暗闇、その中に光が瞬いている。夜だ。
泣いてないと不安になる、現実が繰り返される、だから流して流してどうする事も出来なかったと繰り返す、そんな内にいつの間にやらこんな時間らしかった。
「さ、私の目が効くうちに帰りましょうか」
そう言うと僕の手を繋いで手をひく、咲にとってはまだ暗闇じゃなかったらしい
「……ぁ…」
…咲にお礼が言いたくなった。言葉だけじゃない、少し自分が見えてきた気がするから。結局声は出なかったのだが
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「おや!もう帰ってたんですか?」
転移して来た直後居た地点に戻ると立派なテントと調理をする僕のもう1匹のマイニャンが目に留まる
「もちろんですよ、というかこの時間は帰宅時間というよりなんなら就寝時間ってレベルですよ?咲はもっと早めに帰ってきてください」
そんな小言をわざわざ言ってみている彼はビタニャン、通称陸だ。
「…悪い。」
僕がそう呟くと陸は言う
「いえいえ、なぎさちゃんはお気になさらず!…っと出来ましたよ〜」
何をどうして作ったのだろうか?見た目こそ美味しそうななにかを出される、というのも咲達は荷物を持っていなかったと思うし砂漠で取れる食料なんてあるのだろうか?しかも3人分にしてはやけに量が少ない、というか、渡すだけ渡して僕をみるだけだ。
「…食べないの?」
ニコニコしながら僕を見つめる2人に疑問を抱き問いかける、まるで毒でも食わされている気分だ。
「あぁ、僕と咲と”なぎさちゃん”は食べなくても死にはしないので」
なぎさちゃん…?それは僕の事だろうか?もしかして実は記憶がないだけで僕はもう死んでいたのだろうか?そんな時、ふらっと現れたヒトがいた、その白い透き通るような髪と肌、吸い込まれそうな水色の瞳、ふわっとなにか甘い香りでも漂ってきそうな美人
「んー私は食べなくても死なないというより…もう死んでるっていうだけなんじゃないかな?」
少し困ったように笑う彼女は、正しく幽霊なのだった。
____________話を整理しよう、一般小学生な僕は誕生日、家に強盗殺人に入られた。その際に何故か知らないが2次元へと来てしまった、そして今目の前にいる彼女は…あの時、僕が2次元へ吸い込まれる瞬間、死んだ側のもう1人の”僕”だった。僕は人間じゃない、知らぬ内に半人半霊の半人になってしまっていたのだ。
「そうだなぎさちゃん…えぇっと黒い方のなぎさちゃん」
話しかけられた、恐らく呼び方をどうすればいいのかまだまだわからないという所なんだろうな
「何?」
無愛想な返事だったにも関わらず咲は少し嬉しそうに僕に質問した
「この世界に来る時に獲得出来たスキルってありますか?」
なんだそれは、知らない。知るわけもない、というか半人になったとはいえ半分の人間ってだけだ、普通の人間にそんな概念は存在しないだろうしつまりはそういう事だと思ったのだがどうやら違うらしい。
「2次元に来ると基本的に少しだけ、なりたいものなどからランダムでスキルが選ばれるんです。」
あれか、チート能力とかか?…でもそんなものよりもそれなら1度でいい、時間を操作とかしたい。そしてあの強盗殺人の殺人の部分だけでも食い止めたい。
「どうやったらわかるの?」
「あっ!それはわたくしにおまかせを!優・秀なあなたのマイニャンなサクニャンですから」
どことなくウザったらしいったりゃありゃしないのだが自分で調べられない以上聞くしかない
「わかりましたよ!!!!………ほうほぅ…」
「どうだったんだ…?」
少し…ドキドキするな…これ
「脳暗算、要するに瞬間的に暗算が出来るスキルです!」
…暗算…?
「あぁでも難しいのをやろうとすると処理落ちというか脳が焼けるので実践的ではないですね」
……
「…そう…か」
まぁ別に…死人は帰らない当たり前の事なのだ、仕方ない事のだ。
でも…もう少しいいスキルがよかったな。
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「眠れない…」
僕はあの後ご飯を食べてぐっすり寝た…はずだったのだがやはり夢の中であの赤い部屋が出てきた、しかも歪む世界、デカい犯人小さくなった僕、咲の声が聞こえず逃げ惑う夢の得々オプション付きなのだ、そんな夢を見てまた寝られるものか。
という訳で僕はテントの方向がわかるほどの距離で散歩をしていた
「日本…刀?」
そこには砂山に佇むように刺さる日本刀らしき物があった、ストラップというか、月のような飾りととんぼ玉のようなものがついている。玩具にせよ明らか場違いだ。
気になって僕はその日本刀に触った、触れてしまった。
その瞬間視界がホワイトアウトした