カーマ(Fate)と二人きりになったら好き好きエッチをいっぱいしてくれた話 作:くるぃとる
原作:Fate/
タグ:R-18 Fate/Grand Order カーマ ♡喘ぎ
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先日マスターと肉体関係を持って以来、カーマの様子はおかしくなっていた。
気になる人がいると他のサーヴァントに相談されるなり、無表情のまま恋の矢をマスターへ撃とうとした事件などはちょっとした騒ぎになったものだ。未遂に終わったこの顛末は噂を呼び、カーマがなにか企んでいると見るのが大方の予想だった。
そんな日ごろのある時、資料返却をするためにマシュはカルデアの廊下を歩いていた。両手で抱える本の山は彼女の身長を越えており前方も見えない状態だったが、その重量を細腕は危なげなく支えている。
そこへすれ違うようにしてカーマがやってきた。今は十代後半くらいの姿を取っており、マシュから挨拶をされても一瞥するだけだったが、その足をふいに止めた。
「ちょっといいですか?」
「え。はい」
こういった場面で話しかけられる相手だと思っていなかったのか、驚いたようにマシュは横を向いた。
顔が近い。雪のように白い肌と赤い瞳は、同性であるマシュから見ても蠱惑的な妖しさを感じる。銀を思わせる髪が揺れ、やわらかそうな頬をかすめるだけで色気がただよった。
言葉を忘れてきょとんとした娘の顔をしばらく眺めたカーマが、山のような本たちに手を伸ばす。腕にかかる負荷がぐんと減ったマシュが瞬きをすると、横にあったはずのサーヴァントの顔が消えている。あわてて視線を巡らせると、少しばかり下がった場所へ幼い姿になったカーマと、彼女に抱え持たれている資料を見つけた。
「あの、カーマさん?」
「これ。どこに持っていくんですか」
嫌そうな顔をしたカーマの行動が腑に落ちないながらも、どうやら手伝ってくれるらしいのだとようやくマシュも飲み込めてきた。
「はい。『偉大なるアレクサンドリア……』」
「地下図書館ですね」
相手が言い終わる前にさっさと歩き出したカーマのあとをマシュが追う。不思議なことに少女の小さい歩幅はマシュが歩くのとちょうど同じ長さにでもなっているらしく、しばらく歩いてもマシュが追い越すということはできそうになかった。
マシュが
「ありがとうございますっ」
と朗らかに礼を言ったのと、その返答なのか
「あんまり荷物なんて持ちたくないんで。ああ、こういうとき小さい体になれるのは便利ですね。身体を灰にされるのとどっちがいいか、分かったもんじゃないですけど」
と物憂げにカーマがぼやいたのが会話の全てだった。
やがて図書館の扉の前までくると、カーマが声もかけないまま、本をマシュの腕の中へ返した。動きでなんとなく予測できていたマシュだったが、戻ってきた重みから6~7割ほどの荷物を負担してくれていたらしい、とわかると反射的に感謝を口に出していた。
しかしその相手はさっさと元来た道を戻っていっており、反応を見せないまま背中が遠ざかっていった。
書籍の返還手続きをしながら、言葉にできない懸念にマシュは悩んでいた。なんの見返りもなく自分を手伝ったことはカーマの普段から考えると異常なことであり、かといって何かの布石であったり悪意があっての事とはとても思えない。神霊サーヴァントが暗躍した場合、どうしても規模が大きくなりがちだった過去事例と比較しても、カーマの異常はカーマ自身の中で完結している。
彼女のおかしなところは、人間が寝ぼけている時のような些細なエラーだとマシュは結論付けた。ただ、そんな小さすぎる不具合を、神霊サーヴァントという巨大な存在が飲み込めずにおけるものだろうか?
