ヤドリギの支配者 ~女を堕として拠点も落として愉しい街を作ろう!~ 作:伊井君七味
あれから一週間が経った。
俺はまだ十和田さんに接触していない。
彼女の人柄を知らない状態で近づくのと余計に嫌われる可能性が高いからだ。
単純に俺はあまり親しくない女性と話すのが上手くないというのもあるが…
そんな不甲斐ない俺の代わりに動いてくれているのが命さんだ。
彼女は俺には到底真似出来ないような手腕で十和田さんに近づいていった。
一週間前の様子
「ちょっとあなた!ペットボトルは燃えるゴミと一緒に出さないでください!ちゃんと収集日の前日にそこのネットに入れて下さい!」
「あら、ごめんなさい。私あまり物覚えがよく無くて…。次から気を付けますね」
「忘れやすいなら紙に書いて家の中に貼って置くなりして下さい。次同じことをしてたら退去してもらいますからね」
三日前の様子
「弘前さん!自転車は入口に置かないでくださいよ!買い物が多くてもちゃんと自転車置き場まで行ってください」
「そうだったわね、ごめんなさい十和田さん。でも十和田さんがいつも助けてくれるから私とても助かってるわ、ありがとう」
「た、助けてるわけじゃないですよ!ただちゃんとルールを守って欲しいだけで…。ほらっ私も荷物持ちますから早く自転車戻しましょう」
そして昨日の様子
「命さん、蛇口の取り換えが終わりましたよ。これで水漏れも止まるはずです」
「本当?ありがとう八重ちゃん、流石管理人さんね。すっごく困ってたからとっても助かっちゃった。今度ご飯でもお礼させてね」
「いいんですよ。下手に弄られるより素直に頼ってもらえた方がずっと楽ですから。また何かあったら私に言ってくださいね」
ナンパ師かな?遠くから見ていた俺はその鮮やかな手管に舌を巻いてしまった。
たった一週間で命さんは十和田八重の心にするりと潜り込んだ。
「ああいう子はね、自分で仕切るが好きなのよ。学級委員長とかやってたタイプね」
セックス後のピロートークで彼女はそう分析していた。
能力が優秀だから他人が効率悪く作業するのが耐えられない。
出来ない人の代わりに仕事をしてるのに見下した態度で接するから周りからは煙たがられる。
迷惑なお節介焼き、身近にいたらウザいタイプねと笑顔で毒を吐く命さん。
「手伝って喜ばれた経験がないから助けられて喜ぶ相手にはめっぽう弱いわよ彼女。自分より立場が上の相手なら猶更ね」
だから年上の私に褒められただけであんなにすぐ心を許したのよ、と解説を結んだ。
なるほど、驚くほど論理的な考察だ。つい一週間前まであまり親交がなかったにしては少しばかり理解度が高すぎる気がするが。
似たような人が命さんの学生時代にもいたんですか?と聞くと、
「いいえ?でもあんな分かりやすい子、ちょっと自尊心を擽って上げれば簡単に言いなりに出来るわよ♡」
と言ってウィンクをした。
あぁ、悪の素質はあったんだな。悪びれもなく他者を利用するその態度を見て俺は命さんの本質をまた一つ知った。
「今日は八重ちゃんとランチに行くから
そう言って命さんは余所行きの服で出かけて行った。
近場のご飯屋までデートのようだ。
彼女が戻るまでは十和田さんもマンション内にいない。
つまり、管理人室に忍び込むには絶好のチャンスなのだ。
部屋を出て一階に降りる。
辺りを見ても誰にいない。耳を澄ませても足音一つ聞こえてこない。
(近くに人はいないな)
俺はポケットから管理人室の鍵を取り出す。
「私がいない時は入って待っていてください」と十和田さんが命さんに渡したようだ。
(詐欺師とかに騙されてないかな…)
彼女のあまりのチョロさに他人事ながら少し心配になってしまう。
挿した鍵を捻ると扉はあっさり開いた。
俺は左右をもう一度見て人目がないことを確認してから管理人室に潜り込んだ。
壁のスイッチを押して明かりを付ける。
部屋の中は綺麗に整理された書類でいっぱいだ。
「さて、お目当てのものはあるのかね」
俺が見つけたいのは彼女の弱みだ。
彼女の相性はあまり良くないと俺は肌で感じている。
愛想がなく自分に従わない俺を彼女は「年下のくせに生意気な男」と思いそうだ。
素直にお近づきになるのは難しい。
だから俺は彼女の弱みを握って脅すつもりだ。
