとにぬめって巻きつき、きゅうきゅうと絞った。

 マスターの腰が跳ね、呼吸が乱れかけると耳へ舌が差し込まれた。

 

「くちゅる、べろ……あぅ……ちゅるちゅるっ、ちゅぅ、はぁっ、ぷちゅっ、ちゅぅぅっ、れぅっ、れろぉ」

 

 分体の小さく熱い舌がマスターの耳を蹂躙し、同時に未成熟な手指に似合わぬ妖艶な動きで彼の乳首を弄んだ。カリカリと掻き、つまみ、ひねる。淫らな快楽が男の背骨をくだり落ち、その奥に溜まっている射精への熱と混ざり合って疼いた。

 跳ねて暴れようともがく肉棒を包み込むカーマの頭は、容赦のない激しい口戯のためにゆさゆさと振られ、こぼれ落ちる唾液が陰嚢を伝ってシーツを濡らしていく。

 

「んぢゅくっ、ちゅぅ、れぅ、んッ、じゅるるッ、ぢゅぷぢゅぷぢゅぷッ、べろッ、くちょッ、はぁッ、レロレロッ」

 

 濡れた唇から抜かれた肉棒の先端をカーマが舌先でちろちろと舐め、唾液と先走り液のミックスで汚れるのもかまわず手でしごいた。ぬちゃりぬちゃり、と粘ついた音が室内に響く。射精に向かって昇りつめていたマスターは、いつのまにか分体からの愛撫も止まって余裕ができていたことに気づき、快感の余り閉じていたまぶたを開いた。

 唇でやわやわと亀頭をついばんでいたカーマと目が合うと、彼女が嗤った。

 

(イカせますね)

 

 声に出さないカーマの意図をマスターが読み取った途端、反り返った剛直は一息に喉奥まで飲み込まれる。

 

「くちょッ♡むっちゅ~っ♡ちゅるちゅる♡ちゅぅ♡ぐちゅ♡へぅ♡ぢゅぷぅん♡れぅ♡ぷちゅ♡はむはむっ♡ぢゅるくッ♡ちゅぽ♡」

 

 強烈にしゃぶりたてられ、思わず精液を漏らしかけたマスターの肛門がきつく絞られると、追い打ちとばかりに分体の耳なめが再開される。

 

『ぐちゅ♡ぢゅぷ♡へぅ♡マスターさん、イってください♡イって♡イって♡イって♡イって♡ぐちゅ♡ちゅる♡れろ♡』

 

 乳首も激しく、それでいて予測できない動きでこねられ、あっという間にマスターの射精欲が煽られていく。男の口から声が漏れ、そこに含まれた諦めのニュアンスに、カーマは傲慢な光を目に宿した。

 引き絞るように口をすぼめて、張り詰めた亀頭とカリ裏を舌でなぶりながら、熱く、熱く吸い付く。

 喉奥近くまで男根を呑まれたところで限界を越え、マスターは溜まった精をほとばしらせた。

 

 びゅっくんっ♡びゅ~♡びゅるるるっ♡どぴゅどぴゅっ♡びゅ~っ♡どびゅ♡

 

「んんッ!?んんッ♡ん~~~~……♡んくっ♡んくっ♡」

 

 脈動しながら精液を噴出する男根をしっかりと咥えて、カーマは口の中に溢れてくる熱液をこくこくと飲み下した。ペニスを刺激しないように微動だにせず、男の腰に手を回して抱きしめながら丁寧に、射精の快感を邪魔しないようにカーマはじっとしていた。

 やがて肉の根から頭を外した彼女はゆっくりと頭を上げ、火照った顔のマスターと再び向き合った。快楽の残り香をにじませる男の表情に気を良くしたカーマは、ふと愛を与える行為に自分が満足しているということに思い至った。

 それは小さからぬ謎。霊基に響く動揺だった。愛を与えることには飽き飽きしているはずの自分が、今このとき満たされているという事実。それどころか、魔王としての側面を色濃く反映させた今の自分が、愛を?

 自問に揺さぶられるカーマを知ってか知らずか、マスターが問いを口にした。

 

──どうしてこんな事を?

 

 行為の前と同じ疑問を繰り返す愚かさに、機嫌の陰っていたカーマが噛みつこうとするより早く、マスターは続ける。

 

──カーマ、迷ってるよね?

