※この作品はR-18です。

リコリス・リコイル SSまとめ   作:扇 漱真

4 / 30
ヘテロ書きたかったんです。
許してください。


Staring red, melting body ヘテロ

「その衣装、初めて見るな」

 

 任務へ向かう途中。ミズキの車の中で蒼真は呟いた。今回は潜入任務。2週間前からリコリスが謎の失踪を遂げている。そこで失踪したリコリス達が調べようとしていた場所がどうやらこのカジノらしい。そこへ侵入し、失踪したリコリス達の所在を明らかにするのが今回の任務。

 だが、蒼真はそれを頭に入れつつ、千束の美しい赤のドレスを見やる。髪をまとめていた千束は気の抜けた声を上げて、蒼真へ向いた。

 

「んぇ? あぁ、これ? これはね、先生を尾行する時に使った衣装なの。どう?」

 

 体を右へ左へ回して衣装を見せてくれる。どうと言われても蒼真にとっては綺麗だし似合ってはいるが目のやり場に困る一択の言葉以外出なかった。だが、運転しているミズキから何故か死の波動を感じたので、咳払いをして適当にコメントした。

 

「まぁ、なんていうか、コメントしづらいな……」

「なんじゃそりゃ、この千束さんのドレス姿だぞ〜。もっと言うことあるじゃろがい」

 

 イタズラに頬を抓ってくる千束に蒼真は誤解を与えたくないので無言でミズキを指さした。

 

「あ〜、うん。ごめん」

 

 千束はすぐに納得した。

 

「お? 何がゴメンだ? 言ってみろ?」

 

 ミズキは逃さず追撃。

 

「いや、違うんすよミズキさん。貴方余計なこと言うとすぐに拾って婚期に繋げるでしょう? だから……」

「んだおめぇ! 調子乗ってんなぁ!? 今すぐに車から降りろ! ぶっ飛ばしてやる!!」

「あぁもうマジでめんどくせぇな! 頼むからナイトメアフレーム乗っててくれよマジで!」

「なんだよそれ……」

 

 ミズキと蒼真の問答に千束は頬から汗を垂らす。

 

「そんな事よりも、アンタ達今日は最低限の装備しかないんだから、しっかりしなさいよね」

「う〜い、わかってるよぃ」

 

 千束がメイクを整えながら返事をする。

 

「ほんとに分かってんだか……」

「お前達の会話は毎回気が抜けるな」

 

 助手席のクルミが言ってきた。言いながら渡されたのはカジノで使う偽造IDと小型の通信機。

 

「まぁ、今回は人探しみたいなもんだし大丈夫か」

「これつけてればいいのか?」

 

 と言って、蒼真が指を刺したのはクルミに渡されたボールペン型のカメラ。千束は耳に着いたピアス型のカメラ。ミズキには胸元に着いたブローチ型のカメラ。それぞれクルミの開発品だ。

 

「そうだ。それで僕が監視しつつサポートするよ」

「凄いなこんなの作るなんて」

「まぁ、ストーカーとやってる事は変わらんがな」

「んな事言うなよ……」

「っと、見えてきたぞ」

 

 他愛ない会話をしていると目的地が見えてきた。

 だが、そこには豪勢なビルでも巨大な城のような建物でもない。トンネルだった。

 

「ここ……? トンネルじゃんよ」

「ボクは後ろに行く。ちょっと待ってくれよ、ミズキ」

「あいよ」

 

 クルミはいそいそと助手席から二人を避けてトランクの中へ隠れる。すると先程貰った通信機から声がする。

 

【ボクはこの中でサポートするから、あとはお前達三人で頑張ってくれ。いいぞミズキ】

「うっし」

 

 ミズキはアクセルと踏むと、トンネルの脇の道へ入った。まるで地下へ侵入する入口のような所だ。そのまま道を進むと、地下の駐車場が出てきた。そこには有名な高級車が至る所に並んでいる。チラホラと一般車両も並んでいるのも見えた。

 

「うぉぉ……なんか秘密基地みたい」

「ほら、準備なさい。最終確認、いい?」

「ぁやべ、カラコン……」

 

 慌ててカラーコンタクトを取り付ける。慣れているせいか千束も驚くほどに手際よくつける。ミズキは初めて見るのか首を傾げた。

 

「なんでカラコン?」

「あぁ、ほら、俺目の色変わるじゃないですか、それ防ぎ用です」

 

 蒼真は性質上、集中力が高まったり、感情が昂ったりしてしまうと瞳の色が黒から赤に変わる。だから日常生活をする上でカラーコンタクトは必須だった。

 

「ぅよし、OKです」

「さぁ、行くわよ」

 

 …………

 

「っていうか、今更なんですけどこれティークの方が良かったのでは?」

 

 自分の燕尾服が似合わないと感じた蒼真が言い放つ。

 

「まぁ、確かにね〜。アイツの方が身長高いしそれなりには見えるわよね」

「あ、それは同感。見た目はティークさんの方が絶対良いよね」

「……」

【悲しいな】

「お前までコメントすんなよ……クルミ……」

 

 自分から出した話題だが、女性陣の辛口コメントで蒼真は肩を落としつつ、歩いていく。駐車場の車から降りてすぐに、入口がある。エレベーターのドアだ。その横にはいかにもカジノで働いている制服の男が立っている。

 

「いらっしゃいませ、IDのご提示をお願いします」

 

 三人は制服の男にIDを渡す。

 

「確認しました。どうぞお楽しみくださいませ」

 

 男がお辞儀をして手をドアの方へ差し出すと、エレベーターのドアが開く。それに乗り込み降りていく。

 蒼真は手持ちの武器の確認。

 ミズキと千束はそれぞれ身だしなみを整える。

 ここからは完全なアドリブの世界。任務を遂行すべく、失敗は許されない。エレベーターが止まり開くのは、金と富を求める者の酒池肉林。千束はニヤリと得意げに口角を上げて呟いた。

 

「ミッションスタート」

 

 …………

 

 扉から出てすぐに、目の前に広がるのは黄金の世界。

 内装まで金色に見えるぐらいの色々な照明。

 ジャリジャリと川のように流れてるコインやチップ。

 勝ち金を貰って喜ぶ大人、負けて泣いている大人。

 本物のカジノに来たのはもちろん全員初めてなので少し呆気にとられている。

 

「おぉ……ほんとにカジノだ」

「この中から探すの〜?」

「人多すぎじゃないかしら?」

【ここのカジノは日本唯一だ。お偉いさんからヤバい裏社会のヤツら御用達の場所だからな。気をつけてくれよ】

「もう何処にいるとか分かってるのか?」

【いや、もう少し待ってくれ、監視カメラのハッキングが……何?】

「え、どした」

【ハッキングできない……いや、これは……】

 

 クルミから出てきた意外な言葉。だが、少し事情が違うようだ。

 

【これは……何か踏み台が欲しいな】

「踏み台……? どっかに飛べばいいのか?」

【ベタなボケをするな】

 

 蒼真は首を傾げる。クルミ声は呆れていた。

 

【リコリコにあるPCじゃないから本格的なやつは出来なんだ。プログラム的な話だよ】

「んじゃあ、お前のハッキング用のUSBでもぶっ刺してやればいいのか?」

【ほぉ、蒼真にしてはわかってるんだな。もっと疎いかと思ってたよ】

「うるせぇよ……じゃあ警備室にでも行かなきゃ行けないってことか?」

 

 蒼真は辺りを見回す。カジノ経営の警備員。どう見ても警察の姿はないが、所々にいる実銃を持ったスーツの男達。天井を見るとしっかり監視カメラも着いている。

 

(どっかから見てるはずなんだけどなぁ……お?)

