小野塚小町さんが借金返済のためにドスケベなショークラブで働くスケベを全文公開します。
「んふ……ぢゅるッ、んぅ! んっ、んぅッ、んふぅ」
「あ~、イイッ、小町ちゃんイイよッ、もっと吸って吸って、ぉッ」
三途の川の船頭は完全歩合給だ。そこで問題となるのが、小野塚小町の暮らしぶりだ。渡した霊の数でいけば、是非曲直庁でダントツの最下位だ。なんで食っていけてるんだと、同僚達の間でもっぱらの噂だった。
結論からいえば、食っていけていない。しかも酒も飲むし博打もするものだから、輪を掛けて暮らしは成り立たない。けっこうな額の借金をしていたし、返済は滞っていた。
返すアテがないならと、金貸しから副業を紹介された。拒否権はない。職場は、中有の道から少し離れた、あの世における繁華街。ショークラブのキャストとしての仕事だった。
「くふぅんッ、ぉッ、おッ、おぉんっ」
「おっおっ、締まる締まるッ、やっぱ出すならこまっちゃんのマンコだよなぁ」
ちょうど今夜が出演日だった。一時間ほど前から、楽屋で待機している。
割り当てられた室内は狭苦しく、演出で使う大道具・小道具がうずたかく積まれている。壁面は黄ばみ、ところどころ得体の知れない染みがこびりついている。物置といったほうが相応しい有様だ。客に見える部分は華々しくとも、裏側はこんなものだ。
「んぢゅるぅッ、んふッ、ぢゅくッ、んぅ! ふッ、んぅうッ、くっ、んぅうん!」
こんなしみったれたところで、六〇分もぼさっと待っているわけもない。スタッフ達に声をかけ、お楽しみの最中だった。
受付やホールはともかく、裏方は客と接することもなく、力仕事ばかりだ。必然的に、若い男性が中心となる。時給相応にキツい業務なので、入れ替わりも激しい。
小町にとっては都合がよかった。今のように、つまみ食いし放題なので。
「れろぉ……んちゅぅ、んぽッ。ぢゅぷッ、ぢゅちゅぅ~ッ」
旧地獄から来たと思しき、鬼の若者の魔羅にしゃぶりついている。四つん這いの姿勢で、頬は蛸のように窄められ、口端からは涎が滴っている。ぢゅっぽぢゅっぽと、唾液の音が室内に響く。
「ぉ~やっべ、もっとベロッベロ舐めてくれェ、おっ、ぉぅッ、ぉおッ」
腰を震わせながら、スタッフの青年は低い声で呻く。実際、小町の技術は図抜けている。口内では舌が縦横無尽に躍り、裏筋を中心にれろれろ舐め回す。時には口を離して、玉裏にいたるまでしゃぶり尽くしていく。すぐ隣の店の娼婦より、よほどサービスが良かった。
「おッ、おッ、くぅッ、あぁ、やっべ、おっお、すっげぇ締まる、ぁ~ッ」
後ろから、断続的に破裂音が聞こえてくる。突き出された尻へ、また別の男が腹を打ち込んでいるのだ。ぢゅくッ、ぢゅぶっと、肉貝が大口を開けて、ゴムを被せた男根を受け入れている。
「んふ、ぢゅるぅ……んはっ。いいねぇ、あはっ、ほらもっと腰振りなよッ、そしたらっ、もっと中締めて、気持ちよくしてあげるからさぁッ」
最近入ってきた新人だが、なかなか悪くない竿の持ち主だった。セックスも後腐れなくこなすし、小町にとっては都合の良い人材だ。こうして粘膜を触れあわせるのも、一度や二度のことではなかった。
激励の言葉を投げかけながら、ピストン運動にあわせて腰をうねらせる。男はおっおっと低い声で呻きながら、体重の乗ったストロークを繰り出してくる。絶妙な角度だった。良いところを抉られ、嬌声が喉奥から零れ落ちる。
「あー出るッ、出るッ、こまっちゃん全部呑んでッ、おッ、おッ」
「ぉっと……あむぅッ、んぢゅる、れろろろろッ」
「うっわそれヤッバ、アッ、出る、ッ、ぉおおおッ!」
びくびくと脈動しはじめたイチモツを、ぱくりと咥え込む。鈴口からカリ首にかけて、舌先で執拗に舐め回してやる。
それが射精の呼び水となった。男の陰嚢が、ついで会陰が収縮する。腰がぶるりと震え、魔羅が根元から先端にかけて膨れる。口内で炸裂し、汚濁をぶちまけていく。
「んちゅうぅうッ」
「ぉッ、おおッ、やべッ、あぁああッ」
鬼らしく、濃く量も多い。喉にへばりつき絡みつく、ヘドロを思わせる濁液だった。頭を引き、男根を解放していきつつも、尿道だけは離さない。ちゅうちゅうと吸い上げて、精虫一匹たりとも残さず搾りとっていく。
ぶっぱなしている最中の、この世の何より敏感な棒をバキュームされるのだ。いかな鬼とて堪えがたかったらしく、おうおう唸りながら腰を震わせている。
「こっちも出るッ、アッ、アッ、ああぁッ!」
「んぅううッ!」
ぱんぱんと打ち付けられていた腰が、ひときわ勢いよく突き出される。長竿がずくっと、一番奥まで肉洞を埋め尽くす。その瞬間のソリッドな性感がたまらなかった。
どっ、どっと、体内で肉竿が脈動している。卵子に群がるべくぶちまけられた白濁が、ゴムに隔てられていく。
避妊具に隔てられても、射精の力強さは感じられた。向こう見ずな勢いが、なによりも好ましい。ついついきゅうきゅうと膣穴を締め付け、根元から先端にかけて、男根を搾り上げる。
「ぉッ、おッ、ぉおお……っ」
「あぁ、出た、出た」
やがて、男達が絶頂の波から降りてくる。狭い室内は、男女の交合の匂いに満ちていた。そこらに積まれた大道具へ染みついてしまいそうなほどだ。
腰が引かれていく。口腔を貫いていた棒は、涎でべとべとだ。隅々まで、舌でしっかり磨き上げられた証拠だった。
ヴァギナからも、ペニスが失われる。半萎えになったモノへ、彼女は向き直る。
「あはぁ。二人とも、お疲れさん……んむ」
言葉で労いながら、避妊具を被されたソレに軽く口づけてやる。使用済みとなったゴムをゆっくり外していく。もちろん口でだ。手で外すより喜ばれるし、サービスすれば次回もまたファックの機会があると、小町は学んでいた。