首をひねりながらマシュは図書館からの帰り道をたどっていく。誰かに相談してみよう、と彼女は決めた。ここカルデアで、多くの戦いにカーマは力を貸してきてくれたのだ。なにかできる事があればしてあげたい、というのがマシュの正直なところだった。
「今日はツーマンセルで戦闘シミュレーションを行ってもらうよ」
顔を下から覗きこむようにしてダ・ヴィンチちゃんに言われ、無反応だったカーマの顔に何かしらの感情が動いた。シミュレーションルームに呼び出されたこの日も彼女は思春期後半の容姿を採っており、そういえば最近はこの霊基ばかり見かけるようだった。
戦闘シミュレーションをマスターと二人きりで行えというのは珍しい。そっとマスターの方をカーマは盗み見たが、彼の表情に驚きはない。事前に聞いていたか、あるいは彼から申し出たのだろうか。
「率直に言わせてもらう。カーマ。最近の戦闘中の君、すこし動きがおかしいよ」
真剣な顔で言うダ・ヴィンチちゃんに、カーマは氷のような視線で応えた。
「……どうおかしいんですか。普段通りに動けてると思いますけど」
「ほとんどの部分ではそうだね。でも戦闘を早く切り上げようとする傾向があるし、そのくせマスターへの防御にリソースを多く裂こうとしている。これは矛盾じゃないかな」
「その時々で状況なんて変わるじゃないですか。どちらか一方の役割だけでいいなら、私も楽なんですけど?」
ちょっと困ったようにダ・ヴィンチちゃんがほほえむ。
「君が尽力してくれてるのはわかってるよ。でもね、これまで取れていたバランスが崩れてしまっているのが問題なんだ。今はまだいい。これがギリギリの、魔力の底の底まで使い切るような戦いになったときの事を考えると、やっぱり放っておけないな」
あとね、とカーマにだけ聞こえるようダ・ヴィンチちゃんが声を落とした。
「戦闘が終了したあと、君はさっさと霊体化するようになった。人付き合いに関して口を出す気はないけど、あんまり一方的なのはよくないと思うなぁ」
カーマが言い返すよりも先に身体をひるがえすと、ダ・ヴィンチちゃんは部屋全体に向けて、司令者の顔で告げた。
「今回のシミュレーションは参加サーヴァントの数が少なくてリソースに余裕がある。だから不測の事態が起きた状況を想定して、バックアップスタッフ側も訓練を行うことにした。君たちを送り出したあと、バイタルや霊基、存在定義情報など最低限のものしか取得できない障害を擬似的に再現する。これを回復させるのがスタッフの目的だ。
だから申し訳ないけど、二人から私達に通信を送ることはできなくなるし、訓練終了もこちらの障害が片付いてからということになる。NPCとの戦闘にはくれぐれも注意してね」
「スタッフ側の通信が回復した場合はマスターへ向けて呼びかけてもいいのでしょうか」
手を上げてマシュが聞くと、ダ・ヴィンチちゃんはニヤリと笑った。
「もちろんいいとも。でも今回の訓練に使うプログラムは有志が作ってくれたもので、かなり手強い。最後までやりきれるかな~?」
はい! という返答に笑顔でうなずいたダ・ヴィンチちゃんがマスターとカーマに向き直る。
「君たちの訓練は探索の意味合いが強いものに設定してあるから、そこを留意してもらいたい。何か質問はあるかな? ない?
じゃあ、早速だけど始めよう!」
活気づくスタッフが動きはじめ、マスターと一緒にカーマも配置につく。面倒だった。マスターの精を絞り、彼に愛撫された夜からこっち、カーマはずっと彼を避けてきたのだ。
できるだけサーヴァントとしての役割に支障は出さないようにしていたつもりだったが、どうしても彼を意識してしまった。マスターが近くにいないときは一人で考えに耽りたかったので周りのことを適当にあしらってきたし、他にマスターが身体を許したマシュという娘のことを気にした時もあった。
落ち着くまでカルデアから姿を消しても良かったのだが、それはどうにも気が引けた。そしてここにいる以上は彼と顔を合わせることもあり、そうなるとカーマは逃げ、マスターは追った。
三文芝居だ、と心の内でカーマは自嘲する。こうなってしまっては、マスターに対して何かしらの態度を決めるべきだろう。面倒だ。男女の性愛に関わることは、ただただ面倒だった。
シミュレーターの開始シーケンスがはじまり、マスターとカーマの身動きが取れなくなる。その時、ダ・ヴィンチちゃんに近づく人影を見たカーマの背筋が凍った。
「ごきげんよう」
「ん? ああ! 来てくれたのか」
ダ・ヴィンチちゃんの笑顔に、柔和な笑みを返したのは殺生院キアラだった。
「もちろんです。今回のシミュレーションに拙作を用いてくださるのであれば、それにどのような解法を与えていただけるのか、気になるのが筋というもの」
「いやー、正直なところ解ければいいなくらいに考えてるんだ。今日はアドバイザーとしてここに居てくれるね?」
「まあ。そのように言われては。では、微細ながらお力になるとしましょう」
楚々と笑うキアラが、愕然としたカーマと目をあわせる。その一瞬。シミュレーションが開始される瞬間に獣の片割れが浮かべた表情を見て、カーマは怒りを爆発させた。
(あの女、親が子を見守るような温かい目で私を──!)