 

 寝込みを襲われ強引な奉仕に翻弄されてはいたものの、カーマの表情がふとした拍子に強ばるのを彼は見抜いていた。『いつかマスターを堕落させる』と豪語していた彼女が行動に移したのであれば、そのような顔をすることはないだろう。そもそも、やりたくないのであればやらない性格のはずだ。

 事実としてカーマは迷っていた。やりたいことの理由を見つけられないまま、やりたいことを始めてしまったことに。そしてそれが、マスターにもバレている。

 

「マスターさん。私が誰だか忘れちゃってませんか? 私はマーラ。惑わせるもの。迷わせるものです」

 

 精液と唾液でベタベタの、半勃ちになった男根にカーマの指が絡む。そのまま、にちゃにちゃと音だけを立てて手のひらで撫で回されていく。

 

「そんな存在が迷う? 冗談が下手なマスターさんですけど、これはとびきりですね。無明の底へだろうと、導き手であれば確固たる道標を持ってるに決まってるじゃないですか。さっきマスターさんを情けなぁく射精させた手管もその一端です。好きでもない女の口に出させるというのは、存外に男の精神力を弱めるんですから。ふふ、ずいぶんと効いちゃって──」

 

──好きだ。

 

 男の言葉にカーマが硬直した。動画を停止したように突然。ものを言いかけた半開きの唇も、得意げな目つきも、弄ぶためだけに動いていた手指も。マスターの背中を支えながら小さく嘲笑していた分体も、凍りついたように動きを止める。

 やがて片方の眉だけ三日月のようにしならせ始めたカーマに、再度マスターは告げた。

 

──ちゃんと好きだよ。

 

 真摯な声に対してものすごい音の舌打ちを返したカーマは、両手でマスターの男根を揉みしだき、巧みに疼かせていく。

 

「気持ちいいですか? ほら、ここ、粘ついた指でカリ裏と、裏筋をゆーっくり、ゆっくりなぞられると……。あーあ、また勃ってきてますよ? もう、今日は何度も出したのに、まだがんばるんですか? そろそろつらいですよね? 最初のあの娘に、たぁ~っぷり、出しましたもんね」

 

 たっぷりとした乳の柔肉を、わざと男の胸板に擦り付けて、ふたたび唇と唇が触れそうな位置まで寄ってからカーマはマスターの顔を覗き込んだ。

 

「で? 誰が好きなんです?」

 

──カーマ。

 

 間髪入れず返された名前に、カーマの顔が歪む。それは多少の怒りと、何よりも少なくない喜び、そしてその両方を抑えるために無理やり顔の形を整えようとする努力のためだった。

 再び屹立してきた男根へ、にゅるにゅると細い指を巻き付けながら、カーマはマスターの太ももあたりまで身体を引いた。彼女は相手を無視して、視線も合わせず一方的に丹念な愛撫を加えた。

 

 ちゅぷっ、にゅるにゅる、にゅこ、にゅこ、にゅこ……。

 

 充血した亀頭をつまみ、それが十分な張りを備えたことを確認すると、マスターの股間からカーマは手を引き、そのまま自らのたっぷりとした双丘の隙間に、ゆっくりと、ゆっくりと差し込んでいく。

 

 にゅ……ぽっ……むにゅっ、ふにゅふにゅっ。

 

 経験したことのない性質の快感が性器に送られつつ、真っ白な乳房の谷間から自らのペニスの先端が覗いている淫らな光景に脳天が刺激され、マスターは頭がクラクラした。

 二の腕でおっぱいを両脇から押し付けながら、カーマは小さく上下運動を始める。

 たぱんっ、にゅぷっ、ばちゅんっ、ぶちゅっぬちゅっ。

 表情は淡々としたまま、それでも刺激に飽きが来ないようカーマが強弱の調節を細やかにしているのは、奉仕を受けているマスターが一番良くわかっていた。フェラの時と違って視覚からも彼を喜ばせているのは意識しているだろう。そのいじらしさが彼の心をくすぐる。

 白くまぶしい肌が圧倒的な量感となってマスターの骨盤の上で波打ち、ほどよい肉の熱と絹のような触りごこちが相まって、男の鼠径部あたりにジーンとした快感を送りこんでくる。カーマの胸部を覆っていた小さな装飾はいつの間にか取り払われており、いまでは愛らしい桜色の乳首がふるりふるりと揺れるのを好きなだけ眺めることができた。

 波うつ乳肉を制御するカーマの腕は動かしやすいようにベッドヘ両肘をつくような形になっていたが、これも普段の彼女らしからぬ媚態のように見えてしまい、マスターの劣情を煽った。

 じんわり汗をかいてきたマスターの背中に、カーマの分体が肉付きの薄い身体を押しつけてきた。

 

『少し動かしますね』

 

 小さな肉体がマスターの身体を支える力を強め、姿勢を調整させると、彼の両腕が自由に動かす格好となった。

 

『さぁ、それで好きなようにしてください』

 

 分体のささやきが耳へ吹き込まれ、同時に後ろからマスターの乳首を指が引っ掛ける。

 

『例えばですけど。眼の前の女の頭を鷲掴みにして、おちんぽを唇に突っ込むとかどうですかぁ? さっきの、口でずぽずぽしてもらうの、良かったですよね?』

 

 ぬちぬちぬちっ、ぶちゅっ、にゅぷっ、ぬちゅっ、たぱんっ、ばちゅんっ、ぐちゅっ、たぷっ!