「いやぁ、ずいぶん出したねぇ。気持ちよかったかい?」
「え、あ、はい。気持ちよかった……ッス」
出した本人の眼前に、雄の勲章をぶら下げてやる。中にはクリーム色の濁液がたっぷり溜まっており、外は半透明の粘液でぐしょぐしょだ。
男の態度は、先ほどまでと違って、やけにしおらしい。射精したあとの男は、だいたいこんなものだ。頭に血が回っていないのか、アホになる。可愛らしく感じていた。
「どれ、味のほうは……えぁあ」
目の前で、舌を突き出す。さんざん肉棒をしゃぶった口内を見せつける。口元には陰毛が張り付いている。はぁ……と零した吐息は、しかしほんのり甘い香りを擁していた。
使用済みのゴムを搾って、ピンクの舌腹に白濁汁を落としていく。鮮烈な雄臭と痺れるようなえぐみが感覚を刺激する。多少シリコン臭さが移っているが、悪くなかった。
「あはぁ……ごちそうさま。二人とも、良かったよ」
「お、おう」
「あー、その。小町ちゃんも、よかったらまた」
「もちろん。さって、そろそろ時間かねぇ?」
時計を見る。あと一〇分ていどで公演開始だ。であれば、このままではまずい。なんせ自分は素っ裸で、衣装の用意すらしていないのだから。
あわてて、衣装棚から今日のコスチュームを取り出す。幸いここはショークラブ、肌を見せる前提のお仕事だ。衣装といっても、点数はさほどない。
観客の欲望を煽る扇情的なデザインゆえ、全て着込んでも、肌の被覆面積より露出面積のほうが多いほどだ。金の、テカテカ輝くエナメルビキニトップとボトム。着付け終わるまでに、一分もかからなかった。
「どうだい? 二人とも」
「いやあ~……いつ見ても最高」
「俺もそう思うわ。ちゅうか、こまっちゃん自体が最高すぎんだよな。他のキャストじゃまず勝負の土俵に立てねぇって」
「そうかい。お世辞でも嬉しいねぇ」
とはいえ、男達の表情を見れば、世辞などでないのは明白だった。目の前に曝け出され、飾られた肉体に、本気で見入っているのが視線で分かる。
無理もなかった。蓮っ葉な言葉遣いと度を越したサボりが目立つものの、小町は相当な美女だ。艶のある髪、ぱっちり快活な瞳に、上品な鼻筋、ふっくらした唇。同僚と関わる機会の少ない渡し守だったからまだいいものの、事務方だったらアプローチする者は引きも切らなかったろう。
体つきもまけていなかった。生活はとかくだらしないが、カラダはしっかりしている。本人のがさつ、もとい男勝りな行動と裏腹に、女らしく豊満でもあった。凹凸のくっきりした、メリハリのあるボディラインであり、豊満な乳房などは道を歩けば誰もが振り返る。
外仕事でありながら、肌は白く滑らかだ。染みなど一つとして見受けられない。日照量の少ない彼岸の、身体にまとわる独特の空気が天然のスキンケアとなって、しっとりして瑞々しいハリツヤを生み出していた。
首筋はすらりとしながらも、胸鎖乳突筋の輪郭をうかがわせている。肩周りはなだらかでありながら、僧帽筋や三角筋が確かな存在感を示している。サボり魔であるとはいえ、日頃から櫓を漕いで鍛えられているおかげだ。
乳房は、小町と相対する男が皆、視線を惹きつけられる部位だ。歩くたびにぷるぷると弾む、驚きのIカップ。
圧倒的な重量ゆえ、渡し守の仕事で鍛えられた大胸筋をもってしても、支えきるに至らない。普段は若干下向いてしまう。
それをカバーするのが、本日の衣装、すなわち金色のビキニトップだった。エナメル製で面積も小さく、遊泳にはまったく向いていない。布地があまりに少ないために、広めの乳輪がはみ出しているほどだ。
それでも、バストの保持には十分だ。雫状の、一目見ただけで柔らかさが伝わる輪郭を、余さず支えている。もはや魔性すら孕んだ乳になっていた。
サボってばかりとはいえ、ハードな船渡し業に就いているのだ。腹回りはしっかり引き締まっている。一方で、適度に脂肪をまとって、女性らしさも演出している。
結果として、腰付近は人体本来の、健康的なくびれを描いていた。うっすらうかがえる腹筋と、縦に走る臍がセックスアピールとなっている。
骨盤は豊かに広がっており、砂時計じみたボディの印象を強めている。実にゴージャスな下半身を飾るのが、ウルトラローライズのマイクロビキニトップだ。
その股上たるや、浅いどころの騒ぎではない。ギリギリで、見えてはならない裂け目が隠れているだけだ。鼠径部のラインは丸見えで、濃い陰毛もほとんどはみ出していた。
なんとも猥褻な衣装だが、下品さやみっともなさはない。着る身体が良すぎるからだ。脂肪と筋肉の織りなすラグジャラス・ボディは、むせ返るほどの淫らさとともに、芸術性すら感じさせていた。
後ろの姿見に、背中が写っている。ぞくりとするほど白く、持ち主の性格と裏腹な儚さを感じさせる。だが何より、男達の視線を惹きつけるのは、そのヒップだ。
骨盤の広さ、鍛えられた大臀筋、その上から豊かに覆い被さった脂。それらが奇跡的なバランスで合わさった結果、つんと上向きつつもムチムチと柔らかな、魅惑の臀部が形作られていた。洋梨を思わせるフォルムに、ビキニが食い込む様ときたら、まさに圧倒的・暴力的だった。
そうした身体を支える脚が、また見事だった。櫓を漕ぐのは腕を使うイメージがあるが、実際のところ全身運動だ。特に脚は重要で、爪先から股間の広範囲において、深くにある筋肉まで連動させなくてはならない。
そうして、肉感的な太腿が生まれていた。人を刺せそうなピンヒールを履いているものだから、レッグラインは一層美しく協調されていた。女性としての、美の境地にすらある。