シミュレーションが開始された。
世界の色は青だ。高い青空に強い陽光。地平線がわかるほどに広々と横たわる海も青く、そこで揺れる白波からは音が聞こえてくる。カーマが立っているのは遠くまで続く白い砂浜で、いつかの夏、恐竜をめぐる冒険の舞台となった夏がなんとはなしに偲ばれた。思い出に少し浮かれた気分になったカーマは、咄嗟に自らの霊基を確認する。
「……っ!?」
それはアサシンではなくアヴェンジャーに変質していた。
普段からきわどい衣服を好むカーマではあったが、この装いはただ一人に見てもらうための水着であり、視線を集めるための工夫がちりばめられている。それが収まる豊満でむっちりとした肉体はまだ熟れる余地を残しており、ほころびかけた大輪を思わせ肉の妄想を存分に刺激した。インコはいない。
いつ見ても惚れ惚れする出来ですね、と自画自賛しかけてカーマは自分に舌打ちした。
彼女にとって重大だったのは、この霊基が浮かれすぎてしまうという一点だった。まだ切り替わったばかりで馴染んではいないようだったが、それも時間の問題だろう。
キアラにハメられた。浮足立ちかけた心を押さえつけるように、カーマは歯噛みをした。
背後から足音が近づいてくる。怒りの表情を剥き出しにしたまま振り返ると、そこにはマスターがいた。案の定、彼の服もまたあの時の夏と同じだった。
そして、怒気を向けられても躊躇せず近寄ってくるマスターを見てカーマは悟った。こうなることを彼は知っていた。キアラと彼は手を組んでいるのだ。
カーマはキレた。シヴァの腹の上でドタドタ地団駄を踏んでいたあの女の気持ちが少しだけわかった。
「帰ります!」
戦闘訓練ではなく別の要件があると悟ったカーマは、開口一番そう言い捨てると踵を返して──返したところで、片方の手首をマスターに捕まえられた。
カーマはマスターを振りほどこうとして腕を振りたくり、できないとなるとズルズルと彼を引きずるようにして歩きはじめた。一歩一歩踏みしめるように移動していく二人の足元で、細かい砂が小さく舞う。
本気を出せば人間であるマスターなど簡単に跳ねのけてしまえるのだが、カーマはマスターを傷つけたいわけではない。魔力に由来する方法もスキルも、加減をきかせられそうにない今は使えなかった。なので男が折れてくれるのを願いながら歩くのだが、このマスターが諦めるなんて選択肢を選ぶはずがないのをよく承知しているカーマのイライラは、すでに最高潮へと達していた。
砂浜に線を描いているマスターの足跡を視界に収めながらカーマは叫んだ。
「ビーストクラスの手を借りてまで、私とふたりっきりになりたかったんですかぁ!? カルデアのマスターとして、それはどうかと思いますけどぉ!」
──カーマがずっと逃げるからじゃないか!
「はあぁ~!? 逃げてなんかいません! こんな小賢しい手を使わなくても、私は堂々と相手をしますぅ! そもそも、こんな方法を考えたの、マスターさんじゃないですよね! 人類悪の考えそうな陰湿さですから!」
マスターの言葉が詰まった。たしかにキアラに舞台を用意してもらったのは自分だ。だが、そもそもカーマを捕まえるためにどうすればよいかを相談した先はパールヴァティーなのだ。
『私が関わっていることを絶対に悟られないでください』
釘を刺されていたマスターだったが、さすがにパールヴァティーを人類悪呼ばわりはどうかと思っての逡巡だった。その反応を肯定と受け止めたカーマは、より頭に血を昇らせてマスターを引きずっていく。
今では二人は砂浜と緑地のあわいに到達しており、そこに林立するヤシの木のひとつによろけたカーマの背が当たった。マスターの方だけを見ていた為だったが、この些細なアクシデントでカーマの動きがようやく止まった。
すばやくマスターはカーマの肩をつかみ、ヤシの木と自分で彼女を挟むように立った。
「ちょっ……! 邪魔です!」
──あの夜に言ったことはその場限りのことじゃない。
葉群の作った陰の下、男の言葉を正面から受けて、カーマは相手を睨み返す。
──好きだ。
マスターの言葉を、しかしカーマは予想していた。つまらないものだ。あの夜に告げられた言葉を彼女は何度も反芻しており、それが愛欲の渦に流されて口をついて出たものであれ、本心からのものであれ、彼女にとっては飽き飽きした言葉だった。そんなものを今さら持ち出してきた男の顔は見たくなかったし、何より少しだけ嬉しいと思ってしまった自分が嫌で嫌でたまらなかった。
──でも、これはカーマのせいじゃない。
「はぁ?」
素っ頓狂な声が女の口から飛び出す。マスターから出てきた言葉はカーマの思考を全て燃やし尽くし、彼女の心を空っぽにするのに十分なものだった。彼自身、カーマになんと言うべきか考えていたのだろう。言うべきことを言い終わったマスターはじっと待っている。
(私は否定された?)
