私は学園から寮に戻り夕食を取っていた。
これを食べてはいけないと私の勘が非常ベルを鳴らしている。
いつもより激しい拒否反応に多分相当量の媚薬が仕込まれていると思われた。
加藤さんが今夜で私にトドメを刺しにきている思惑が伺える。
加藤さんの計画はみてとれる。
私を堕として快楽の虜とし、二度と世界の狭間に閉じ込められることのないようにすること。
この夕食を取らずにいればその未来図は避けられる。
だが加藤さんの協力なくしてあの人には出会えない。
あの選択肢を選んだ以上、避けられないのだ。
食べ終えるころ、私の中で鳴り響いていた警鐘は諦めてしまったかのように静かになった。
私の未来視が加藤さんに犯され嬌声を上げる自分の姿を映す。
そんなものに頼るまでもなく私は自分の未来を確信していた。
私は今晩加藤さんの肉壺へと堕とされるのだろう。
自分のお腹に手を当てる。
まだそこに残っている加藤さんの感触を反芻しながらあの人のことを想う。
全ては愛する人のため。
自分に言い聞かせながら加藤さんとの夜に向けて準備を整えていく。
そして淫らな夜が始まる。
お願い。助けて。
「ああっ、いやん、お願い…」
ベッドの上で全裸で絡み合う男女の姿が浮かび上がる。
肉付きの薄い少女の身体は組み敷かれ、男の愛撫により紅潮して興奮の度合いを深めながら身を捩り快楽の淵から逃げようともがいていた。
諦めつつも最後の希望に縋ろうと伸ばされる手は男に掴み取られお互いの掌を合わせるように握られる。
少女の顔から抵抗の色が消えていく。
男の腰が動き出すと喘ぎ声と共に蕩けるような表情へと変わっていった。
「どうだ、もうわかっただろ?女は一度肉棒突っ込まれたらもうお終いなんだよ」
ふるふるとかぶりを振り否定しようとする少女の顔はすでに快楽に蕩けきっていた。
「いい加減認めろ。気持ち良くてたまらないんだろ?」
少女の象徴であったポニーテールを結っていたリボンは男によって解かれ、長い髪はベッドの上に乱れながら流れていた。
弱々しく首を振りながら乱れていく。
自分の中の大切なものが男に溶かされ流れ出し消えていく。
下半身がジュブジュブと音を立てるごとに消えていき、違うものに置き換えられていく。
大事なものが奪われて、代わりに快楽を与えられて喜んでいく。
やがて快楽に押し出されて大事なものを自ら手放していく。
快楽を与えてくれる男に縋るようにしがみつく。
女の悦びを知り少女は変わっていく。
「ようやく堕ちたか。どうだ俺の肉壺になった気分は」
「いい、いいっ!すごく…いいっ!」
「俺の魔羅のことだけ考えてれば幸せになれんだよ。最高だろ」
「は、はい…んんっ!…幸せです」
認めてしまえば転がるように深みにはまっていった。
男に心から溺れていく少女。
男は少女が自分から離れられなくなるよう、より一層激しく責め立てる。
抱え上げられ対面座位で密着しつつ責めていく。
永く孤独な時間を過ごしてきた少女にこれは効く。
快楽と人肌のぬくもりに少女は絆されていった。
男に胸を揉みしだかれながら身体を跳ね上げられ、恍惚とした表情を浮かべて悦楽に興じていた。
「ほら、出すぞ」
「あっ、ああっ、来て、私の中に…」
堕ちた少女がその証拠を身体に刻もうと男に媚びる。
男の精液が子宮へと注ぎ込まれ身体を震わせながら多幸感に満ちていく。
膣内射精を受けて喜んでしまう少女の唇を奪い、お互いの絶頂の余韻を共有する。
ベッドの上で睦まじく求め合う二人の姿はもはや恋人同士のそれであった。
「ん…」
唇を交わしながら多幸感に包まれていく。
この閉ざされた世界でこの快楽の記憶を共有できる唯一の存在を生み出してしまったのが私の失敗だったのかも知れない。
でも…
「んんっ…」
加藤さんの背中に手を回して私の今の気持ちを素直に伝える。
私の背中に回る手の力が強まり、お互いの身体が密着する。
もう離さないとばかりに抱きしめられ、私は自分の想いが届いたことに喜びの涙を流す。
何千と繰り返してきた無意味な日々に私は疲れていた。
いっそ忘れられたらと思った。
加藤さんはそんな私に教えてくれた。
忘れなくてもいい。
もっと嬉しいことがあれば救われるのだと…
「明日の昼はプールに行くぞ。スク水用意しとくんだな」
「はい」
そして最後の1日を迎える。