ほお……と、男達から溜息が漏れる。意図を問う必要などない。感嘆の念が、はっきり顕れているからだ。褒められて悪い気はせず、口元をにやりと吊り上げた。
「小野塚くん。そろそろ出番だが準備できてるかね……うっわ、またヤッてたのかね君ら。飽きないねぇ。……お前達も、小野塚くんに搾られすぎるなよ」
「あ、旦那。もう出れるよ」
楽屋のドアがノックされる。顔を覗かせたのは、クラブの支配人だった。口ひげと腹肉をたっぷりと蓄えた、低身長の中年だった。いちキャストを呼ぶのは本来、使いっ走りの仕事だが、なにせ小町は人気ナンバーワンの売れっ子キャストだ。待遇も相応になる。
サボっていた裏方スタッフ二人に醒めた視線をやり、支配人は小町を連れて楽屋を後にする。廊下の向こうから、重低音のビートが聞こえる。前座が盛り上がっているらしい。
「小野塚くんが来てくれてから、お客さんの入りもよくてねぇ。助かってるよ」
「そうかい、そりゃぁ、んっ、なによりで」
相づちに、甘いものが混じる。男の手が、尻肉を揉みしだいていた。セクハラと称するのも馬鹿らしい、堂々たる行為だった。
借金のカタに働いている身なので、返済までは泣いても笑っても辞めさせてもらえない。それを理解したうえで、足元を見ているのだ。
いやらしいやつだなとは思うが、べつだん気にしていなかった。嫌だとも、辞めようとも思っていなかった。彼女は根っからの好き者だった。スケベなことをしていたら負債がチャラになるなんて最高だな、程度にしか考えていなかったのだ。
「じゃ、よろしくねぇ」
ステージ裏に着く。それから十秒ほどムチついたヒップの感触を堪能し、ようやく支配人は離れていった。
袖から、ホールの様子を窺う。紫に緑、ピンクに赤と、刺激的な照明が薄暗く照らしている。ランウェイから中央の円形ステージにかけ、前座のダンサーが淫靡に身をくねらせ場を盛り上げている。大音量のBGMが、腹の底にまで響いてくる。
支配人の言ったとおり、今日も大入りだった。人妖を問わず、様々な種族の者が客席にひしめいている。ほとんどは男だが、ちらほらと女性の姿も見受けられる。
何人か、職場の同僚の姿を見かけた。小野塚小町がここで働いているのは、是非曲直庁の下っ端における公然の秘密だ。彼女の上司に話が伝われば、たいへんな面倒事となるのは間違いない。全男性垂涎のボディを拝める機会をわざわざ手放す愚か者はいなかった。
『紳士淑女の皆様、お待たせいたしました。当店自慢の人気キャスト、小野塚小町によるセクシーダンスショーの時間です!』
ワッと、歓声が壁となって彼女を打った。袖にいてもこうなのだ。ホール内だったら、思わず耳を塞いでいただろう。たかがオンナ一人の痴態にどれだけ期待しているのだ、と苦笑するが、悪い気はしなかった。
スポットライトの動きに合わせて、袖からホールへと足を踏み出す。拍手と野次と喚声が全身を叩く。ぴゅうぴゅうと、囃す指笛の音が聞こえた。
「あっは……!」
夥しい目を感じながら、ランウェイを踏みしめる。Iカップのバスト・むちむちとした尻・そして何より、先ほどまでオトコを咥え込んでいた股座。愛撫されているかのごとき濃厚な視線に晒され、思わず妖しげな笑みがこぼれる。
身体が熱を帯びはじめる。体表に、汗がうっすら浮かんでいく。ホール内は観客の熱気でかなり温かいし、特にステージ上はライトが浴びせられまくっている。とはいえ、それは最大の要因ではなかった。この熱は、肉体の内側から来ている。
ランウェイの終端にしてホールの中央、円形ステージに辿り着く。ライトが落とされ、BGMのテンポが落ちる。
あしらわれたポールに手を伸ばした。体重を預け、ポールを軸にくるくると回り始める。ホール全体に、淫らなるカラダを余すところなく見せつけていく。衣装も体も猥褻なので、そうして動いているだけで扇情的だ。
むろん、それだけでは終わらない。ポールに身体を押しつける。乳房の谷間に挟み込みながら、全身を上下させる。金属柱をナニカに見立てた、淫猥なるムーブメントだった。「巨」の文字でも足りないダイナマイトバストが、ぷるんっぷるるんっと弾み、強調される。男達の欲望を煽る。
「あはッ」
おおぉおお……と、亡者の呻きじみた声が客席から漏れる。それだけ激しい動きをしていて、極小のマイクロビキニがポジションを保ち続けられるわけがないのだ。あっという間にズレて、薄褐色の乳輪・乳頭を曝け出していた。
まだまだ終わらない。両手でポールを掴み、上半身の力を頼りにバランスを取る。観客席へ、両脚を大きく開いてみせた。鼠径部が曝け出される。ビキニが思い切り食い込み、スジの形を浮かべている。
「んはぁっ」
無数の視線が、薄布一枚隔てただけの恥部へ殺到する。無数の指に愛撫されているかのごとき錯覚に浸る。子宮の奥が、じゅくじゅくと蕩け爛れていく。
ステージ下の、視力のよい客なら、太腿あたりがてらてら輝いているのを見て取れただろう。先ほどの性交や支配人によるハラスメントの余韻であり、今も何十という客に見つめられている興奮の証拠でもあった。
「あっは、ほらぁ、もっと見なよ、せっかくのチャンスなんだからさァッ」
ポールを片手で掴みつつ、右脚を高く掲げる。いわゆるY字バランスだ。麗しきレッグラインからヒップラインを見せつけていく。熱に浮かされるまま、観客らを煽り立てる。
BGMがうるさすぎるので聞こえていまいが、聞こえないなりに何かを感じたらしい。視線がいっそう強まったように感じられた。
曲が次第に、アップテンポなものに変わっていく。思い切りの良い大開脚、乳房を腕で左右から寄せて、腰をはしたないほどに突き出す。動きもどんどん、大胆であからさまになっていく。