 

 男達を目で追っていると、一人の銃を装備した男が壁と同じ色のカーテンで塞がれた場所に入って行った。カーテンが開き一瞬だが通路が見える。

 

「見つけました。ミズキさん、千束頼みます」

「あちょっと、気をつけなさいよ!」

「分かってますよ!」

 

 …………

 

「うぅ……卑怯ですみません……」

 

 いろいろ謝りながらスーツの男達を掻い潜り、蒼真は監視カメラの制御室へ辿り着く。後ろを見ると、麻酔銃で眠らせた人の山が出来ていた。

 あちゃ〜、と蒼真は頬に汗を垂らした。

 

「やっちまったかな〜?」

【眠ってるだけだし大丈夫だろ。それよりも早く繋げてくれ】

「了解」

 

 蒼真は制御室の中央のPCにUSBメモリを差し込む。

 

【よし、いいぞ。監視カメラのハッキング出来た。戻れ蒼真】

「おっけい」

 

 …………

 

「お、戻ってきた」

「OKです。クルミ」

【あぁ、蒼真のおかげで監視カメラの映像が見れるようになった。奴はこの階層にはいないな】

 

 奴、と言われて蒼真はスマホで画像を表示する。そこに映っているのはリコリスを車に無理やり乗せてる男の画像。男の名前は『連座 不灯』。今回の失踪事件に関わっている人物だ。リコリスが失踪している付近で頻繁に目撃されている。この男の足取りを掴むまで、蒼真達【side B】もDAも迂闊に動けなかった。

 

「ここにいないとなると……」

 

 三人は向こうを見据える。カジノエリアからもう一つ向こうの部屋。いわゆるVIPエリアだ。

 

【監視カメラの映像。スマホに送ったぞ】

 

 メンバーの予想通り、連座はVIPエリアに居た。

 優雅に酒を飲んでいるようだ。

 

「こいつが……」

 

 蒼真の目が少し睨む様な形になる。手にも少し力が入る。その様子を見て千束は蒼真の肩に手を乗せる。

 

「はいはい、そんなに睨まない。コイツの後を追えば皆の居場所が分かるんだから」

 

 宥めるような躾をするような、今にも飛び出しそうな蒼真の事を思っての事だ。蒼真もそれを聞いて自分を落ち着かせるように息を吐いた。

 

「分かってる」

「なら、よし」

 

 千束は頷いた。

 

「ミズキ、ここからは私達二人で行くよ」

「え、何言ってんのよ、それはさすがに危険よ!」

 

 突然の提案にミズキは慌てふためく。そんな様子を他所に千束はいつもの音程で言葉を続ける。

 

「もし何かあった時に誰も動けないと困るでしょ?」

「だったら、私とアンタでも……」

「蒼真の方が強いでしょ」

 

 う……、とミズキは顎を引く。そして、諦めたようにため息を吐いて蒼真へ向き直る。

 

「千束の事、頼んだわよ」

「はい!」

 

 真剣な返事。あまりにも真剣な表情で千束は笑いそうになったが、頼れる彼氏として再確認出来た。落ち着かせるようにまた息を吐くと、まるで執事のエスコートのように手を差し出した。

 

「行くか」

「うん」

 

 千束は手を取り歩き出す。慣れていない事で少しギクシャクしてる蒼真が少し可笑しく見えた。

 

「ちょっと、顔赤いね」

「うっせ」

 

 …………

 

「ようこそおいでくださいました」

 

 偽造IDのおかげで難なくVIPエリアへ侵入できた。クルミの技術の賜物だ。VIPエリアに入ってすぐに、二人を迎えたのは誘拐犯の連座だった。何食わぬ笑顔でこちらへ寄ってきた。

 

「このカジノは私共が経営してまして……」

 

 次々に出てくる話題が入ってこない。さっさとこいつを捕らえれば全て解決するという思考が蒼真を染める。

 すると、千束から肘で小突かれる。

 

『目つき』

 

 コソリと、一言。それを聞いて慌てていつも通りの目付きに直す。それに気づいたのか連座が笑って誤魔化してきた。

 

「執事君はお嬢様を取られてご不満かな?」

「えぇ、そうだと思いますわ。子供の頃からずっと彼が着いていたので、私も、もう大人だというのに……」

 

 千束は役を演じ、クスクスと上品に笑って見せた。

 そんな千束の様子を見ると連座は怪しく笑い、千束へ手を差し出した。

 

「それでは、そんな貴方様のためにもっと楽しい所へとご案内させては頂けませんか?」

「まぁ! 本当ですの?」

 

 手を合わせ喜びの声を上げる。

 

「お嬢様……!」

「いいから、貴方は下がって。お父様には上手く言っておいてね」

 

 一応止めに入るが、鼻を指で弱く弾かれ千束は連座の手を取り、向こうへ歩き出した。任務だと分かってはいるが、他の男の手を握らせた。なんだからしくない感情が蒼真を苛ませる。今にも動き出しそうな体を我慢させて、千束の背中を見守る。

 

 …………

 

【ミズキ、千束と蒼真に預けたカメラが見れなくなった】

「え!?」

 

 ところ変わって、ミズキ側。

 VIPエリア入口付近のカウンターに座り二人を待っていたミズキにはクルミからの衝撃の報告が来た。

 

「二人の位置は?」

【GPSは機能してる。だが、何故カメラだけが……】

「こっちからじゃ、様子も見れないわね」

【とりあえずGPSだけで乗り切るしかないな。蒼真に伝えとくよ】

 

 …………

 

「カメラが……?」

【あぁ、お前たちが入ってから見えなくなった。どうもおかしいぞ】

 

 カウンターで飲み物片手に待機してた蒼真への一報。

 スマホで自分のカメラを確認すると、言う通り、砂嵐が発生していた。

 

【VIPエリアの特殊なジャミングでカメラだけが見れなくなってる。監視カメラの映像も今は見れない。なにか見られたくないものがあるのか、或いは……】

 

 蒼真はとにかく辺りを見回した。するととある事に気づいた。最初は気づかずに違和感を感じなかったが、よく見ると『蒼真以外の客がいなかった』のである。定員はいるが、客は誰一人として居ない。相手はリコリスを捉えることのできる人間。読まれている可能性も否めない。

 

(千束っ!?)