 

 ずいぶんと強くなってきているカーマのパイズリの音を通り抜けるようにして、ソプラノの高い声が蠱惑的な提案をした。マスターの乳首に送られる細やかな快楽が背骨を小さく揺らし、その快感がさっきのフェラチオを思い出させて彼の腰をぶるりと震わせた。

 上下に弾ませていた大きな柔肉を、右へ、左へ、ゆっくり振り動かしながら、カーマは首を下げ、にじみ出て玉になっている先走り液へ舌を伸ばす。

 

「ふーっ~~……♪」

 

 それから細く、長く息を吹きかけた。

 明らかに焦らし、挑発してくるカーマへ向かって、マスターの両手が伸び、髪をかき分けるようにしてサーヴァントの頭をつかんだ。快感のせいで力のこもった男の手指の感触に彼女はにんまり笑いながら、唾液で糸を引く唇をかぱりと開け──。

 わしゃわしゃと、カーマは頭を撫でられた。

 

「……? ??」

 

 優しく、愛でるような手つきはカーマの予測した動きとはほど遠く、もちろん性欲が混ざっている部分は多々あるものの、彼女への慈しみや感謝といった心の動きがわかるものだった。自分を気持ちよくしてくれたことへの愛おしさから、髪をやさしく梳き、カーマの頭を、頬を、おとがいを撫でていく。その肌触りの良さを存分に味わう様子を見せてから、マスターは赤く染まっていきつつある彼女の耳を優しくつまみ、そこにも愛撫を加えていく。

 

「……ッ! ~~~~~~~っ!!!」

 

 にゅぽっ!

 

 言葉にならぬ唸り声を上げて、ぽっくり膨れたマスターの亀頭へカーマは一息に吸い付いた。

 

 ぐちゅっ♡れろっ♡べろっ♡ちゅぽちゅぽっ♡はむはむっっ♡ぷちゅっ♡むっちゅ~っっ♡

 

 たまらずマスターがうめいたが彼女は気にもかけず、容赦なくフェラでペニスを舐めしゃぶり、パイズリも乳圧をグンと上げて挟み込む。

 

 たぱんっ♡にゅぷっ♡ぬちゅっ♡だぶっ♡ばちゅんっ♡ぬちぬちぬち♡ぐちゅっ♡ぐぶぶ~っ♡ぬちゅっ♡ぶちゅっ♡どぶっ♡どちゅっ

 たぷっ♡ぬちゅっ♡ぶちゅっ♡ぬちゅっ♡だぶっ♡どぶっ♡ぐちゅっ♡どちゅっ♡ぐぶぶ~っ♡にゅぷっ♡ばちゅんっ♡たぱんっ

 

 激しい動きによって肉棒と唇の間から流れ落ちる淫汁が、乳肉の谷間と熱くなった雄棒の潤滑油として利用され、泡立ちながら淫猥な匂いを立ち昇らせる。震えるマスターの手が加えてくる、この奉仕に見合わない穏やかな愛撫から逃れようとするように、カーマは男を責め上げて躍動した。分体も乳首責めと耳舐めを開始する。

 

 くりくりッ♡こりこりこりッ♡くりっ♡

 

『れぅ♡あぅ♡べろべろっ♡ぐちゅ♡へぅ♡マスターさん、これ気に入っちゃったんですかぁ♡べろ♡えろえろえろ♡ぐちゅッ♡お耳、気持ちいいですね♡れろ♡ちゅるちゅるちゅるちゅるッ♡ぢゅぷぅ♡』

 

 マスターの手先が強ばる。ペニスは玉袋の奥あたりまでガチガチになっているのがわかるし、その奥で渦巻いている肉欲の熱はすでにマグマのようになって放たれるのを待ち望んでいた。

 カーマの頭を撫でることによって散らしていた射精へのガマンも限界が近く、足先がひっきりなしに伸びたり曲がったりしていた。

 

 ぢゅぷっ♡はむはむっ♡むっちゅ~っ♡ぐちゅっ♡んぢゅるっ♡ちゅぅっ♡じゅるるっ♡ちゅぽっ♡あもぉっ♡

 

 アツアツになったペニスの先っぽをカーマの舌先がなぞりあげ、吸われたと思えばカリ裏をしごかれる。マスターの腕に鳥肌が立ったのを見つけた分体が、はじめて爪の先でカリカリとマスターの乳首を掻いた。