衣服はもはや、被覆の役に立っていなかった。本来覆うべき部位からすっかりズレて、いまや辛うじて体に引っかかっているといった風情だ。
背中に手を回し、ビキニトップの紐を外す。戒められていた乳肉が、ばるんっ! と姿を現わす。両手を挙げ、隠すものなきバストを客席へ見せつけてやれば、スタンディングオベーションの勢いだ。
露わになったIカップバストは、凄まじい存在感を誇る。しっかりしたクーパー靱帯があっても、流石に若干下向いている。が、だらしないとか、みっともないといった感想は抱かせない。見る者は、ただその自然美に圧倒されるばかりだ。
「これはあたいからのオゴりだっ、受け取りなァッ!」
そうして外したトップを、スリングの要領で振り回す。勢いがついたところで、客席に放り投げた。
『お客様にお知らせいたします。他のお客様を押さず、マナーを守ってショーをお楽しみいただけますようお願いいたします』
カンダタの糸に群がる亡者のごとく、客が殺到する。アナウンスなど耳に入っていない。無理もない。なにせ人気ナンバーワンキャストによる、生脱衣からのプレゼントだ。
ステージ袖から、支配人が見つめている。台本にないんだけどと、咎める視線を送ってくる。気にも留めなかった。ショーが盛り上がって、最終的に得をするのは彼だ。
「そぉら、お次はこっちッ」
今度は腰に手を伸ばす。上を脱いだなら下も。当然の理屈だった。誰からも秘められるべきプライベートゾーンが、衆人環視に晒される。
陰毛は濃く、生命力の強さを窺わせる。あまり手入れしない主義ゆえ、ふっさりと繁茂しているが、だらしなく見苦しい印象はない。むしろ、自然な魅力を演出している。
秘貝はびらりと花開いており、濃厚な牝のフェロモンを漂わせている。花弁の形状が、内部の卑猥な構造を想像させる。名器具合が一目で分かるたたずまいだ。
そこが姿を現わした瞬間、ホールが静まりかえる――BGMはやかましいままだったが。ビキニの取り合いをしていた連中を含めてだ。晒されたものの凄まじいまでの猥褻さに、気圧されたのだ。
身を守る役目を失った布切れを、手の内で丸めてオーバースローで放り投げる。鯉の池に餌を投げたかのごとき光景が広がった。
「そぉ~ら、そっちにばっか集中してていいのかねぇ?」
下半身に指を伸ばす。肉々しい色合いの秘貝は、ぬらりぬらりと妖しく煌めいている。オトコの情欲を煽るために存在しているかのようだ。
それを、自ら割り開く。にちゃぁ……と、小さな音が鳴る。音楽に掻き消され、客には決して届かないはずだが、全員の耳にしっかり響いていた。奥まで晒された内部粘膜は、しきりにヒクついていた。粘液が糸をひいている。
「あはッ、あぁッ、あぁんっ、あはッ、あぁ」
ぷっくり膨れた肉の豆に指の腹で触れる。ゆっくりとこね回していく。日頃の蓮っ葉な態度からは想像のつかない、甘い声が溢れる。
衆人環視の下、赤裸々極まるクリトリスオナニーだ。客は目を血走らせて、広げられた彼女の股を見つめている。
「あはッ、あぁ、もっと見て、ッ」
くいっ、くいっと腰を振りながら、淫貝をなぞる。体内に指先をねじ入れて、弱いところを自らほじくっていく。
「あはぁんっ、アッ、アッ、あぁんっ、あぁ」
ステージの縁ぎりぎりで、大股をおっ広げた猥褻自涜にふけっていく。くちょ、くちょ、くちょっと、濡れた音が彼らにも聞こえているだろうか。最前列の客には、散った雌蜜が引っかかっているかもしれない。
『皆様お待たせいたしました、お待ちかねのおさわりタイムの時間です!』
アナウンスと時を同じくして、BGMが切り替わる。小町に当たるスポットライト以外、照明が絞られた。
彼女からすれば暗闇だ。そのなかでも、無数の視線がこちらをじぃっと見つめているのだけは感じていた。
「あはぁ……さぁて、お手柔らかにね、っと」
自涜を中断する。ステージから、客席へと飛び降りた。
「あはッ、アッ、あぁ!」
今まで我慢を強いられていた観客たちの、数え切れない手が伸びてくる。先ほど自分が放り投げた、衣装の最期が脳裏によぎる。もみくちゃにされ、ぐちゃぐちゃにされていた。今度は自分がああなるのだと思うと、ぞっとすると同時に、熱いものが腹に渦巻いた。
「アハ――んぢゅるッ、んふッ、んぅうッ、んぢゅぷッ、んぅうッ」
見知らぬ誰かの顔面が近づいてくる。強引に、唇を奪われる。当然の権利とばかりに、舌をねじ込んできた。口内を探り、弄び、唾液を啜りとっては送り込んでくる。
もちろん小町も、ただされるわけではなかった。繋がった口腔のはざまで舌が踊り狂い、ぐちゅぐちゅッと淫ら音を立てる。名も知らないどころか、暗闇で顔すらろくに見えない相手と、情熱的なベーゼを交わす。
「ぅうんっ!」
また異なる誰かの手が、両乳房を思い切り揉みしだき始める。掌に余る爆乳を、もっちもっちと我が物顔で弄んでいく。気の弱い者なら、弾力溢れる肉鞠が卑猥に歪む様だけで射精に導かれるだろう。
親指と人差し指が、ぷっくり膨れて自己主張していた両乳首をこね回す。くい、くいっと引っ張られ、美乳は柔軟に形を変える。ぴりぴりと痺れる官能に、喉の奥から切ない声が溢れおちる。
「んぅぅ、っふッ、んぅうぅッ、くぅうッ!」
これだけやっておいて、恥部だけ放置するわけがなかった。何人もの男が入れ替わり、立ち替わり、次から次に淫花に触れる。太い指、細い指、ごつごつした指、節くれだった指、柔らかな指――もはや何人かも分からないが、とにかくヴァギナを責め立てる。