という疑問が一番最初に湧いてきた思考だった。愛欲の、恋慕の神であるカーマのせいではない『好き』。そんなものが存在するはずがない。ないが、たしかに自分はマスターへ何も権能を使用していない。
自分を愛するようにと恋の矢を撃ってはいないのだ。
愛の神のせいではない愛などあるのだろうか? しかしマスターはカーマを好きだという。その矛盾。
矛盾? 自分は古い神で、マスターは今を生きる人間だ。文化や習慣に知らない領域は確かにある。そこに恋が含まれていないとなぜ言える?
「──あ」
カーマの唇が声を漏らす。彼女が人間であれば心臓が早鐘を打つように動いていただろう。彼女の頬がみるみるうちに紅潮していく。
「私、私……」
マスターが自分に何を言ったのかカーマは悟った。
彼は愛の神が知らぬ愛を捧げる、と言っているのだ。持ちえぬ物を捧げられて心奪われるのは人も神も同じこと。
(そんなものがあると思う?)
(あります!)
(マスターさんの詭弁ですよ)
(あります!)
自分の中で発生する疑問を一言でねじ伏せていきながら、カーマは有頂天を舞い踊った。抑えきれない気持ちで胸が一杯になり、口から漏れるように呟かれていく。
「マスターさん。マスターさん。マスターさん」
愛らしく頬を染めたカーマのささやきに、マスターも顔を赤くさせていく。恋慕はたやすく感染するのだ。
カーマの指がマスターの手を、腕を、腰をそっと伝っていく。そのたびにマスターが吸い寄せられるようにカーマへ近寄り、二人の体が触れあっても近くへ、彼女の乳房が男の胸板に潰されても、さらに近くへ。男の手が女の両肩に添えられ、女の手は男の腰に回される。ふたりの顔が近づき、唇だけがそっと触れ合った。
「……」
唇を軽く擦り付けあいながら、カーマは先日の奉仕で最後までマスターにキスができなかったことを思い出していた。使用した手管も手ぬるく、例えば分体で口内と尻穴を同時に刺激するだけでマスターを手玉に取れたことだろう。
今なら理由がわかる。口づけは愛と同時に行いたかった。人間の枠を超えるえげつない奉仕、強すぎる刺激から彼を守ってあげたかった。
マスターの手が肩から鎖骨へ、その下へとゆっくり落ちていく。
「ん……」
わざと小さく鼻を鳴らして許諾の意を伝えると、カーマも手を腰から脇腹、そしてヘソへ這わせた。
(私はこの男に愛されたい──)
マスターの部屋の机に置いてあった、さりげなく手入れのされた愛の矢を思い出し、カーマの心いっぱいに随喜が広がる。
キスをしたままで、カーマの舌がマスターの前歯を舐めた。
「んゆ……ちゅ……」
ゆっくりと何かを待つように桜色の小さな先端が左右へ振られ、続けてマスターの歯茎を撫でていった。
「んぁ……ちゅ……ん、んっ♡はむ、んちゅ、ちゅぷ♡」
迎えるように出てきたマスターの舌がカーマの舌を抱くように絡まり、少しでも触れる面積が大きくなるようにまとわりついていく。ふたつの唇は大きく開き、少しの隙間も許さぬとばかりにぴったりくっついた。
「んふっ♡じゅぷ、じゅぷじゅぷッ♡くちょっ、ちゅっ、ちゅぽっ♡」
舌が潜り、心地のいいぬかるみの中で夢中になってむしゃぶりつく。それが終わると反対の口に移り、粘膜と唾がたっぷり混ぜ合わさた海の中を舐め回した。
日陰の中とはいえ暑さと興奮が一緒になってマスターの意識をぼやけさせたが、それでも彼はカーマの乳房を水着の上から撫でさすり、背中へ手を回して細い腰を引き寄せた。口と口で生み出される悦楽に理性をとろけさせ、大きくなった肉棒をズボンごとカーマに押し付けると安堵にも似た快感が局部に広がる。
女体を道具のようにぎゅっ、ぎゅっとペニスに押し付けてから、そのはしたなさにようやく気づいたマスターが腰を引いた。ディープキスのリズムも崩れてしまい、カーマが頭を引いて唇を離す。そのときにわざと唾液を互いの唇に塗りたくっておいたので、粘液の橋が二人の間にできていた。
「んー?」
上目遣いで見上げてくるカーマが不思議そうに鳴き、ゆるゆると男の腰に回した手に力を入れて抱き寄せると、自分のおなかに固くなった屹立を押し当て、小さく上下に柔肌で擦った。
