たきながキレた話の続きです。
これでリコリス多分終わりです。
これ以上は気が乗らない限りは書きません。
今まで見てくれてありがとうございました。
「っあ゛あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ!!!!」
何回目の絶頂か。もはや自分から出てる声ではないだろう。逃げられないように押さえつけられて、膣をぐちゃぐちゃになるまで弄られて、それでもまだ、たきなは許してくれない。このままでは本当に気絶してしまう。
「あ゙……はっ……あ゙ぅ……」
「千束?……まったく」
「痛っ!!」
薄れゆく意識の中へ突然やってくる腕への痛み。たきなが腕を噛んでいる。その痛みで私は意識を取り戻してしまった。たきなの目が怖い。本当に狂犬みたいになってて。
「まだ終わりませんよ?千束」
「んあっ!?」
ぐりんっ!と、たきなの指が反転して私の膣の天井を撫でる。まずい、そこは多分一番弱い部分だ。
「あ゙ぁっ!?」
押し込むように指を持ち上げて、私の弱点。いわゆる、Gスポットとか言う場所を刺激する。
手を押さえつけられているから抵抗できない。足を閉じようにも足に力が入らない。たきなに貪られるがまま私は快感をひたすらに感じていることしか出来ない。
「千束、ここ好きですよね?」
耳元で囁かれる狂犬の言葉は私の体の感度を高めてしまう。目の焦点も合わなくなってきた、天井を見てるのか覆いかぶさっているたきなを見てるのかも分からない。ホントにそこにいるのはたきななのかもわからない。
目隠しをされてるわけじゃないのに、何も見えない。
体に響いてくる気持ち良さと耳に入ってくるたきなの荒い息遣いだけが今の私が感じ取れること。
今…好きって聞かれた?
なんかほんとに何もかもが虚ろになっていく。
好きって答えないと…。
好きと……。
「す、きぃ…たきなぁ…すき、だ、から…」
許しを乞うような。求めているような。弱々しく名前を呼んで、たきなは笑ってくれてる。
優しい顔だ。
いつものたきなだ。
「好きなんですね。千束」
たきなの紫の瞳が妖しく光る。
「っお゙!?」
なんかまた意識が覚醒するぐらい強い感覚が襲ってきた。油断した、たきなの笑顔に気が緩んでしまった。たきなが私の膣に入れている二本の指と、親指がどこが違うところに触れている。
「やっぱり、ここ。好きなんですね千束。可愛い」
「っ、お゙ッ…まっ…て、そこほんっ…とにダメだから…あ゙っ!」
クリトリスだ。完全に油断してた。そこを直接触ってくるとは思わなかった。触られたのは舌以外では初めてだった。直接指で転がされる。普段から触られない所だからか、刺激が強すぎる。足がピンと張り、腰が浮く。
体勢的にはブリッジみたいな感じになってるだろうか。グリグリ強く転がされる度に腰がドンドン上へ浮いていく。
「っお…お゙ぉっ!…あ゙っ…だ…ぎな゙っ…!」
もはや人間が出ている声ではない。ガチガチと歯を軋ませて、押さえつけられた手を振りほどこうとするも抵抗できない。動かす度にたきなが押さえ直してくる。
「ダメですよ、千束。ちゃんと感じて」
狂犬はまた囁く。無理無理無理。無理だよこんなの。こんなに顔横に振ってんのになんで止めないの。耐えられない。ようやく戻りかけた足の感覚がまた遠のいていくようで怖い。女性の性行為は体力がある限り続く。男性のように終わりはない。なまじ強いと気絶も出来やしない。むしろ、狂犬が噛み付いて起こしてくる。
それのせいか、私の体の至る所に噛み跡が残っている。
「ぁ゙ぐっ…っあ゙!あ、まっ、っ〜〜〜〜〜!!」
またやってきた絶頂。張っていた体が今度は縮こまる。
もう何が何だか分からない。分かるのは『たきな』だけ。
「たきなぁ…たきなぁぁっ……」
名前以外言葉が出てこない。頭が働かない。イッた感覚が戻らなくていつまでも体を巡っている。休憩タイムなんてないんだろうか、たきなはまだ私の膣の中に指を入れてる。優しく腟内を撫でている。
「まだ、大丈夫ですよね?」