もともと濡れていた穴は、大洪水の様相を呈していた。太腿どころか膝のあたりにまで、淫蜜が滴って透明な筋を作っている。求めるかのごとく、腰を前後にくねらせている。
「ぉんんんッ……!」
ただ入口をなぞるだけで終わるわけがない。見知らぬ誰かの指が、こなれた肉穴の内側にまで侵入する。ぢゅくぢゅく音を立てながら、襞をめくり、内部の形状を確かめてくる。
「くッ、ぉんッ、んぅッ、ンッ、んぅッ、ンッ!」
膣道半ばの腹側、いわゆるGスポットを、ゾリゾリと執拗なまでに擦り上げられている。こんな仕事ゆえ、小町は平均に比べずっと場数を踏んでいるわけだが、オンナ最大の弱点のひとつを弄られては形無しだ。切なく喘いでは、腰をクイクイ、ヘコヘコッと小刻みに震わせてよがるばかりだ。
「ッ――ひ!」
声にならない嬌声の後、裏返った悲鳴が小さく溢れる。無防備に曝け出されていた陰梃を、キュッと摘まみ上げられたのだ。
神経の集中したウィークポイントへの、容赦のない刺激だ。それも、心の準備が出来ていたならともかく、全くの不意打ちだった。流石の小町といえど、ろくなリアクションを取れないのも無理はなかった。
「ンッ、っひッ! ンッ、んくうう!」
ピシッ、ピシッと、軽い破裂音が響いている。ムチムチとした左右のヒップに、何発も平手が打ち込まれているのだ。
人が密集し、腕を振りかぶるスペースもない状態なので、一発一発は大した威力でない。が、こう何発も打ち込まれれば別だ。臀肉に、掌の痕がほんのり残っていく。じくじくと響くマゾ的な性感に、眉尻を垂れ下げる。
激しい性感と絶え間ないスパンキングに、尻には汗が滲んでいる。むちぃいっ……と、両尻たぶが左右へ割り開かれる。暴かれた肉の最奥に存在するのは、薄茶色の窄まりだ。空気に触れて驚くかのように、また恥じ入るかのように、もしくは期待するかのごとく、ヒクヒクと蠢いている。
菊門に指先が押し当てられる。キュッ! と、アヌスが反射的に窄まる。
「ぉ、ッ、んぅっ、んぅうッ……んぅう」
指はそのまま割り込んでくる。ぬぐぬぐと、排泄器官をほじくってくる。
ショーキャストとして働く中で、そちらの経験も積んでいる。開拓済みの菊から背骨を通じ、知性を駄目にする官能がこみ上げてくる。先ほどまでと比較して低めの嬌声を零しながら、腰を緩やかにくねらせていた。
『観客の皆様、おさわりタイムは以上となります。お楽しみいただけましたでしょうか。キャストの小野塚小町に大きな拍手をお願いいたします』
たっぷり一〇分ほど楽しんだ――あるいは、楽しまれた――だろうか。ようやく一つめの山場が終わる。円形ステージに戻った彼女は、おさわりタイム前と比べて明らかに淫らになっていた。
頬は紅潮しきり、全身に浮かんだ汗が照明の光を反射して煌めいている。ムワムワと、牝の発情フェロモンを蒸気のごとく漂わせている。淫ら穴はネトつく助平汁をしとどに滴らせ、しきりにヒクついていた。
『続きまして、今日のおしゃぶりくじの時間です。お手元の青いくじをご覧ください』
アナウンスが流れる。ホール内に歓声が反響する。いよッ、待ってましたと囃し立てる声すら聞こえる。誰も彼も、懐からとりだした紙切れを見つめ、手に汗を握り運を祈っていた。
おしゃぶりくじ。
入場時に配られる番号を呼ばれた客は、キャストからフェラチオしてもらえる。
童貞の妄想じみた企画だが、これが存外に人気だ。なにせ始まるまでに、淫らなダンスを散々見せつけられるのだ。皆、ペニスは炸裂寸前であり、比例して阿呆になっている。気持ちよく射精できる幸運を求めるのは当然だった。
『本日のラッキーガイは……三一番! 三一番のお客様、いらっしゃいましたらステージの上にお願いいたします!』
何十もの無念の溜息と、たった一人の快哉が響いた。叫んだ一人は、周囲から殺意すら籠もった目で睨まれていたが。
その男は、求められたとおりにいそいそとステージ上に上がる。誕生日にプレゼントを両親に買ってもらう子供のような、ワクワクとした様子を見せていた。
「あんたが今日のラッキーガイってわけ? おめでとさん。たっぷり楽しませたげるよ」
「へっ、へへ。よろしくお願いします……」
額に浮かぶ汗と、張り付く前髪を整えながら、艶然たる笑みを浮かべ挨拶する。対する男はといえば、けっこうなガタイの持ち主だが、気はさほど大きくないらしい。はにかみながら返事をした。
さっさと出せよ、俺と代われなどと、観客席から野次が聞こえてくる。無理もなかった。人気キャストに即尺してもらえる光栄など、滅多に得られるものではない。特に、小町は客を取っていないので、なおさらだった。
「じゃ、っじゃぁ早速……」
下服を下ろそうとする動きを、手で制した。せっかく、何十分の一の幸運を引き当てたのだ。少しでもイイ思いをさせてやりたい。
「エッ、おッ、ぉお~ッ……!」
男の下に跪いた。ズボンにはもっこりと、ペニスのシルエットが浮かんでいる。自分で興奮してくれたのだと思うと、素直に嬉しく思う。たっぷりと楽しませてやりたくなる。
唇で、ズボンの裾を食む。そのまま、ゆっくりと下ろしていく。
内側でつっかえているモノがあるので、本来であればなかなか容易ではない。とはいえ、経験を積み重ねた彼女にとっては朝飯前だった。
「んふっ」
ブルルンッ! と、ソレが勢いよく姿を表す。蓄えられた力が一気に解き放たれる様は、矯められたバネが解放される瞬間に似ていた。
――いいねぇ。
真っ直ぐに天を衝く、なかなか立派なモノだった。最近の客では有数だ。全長でいえば二〇センチ弱はあるだろうか? 並ぶ立つ者もそういるまい。自分のモノと比べたのか、ステージ下から囃し立てていた連中が、いくらか静かになった。