 

 悪寒が蒼真を襲った。

 

「っまさか! ……がっ!?」

 

 蒼真は千束の元へ駆け出したが、突然後頭部へ強い衝撃。

 

【どうした蒼真!? おい! 返事しろ! 蒼真!】

「な……に……!?」

 

 薄れゆく意識の中抵抗しようと試みたその腕は相手に届かず、蒼真は気絶した。

 

 …………

 

 蒼真と別れてしまい、単独行動になった千束。引かれていた手はいつの間にか離されていて、VIPエリアの奥の方まで来た。所々にある個室から聞こえてくる女性と男性の喘ぎ声。通る人の香水の下から香る生臭さ。

 千束でも分かる。『そういう事』をする場所だ。

 自分の銃はいつでも抜けるように身構えつつ、相手への警戒は怠らない。手が少し震える。恐怖かほかの事か。

 流石に一人はまずかったか。震えを抑えるように左手で右手を掴む。

 

「さぁ、こちらへ」

 

 手を差し伸べたドアの先。

 

「失礼致しますわ」

 

 そのまま部屋へ入っていく。周りは何もない部屋。

 妙に甘ったるい匂いがする。

 

「君のような上物は初めてだよ。きっと良い値がつく」

「っ! ……し……まっ……」

 

 連座の言葉の意味を理解し、銃に手をかけるが、甘ったるい匂いからくる強烈な眠気に襲われ、その場に崩れ去った。

 

 …………

 

「ん……っ……ここは……?」

 

 気絶していた蒼真は、物置小屋のような所にいた。

 殴られた所が痛い。顔には血が流れてきている。片腕が手錠で拘束されている。とりあえず自分に起きている事はわかった。

 後は、千束だ。

 悪い予感はしていたが、当たるとは思わなかった。リコリスすらも捕らえられる人間がなんの準備もなしにこんなカジノを作れるわけが無い。捕らえられたリコリスは恐らく、『闇オークション』か『人身売買』。戸籍もなければ人権もない。煮るなり焼くなり好きにできるならどんな人間も物として欲しがるに決まってる。それぐらい考えられなかった自分を恨んだ。

 

「くそっ……! 何が平和な日本だよ……!」

 

 ガシャンと振り払えない手錠を揺らす。

 そう、それぐらいは考えられなかったが。

『千束に何が起きる』ことは予想出来ていた。

 幸い、身ぐるみは剥がされていない。敵が不用心で良かった。予備の通信機を耳へ取り付け、カラーコンタクトを外して、クルミへ連絡を取る。

 

「クルミ……」

【蒼真!? 無事か!】

「あぁ……俺は大丈夫。千束は?」

【それが、GPSがある場所から動いてないんだ】

「連座に連れられた部屋か……」

 

 自分か止めればよかった。千束を一人で行かせたからこんな事になった。何かが起きると分かっていたのに止められなかった。だが、千束を信じてしまった。過信しすぎた。最低限の装備しかないのに何が出来たというのか。

 

「千束……ごめんっ……」

 

 許しを乞うように謝る。届かないのは分かっている。

 だから、届かせに行く。謝りに行こう。

 千束を迎えに行こう。蒼真は拘束している手錠を力ずくで破壊すると、手首を解すように回す。

 

「クルミ、そっちに合流するよ」

【あ、あぁ、だが、千束はどうする……!】

「大丈夫、助ける、絶対。んでもって検索して欲しいやつがある」

【……?】

 

 …………

 

「ん……んん……」

 

 目が覚めると周りには3rdのリコリスがいた。

 

「っ!?」

 

 勢いよく体を起こすとそこはVIPエリアの部屋とは別の部屋。周りを見ると3rdと2ndのリコリスがチラホラ見える。皆俯いていて、目に光がない。千束自身も拘束されている。装備もイヤリングも外されている。ドレスだけになっている。

 

「ね、ねぇ、ここって……?」

 

 とりあえず目の前の3rdリコリスに話しかける。

 彼女は怯えた様子で千束の方を向いた。

 

「あ、あなたは電波塔のリコリス!? あ……あぁ……あなたまで捕まるなら……私達は……」

 

 なにかに怯えるようにイヤイヤ首を横に振りながら後退りまた顔を隠し震え出した。

 周りのリコリス達も3rdのリコリスの言葉を聞いて、ブツブツと話し出した。

 

「終わりなんだ……」

「殺されるんだ……」

「死にたくないよ……助けて……」

「ちょいちょい……」

 

 3rdの嘆きに少し焦り出す千束をよそに、一人の2ndが千束へ寄ってきた。

 

「あなたもあのカジノから……?」

「うん。皆の事探しに来たんだけど、しくじっちゃって」

 

 3rdとは違い2ndは落ち着いている。

 

「やっぱり。私達も同じ目的だったのですが彼らを甘く見ていました」

「そうだったんだね。でも、大丈夫」

「え?」

 

 千束の目にはまだ諦めの意思はなかった。

 

「絶対助かるよ。皆」

 

 …………

 

「やっぱりここには居ないか」

「あぁ、連座も居なくなっている」

 

 クルミ達と合流した蒼真はミズキの車に乗り込んで作戦会議をしていた。カジノから姿を消している事を確認するとクルミに別なUSBを手渡す。

 

「クルミ、これ使えるか?」

「なんだ? これ」

「ウチの、【side B】の専用GPSを検知出来るやつ」

「いいのか? これをボクに使わせて」

「別にお前が使ったって何も問題はないよ。千束に何かあるかも知れないと思ってさ、アイツにはウチのGPSをこっそりドレスに仕込ませてもらったんだ」

「アンタいつの間に……!」

「よし、わかった」

 

 すぐにクルミはUSBを差し込み検索を開始した。

 

 …………

 

「お目覚めですか?」

 

 何食わぬ笑顔でまた連座は千束の目の前に現れた。

 後ろには体格の良い男が三人程立っている。

 

「やはり美しいですね貴方は。他の商品とはまるでものが違う。その赤い瞳も淡い金の髪も、きっと誰からも愛される愛玩になることでしょう」

 

 千束の顎に指を触れさせて、舐め回すように視線を当ててくる。気持ち悪さと趣味の悪さに鳥肌が立った。

 もちろん、誰かに買われる気も愛玩にされれる気もない。させる気もない。

 ここにいるリコリス皆も、千束自身も。

 

「30手前のおっさんがJK欲しがってるのはヤバすぎじゃない?」

「……」

「ぁう!」

 

 笑顔から平手打ちが飛んできた。

 連座は立ち上がると、千束をにらみつける。

 

「私がここまで来るのにどれだけ苦労したかも知らずに口を開くなガキめ。ここにいる全員の命は私が握っていることを忘れるな」

「いっっ……」

「出荷は明日の朝すぐだ。それまでせいぜい楽しみにしていてくださいね」

 

 すぐにまた薄っぺらい笑顔に戻ると男達を引き連れて部屋を出ていった。

 

「芸人かよって……」

 

 テンションの乱高下に着いて行けない千束は体を起こしてため息を吐いた。

 

 …………

 

「まったく、商品ごときが……」

 

 平手打ちした手をハンカチで拭きながら連座は言う。

 すると、部下の一人が慌てて連座の前にやってきた。

 よく見るとボロボロだ。

 

「連座さん! や、ヤバいやつが来ました!」

「何ですか。騒々しい。またリコリスか?」

「カジノで気絶させた奴が俺らの所にきやがりました!」

「なんだと……? そんなもの人数で勝っているだろう。ガキぐらいさっさと潰せ」

「そ、それが……まったく歯が立たないんです!」

「……!」

 

 …………

 

「うわぁぁぁぁ!!」

 