「んー?♡」
再び鼻を鳴らしてカーマが顎を上げると、マスターは彼女の唇に飛びつき、舌でこじ開けて口内を貪った。
「あむっ♡ちゅ♡ぢゅむっ♡んむっ♡んんぅっ♡ちゅっ♡ちゅぅ~っ♡ふぅふぅっ♡ちゅるっ♡」
遠慮なくグリグリと押し当てられるガチガチの肉棒を受け止めながら、カーマの指がマスターのズボンにかかる。先日の夜と同じように、まるで滑り落ちるようにして男の衣服が脱がされ、砂地へ落ちた。
邪魔するものがなくなり、直接まろやかな肌へ腰を振る感覚にマスターはうめき、唾液が多く分泌される。それをぢゅるぢゅると舌ですすりながら、カーマは指でマスターの陰嚢を揉んだ。
しゅり、もみ、すりすり、もみっ。
怒張の尿道からあふれてくる先走り液が増え、にちゃにちゃと音を立てはじめた。唾液の匂いでいっぱいのはずの鼻を、先走りの独特な匂いがくすぐって女は昂ぶり、愛らしい肉玉を丁寧に転がした。
くり、もみもみ、すりすりすりっ、くり、くにゅぅ。
睾丸の上側に付いている柔らかな副睾丸を優しくしごかれてたまらなくなったマスターは、カーマの尻肉に指を食い込ませた。
思いがけないほど細い印象を受けた腰から続いている尻だからだろうか。カーマの桃肉はみずみずしく、張りがあるのにどこまでも握り込めそうなほど柔らかだった。男の指の中でどのようにでもくねり、すくって包みあげ、揉みこむ。
むっにゅ♡むにゅっ♡たぷたぷっ♡もにゅもにゅっ♡ぐにゅ~♡ゆさゆさっ♡むにゅむにゅっ♡ぐにっ♡むにっ♡
「ふみゅっ♡ちゅぅ~♡ぱッ♡ちゅぶ♡ちゅむ♡んちゅ♡あむ♡ぅぅ♡んんぅ♡っちゅ♡んっ♡ちゅ♡」
カーマにとっても彼に尻を好きなようにされるというのはたまらないもので、悩ましげに眉を歪めながら卑猥な音を立てて接吻する。
いつまでもこうしていたい、というのが彼女の正直なところだったが、マスターが唇を離したときにそんな気分は消え失せた。
男の熱っぽい視線を受けて、カーマの瞳が期待に潤む。いつまでも、には少し早すぎるだろう。もうちょっと先に進んでからの方が、たぶんいい。
乳の谷間に渡されている水着の紐を、彼女の指がなぞって外す。たわわな乳肉と桃色の乳首が揺れ、水着がその脇にだらりとぶら下がった。
下腹部の水着にも手をかけ、こちらは左の足首までぱさりと落とされる。きわどいデザインの水着だったのであらわになった面積で言えば大したことはないのだが、それでも何もつけていないカーマの下腹部にマスターは見入ってしまう。
カーマはヤシの木に背中を預けたまま、少しだけ脚を開いた。
「じゃあ、私に、私の知らない愛を見せてください。できるなら、ですけどね」
ふる、とカーマの腰がちいさく震える。白磁のような内股を、一筋の水跡が伝い落ちていった。木陰の中でもはっきりとマスターにはそれは見え、彼は興奮を抑えきれず女へ挑みかかると相手の右足を持ち上げ、膣口へわななく腰を沈めていった。
ちゅぽん、にゅ、にゅるぅぅぅぅ……!
「はぁッ♡あっ♡はッ♡んきゅぅぅぅぅ♡」
しっかりと一番奥まで挿入されたマスターの雄肉の感触に、ビリビリと骨盤のあたりを泳ぐ愉悦の波に、白い喉を大きくのけぞらせてカーマは歓びを叫んだ。
愛叫にあわせてトロトロの膣肉が容赦なくペニスを絞ってきたのでマスターは肛門を引き締めて射精に耐え、しばらく動けなくなった彼は夢見心地のカーマと小さなキスを繰り返した。
ふとマスターの視線がカーマの頭に、そこに飾られている蓮の花に向けられ、もう一度カーマの顔に戻ってきた。そこに浮かんだ表情を見て、カーマは胸が締め付けられるような喜びに襲われて泣きそうになった。
この男は、蓮と自分を見比べて、私の方を──。
──キレイだ。
声に出され、こらえきれずにカーマは一筋だけ涙を流した。男が少し震える。締まりすぎた膣内の刺激に漏らしかけたのだ。
信じられないほど凡庸な恋。清廉で不様な、ありきたりな愛。だがやっと自分に与えられたのだと、カーマは眼の前の男を愛しながら言った。
「当たり前です」
カーマは爪先立ちになりながら自分の体重を少し減らした。負担の減って動きやすくなったマスターと、少しずつ抜き挿しを行い、お互いの性器が擦れる感触を愉しんでいった。