ムワリと、肉棒の匂いが周囲にまき散らされる。鼻孔がヒクつくのを感じていた。
「そぉら、他のお客さんらも見てるんだ、なるべく堪えておくれよ? ……れろぉ」
「ぉッ、お、ぉッ」
蛇のごとく、舌をちろちろと伸ばす。裏筋のあたりを中心に刺激してやる。ヌルついた舌の感触に、男は腰を震わせる。なるべく堪えろと伝えはしたが、どれだけ保つだろうか。
「んふ――んちゅぅうっ」
先端に唇を押し当てる。先ほどのおさわりタイムで交わしたより情熱的なベーゼだった。その証拠に、解放された亀頭に、唇の痕がべっとりと残っていた。今日のためにおろしたリップの痕だ。
「ちゅっ、ちゅっ、ちゅッ、んちゅっ、んちゅぅっ、んちゅっ」
そのまま根元にいたるまで、キッスの雨を降らせていく。唇の痕がいくつも残っていく。このチンポは今から私のものだと、周囲に熱烈にアピールしているのだ。
むろん、誰も横取りなどするわけがない。単に、自分がどれほど目の前の男根を欲しているかを示しているのだ。
「はむぅ……むちゅぅうう」
「ぉ、お、おぉ~ッ……」
やわらかな玉袋にまで、しっかりキスマークを残してやった。おぉお……と、客席から感嘆の声が漏れる。そこまでサービスしてくれるのは、娼婦にも一握りしかいない。自分もああしてもらう幸運を得たいと羨んでいるのだ。
「んふ……えぁ、あっもぉ」
「ぉッ、ぉッ、~……ッ!」
大口を開ける。正面から見れば、喉奥が見えるほどあからさまに。その後すぐ、ぱくりとモノにしゃぶりついた。
「んふ……ッ」
一般的な店での行為とは違う、いわゆる即尺だ。身を清めぬままの男根は濃厚な雄臭を纏っており、口内どころか肺いっぱいを満たしてくる。ブルーチーズのようにクセのある味わいだったが、小町は大好きだった。でなければ、こんな店でノリノリで働いていない。
咥えられた男の側はといえば、背を反らし目を見開いて、下半身の快楽を堪えていた。たっぷりの涎でヌルつく熱い口内は、散々助平なものを見せつけられてきた魔羅にキく。まして咥えているのが、彼岸有数の美痴女となれば、なおさらだった。
「んぢゅぷッ、ぢゅぽッ、ぐぷぅッ、んぢゅるっ、ぢゅろろッ、んぢゅるぅッ」
「ぅぉッ、! おっ、ぉぅッ、ぉおおッ、くぅううっ……!」
間髪を入れず、頭を前後させ始める。艶めく唇を、竿しゃぶりの道具にする。真っ直ぐ伸び天を衝く、槍のごとき幹を、口腔でもって扱きたてていく。
頬の強く窄められることときたら、ひょっとこを連想させる。美人が台無しという表現があるが、嘘っぱちだ。多少バランスが崩れたところで、彼女の美貌に間違いはなかった。
「ぅおおッ、おッ、くぅッ、ぅううう……ッ」
人気ナンバーワンのキャストがそれほど熱烈に、己のモノをしゃぶるのだ。男の感じることときたら甚だしい。がくがくと腰を震わせながら、官能に悶えている。
「んもッ、れろッ、ぢゅくッ、れろれろれろぉ……ッ」
そのリアクションは、口内で繰り広げられる動きに起因するものでもあった。ぬるんっぬるんっと舌が躍り、肉竿全体を獲物を捕らえた磯巾着のごとくねぶる。頬がモゴモゴと動くさまが、奉仕の熱心さを示している。口端からぐぽぐぽと音が鳴り、おとがいへ唾液が滴り落ちていく。
一度、客席に視線をやる。ピースサインを見せつける。ぶぽ、ぶぽと音を立てしゃぶりながらのファンサービスだ。おおおと、客のボルテージが跳ね上がる。
「ぅッ、ぉおおおッ!」
チョキを形作ったその手を、男の股間へと伸ばしていく。陰毛の茂みの奥、ぶらぁんと垂れ下がる柔らかな袋を、やわやわと揉みしだく。
揉むといっても、デリケートな器官ゆえ、ごく優しいバランスで。指先で転がしながら、精子製造を促していく。
果たして、狙い通りになった。指を通じて、グツグツと煮えたぎる感覚が伝わってくる。ぱんぱんに膨れ上がって、もはや限界寸前といった風情だった。
「んふぅッ、んぢゅる、ッ、んぅううッ」
「ぅおっ、ッ、出るッ、出、ぉッ、おッ、おおおおおおッ!」
ならば、気持ちよいとどめを刺してやろう。根元まで深々と咥え込み、カリ首から裏筋にかけて舐め回す。無防備な睾丸を、先ほどまでよりほんのわずかに強い力加減で転がす。
男は聞き苦しく喚きながら、絶頂に至った。首を左右に振っているのは、まだこの時間を楽しんでいたいと思っているのだろうか。
腰を反らしながら、どっ、どっと男根を脈動させる。濃厚な白濁をぶちまけていく。肉多めの食生活なのか、苦味が強く、喉に絡みつく。独特の臭みが、味覚と嗅覚を刺激する。
粘汁をまき散らす肉竿を、ちゅうちゅうと吸い上げていく。精虫一匹たりとも、尿道に残してやるつもりはなかった。
「んぽぁ……んはっ」
射精が終わったころ、口を離す。男は呆けたように突っ立っていた。肉棒は萎えきって、サイズも半分ほどになっていた。
観客席に向け、大きく口を開く。ピンクの舌に、口腔内壁に、白いモノが絡みついている。はぁ、と吐いた息は実に精液臭かった。
「んッ」
口を閉じ、汚濁を嚥下していく。どこまでもしつこくへばりついてくる感覚を、彼女はこよなく愛していた。白い喉が蠢く様を、何十もの視線が見つめている。
「んはぁ……」
スペルマ臭い息とともに、口を開く。先ほど絡みついていた精子は、もうどこにもない。
「はぁい、お疲れさん。また当たりくじ引けるといいねぇ?」
「あ、え。……ッス」
立ち上がり、声をかける。射精の直後の男は、だいぶ阿呆になっている。彼も例外ではなく、こちらの言葉にただ頷くだけだった。
『本日のおしゃぶりタイムに選ばれたラッキーガイへ、皆様どうか盛大な拍手を!』