 鳴り響く銃声と轟く悲鳴。

 男数人がかりでも有利を獲ることは出来ず、次々と再起不能にされていく。男達が見ているのは人間と呼ぶには怪しいレベルの動きをする生物。銃弾を弾き、まるで空を飛んでいるかのような舞い踊る黒。そして、紅い二つの眼光が月明かりの戦場になった建物の廊下を駆け巡る。

 

「クソ!」

 

 男は一人、その生物へ向けて銃を乱射する。ARで太刀打ち出来ないのなら、LMGの弾数で押し潰す気だったろだろうが、そんな考えは一瞬で消え去った。

 その生物は、地面を蹴り、壁を駆け、天井すらも踏み台にする。そして生物は男の横をとてつもない速さで通り過ぎると、LMGは真っ二つになる。

 

「悪いが寝ててくれ」

 

 男の首元に麻酔銃を撃ち込んだ。

 

「いたぞ! やれ!!」

「っ!」

 

 別な所からやってきた輩が生物を見つける。今度は三人かがりだ。横並び三人で全員装弾数の多いLMGを持っている。これ見よがしに生物へ銃口を向けてきた。

 

【おい、蒼真! 目的を見誤るなよ!】

「分かってる……」

 

 生物はゆっくり立ち上がる。月明かりに照らされて少しづつ姿が見えてきた。それは、腕に特殊なガントレットを付けた燕尾服の蒼真だった。

 

「ガキが!」

 

 すかさず輩は引き金を引く。蒼真は腕を前にして拳を握りしめるとガントレットはひし形のシールドを展開。それを弾を受け流すように構えると、男達の乱射する弾丸を次々と弾いていく。弾丸はシールドに直撃しているが、ビクともしない。

 

「なんなんだコイツはっ!?」

 

 蒼真は相手の弾が切れるとすかさずガントレットからワイヤー付きのアンカーを射出。真ん中の男のLMGを破壊して、もう片方のガントレットのアンカーを壁に突き刺した。

 

「っ!」

 

 そして、アンカーを巻きとると同時に地面を蹴り上げて跳躍、男に回し蹴りを喰らわせる。

 

「ぐぁ!」

「コイツっ! ……ぅがっ!」

 

 着地と同時に再びアンカーを左右の男達に射出、自身を回転させてワイヤーを鞭のようにしならせてLMGを破壊する。すかさず、手持ちの即効性の麻酔銃で相手を眠らせる。

 

「千束っ……」

 

 敵が倒れたのを確認すると蒼真は駆け出した。

 

 …………

 

「…………」

 

 扉の向こうから聞こえてくる。悲鳴と重々しい何かがぶつかる音。銃声。連座は扉の前で部下と共に銃を構えて待ち構えていた。恐怖で手が震えてきている。その扉から入ってくるのは、果たして人間か、『それ以外の生物』か。

 

「なんだ……?」

 

 物音が止んだ。一瞬にして空間が静まりかえる。その不気味さと恐怖は消えない。

 

 ドンッッ! 

 

「っ!?」

 

 目の前の扉が向こうから凹まされる。まるで足跡のような形だ。

 

 ドンッッ!! 

 

 また一撃。目の前の扉は多少強固な作りになっている。銃弾とある程度は通らない。はずなのだが、何故か人間が人体の力だけで壊そうとしている。

 

『んっだよ! この扉ぁ、固すぎんだろ!』

 

 ドンッッ!! ドンッッ!! 

 

 化け物がやって来るかのような。

 閉じ込めていた封印を解いているような。

 扉の向こうにいるのは確実に人間では無いことは分かっている。

 

『あぁもうめんどくせぇ! こぉんの!!!』

 

 ドミノのように勢いよく倒された扉からやってきた月明かりに照らされた、たった一人の少年。紅い瞳と少しの返り血、後ろの倒れた部下の山が更に不気味さを際立たせる。見開く目が人ならざるものだと実感させてくる。

 

「見つけたぞ、リコリス連続失踪事件の犯人 『連座 不灯』。悪いが今回の事件について聞きたいことがある! だから、アンタを拘束する!」

「撃てぇぇぇ!!!」

 

 連座の掛け声と同時に、部下たちは一斉に銃を撃つ。蒼真は燕尾服を翻し、一層体に力を入れると、ガントレットから装甲を展開せずに、そのまま走り出した。壁を伝い、左右へ飛び回る。蒼真の動きを追い切れない部下たちは、蒼真を銃の間合いよりも近い、懐へ潜り込まれてしまった。

 

「速いっ……がっ!」

 

 ガントレットの閉じた装甲を少し引き出して小型のカタールに変える。それを使い、部下たちの銃を破壊して振り払う。麻酔銃で眠らせると、隣の部下をアンカーで壁に打付ける。そのまま、ワイヤーをしならせて、連座以外の部下の銃を全て無力化、間髪入れずに部下たちを麻酔銃で眠らせると、連座へ麻酔銃を向けた。

 

「化け物が!」

 

 最後の抵抗に連座は蒼真に向けて弾を放つが、蒼真はそれをガントレットで装甲も展開せず腕を払いはじき飛ばす。ほぼゼロ距離だったにも関わらずはじき飛ばされた弾丸は壁にめり込む。

 

「なっ……!」

「本当はわざわざシールドなんて使わなくてもいいんだけどね」

 

 一応弾いた部分の損傷を見て、すぐに麻酔銃を突きつける。

 

「さぁ、後はアンタ一人だぞ」

「まさか……君が、あの赤目のリコリス?」

「は?」

「やっぱり! 君だ! 君があの時の赤目のリコリス! 今の身のこなし、そしてそのペンダント! 間違いない!」

 

 気が動転してしまったのか、神に拝むかのように手を組み跪いた。

 

「いや、何言って……?」

「君を探していた! あの時のリコリスかぃ!?」

「ちょ、おいなんだ!」

 

 縋るように蒼真の服を掴み寄ってくる。

 

「何言ってんのか分かんねぇけどよ、俺はそもそもリコリスじゃねぇよ」

「な……に? なら君は……がっ!」

 

 面倒くさそうにため息を吐いて麻酔銃を撃ち込んだ。

 時計を見るともう深夜を廻っていた。

 麻酔銃をしまうと、クルミへ通信を取った。

 

「任務終了。重要参考人は確保した。千束達は向こうの部屋か?」

【みたいだな】

 

 蒼真は一目散に千束の元へ駆け出した。

 

 …………

 

「千束っ!!」

「蒼真!? よかった、上手くいったん……おおおおおおおお????」

 

 勢いよく扉を開けて、千束の無事を確認するや否や、蒼真は千束へ熱烈なハグを食らわせた。普段とは違う雰囲気のハグ。

 

「よかったっ……」

 

 今にも泣きそうな声だった。蒼真の腕に包まれていたら、何故だか千束の手の震えが止まっていた。安心したからだろうか、それとも、彼の顔を見れたからだろうか。不安が無くなった千束は、また別の問題に直面する。

 

「ちょいちょい、蒼真……」

「千束っ……」

「皆……見てるから……」

「え……?」

 

 顔が真っ赤な千束の恥ずかしそうな声を聞いて、周りを見ると捕らえられていた他のリコリス達が、唖然とした顔で二人を見つめていた。蒼真はとりあえず、千束から離れて、その場に立ち上がり、顔を手で覆い深く息を吐くと、

 