「かふぅっ♡あぉっ♡あんっ♡ンッっ♡んっひっ♡ふぅっ♡くっ♡っふぅ♡うぁっ♡」
腰を大きく前後させて快楽を味わうことは難しいが、不安定な姿勢によって予想できない刺激がピリピリと背骨を走り、嬌声をあげさせる。
潤む襞肉をずぶずぶと掘るマスターの動きは丹念ではあったが大胆とはいえず、その様からカーマは彼は立位がはじめてだと理解した。
「アッ♡んはっ、マスターさんっ♡ぁ♡ンッ♡カワイイッ♡く、あぉッ♡」
彼の初めてをひとつ得たことでカーマが昂ぶる。両手をマスターの肩に回し、唇をキスで塞ぐとぬめった舌で愛撫を加えていった。男を気持ちよくさせたい一心で腰をひねり、媚肉を蠕動させようとして菊蕾をひくつかせる。
ただでさえ我慢の限界で体位に不慣れだったマスターにそれは少しばかり刺激的すぎた。留めきれなかったオルガズムが炸裂し、一気に膨れ上がった亀頭を本能的に子宮口へ押しつけると、ゴシゴシとみがくように突き出しながら存分に射精した。
「んっ!?んんぅ♡んちゅ♡ちゅむぅぅぅぅぅ~~~~
……♡」
しぶきをあげて白い粘りが射出されるあいだ、カーマはじわじわとマスターの腔内を舌でねぶり、欲望を満たす手助けをした。彼女はイかなかったが、脳味噌を貫く白い快感と繁殖欲に満たされて昇りつめていくマスターを愛らしいと思う気持ちで満たされていた。
精を飲みこむ雌肉の吸い付きがおさまり、カーマが口を離すとマスターが熱っぽいため息を吐いた。そこには絶頂の余韻と、気遣うような悔恨が含まれている。彼は女が絶頂できなかったことを知っているのだ。
何か言おうとした男の唇をひとさし指で押さえてカーマは微笑んだ。それはいつものように皮肉げではあったが、自分や誰かを傷つけるためのものではなかった。
「溜めてたんですかぁ? まぁ、私に堕ちちゃってるなら、しょうがないですよねぇ? 休んで、もし時間が残るようであれば、もう少し楽しまないでもないですけど」
肉棒を抜きやすいように、ヤシの木で背中を支えながらギリギリまで背伸びをするカーマを、男はグッと抱き寄せる。
「ん? あれ? マス……はい?」
ゆっくりと伸し掛かるように体重をかけ、徐々にカーマをしゃがませると、そのまま彼女を砂の上にコテンと男は押し倒した。護身術か何かの応用だろうか。ペニスを入れたままで器用なものだったが、無言のまま自分を見下ろしてくるマスターの肉根がじんわりと熱を帯びて硬くなってくるのをカーマは感じた。
「訓練、いいんですか?」
──今はいい。
硬い木の幹とは違う砂の柔らかさに女の背中が沈み込んでいくようだった。日陰に流れる潮風は火照った身体をやさしく撫で、くすぐっていく。
初めて出会った時から決して自分の思いどおりにはなってくれなかった瞳が、カーマの心を灼いている。新しい快楽を味わえることへの期待に、ふつふつと女の身体が粟立った。
ひっそりと、自分とマスターに性器や口へ砂が混じりこまない加護をカーマはかけた。たぶん、そういった事を考える分別はなくなるだろうから。
じゅぶじゅぶの淫肉からマスターの肉柱がゆっくりと抜かれ、カリ首がはみ出すあたりで元に戻されていく。
はじまった。カーマは熱い吐息を漏らし、砂の上で手をさまよわせてから、自分の胸の上で組んだ。
ぐぶぶ~っ♡ぬちゅっ♡ぬちぬちぬち♡ぐちゅっ♡
「ん、あん、うぁ……いいです、マスター、さん、かふぅ、いいですっ、よっ……。んっは…アッ…く…あっはぁ」
先ほどの立位の感覚が残っていたものか、両者の腰の動きは、どちらかというと円運動のほうが主になっていた。肉と肉がぶつかる破裂音はひかえめに、体液の混じり合う音がぐちょぐちょと長い時間響く。雌穴の奥から絶えず愛液がにじみ出て、今では接合部で細かい泡を立てている始末だ。
ぐちゅっ♡ぱちゅんっ♡ぬちゅっ♡♡ぬち♡ぬち♡ぬっち、ぬち……。
パンっ♡ぱちゅっ♡パンっ♡パンっ♡パンパンパンッ♡
「っひっ♡あんっ♡ぉおっ♡マスターさっ♡あぉっ♡あっはッっ♡うぁっ♡んっはっ♡」