いいながら、指を奥へ奥へと進めてくる。
指が進むにつれて、ゾワゾワと快感もまたやってくる。イッてるのにまた上から重ねて塗られてしまう。
あ、これ届いちゃいけない所まで指が届いてる。
今まで触られたことの無い所。奥の奥でグリグリ指を押し当てている。
「可愛いですよ、千束」
体の至る所にキスを落とす。体の感覚が敏感になり過ぎて、たきなのキスでも体が甘イキしてしまう。視界がチカチカ光る。頭にバチバチと電流みたいな感覚がやってくる。あぁ、これ多分次イッたら死ぬかも…。なんかそんな予感がする。
「千束…」
「ぁ……」
ゆっくりと指が抜かれていく。ぁ……やばぃ…クルかも…。
「あ゙っ!」
どぢゅん。
抜かれた指が一気に奥まで入ってきた。体が驚く程に大きく跳ねる。もちろん一回突いただけじゃ終わらない。
何回も何回も、抉るように指を突っ込んでくる。
「ほらっ、千束っ、気持ちいいですかっ?」
「あ、あ、あ、ぎ、気持ちいぃっ、たきなぁっ…!気持ちいいぃ…!」
ちょっと笑顔のたきなが怖い。
たきなも我慢してた分が一気に出てきたのかな?なんだかいつもと違う雰囲気な気がする。
どぢゅん。どぢゅん。
一回突かれる度に、下から快感がせり上がってくる。それに比例して腰も浮くし体も痙攣する。
たきなの指の動きが早くなる。
やばい。ヤバい。くる……クる……。
「っあ、たき、な、まっ、て、もうィくからっ…!待ってぇ…!」
「いいですよっ、そのまま、ちゃんとイッて千束」
イッていいって言われちゃった。
でも、一人でイクのは怖い。たきなを感じながらがいい。
「たきなっ…キス…キスしてっ…!」
「千束っ…!」
「んっ!」
してくれた。良かった。嬉しい。
それのせいで快感が一気に押し寄せてきた。
「んっ…ぢゅ…れ、ろ、んっ!んんッ!っ…っは」
「イッて……千束…」
「っあ、あ、んッ!っ〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
私の体は盛大に、仰け反るように体をはね上げ、私は果てた。大量の潮と絶頂の余韻で、体がまだ少し痙攣している。呼吸もヒューヒューと死体みたいな音がする。
「よく頑張りましたね千束」
たきなが頭を撫でながら、おでこにキスを落としてくれた。気持ちいい。キモチイイ。たきなの優しさが気持ちいい。あの遠かった距離じゃない。今はこうして近くで手を握って、キスをして、体を重ねてくれる。
私は幸せ者だ。その幸福感と安心感からやってくる眠気。狂犬に狂わされた私は沈むように目を閉じた。
・・・・・・
「やりすぎたかも…」
自分で自分のした事を後悔しながら、隣でなんだかんだゆったり寝てくれている千束の乱れた前髪を指で撫でて直す。
素直になれなかった。店長やミズキさんに相談したわけではなかったのだが、千束ととの距離感の取り方が分からなかった。だって、信じられなかった。本当に千束が元気になってまた私の前に現れてくれるなんて。
終わりは来る…か。それは確かにあの時ではなかった。
あんなに必死になって吉松氏を殺してでも心臓を奪おうとしたあの時の自分を思い出すと、寒気がする。千束の望まない事をしていた。だが、あれは私が望んだ事だ。
『千束が死ぬのは…嫌だ……』
『今回は上手くいったからいい』なんて、そんな言葉で片付けてしまって良かったのだろうか。千束は誰かのために涙を流せる。でも、私は、千束のためにしか涙を流せない。私はそれが分からなかった。
何故、誰かを助けるのか。
何故、自分を優先しないのか。
何故、こんな私に出会えて嬉しいと言ってくれたのか。
でも、今は違う。いや違うと言っても考え方の問題か。
それとも、根本的に性格の違いか。なんにせよ、今は千束のそばにいたい。いつまでも。今度は千束の隣で千束と一緒に、色んな人を助けてあげよう。彼女の背中を追いかけて、私の見た事ない景色を見よう。今の彼女はもう死にかけの人形じゃない。『錦木千束』だ。
これは変わらない。変えられない。私が変えさせない。