背中を押してやると、すごすごと客席に降りていく。相変わらず、周囲からすさまじい嫉妬の目で見られている。たいそう居心地が悪そうだ。
とはいえ、それもあと少しの辛抱だろう。なにせ、さらにものすごい幸運の持ち主が、今から明らかになるのだから。
『お待たせいたしました! 本日のメインイベント、ファックくじの時間です!』
アナウンスが響く。鼓膜がビリビリと震えるほどの喚声があがった。手元の赤い紙切れを、血走った目で見つめ始める。こい! こい! と叫ぶ様は、全財産を突っ込んだ博徒より異様だ。
ファックくじ。もはや説明の必要もあるまい。即尺がショーに含まれているのだから、本番も含まれていたとして、なんらおかしくない。
「あはっ、ほぉら、早くおいでよぉ、誰がシてくれるか、知らないけどさぁ……」
ドラムロールが響く。足を高く掲げ、ダンスポールにひっかける。大きく開かれた股穴を、ぐちょっ、ぐちょっとこね回す。異様な熱気が、ホール全体に満ちていた。
『当店ナンバーワンキャストと、今夜セックスする幸運を得た素晴らしいラッキーガイは……十五番! 十五番の方、いらっしゃいましたらステージ上にお願いいたします!』
うひょおおおおッと、壁際から猿叫が聞こえた。跳ねるように、男がステージ上に駆け上がってくる。手に握られたのは、十五と描き込まれた紙切れだった。
「え、あんた」
「っへへッ、よう、お疲れ様だねぇ、こまっちゃん」
何十分の一の幸運を手にしたのは、小町と同じ死神だった。かなりがっしりしており、服の上からも筋肉質なのがわかる。首も腕も太く、精悍さを漂わせている。好みの体格だ。
それよりも、重要なことがある。どうにも顔に見覚えがある。というか、職場の同僚だ。隣の部署ゆえ、さほど関わる機会はないが、確かに是非曲直庁の職員だ。
「あ~……。あんた、いいのかい?」
「そりゃあこっちの台詞だけどな。副業禁止だろ、渡し守って」
「いやそうじゃなくて。職場の人間とって、気まずくなんないのかね」
「別に? それよりこのエッロいカラダにハメられるほうが大事だね」
男の言葉に、偽りはないらしかった。目は剥き出しの肉貝や乳房を這い回っているし、早くもズボンを下ろし、イチモツを露出していた。興奮していますとばかりに、荒い鼻息を漏らしている。
「ホレ見てくれよ、大したもんだろ?」
己の股座を指さして言う。自信家な台詞だが、それに足るイチモツを持ち合わせていた。全長にして三〇センチ近く、反り返りながら天を衝く様ときたら、さながら中東の曲刀だ。玉袋もずっしりと重く、中に大量の欲望を溜め込んでいることを感じさせた。
おおお……と、観客席から感嘆の声が漏れる。大業物すぎて、嫉妬の気持ちも生じないらしかった。
「ははぁ……こりゃ、確かに」
のちのち面倒に繋がりかねないので、職場の人間と関係をもつのは基本、避けている。とはいえ今は状況が許さないし、なにより、こんなモノの持ち主を逃がすなどありえない。
「これで足りるかねぇ?」
「あー、XLしか入らねぇぞ、俺」
男の下に跪く。間近で見るに、立派だった。こちらの顔くらいはあり、圧倒的な存在感を放っている。威圧的ですらあった。
近づいてきた黒子から、ゴムを受け取る。精液溜まりを軽く咥え、そのまま亀頭へ顔を近づけていく。
「んぷ、んぅ~……っ」
「ぉッ、お、いいねぇ、男のロマンじゃん」
先端にキスをしながら、ゆっくり口内に迎え入れていく。くるくると巻かれた部分を、唇で拡げていく。
ファックくじを当てた相手には、いつもこうしてゴムを着けている。一年分にもまさる幸運に対し、報いる気持ちだった。
ただ、今回ばかりは同じようにはいかなかった。なんといってもペニスが立派すぎる。根元まで咥えるには、口腔の長さが足りなかった。最後の方は結局、手を使って拡げねばならなかった。
幸いというか、男はそれに不満を覚えていないらしかった。むしろ、己のモノの優秀さを再確認したらしく、気分よさそうにしていた。
「っはぁ。とんでもないモノ持ってるね、ほんと」
口を離す。パステルグリーンのゴムを被された大業物は、あらためて見るにすさまじいサイズ感だ。伝統的には棒や槍、刀に喩えられることが多いが、コレに関しては塔とでも称すべきだろう。
「ほら、おいでよ、ここにさぁ……ッ」
ダンスポールにもたれかかり、彼に尻を突き出す。下腹に手を伸ばし、肉裂に指をかけ割り開く。にちゃぁ……と音を立てて開かれた貝は、うっすら白濁した本気の汁を滴らせていた。
「おッ、い~い眺めじゃん」
「アッ、アッ」
ぴしぴしと、無防備に差し出された尻を、男は亀頭でビンタする。発情しきった肉体は、それにも甘い官能を見出す。挿入を求めて、腰はゆるやかにくねっていた。
「へへ、くじ外した負け犬どもォ、見てろよォ、ハメるぞ、ハメるぞッ……そらッ!」
「アッ、あっはぁああああああッ!」
しっかり狙いを定めた後、腰が突き出される。三〇センチ近い男根が、狭穴をめりめりと割り広げ体内に侵入してくる。亀頭が肉襞を捲り、蹂躙する。
パァン! と、尻肉と下腹がぶつかり破裂音を響かせる。小町の、熱く蕩けつつ切ない声が続いた。
「ッアッ、っはぁああ~ッ……」
ショーに出るたび、誰かしら同じように相手してきた。時にはしょうもないモノを相手に感じているフリをしたこともある。反対に、かなり本気で乱れたこともある。
が、この雄棒は、そうした有象無象と一線を画していた。ゴムを隔ててなお猛烈な熱量を放ち、身体の内側から堕落させてくる。業物とは、まさにこうしたペニスを指すに違いなかった。
「あーやっべ、超締まるッ、こりゃァ腰止まんねぇわッ」
「アッ! あっはッ、ひぃッ! はッ、あぁッ、あんっ、あぉッ、んぅううッ!」