「遅れてすまない、助けに来たよ」

 

 何故かキメ顔で言ってきた。

 

「取り繕ってももう遅いっつの!! なぁんで後先考えずにそういう事するかね! あ〜恥ずかしッ!!」

「っ! し、仕方ないだろ! ほんとに心配してたんだよこっちは!! まさか違う場所に連れてかれるなんて思わないだろうが! GPSも機能しなくなるしかなりビビってたんだぞ!?」

「あ〜! だからいきなりお尻触ってきたんだぁ! 別な発信機つけるために〜!!」

「な、ケツは触ってないだろ! 腰だろうが腰! あんなもんノーカンだノーカン!」

「えと……」

 

 二人の子供のような言い争いに2ndは何をしていいのか分からず、頬に汗を垂らしていた。

 

 …………

 

「は……はい。今回の失踪事件の名簿と全員一致。2nd一名、3rd以下六名、確認取れました……」

「ありがとうございます。あの……千束さんとは……」

「あ〜! いやごめんほんとあれは忘れて欲しいです! 司令には俺が連絡しときますから今日はそのまま帰って欲しいですお願いします!!」

「ア、ハイ」

 

 あまりにも恥ずかしい所を見せてしまったので涙目になりながらリコリス達を回収班の車に乗せて、見送った。

 

「んぁ〜〜〜、終わったらったった〜……」

 

 車を見送ると千束は大きく背伸びをした。

 蒼真は脱力と同時にベンチへ座る。足をだらしなく伸ばし、うぇぇ、と唸り声を上げた。

 

「お疲れ様」

「お前もな」

「まっったく、アンタの無茶の仕方も大概ね」

「まぁ、いいじゃないか。蒼真達の組織の大事も片付いたようだしな」

 

 車にいたミズキとクルミも降りてきた。

 

「いやほんとに二人ともありがとうございます。今回も大助かりでした」

「ご心配をお掛けしました」

 

 蒼真は二人に頭を下げて手を合わせた。

 続いて、千束と頭を下げた。

 

「燕尾服もボロボロじゃない」

「さすがにやりすぎましたかね〜。あはは」

「まさか本当に一人で突っ込んでいくなんてな。車に装備を積んでおいて正解だったな。ミズキ」

「えぇ、ほんとに」

「まぁ、何にせよ、こっちの任務まで片付けてくれてほんとにありがとうございました。今回の功績は【side B】においてもかなりデカイですよ」

「皆も無事だったしね〜」

「千束も無事でよかったよ」

 

 蒼真は言うと、千束は「にひひ〜」と、ピースサインを出てきた。

 

「さぁ、終わったんなら今日の宿に行くわよ〜」

「え? 宿? 泊まるんすか?」

「当たり前でしょ、こんな疲れてんのに運転なんてしてらんないっつの。早く乗りなさい」

 

 …………

 

 やってきたのは豪勢なホテルでも旅館でもない。普通のビジネスホテル。チェックインをすませて蒼真は部屋の鍵を貰った。

 

「っあ〜〜……」

 

 部屋に入るなり、とりあえずベッドへ倒れる。

 今日はいろいろなことが起きてまだ心が落ち着かない。

 終わったという気が晴れないままだった。

 連座は捕らえた。楠木司令からも生け捕りとの命令だった。カジノは恐らく無くなるだろう。経営者が消えたんだからそりゃそうだ。リコリス達も全員助けた。皆無事で良かった。連座達も最近リコリスの存在に気づいたらしい。だから、奴らは生け捕りとの命令だったのだろう。その後はDAで殺されるだけだ。

 だったら、この気分の晴れないのはなぜなのか。

 そういえば一人。捕まっていたリコリスがいた。

 

「千束……」

 

 捕まっていたはずだが、周りの2ndや3rdと違って余裕そうだった。あんな状態でヘラヘラ笑っていられるのも彼女の強さ故だ。

 

「……」

 

 スマホを取り出して、千束の連絡先を表示する。

 発信ボタンの前で指が止まる。

 

「いや、やっぱり電話ってのは……」

 

 メッセージでもいいか? そもそももう寝てしまった可能性もある。千束達との部屋からは少し離れているので様子を見に行くなんて以ての外だし、見つかればただの変態だ。

 

「電……話か……?」

 

 ただ単に聞きたい『大丈夫か?』の一言。

 その一言だけでダメなのは分かっているが、千束をハグした時に感じてしまった、彼女の体が少し震えていた事を。カジノの時もほぼ一人で任せてしまった。怖かったろうに、痛かったろうに。しかもまだ謝ってすらいない。

 

「あ〜くそ! 迷うな、俺は彼氏だぞ!」

 

 告白してOKも貰った時のことを思い出して蒼真は発信ボタンを押した。

 

「……」

 

 ワンコールで出ない事は分かってはいるが、やっぱりすぐ出てくれないと、コールが進む事にこっちの心臓の音も早くなる。

 

『もしもしもしもし?』

「千束……」

『お〜、どした〜?』

「あいや、なんか……大丈夫かなって……」

『え〜何それ、大雑把すぎでしょ』

 

 電話の向こうからはいつもの千束の声。

 

『別に大丈夫だよ。いつも通り』

「…………」

『あ〜。もしかして蒼真の方が寂しくなっちゃった?』

「む……」

 

 またそういう挑発じみたことを言ってきた。

「違う」と口を開きそうになったが、蒼真は意地を張って言い返すのも今日は疲れていたので、素直に頷いた。

 

「あ〜そうだよ。俺の方が寂しくなったんだよ。だから声聞きたくなったの」

 

 少しヤケクソ気味に言い放った。

 

『…………ん〜、そっか。じゃ今からそっち行く』

「え?」

『今日のドレスの感想聞いてないしね。待ってて』

 

 …………

 

「やほ」

 

 それからすぐに千束はドレス姿のまま蒼真の部屋へやってきた。

 

「お前……そのまま来たのか?」

「そだよ、まだ着替えてなかったからちょうど良かった」

 

 夜中の男子一人の部屋になんの躊躇もなく入る。当然と言えば当然だ。目の前の蒼真は彼氏なんだから。

 

「ん〜で? どう?」

 

 千束は少し跳ねてターンをすると手を後ろに組んで前かがみになり聞いてきた。

 

「っ……」

 

 確かに綺麗だ。見蕩れてしまう程に。それでも露出は多いし、出る所は出ている千束の体は健全な男子にとっては毒だ。どれだけ冷静さを装っても蒼真は千束の顔には目が行かない。そりゃあ、それなりに大きい胸と柔らかそうなお尻がドレスとタイツのラインでシルエットとして見えてしまっていたらそっちに目が行くに決まっている。

 だから、目を逸らした。

 

「うん、まぁ、似合ってるよ。綺麗だし」

「あ〜、目ェ逸らした。まぁた、胸見てたでしょ」

「見てないっ」

 

 意地っぽく言ったが、それが嘘なのはすぐにバレてしまう。

 

「目、赤いよ」

「っだから、そこ見るなってば!」

 

 ニヤニヤ笑う千束を前に蒼真は目を隠す。

 蒼真は体質上、集中力が増したり、感情が昂ると、瞳が紅くなってしまう。その、昂りには『興奮』が含まれる。だから、そういう事をしている時は目が紅くなりやすい。

 