「秘密をバラされたくなかったらセックスさせろ」と言って無理矢理関係を持つ。
なし崩しに関係を持ち続ければ嫌でも二人の仲は深まっていくものだ。たとえそれがマイナス方向だとしても。
快楽は好感度のプラスマイナスをひっくり返すことが出来ると俺は思っている。
どんなに嫌いなクズが相手でもチンポで何度もイカせられたらどこか心を許してしまう。
セックスを受け入れ始める彼女に『催眠説得』の毒を少しずつ投入していけばいずれは快楽に堕ちるはずだ。
そのためにもまず俺は十和田八重の弱みを見つけなくてはならない。
だから必死になって探しているのだが…
「くっ、見当たらないな。こんなに整頓されているのに肝心のものがどこにもない」
あんなに管理人室に入り浸っている彼女の事だ、少なからず私物を置いていると思ったんだが。
手あたり次第に部屋の中を物色しているとスマホにメッセージが届く。命さんからだ。
【今マンションに戻ってるわ。あと数分で着くからそれまでに撤収してね】
早すぎる!焦りながら時計を見るともう一時間も経っていた。
あまりにも成果がなくて時間間隔がマヒしていたようだ。
(仕方がない、今日のところは引き上げるか)
諦めてドアを開けようとすると外からがやがやとした声が聞こえてきた。
どうやらマンションに住む奥様方が井戸端会議をし始めたようだ。
(やばっ!)
咄嗟に部屋の明かりを消す。ドア窓から中に誰かいることがバレかねない。
少し迂闊な行動だったが幸いにも外の奥様方には気づかれなかったようだ。
良かったと胸をなでおろすも状況は未だ危険なまま変わりない。
(彼女たちがいる間はここから出られないな…もうすぐ二人が帰ってくるのに。命さんに連絡して帰る時間を遅らせてもらうか)
メッセージを送ろうしたのとほぼ同時にびくっと身体がすくんでしまうほど大きな怒声が辺りに響き渡った。
「あなたたち!!入口にたむろしてペチャクチャ喋らないでください!出入りする人の邪魔になるでしょう!!」
そのいかにもな正論に俺は誰が怒っているのか瞬時に理解する。
(まずい!命さんと十和田さんが帰って来たのか!ぐっ、もう部屋からは出れない!)
俺はきょろきょろと部屋の中を見渡し、急いで奥にあるソファの陰に身を潜めた。
「全く、低能な人ばっかりなんだから。それじゃあ命さん、今日はランチ楽しかったです。また行きましょうね」
ガチャリと扉が開かれ命さんと別れた十和田さんが管理人室に入ってきた。
口元に手を当てて息を殺す。
音を立てないように気を付けながらスマホの電源を切る。
こういう時に限って電話がかかってくるのが映画やアニメのお約束だからだ。
静かにゆっくりと呼吸を続け身体から力を抜いていく。
ソファと一体化するように身を寄せ人の気配の消す。
「はぁ~、楽しかった。他の人も命さんみたいに素直ならいいのに。頭が悪い癖に自分が正しいと思い込んで余計なことばかりするんだから」
住人への文句をいいながら十和田さんはどすんとソファに座る。
どきりと跳ねあがる心臓を無理やり押さえつけて彼女にバレないように俺はソファと一体化し続ける。
「ん?なんか書類の位置が変わってるような…まさか泥棒でも入ったんじゃ…」
立ち上がり部屋の中を見渡し始める彼女。
このままじゃバレる!、諦めが頭をよぎったその時。
プルルルル、プルルルル
管理室に備え付けられた電話が鳴る。
「ちっ」
相手を確認もせず舌打ちをする十和田さん。
出なくても誰がかけて来たのか分かるようだ。
「もしもし?母さん?」
不機嫌そうな声色を隠さないまま受話器を取る。どうやら母親からの電話のようだ。
しばらく嫌そうに相槌を打っていた彼女だが、とうとう我慢の限界が来たらしく電話をスピーカーモードに切り替えて再びソファに勢いをつけて座り込んだ。
『…あなたはそんなでも十和田の長女なんですからね。そのみすぼらしいマンションで私達に恥をかかせないように静かに過ごしなさい』
「私をこんな所に押し込めたのはあんたでしょ!!」
燃え盛るような激情を孕んだ怒声が受話器に叩き付けられる。
普段住人に向けられている苛立ちとは桁違いの尖った憎悪だ。
なにがあってここまで二人の仲はこじれてるんだ…?