すぐさま、抽送が始まる。マッシブな肉体に見合った、ヘビー級のピストンだ。パンッ、パァンッと、小気味良い破裂音が響くたび、彼女の肉穴が穿られていく。気の弱い女なら、一発でノックアウトされるようなストロークだった。
最奥部、子宮口がコツコツ小突き上げられている。前頭葉へ響くエクスタシーに、熱くはしたない声を上げる。身体を震わせるたび、Iカップの爆乳がぷるぷると弾んでいる。体重を預けたダンスポールが、ぎしぎしと音を立てる。
「はぁん、あぁ、いいッ、あんッ、あはぁッ、あんっ!」
憧れの美女がよがり狂う様を、客はじっと見つめている。何十もの視線を感じて、彼女はさらに乱れていく。艶やかな声が止まらないでいる。
むろん小町もプロだ。ただされるだけでは済まさない。自らも腰を振りたて、セックスをいっそう盛り上げていく。目の前の――といっても後ろにいるのだが――彼を愉しませるために。そして、観客席で見ている何十もの客を喜ばせるために。
たっぷりした腰部が、うねっうねっと、躍る。とても人の動きとは思えぬ、淫らがましいダンスだった。ましてそれが、セックスのために捧げられているとなれば、なおさらだ。観客達は、興奮のるつぼにある。
「あはぁッ、ンッ、あぁッ、あはッ、あぁ!」
腰がぶつかるたび、ヒップが小さく波打って、男の視界を愉しませる。それを、男は見逃さなかった。腕を手を振りかぶり、掌を臀部へと打ち込む。パァン! と、小気味の良い破裂音が響いた。
「ぁッ、何すんだい――あぁッ! ひッ、あぁんッ、ひぃっ!」
かなりしっかりとした平手だった。一発で、尻肉に紅葉の痕が残るような。
それを、何発も何発も繰り出されるのだ。いくら場慣れしている彼女でも、悲鳴じみた声を上げてしまうのも無理はなかった。苦痛に顔が歪み、額に脂汗が浮かぶ。
しかしそれでも、身体は間違いなく官能を覚えていた。いい歳してお尻ぺんぺんされるマゾヒスティックな性感に、キュンッ、キュンッと膣穴が引き締まる。おほッと、男の喉から喜色を浮かべた声が漏れる。
「ほぉれこまっちゃんよォ。観客の皆様に、チンポでよがってるザマァ見せてやれよッ」
「アッ!」
後頭部を鷲づかみにされ、ぐいと引っ張られる。強引に観客の方を向かされる。パンッ、パンッと突き上げられるたび淫らに蕩け、助平牝に堕ちていく顔を目撃される。
「あはぁッ、アハッ。ほぉら皆ァ、見てよ、あたいのやらしいッ、あぁッ! とこさぁ。それでッ、おまんこ具合想像して、シコシコして、ッ、あはッ! 気持ちよくなりなって。あは、だからもっと見てッ、あたいがハメられてるとこッ、十万人に一人のデカチンポでオマンコの形拡げられて、普通のチンポじゃイけない穴にされてるとこッ! アッ、アッ、ああッ!」
爪先から頭頂まで、とくに結合部を中心に見つめる視線を浴びせられながら、情熱的な台詞を並べる。穴が造り替えられていく記念だと、ピースサインすら浮かべてみせた。
「おっ、締まりが良くなってきやがった、やべっ、出る出るッ、出るッ、お、お……!」
「あはッ、アッ、あぁッ、あああああッ……!」
ピストンが激しくなっていく。ストロークの趣も変わっていく。引き抜けるほど腰を引き、思い切り突き込む抽送だったのが、子宮口を小刻みに突き上げる形になっていく。
子宮に精を注ぎ込もうとしているのだ。むろん、ゴムをしているので意味はないのだが、雄の本能にとってそんなことは関係がない。
最奥部でスペルマをぶちまければ、精子が奥まで届き、子孫を遺せる可能性があがる。だから、そういう射精が一番気持ちよく感じられるよう、雄の本能は作られている。
「おおぉッ、出る出る、出る、ぉおおおおッ!」
「あっはッ、あぁあああああああッ!」
牝――子を孕む側も、その点においては同じだ。ドッ、ドッと、カラダの最奥、子宮口にてペニスが脈動を始めた瞬間、小町は絶頂を迎える。
場数を踏んだ弊害か、彼女は性交で達することがまずなかった。大抵、先に男が果ててしまうからだ。
だからこそ、滅多にないオーガズムは鮮烈なものとなった。目を見開き、背筋を反らし、乳房をばるんッ! と弾ませ、全身を痙攣させる。膝は笑いまくっている。ダンスポールに身体を預けていなければ、とっくに崩れていただろう。
脳味噌が、男のペニスに堕ちる。フリやごまかしでない、本気のアクメだった。数十名の観客が証人だった。
「ハッ、あッ、はッ、あ、あはぁ、あぁあ……ッ」
快楽の波が、ようやく退いていく。全身に汗を浮かべ、ぐったりと脱力する。荒い呼吸のたび、肩が上下し、乳房がふるっ、ふるっと震える。
「あ~……出した、出した」
男が腰を引く。亀頭が抜ける瞬間、ぶぽんッ、と音が鳴る。
野太いモノで穿られまくったヴァギナは、すっかりとソレの形に造り替えられていた。ヒクついて閉じなくなっており、コーラルピンクの内部粘膜を晒している。
「ホレっ、どんだけマンコで搾ったか、観客どもに見せてやれよ?」
「あはッ、あ」
腰を抱かれ、強引に立たされる。使用済みゴムを手渡された。ずっしりと重たいソレを観客席に向けて掲げていると、耳元で囁かれる。
「今度さぁ、俺んち来いよ。こんな見世物感覚の一発じゃ我慢できねぇだろ? たっぷりハメ倒してやっからさぁ」
「ぁッ、はッ、あッ、あぁッ」
こうして言い寄られることがあるから、同僚相手の行為を嫌っているのだが――いまだアクメの余韻にあるヴァギナを、優しくいやらしく撫で回されるだけで、拒否する気持ちがどこかへ行ってしまう。
客に気付かれないよう、小さく頷く。どんなファックをしてもらえるか、今から楽しみでしかたなかった。