 マスターの視界に白い光が走り、手がカーマの頭から離れた。

 

(──ああ。そんなによかったんですか)

 

 カーマの胸に小さな勝利の味と、よろこびが広がる。それを噛みしめる間を与えまいとするかのように、マスターの指が彼女の固くなっていた乳首をきゅっ、とつまんだ。

 

「んンッ!? んんん~~~ッ♡あむッ♡ちゅ~ッ♡くちょッ♡んんん~~ッ♡」

 

 急な性感にまぶたの裏をチカチカさせながらも、なんとかカーマは男根を舐め続けた。だがその嬌声までは抑えきれたものではなく、味をしめたのかマスターはしこり立った乳首を引っ張り、揉みしだき、乳輪をなぞった。

 

「レロレロッ♡ぐちゅッ♡れろれろれろッ♡んふーッ♡んんんッ♡べろッ♡ちゅぅッ♡ちゅるッ♡あもぉッ♡んんん~~~ッ♡んぁッ♡んぢゅくッ♡ぢゅぽッ♡へぅッ♡はむはむッ♡」

 

 たぱんっ♡ぬちぬちぬち♡ぬちゅっ♡ぐぶぶ~っ♡にゅ……ぷっ♡たぷっ♡どちゅっ♡ぐち、ぐちぃ……ぐちゅっ♡ぬちゅっ♡だ……ぶっ♡ばちゅんっ♡ぶちゅっ

 

 おっぱいの充血した先端をこね転がされながら、カーマはマスターの屹立を舌でねぶっていく。今では彼女の方も余裕は消え去り、すり合わされる胸乳のリズムはマスターから与えられる甘い快楽に乱されがちになっている。

 男の肉棒が膨れあがり、睾丸が縮みだしたのをカーマは感じた。そしてまた同時に、自分の腹の奥がどうしようもなく熱く、蕩けていくのもわかった。これではまるで自分が乳首だけでエクスタシーを迎える女のようであり、不様だった。恥辱と怒りで首から上を真っ赤にしながら、行き場のない感情でカーマは自分に言い訳をした。

 

(だって! だって、しょうがないじゃない! マスターに奉仕なんてしたら、されたら! 興奮するなんて当たり前じゃないですかぁ!)

 

 肉棒の鈴口から、小川のように先走りが流れ出してきた。射精の前触れに対して、カーマは唇をキュッとすぼめてさらに刺激を強め、舌を激しく乱雑に動かした。

 気が遠くなりそうになったマスターは、快感の波をなんとか耐えようとして脚をカーマの胴体に絡めつけ、ぐりぐりと乳首を圧迫する。

 カーマの身体が跳ね、ちゅぽん、と糸を引いて唇が外れる。

 

「おっ、あっ、あッ♡イく♡もぅッ♡イッ、はッ、んん~~ッ♡」

 

 最後の力を振り絞って、カーマは顔を引き下ろしてマスターのペニスの先を飲み込む。マスターはしごいていた桃色のしこりを、ギューッと自分の肌へ埋めこむようにして潰した。同時に乳肉を思い切りぎゅっと締められたスターの肉棒がついに弾け、カーマも同時に絶頂した。

 

「ん、んっ、ッ、んんんんんんん~~~~~~~~~ッ♡」

 

びゅるるるっ~~~~~♡びゅ~っ♡びゅるびゅる~~~~~~ッ♡

びゅくっ♡びゅくびゅくっ♡びゅるびゅる♡どびゅ……♡びゅっくんっ♡

どびゅ……♡びゅくんっ……♡ぴゅ……♡

 

 昂ぶりきった情欲が、数度の射精を経てもなお濃厚な

白濁がカーマの喉奥へ向けて吐き出されていく。彼女の口内で灼熱の塊が脈動に合わせて精液を送りこむが、エクスタシーに震えるカーマは、緩みきった口から雄液をこぼさないよう、指で弱々しく唇を塞ぐのが精一杯だった。

 射精が終わり、甘ったるい快感が重く残る腰の余韻を楽しみながら、マスターはカーマの頭を撫でた。カーマは反応せず、ただ自分の中に渦巻く官能にだけ意識を向け、引いていく快楽の波をゆっくりと追っていった。

 やがてカーマが正気に戻ると、マスターは仰向けに倒れて寝息を立てていた。すでに

分体は消え、部屋には彼女だけが残されている。

 そうしてすべてが夢であったかのように片づけてしまうよりも前に。柔らかくなったマスターの肉棒を口から抜き出してしまうよりも前に。もごもごと何事か舌の上でつぶやきながら、意識のないマスターの手のひらにそっと、カーマは自分の手のひらを重ねた。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。