マスターが激しく腰を使いはじめた。いきり勃ったものを根本までねじ込み、狭道をカリでゾリゾリこそぐようにして引き、また突き入れる。カーマは声を震わせ、細腰を浮かせてグリグリとマスターの恥骨にこすりつけた。快楽が残ったままだった彼女の秘園はあっという間に陶酔で染められていき、あまりに早い絶頂を恥だと思った彼女は羞恥心で顔を真赤にした。
「んんっ♡ふぅ~っ♡おっ♡んっ♡んっ♡んんん~~~……♡ぁっ♡」
声も抑え気味になったカーマの中を、探るようにマスターが耕していく。ぐいぐいとリズムを早め、浅い抜き差しで柔肉の天井を擦る。と思えば、女の腰を手で抑え、もれなく運動エネルギーが伝わるように子宮近くを激しく打った。
そのどれもが違った甘美な感覚をカーマに教え、カルデアのマスターがその戦いの中で常に分析を余儀なくされていることを、白く弾ける視界の中で思い出していた。
「アっ♡それっ♡ンッっ♡かふぅっ♡それ、ダメェっ♡マスターさっ♡んはぁっ♡あんっ♡うぁっ♡」
分析と対応。眼の前の平凡な男に染み付いた習慣が、今日のカーマにはいじらしくてたまらない。男が全部を、カーマに見せているのだから。
不規則な収縮が腟内に走り、カーマの限界が近いことを察したマスターは、彼女の組まれた手のひらをやさしく解きほぐすと、それぞれを自分の手でつなぎ、砂の上に押し付けた。荒い呼吸で動くマスターの額から、真っ赤なカーマの顔にぽたりと汗粒が落ちる。
キュンキュンキューン♡
「あ♡あ♡あ♡ああああ~~~~♡」
心を射抜かれた女の襞が肉根を急に締めると、カーマがしてくれたように、男は彼女の口へ舌を入れてかき回してやった。
「ふぅふぅっ♡あむッ、もうムリ、んゅ、ちゅる、ちゅ、イく、んぅっっ♡ちゅぅ~っ♡イく、イ、んんぅ、んむっ♡ん、ん、んんんんんんんん~~~~~~っ♡♡♡♡」
尻と太ももがビクッビクンッと痙攣し、カーマは上体を大きくのけぞらせて達した。目の裏で白い宇宙がバチバチと明滅し、背が美しい弓のようにしなる。しばらくするとそれがふわりと解け、脱力したカーマは夢見心地で放心した。
昇りつめていたカーマが現実に戻ると、彼女は涎を垂らしたままの唇で何かを言おうとした。そこにマスターのひとさし指がそっと置かれる。
最初はキョトンとした顔をしていたカーマだったが、意味がわかると優しげな目をして、それから不敵に唇を吊り上げた。
訓練は、今はいいのだ。
女体に押し入ったまま灼熱のようになっている男の生殖器に、小さく腰を振って刺激を与える。マスターの余裕が削れていくのを見て楽しみながら、カーマは歓びのために働きはじめた。
太陽は正中に昇った──。
「んむ……ちゅぱ……ちゅぽ、んふ、面白い味してますよ。ちゅぽちゅぽっ、べろぉ……」
精液と愛液でべとべとになった肉棒を、丁寧にカーマが舐めて清めていく。空いた指でやわやわと睾丸の付け根をさすってやると、マスターは満足げな吐息を漏らす。
「えろ……くちょ……ん……。ちょっとずつ固くなってきてませんかぁ? レロレロ……ちゅるちゅる……。ふふ、おサルさん。ちゅぅ……ちゅる……あもぉ……」
およそ二時ごろ──。
「んひッ♡んがっ♡っふぅ♡かふぅ♡マスターさんッ♡マスターさっ♡んッ♡下ぁ♡そっちが下なのにぃッ♡激しっ♡あはぁっ♡んはぁっ♡うぁ♡あっ♡アッ♡あぁんッ♡」
マスターにまたがって揺すりたてられているカーマは、秘部へ激しい突き上げを受けて悲鳴を上げていた。男の顔には明らかな嗜虐の色があり、間違いなくカーマが煽った結果こうなったのだろう。マスターの腕でがっちりと固定された腰へ、吹き飛ばされそうな衝撃と鮮烈な恍惚が杭のように打ちつけられる。
「あぉッ♡くッ♡あぁんッ♡あはぁっ♡ぉひッ、アッ、あぁッ、はぁッっ♡あっはッ、ああ、んがっ♡いやッ♡落ちる、落ちますっ♡これっ♡怖、こわいっ、マスターさん、やだぁッ♡」
斜陽が二人を茜色に染める──。
「ちゅぽ……れろ……ぢゅるくッ……ちゅる……。あっ、マスターさん。中から垂れるかもです。ぢゅぽ……んふふ、ぢゅく……。まぁ、あれだけ出したのはマスターさんですから、顔にかかっても自業自得ですよねぇ? じゅるる……ちゅぅ……」