「それほんとに大変だよね〜。わかってる人は目見れば一発でわかるんだもんね」

「だから嫌なんだよこれ……」

 

 ため息を吐きながら覗き込んでくる千束の目線を避ける。顔も赤いから見られたくはない。何故千束はこんなに余裕なのか。

 

「私の目の色とはちょっと違うよね」

「そうか? 俺のは……っ」

 

 不意に千束と目が合ってしまう。

 

「ん、やっと顔見てくれた」

 

 千束の顔から目が離せなかった。部屋のライトのせいで緋色の宝石のような瞳と本当によくできた綺麗な顔立ち普段とは違う、髪を結っているせいでより一層の特別に見える。

 

「はい、感想は?」

 

 と、首を小さく傾げて再度感想を求めてきた。

 

「あぁ、綺麗だよ」

「うん。ありがとう」

 

 千束の頬に手を添えながら蒼真。

 えへへ、と大人っぽい格好とは裏腹な子供のような千束の笑顔。

 

「髪型、こういうのも似合うんだな」

「そう? セットするの意外と大変だから良かった」

 

 後ろを向いて髪型を見せてくれた。それはいいのだが、大きく開いたドレスからは千束の綺麗な曲線の背中が目に飛び込んでくる。あまりにも刺激の強い光景。蒼真はあからさまに音を立てて唾を飲み込んで、千束の背中に触れた。

 

「ひゃぁ!? ♡」

「えっ」

 

 突然の事で大きな声を上げてしまい、千束は口を塞いでゆっくりと蒼真の方を向いた。よく見ると顔が赤い。少し睨まれているような気がする。指で少しなぞっただけなのだが何故か反応が大きかった。

 

「あいや、悪い。なんか……その……」

「いきなり触んないでよ……ビックリした……」

 

 妙に艶のある声だ。いつもならおどけて返してくるのに、今は違った。本当に『シテる』時のような。

 こちらを向いてくれない千束の耳まで赤くなっているのがよくわかる。蒼真の中の理性がゾワゾワと何かに塗りつぶされていく感覚に苛まれる。

 

「そんなに背中、弱かったか?」

「いや……分かんない。なんか、今の……わっ!?」

 

 背中から抱き寄せられた。またビクリと体を弾ませる。

 片腕を捕まれ、ゆっくりと下腹部に回ってくる蒼真の腕が妙にいやらしく感じる。閉じ込められるように抱き寄せられた千束の体は動けなくなってしまった。

 

「今のすげー可愛いかった……」

「あ……」

 

 熱っぽい、惚けたような声。うなじに顔当たっている。息が当たる度にゾクゾクと小さな快感が寄ってくる。

 

「ま……って、今は……」

「今は……なに?」

「んっ……」

 

 耳元で囁かれると、まだ何処にも触れられてないのに体が反応してしまい、内股になる。蒼真に見られている背中が熱くなる。やがてその熱は体を巡る。

 少しいやいやな表情に見えた千束を今度は正面に向ける。

 

「正面ならいいか?」

「っあ、いや、そういう事じゃ……ないんだけど……」

 

 向けたのは良いが、それでも赤い顔を逸らして口元を隠している。一度千束が崩れれば後は蒼真の流れになる。正面向けたのは良いが、千束は少しずつ後ろへ後退る。

 

「ちょい……私ドレスのまんまだから……んっ」

 

 焦れったくなってしまった蒼真は千束の頭を引き寄せて少し強引なキス。

 なんだかんだ我慢しきれなかったのは蒼真の方だった。

 千束を鏡の着いたテーブルの上に乗せて、口を離した。

 

「だから……いきなりはダメだって……」

 

 一回、口を付けるだけのキスをしただけなのに瞳が蕩けている。気づけば蒼真も首に手を回している。熱を帯びた息が二人の間を漂う。蒼真のその紅い瞳に当てられて、千束は顎を引いて上目遣い。フェロモンの塊のような甘い吐息を吐くと、

 

「…………キスいっかいだけ?」

「っ!」

 

 なんとも上手に蒼真の理性を崩してきた。

 千束をテーブルの上に置いたせいで前かがみの蒼真は千束から逃げられない。だが逃げる気もない。かぶりつくように千束の唇を奪う。

 

「んん……んぅ……」

 

 千束も離すまいと回す腕に力が入ってしまう。

 

「んっ……んはっ……!」

 

 啄むキスを終えると、千束は大きく息を吸った。

 

「っ悪い、息できてなかったか」

「ん〜ん、大丈夫」

「じゃ舌、出して」

「んぇ……」

 

 恥ずかしげに小さく舌を伸ばす。蒼真はそれを掬い取るように自身の舌を千束へ入れた。

 

「んっ! ……んじゅ……ちゅ……」

 

 一瞬驚いて肩を揺らすが、すぐに受け入れる。

 こんなに深いキスは何週間ぶりか。千束を家に入れる時はいつも映画で二人とも寝落ちしているのが当たり前になってきていた。恐らくそれはアクション映画ばかり見ているからだろうが。そういう気分にならないと言えば嘘になる。お互いの寝顔を見るだけでも満足してしまう二人は奥手と言うよりもただの友達感覚に近かった。

 

「ちゅ……っは……はむ……」

 

 久しぶりに感じた千束の唇を求める事を止めることが出来ない。

 普段発することのない色気と二人きりの空間が蒼真をより一層の駆り立てる。瞳の紅も強くなってきた。

 

「ん……んっ!」

 

 千束の腰に手で撫でられる感覚。背中から頭にかけて快感が走る。撫でられるだけで膣を触られたかように感じてしまう。

 喘ぐ声に応じて、蒼真の体も熱くなる。

 

「〜〜っは! ……ちょ、ちょっと待って……きゅうけい……」

「……ん」

 

 肩で息をしながら千束は蒼真を止める。今日一日起きた事がようやく終わりを告げたように全身の力が抜けてきた頃だった。蒼真の顔を見て、蒼真を感じて、蒼真を求めてしまって、捕まっている間はなるべく不安を見せないように気を張っていた千束は彼の顔を見てゆっくりと安心を覚えてきた。

 

「っ……千束?」

「え? あっ……」

 

 それのせいなのか涙が出てきた。自分でも気づかなかった。ボロボロと今まで止めてきたものが崩れてしまうように止まらない。

 

「おい、ほんとに……」

「っ!」

 

 見られたくない一心で蒼真に強く抱きついた。

 ぎゅうぅ、と蒼真を苦しくするぐらいに力を込める。

 だが、そんな千束を他所に蒼真はため息を吐いた。

 

「よかった」

「なにがっ……」

「無理してるんじゃないかって思ってたのさ。捕まっててもヘラヘラしてたから」

「うん……してたっ」

「うん。頑張ったよ。ありがとう千束」

 

 何のありがとうかは分からなかったが、嗚咽混じりな声になるべく優しい声で重ねて、千束を撫でた。

 フワフワの柔らかい髪を傷つけないようにそっと撫でていく。髪留めを外して、まとめていた髪を解いていく。

 頭に優しくリズムを送り、千束を宥める。

 

「千束」

「ん……」

 