「あんたさえ余計な事をしなければ私が次期当主になってたのに…息子可愛さに暴走したクソババアがっ!」
『私に付け入る隙を見せたのはあなたのほうでしょうに。写真を撮ったのがうちの者だから良かったものの、あれが他所に流れでもしてたらどの道あなたは終わりだったわよ』
「くっ…!」
威勢よく罵声を浴びせていた十和田さんは母親の言葉を詰まらせる。
付け入る隙?無理やり押し込めた?
彼女は望んでマンションの管理人をやっているわけではないのか。
どうりでいつもあんなにピリピリしているわけだ。
だが今の会話にはとても重要な情報が含まれている。
付け入る隙のせいで無理矢理言うことを聞かせられている、ということはつまり十和田さんには弱みがあるということだ。
望まぬ未来を強いられても従わざるを得ないほどの弱みが。
(欲しいっ…!なんとしてでもその秘密を知りたいっ!)
未だに持ち出されたら言葉が出なくなるほどの秘密、これが使えれば彼女とセックスすることぐらいは容易いはず。
この秘密はどんな手段を使っても手に入れなければならない。
ガチャン!っと音を立てて受話器が叩きつけられる。
「クソッ!あの女…いつまで私を縛り付けるのよ…。あの女にさえ見つからなければ…!!」
がしがしと頭を掻く十和田さん。その声には溢れんばかりの怒りと後悔が含まれている。
彼女はぐるぐると部屋の中を歩き回りながら母親への呪詛を口にし続ける。
「あ゙あ゙あ゙っ!!イライラする!!久々にアレをやっちゃおうかしら…」
尖った口調とは裏腹に彼女の声には何かを楽しみにするような明るい色がほんの少しだけ含まれているように感じる。
アレ?なんのことだ。彼女の秘密に関係あるのだろうか。
「ぐっ、駄目よ…あの時もそうやって衝動的に動いたせいでバレたんだから…」
しかしすぐにちらりと垣間見えた期待を強引に押し殺す十和田さん。
大きく呼吸を繰り返してなんとか怒りを収めようと必死だ。
「ふぅ…落ち着きなさい私。もうしないって決めたんだから、散歩でもして気分を紛らわせましょ」
そう言い終えると部屋の扉を開けて彼女は出ていった。
「なるほど、秘密を暴く鍵はストレスか」
口が三日月に裂ける。
さっきの話から察するに彼女のストレス解消法こそが母親に握られた弱みなのだろう
「だったらまたやらかしてもらわないとな…」
俺がやることは決まった。
過去の過ちを再び犯させるためにたっぷりとイライラさせてやる。
『ヒロインの情報が解放されました』
『
年齢:24歳
生年月日:10月8日
配偶者:なし
子供:なし
・プロフィール
十和田家の長女。裕福な家庭に生まれた彼女は幼少期から二つ年上の兄と次期当主をかけて競わされ続けてきた。
中学、高校、大学と兄よりも良い結果を出して来た彼女だったが、母親の一声によって兄に次期党首の座を奪われる。
八重の性格ならば不当に自分の未来を奪ったこの結論に激しく激昂するかと思われたが、意外にも彼女はこれを粛々と受け入れ母親の勧めでこの十和田マンションの管理人になった。
学歴に自信がありプライドの高い八重が何故マンションの管理人なんかを大人しくやり続けているか知っている人は誰もいない。
風の噂によると絶対にバレたくない"ある秘密"を母親に握られているらしいが…
果たして十和田八重の秘密とはいったい何なのか。
思いついた方はぜひ予想をコメントしてください!
(追記:感想に書くのは利用規約違反でしたので活動報告やメッセージでいただければと思います!
高頻度投稿と一気投稿どちらがいいですか?
-
高頻度(1~2日に一本)がいい!
-
エロシーンまでのキリ良い所まで一気がいい
-
一人のヒロイン分を一気投稿してほしい
-
一拠点分一気に投稿して欲しい
-
特に気にしない