これだけは揺るがない事実にする。
昔の私なら、きっとまだ臆病な顔をして千束を見ていたのだろう。
あぁ、また言葉が詰まる。
「千束…」
聞こえないよう呟いた。左手に持った小さな箱。
これは私の本心だ。ずっと伝えたかった本心。こんな形で渡すのはずるいだろうか。
箱を開ける。そこには私の本心が形になって入っていた。
箱を閉じる。これを見る度にいろいろと揺らいでしまう。良い方向へ、悪い方向へ。心が揺らぐ。
こんなタイミングで、こんな形で。
今度は自分のわがままを押し付けるような形で。それは千束の望むこと…?出来れば私は千束の望むことを優先したい。千束のやりたいことを優先したい。
『でも』
が入ってきてしまう。これはそのままいけばワガママになる。だから、迷っている。千束の体の事を考えて、千束のこれからを勝手に想像して。臆病になる。
未来を想像しても何も変わらないと言うのに。千束の返答を聞くのが怖い。ここまでやって断られる。なんてことはないだろうが、千束に痛い思いをさせてしまった。 精神的にも物理的にも。首筋に出来た大きな噛み跡。
今までのお返しなんて、本当はするつもりなんてなかった。ただ、また私を見て欲しかった。千束を感じたかった。ただそれだけだった。
………やっぱりワガママだ。これは。
千束には意地悪な事をした。
『でも』
これはどんな結果になっても伝えるべきだ。
後悔のないように。
隠し事はしない。
煙草とお酒の味が蘇る。
真っ直ぐ伝えられる。私なら。と皆は言ってくれる。
確かにこれで千束の人生が決まってしまうかもしれない。でも、私は絶対に千束を幸せにしてみせる。
絶対に…いや、これもワガママか。
「……」
それでも、私は。
そんなワガママを持ってでも、私は、この人と添い遂げたい。
・・・・・・
「ん……」
目が覚めてしまった。体がくっそだるい。ビックリするぐらいだるい。えこれ絶対たきなのせいだよね?昨日散々あんなに抱き潰したたきなのせいだよね?私入院してたの分かってるのかな?
だるい体を起こして、隣を見るとたきながいなかった。
あ〜……やっぱりいないか…。そうだよね〜。お返しされただけだもんね。仕方ない。
「うあ〜……結構キツいかも…」
蹲り膝を抱える。昔の自分を呪殺してやりたい。
マジで、ほんとに…。
やばい泣きそう。これ、なに泣き?嬉し泣きの対義語ってなんだっけ?悔し泣き?何が悔しいじゃボケ。悔しいのはたきなじゃ。私が……気づいてあげられなかっ…
「千束?おはようございます」
ん?
「ちょ、え!?」
声のした方を向けば、たきながそこに立っている。
居ないかと思ってた。
普通に朝からコーヒーを優雅にブレイクしてる。
「なん…で?」
「なんでって、貴方の恋人だからに決まってるでしょう」
たきなは呆れながらベッドに座る。
あー、えー、そうなんだ…。恋人…。
あー、やばい。泣きそう。これなんだ?嬉し泣き?
「居なくなったと思ったんですか?」
はい。素直に頷いた。
「全く。バカですね千束は」
「んにゃ!?にゃにおぅ!?」
「お返しは終わったんですから、これからはいつも通りですよ」
たきなは笑いながらコーヒーを飲む。その顔がなんだか大人びてる。なんか私だけコールドスリープしてたみたいじゃんコレ。なんかちょびっとムカつく。
「ほんと、千束は心臓が治ったのにおかしいままですね」
「ちょ、ちょいちょ〜い…」
言えてるので何も言い返せない。朝から爽やかな笑顔が素敵で腹立つ。
そりゃあ、ほぼ生き返ったようなものだけど、それでも、記憶はあるし、何をしてきたかはわかってる。
こんなんなら、心臓取っ替えた時に記憶ごとリセットされればよかった………。
「ところで、千束。今日はなんの日かわかりますか?」
「んぉ?」
唐突な質問。いや、もう色々あったから曜日感覚とか消えている。部屋にカレンダーを飾っていないのを思い出した。
今日…?なんだっけ?勤労感謝の日?海の日?あ、秋分の日!え…、いやでも、なぁ…あ、いつも見てる映画の公開日だっけか?