 顔を覗くと泣いているせいで瞳が潤んで綺麗に見える。

 でも、何故だが子供のような雰囲気だ。わがままを言っておもちゃを買って貰えなかったような。

 そんな千束を笑ってしまう。

 

「っはは、顔。台なしじゃんよ」

「うっせぇあほ……」

 

 恥ずかしそうに目を一瞬逸らすが、すぐに目線を戻して唇を少し突き出しキスを求めてきた。

 

「ん……」

 

 今度は甘えてくる子供のような雰囲気を醸し出してきた。コロコロ変わる千束の態度は蒼真にとっては飽きない光景だ。それに一瞬笑いそうになるが、すぐにお望み通りのキスをしてあげた。

 

「んへへ……」

 

 ふにゃぁ……っと、笑顔に顔が溶けていく。可愛すぎてため息が出そうだ。

 目尻に少し涙が溜まっているのを指で払い、視線を下に落として、腰に回していた手を少しずつ下へ撫で下ろしていく。手が下に滑っていくにつれて、千束はその感覚にまた蒼真へ身を寄せる。

 

「あ……」

「ん」

 

 蒼真はとあることに気づいた。

 

「今日タイツか」

「ん……そだよ」

 

 フワリとドレスを捲ると、なんとも言えない魅力のタイツが顔を出してきた。

 

「脱ぐか?」

「ん〜ん、別に……破るなら破ってもいいけど?」

 

 マジか……、と蒼真は顎に手を当てて、タイツを見つめた。別にタイツが好きとかそういう訳ではないのだが、千束が着ている物なので魅力的に見えてしまう。

 

「じ、じゃぁ……」

「ん……」

 

 千束のタイツに触れる。スベスベで生肌とは違う感触。

 撫でるように触っているせいか少しくすぐったい。

 

「んっ……んふふ、蒼真くすぐったいよその触り方」

「え……そう、か?」

 

 初めて触るタイツに蒼真はしどろもどろな手の動き。

 そして、太ももの内側に手を入れていく。

 

「ぁんっ……」

 

 親指の先が千束の秘裂に触れた。

 一瞬ビックリして手を止めてしまった。

 

「悪い。痛かったか?」

「大丈夫……ビックリしただけ」

 

 今度はしっかり、掌で秘裂に触れる。

 少し撫でると、グチュッ、と湿った感触がやってきた。

 

「濡れてる……?」

「言わないでっての……」

 

 コツンと、小さなチョップ。再度千束の顔を見て蒼真の熱がイチモツへ集中する。テントを作っている蒼真の下半身を見ると千束もニヤリと妖しく笑いテントの先端を指先で押す。

 

「っ!」

「勃ってる」

「言うなよ……」

 

 千束もズボン越しのイチモツを掌で優しく撫でる。

 ゆっくり上下に撫でると、ビクビクとイチモツも脈打つように動いている。

 

「やっぱり気持ちい?」

「まぁ……な」

 

 まだ少し余裕がある。相手より先にボロを出す訳にはいかない。なんて、お互いに意地になる。

 

「んっ……」

「あっ……」

 

 二人は同時に声を漏らす。

 

「千束……」

「……うん。いいよ」

 

 千束を抱き上げて、ベッドへ落とす。スルスルとタイツや下着を脱がしていく。顕になったその太ももへ一度キスを落とす。ぢゅぅぅ、と少し強めに吸い、口を離す。

 

「やっ……ちょいちょい、なんて所に跡つけてんの」

「別に、スカートだから見えないだろ」

 

 そしてそのまま、千束の秘裂へ舌を這わせる。

 

「あっ……!」

 

 上へ下へ形をなぞる。ぴちゃぴちゃと音を鳴らして千束の秘裂を舐め回す。

 

「あっ……ん……っあん……そう、ま、音出さないでっ……」

 

 溢れた蜜を吸い出だそうと、口を付ける。

 

「や、だ……吸わないでよぉ……やぁっ……んっ」

 

 グズグズに蕩けた秘裂から溢れてくる蜜は止まらない。

 吸いきれないので、一旦口を離すが、千束はもう別なものを欲している目だ。

 

「そうま……」

 

 涙目で名前を呼ぶ時が合図。

 蒼真自身のイチモツもズボンを突き破るぐらい勃っているので、とりあえずズボンを脱いだ。

 

「う……わ……なんか改めて見てもすごい形だよね」

「うわとか言うなよ、待ってろ、ゴム持ってきてるから……」

「え? 持ってきてるの?」

「なんだよ、悪いか」

 

 こういう事ばかり用意の良い蒼真に軽蔑の目の千束。

 だが、ベッドの枕を抱き抱えて千束は口を開く。

 

「別に要らないじゃん。私、多分デキないよ。分かってるでしょ?」

 

 蒼真の手が止まる。

 そう。リコリスは任務などに支障が出ないように子供が出来にくくなる薬を処方している。場合によっては子宮やそれらの器官を取り除く手術を行うリコリスもいる。

 それは蒼真も知っていた。知っていても、避妊はしていた。

 

「だから、そういうことを言うなってさ。これは男としてのマナーなの」

「んぇぇ。だってしてない方が気持ちいいじゃんよ」

「そりゃそうだけど……出来にくくする薬を使ってるとしても、出来なくなる訳じゃない。俺は、千束との時間を大切にしたいからゴムを使ってんの」

「ほ〜?」

 

 なるほどぉ? と揶揄う様に笑う。

 言ったことが恥ずかしいのか、蒼真は赤面になる。

 

「なぁんだよぉ、私の事好きなんじゃん♪」

 

 肩を軽く当ててくる。その後嬉しそうに体を擦り付けてくる。

 

「そうだ。俺はお前が好きだ」

「んにゃっ」

 

 また蒼真に押し倒される。いつの間にかイチモツに付けられていたゴムが見えた。

 

「付けんの早すぎ」

「早くヤリたいんだよ俺は」

「ケダモノ」

「うっせ」

「んっ……」

 

 口封じのキスをして、イチモツを千束の膣へ押し込んだ。

 

「んっ! ……んんっ……!」

 

 一瞬苦しそうな表情になる。これはいつもの事だ。

 奥の奥までゆっくりと膣をこじ開けていく。

 

「んぁっ!」

 

 トンと一番奥まで辿り着いた。

 蕩けた緋色の瞳が紅い瞳を捉える。

 千束は少し笑うと両手を広げて蒼真を迎え入れる。

 

「ん、いいよ」

 

 ゆっくり引き抜いて、強く押し込む。

 

「あんっ!」

 

 久しぶりの膣の感触に余裕がなくなっていた蒼真は夢中で千束へ腰を打ち付ける。

 

「あ、んっ、はぁっ、んんっ!」

 

 奥を刺激する度に漏れる千束の喘ぎ声。

 打ち付ける度に揺れる大きな胸を握りしめるように掴む。指が沈み、手に吸い付く感触。

 

「んぁっ、ちょ、いきなりっ……ぅん!」

 

 キュウキュウ締まる膣がイチモツのカリに引っかかり、引き抜いても、押し込んでも、快感が押し寄せる。

 

「千束……! 千束……!」

 

 もうそれしか言葉が言えなくなっている。

 愛する人を呼び、犯し、傷つける。

 

「蒼真っ……あ、ん、そ、蒼真ぁ……!」

 

