※この作品はR-18です。

なぎパラR   作:蕾 咲来

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休息

しばらくの静寂の後、例の刀モブからはみ出てくる『助けてやったぞ、お礼をいえ』というような空気がどうにも気に食わない、助けに来るならもっと先だろう、てか…

「ふざけた紙つけやがって」

そうボソッと呟くと刀モブは勢いよく

「なっ!?なんだその恩人に対する態度はぁ!!?」

と叫んだ、しかしながら怒ってない、ふざけている。そうとわかるような声の出し方だった。あぁ…もう出口はねぇのか?歩を進めつつ周りを見るが、特にそれらしきものは見つからない。

「おい刀モブ、僕、さっさと帰りたいんだが」

そう本音を言うと、刀モブはガクッとしたように頭を後ろに倒し、ため息をついた。

「あのなぁ…まぁいいや、風月様に会えば簡単に出れるだろうし。それと、永夜な、刀モブ言うな。」

それに対して僕が舌打ちで返すと、ボソッと刀モブは「なかなか鍛え甲斐がありそうだ…」とか言っていたかもしれない。

それにしても改めて確認するこの世界は、黒く、何も無い。

もしかしたら、いわゆる人の住む世界ではない場所なのかもしれないな。足音だけは響いており、それなのに自分達付近以外の音を寄せ付けない。あそこだけが世界の全てじゃないなら、僕とあのおっさん以外の音が聞こえてもいいと思うのだが、それでも1度も聞こえてきたことは無い。

歩き始めてどのくらい経ったのか、ふと気配を感じた。きっと、人じゃない。

「よく帰ってきてくれた、永夜…そして、よく正気で居てくれた、外の世界の者よ。」

後光が刺して見えるような気がした、この真っ黒の世界で、黒髪なのにも関わらず、輪郭がハッキリと見えている。

「お前が、風月ってやつか?」

さっき永夜が言っていた『風月様』ってやつならばかなり助かるのだが…もう、ずっとこの空間にいた気がする、明けない夜といった感じだった、ならば早く夜を明けさせて欲しい。

戻ったって砂漠だろうしお母さんも、お父さんも居ないけど、咲や陸が居るだけまだマシだ。

「…」

…どうしよう、目の前の黒髪のヒトが返事しないんだが?呼び捨てNGなのか?それとも風月とやらじゃないのか?

焦ってそんな考えが頭をかけたが、どうやら違ったらしい。

「私の事を呼び捨てにする者は久しぶりに会ったな、そうだ、私は冷時風月、この風月丸内部、刀界の管理者だ。」

ふふっといった笑みを含みながらそう語った。大層綺麗な姿は、一切を寄せ付けないような、いわゆるクールな感じだが、なんだか優しそうに見える。

「まぁ、まず帰る前に話を聞いて言ってくれ。」

「あ…あぁ。」

…僕は美人に弱いし、可愛い子には弱いのだ。色々頭が冷静になってきたせいか、僕の本来の性格を思い出してきた気がする。

…もう1人の僕とかいうあの半霊の子、可愛かったな。

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