何を言ってるのか、私にはわからない。
「今日って…何日だっけ?」
「9月23日です」
「くがつ…にじゅうさん……あ」
私の…誕生日だ。
「思い出したようですね」
と言ってたきなが取り出した一つの小さな箱。
丁寧に箱を開けると、入っていたのは一つの指輪。
「え…」
「千束。左手、出してください」
これって……え……うそ……。
「ずっと、渡そうって考えてたんですけど。なんだかお互いに素直になれなかったですね。でも、もうその必要はないですよね」
いいながら、たきなは私の左手の薬指に指輪をゆっくりとはめる。
「これが、私に出来る精一杯なんです。許してください。千束」
これは……ほんとに…。
「お誕生日おめでとうございます。これからも、一緒にいてくれますか?千束」
「あ……ぅ……」
嬉しさと驚きとたきなの言葉が、私の中に入ってきて、溢れてきて、止まらなくて、涙が出てきた。もう、言葉が出ない。色々起きすぎだよ。私のキャパをとっくに超えてる。いつ指のサイズ測ったんだよ。ピッタリ過ぎだよ。いつ指輪買ったんだよ。サプライズ過ぎだよ。本当に、夢の中にいる感覚ってのがようやくわかった気がする。
あんなに、たきなに酷いことをしたのに。
あんなに、たきなを避けようとしたのに。
あんなに、たきなの事を嫌いになろうとしたのに。
あんなに、謝っても許されないはずなのに。
さっき言った、これが精一杯なんです?許してください?それはこっちのセリフだよ。たきな。
向き合いたいのに素直になれなくて、真っ直ぐにたきなに向き合えなかった日々を繰り返していたのに。
私を選んでくれるなんて…思わなかった。
ダメだ昨日散々泣いたのにまだ涙が出てくる。私脱水で死んじゃうよたきな。
「ち、千束!?や、やっぱり嫌でしたか…?」
違う。首を横に振る。
「そんな事ない。本当に、嬉しいっ…たきな。これ、嘘じゃないよね…?」
「はい。私は、千束に嘘はつきませんよ。良かった…断られるかと思いました」
ほんとに少し焦っていた顔が緩んで笑顔になる。
嗚呼…もう…本当に。私のわがままな希望に。
言葉が出てこない。たきなにはもう敵わない。
どれだけ頑張ってもたきなには。こんなに傷ついても私を好きになってくれてるなんて。
「誕生日にエンゲージリングを重ねるのは少しずるかったですかね。ちさ…と?」
嬉しすぎて抱きしめることしか出来ない。ちょっとオロオロしてるたきなが可愛い。
もう何もかも分からないぐらい嬉しい。
それでも、これは言葉にしないといけない。
たきなの気持ちにこんなに遅れて気づいた私が無い言葉を振り絞ってでも言える事がある。それが今の私のやりたい事だ。だから、しっかり伝えよう。この気持ちを言葉にするのは少し怖いが、私がたきなを愛しているという事実だけは真実なのだから。これが私の精一杯なのだから。
「たきな」
「はい」
「好き」
「はい」
「超好きっ」
「はい」
「めっちゃ好き!」
「はい」
「ずっと好き!」
「はい」
「いつまでも好き!」
「はい」
「死んでも好き!」
「それはやめてください」
「朝も夜も恋焦がれてる!」
「星になって私が守りますよ」
「世界が終わっても好き!」
「その時も一緒です」
「君は僕の世界を変えた!」
「それは25年目に言ってください」
「3000回愛してる!」
「千束も同じようになってたかも知れませんね」
「バカになったみたいだ!」
「私も、いつからでしょうね」
「大地に根を張ってくらそう!」
「私は逃げませんよ」
「君なしでは生きられない!」
「私もそうですよ」
「13の国の言葉で愛してると言える!」
「千束には無理でしょう」
「もっと一緒にいて欲しい!先の事は約束出来ないけど!」
「もう、大丈夫ですよ。ずっと一緒です」
「月が綺麗ですね!」
「もう朝です。それに私は死にません」
「私の人生半分やるからたきなの人生半分よこせ!」
「もうあげたでしょう」
「たきな乗せて坂道登ってやる!」
「自転車に乗ってる時に言いましょうね」
「愛してる!」
「知ってます」
私の台詞に全部きちんと返してくれる。
恋は盲目とか、恋は分からないとか、恋をすると凄いパワーをもらえるとか、ハッキリ言って確かにまだ分からない。
それでも、目の前にいるたきなは、笑ってくれてる、受け止めてくれる、抱きしめてくれる、優しくしてくれる、叱ってくれるし、一緒に考えてくれる、呆れてくれるし、喜んでくれる、片思いだと思ったら両思いだったし、簡単に結婚指輪渡してくるし、私の奨めた映画は全部見てくれたし、ご飯も作ってくれるし、もう何もかもが嬉しいし好き。
巡り会えた君との全てが私の体の鼓動になる。
巡り会えた君との全てが私の鼓動の中で生きている。だから今日も私は生きている。君のために歌を歌いたい。だってやっと気づいたんだもん。やっぱり私は君に会えて嬉しいって。愛してるって。
愛してる。好きを通り越してしまった。でもきっとそれはたきなが我慢してきた証。私が避け続けてきた証。
ごめんねたきな。私はもう迷わないよ。これからは前を向くよ。たきなと目を合わせて、隣に立って、一緒に行こう。見たことない星まで?そんなの関係ない。
「たきな」
「はい」
「大好き」
「はい。私も大好きです。千束」
私はたきなと一緒なら。