 千束が夢中で頬に手を添えてきた。

 

「キス、キスしてっ……!」

「ああっ……」

 

 キスを添えると、千束はまた離すまいと蒼真を抱きしめる。

 

「蒼っ……もう、ィ、ク……!」

 

 千束の言葉にラストスパートをかけ、激しく千束を揺さぶった。

 

「やっ、ちょっ、あ、あ、あ、もぅ……イッ、っ〜〜〜〜〜〜〜!」

「ぐっ!」

 

 最後の一撃でお互いに同時に果てた。

 ドクンドクンと、脈打ちゴム越しでも分かる温度の精液が千束へ伝わる。止まらない射精を感じながら、蒼真はイチモツを奥へ押し込む。

 

「っはぁ……はぁ……はぁ……」

「はぁ……千束……大丈……夫か?」

 

 排熱するかのようにお互いに大きく息を吐く。

 

「んへへ……」

「なんだよ、いきなり笑って」

「ん〜? 好き」

「……あぁ、俺もだ」

 

 二人の夜は終わらない。覆い被さる蒼真を千束はしっかりと迎え入れる。

 

 …………

 

「以上が、今回の報告です」

「あぁ、ご苦労だった」

 

 次の日。チェックアウトギリギリまで寝ていたのに、千束が蒼真の予備のワイシャツを羽織り、『彼シャツ〜』なんて煽ってきたので朝チュンをしていたら、ミズキにバチくそに怒られた後。蒼真はDAの楠木司令の元へ訪れていた。

 

「今回は良くやったな。蒼真」

「ど〜っすかね。なんとも言えませんよ。千束も一回敵に捕まったし」

「だが、おかげで敵の所在も把握し、他のリコリスも救出出来たろう」

「まぁ、そうっすけどね……。んで? 拘束したアイツらは?」

「他に何か隠していないか尋問で吐かせている」

「ふ〜ん……」

 

 明後日の方向を向いている。完全に上の空だった。

 司令はそんな様子に眉間に皺を寄せる。

 

「なぁ……母さん」

「ここではその呼び方はやめろ」

「リコリスってさ、子供出来たらどうすんの?」

「ある程度までは育てるだろうな」

「ある程度って?」

「堕ろせるかどうかだ」

「……」

 

 現実を突きつけられた気分だった。

 

「やっぱ、堕ろす人いんの?」

「当然だろう。任務に支障が出る」

「だよなぁ……」

 

 蒼真らしからぬ質問に楠木は疑問を投げた。

 

「出来たのか? 千束と」

「ブッ!!」

 

 飲んでいた飲み物を隣のソファに吹きかけた。

 

「いや! 違う! そういうんじゃなくて!!」

「なら、いい。そんなリアクションするな」

「っ、くそ……」

 

 不機嫌そうに座り直す。

 

「目が紅い。そういう事だ」

「だからっ! ……もういいよそれで……」

 

 諦めて下を向いた。すると、蒼真のスマホにメッセージが入る。

 

「千束……?」

 

 千束からのメッセージだった。

 なんだよと思いながら、メッセージを開く。

 

『今回は残念でした〜♡』

 と、妊娠検査薬を持った千束の彼シャツ写真。

 

「アームストロング!!!」

 

 勢いよくスマホを叩きつけた。

 

「どうした? 今私はそのキャラじゃないぞ」

「ゃわかってるよ! って違う! なんでもない! 報告はもういいな!? 帰る!」

「おいまて、ソファは綺麗に……」

 

 楠木の言葉を無視して急いでリコリコへ走った。

 

 …………

 

「千束!!」

「うぉぉい、おかえり蒼真」

「ちょっと来い!」

「うぇぇ、なになに?」

 

 勢いよくリコリコの扉を開けて千束を裏へ引き込んだ。

 

「お前、この写真どこで撮った!?」

「あぁ〜それね。帰ってきてから家で撮った」

「お前こういうのは俺がいる時にやってくれよ」

「いいじゃ〜んだってほんとに出来るかどうかなんてわかんないんだからさ〜」

 

 楽観的に言う千束に蒼真は強く腕を引く。

 

「俺はっ!」

「うぉい」

「諦めないからな」

「え?」

「いつか絶対お前と…………えと……その……」

 

 段々と瞳が紅くなっていく。その様子を見て千束はクスクスと笑い、リコリコの制服をずらして、胸元を見せてきた。

 

「じゃ〜、今日の夜も頑張ってもらわないとね♡」

 

 終わり。




おまけ。

【side B】大百科。

「今日はウチの組織、【side B】についての話だよ」
「おい蒼真、こんなコーナーいるか?」
「何言ってんだよクルミ。こういう所でちょこちょこ説明してかないと誰も着いてきてくれないんだよ」
「あぁ、そう」
「【side B】は楠木司令が独自に立ち上げたDA傘下の支援機関の1つなんだ。正式名称は『特殊協同派遣技術戦闘支援部隊』。通称【side B】。技術部と実働部隊に別れてて、俺達は実働部隊に属してるよ。
実働部隊の仕事は、リコリスの支援と救出。人質に取られたりどこかに攫われたリコリスを助けたり、リコリスだけじゃ対処出来ない任務の補助をしたり、そういうのが実働部隊の主な仕事。
次は、技術部だね。技術部はもちろん俺達の装備の開発や整備、定期的に点検もやってくれるんだ。基本は自分でやってるけど、点検に持って行った時には新装備として生まれ変わって帰ってくることもあるとか。後は、DAと一緒に色んな装備を協同で作ってるよ。実はDAの中にもウチで作ったものが置いてあったりするんだ」
「ほぉ、例えば?」
「例えば、この自販機!」
「自販機」
「ウチで作った強化防弾ガラスと爆弾にも耐えられる高硬度金属を使った凄い自販機なんだ」
「へー(鼻ほじ)」
「なぁんだよ。なんでも知りたいんじゃなかったのか?」
「なんだよ、自販機ってもっと違うのがあるだろうが。ほらお前が使ってたあの腕のやつとか」
「あぁ、『ガントレット』のこと?」
「そうそう、そういうのだろ普通紹介するのは」
「これは、俺達の標準装備の一つ。『ガントレット』。
正式名称は『多機能型特殊防弾装甲展開装置』。いろんな機能が詰まってるんだ。
まずは、その名前になっている、特殊防弾装甲。ひし形状の装甲を展開するんだ。セントリーガンやミニガンみたいなやつには耐えられないけど、ハンドガンやARみたいなやつには余裕で耐えられる装甲なんだ。これは全面に大きく展開することもできるし、ある一定の範囲だけ展開することも出来るんだよ。
それを活かしているのが、カタールモード。
装甲を刃状に少し引き出して手刀みたいに使えるんだ。奇襲性もあるから奥の手としても使うやつもいるみたい。まぁ俺にとってはただの剣だけどな。
最後に、ワイヤー付きのアンカー。これはどこかにぶっ刺して掴まるもよし、壁に指して移動するもよし、敵に向けて射出してそのままぶち当てるのもよし、の使いやすさ満載の武装だ」
「こうしてみると意外と使ってるのな」
「実はこれ試作品でさ、まだ開発途中だったりするんだよね。いずれはこう…爆発反応装甲みたいに!」
「自爆要因だろそれ…」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。