カーマが上になったシックスナインの体位で、マスターはカーマの花核を吸い、小刻みに舐めている。そこはもう体液が混ざりに混ざってぐちゃぐちゃになっていたが、それは男の肉根もおなじことだ。
かわいくない事を言いながら、カーマはまんざらでもない様子でもう何度目になるか分からないペニスの掃除を行っている。
マスターがふと視線を変えると、その先にはカーマの白いおなかと、重力に引かれて垂れている双つの乳実があった。まだ成熟していないのはマスターもよく承知しているのだが、いやらしく膨らんだ長乳が無防備にぶら下がっており、その先に色づいているふくよかな乳首にマスターの肉棒が反応する。
回復が早いなあ、などと呑気なことを考えながら、カーマは男の裏筋をじっとりと舌でなぞっていった。
すでに太陽は地平線の向こうに落ちていた。夜空には星々が輝き、ふたりはヤシの木の避暑地から、再び砂浜まで戻ってきている。
ぬち♡ぬちゅっ♡ぬっちぬっちぬっち♡ぱちゅんっ♡パンパンッ♡にゅぷ♡ぐちゅっ♡
「はぁッ♡んっは♡んひッ♡んっひ♡あっはッ♡あぁッ♡」
寝バックの体勢でふたりは交わっていた。水分補給の他には一日中セックスをしてきたからだろうか。日が落ちているにも関わらず二人は汗だくで、息も上がりっぱなしだった。
寝そべったカーマの奥深くへ入り込む雄肉は熱く、長いストロークで体ごと容赦なく叩きつけてくる。衝撃を受け止める女の丸い臀部が波を打って震え、男の腰に潰れては元に戻るのを繰り返していた。
「あぉッ♡んっはッ♡あっッ♡熱いッ♡マスターさんの、興奮が、熱ぅッ♡かふぅッ♡はぁッ♡あんッ♡ぉおんッ♡」
はじめは腰を反らして上半身を起こしていたカーマだったが、今では体を支えていた肘が白砂に埋まるほどの勢いで肉穴をほじられ、恍惚として乱れていた。
最初に交わってから後、二人は次々にエクスタシーを甘受し、これまでどれくらい気をやったなど数えてはいなかった。だが相手がイくときの前兆は察しがつくようになっていて、マスターの猛りが自分の中で最後の熱を帯びはじめたのをカーマは知った。
「あ……♡あーあー……♡マスターさぁん? イきそうになってませんかぁっ♡っふぅ、たぶん、これが最後ですけど、私より先に終わっちゃうんですよね♡まぁ、よくがんばったんじゃないですか? あぉッっ♡ ふふ、ぴゅーって、してくださいね♡ ぴゅーッ♡あぁんッ♡はぁっ♡あはっ♡」
自分より先にマスターが果てるのを確信したカーマは、頬に汗を滴らせて振り向き、男に向かって不敵に笑った。負けじと男は激しく責め立てたが、獣欲を吐き出してしまう我慢はできそうにもない。
星光にきらめく汗のたまったうなじを舐められ、カーマはきゃっと声を上げて顔を伏せた。こぼれ落ちる愛液と湿った肉の立てる音が背骨を通って聞こえてくるようで、そのあとから肉棒が快感をどんどん全身に流し込んでくる。
「んっはっ♡んきゅっ♡不意打ちなんて、効きませんからぁっ♡あぁっ♡出して♡マスターさん、出してくださいっ♡あっはッっ♡あぉっ♡ンッ♡ぴゅーっ♡ぴゅーっ♡んはぁっ、ははぁっ、んふぅっ♡」
濡れた背中へマスターにピッタリのしかかられ、男の体重を感じながらカーマは小さな勝利感を味わった。
密着した極上の女体の下へ、マスターは両手を突き入れた。そして、くっきりと砂へ跡を残すほど重たい両乳肉を掘り出し、くりゅっと乳首を引っ張った。
「んっ、えっ、ちょ、んああッ!」
突然の快感にカーマの視界がチラつき、声が掠れる。発見されたばかりのふっくらした桜色の乳頭を、男の親指は上から潰すように砂へ押し付けた。
息を詰まらせたカーマの身体が跳ね、狭くなった雌肉を無理やりほじくり返していった男根が一番奥まで突きこまれ、かき回すようにねじられる。
「あっは、はぁッ、うぁぁぁっ♡無理っ♡なんでっ♡いつもいつも、マスターさんっ♡ マスターさんっ♡いつもっ、わたしっ、んんんッっ♡イくぅっ♡あぁんッっ♡あっはッっ♡イくぅぅっっ♡っふぅっ♡っ♡あっ♡ああああぁっ♡」
「アアあああぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁっ♡んおぉっ、あああぁぁっ♡んふぅ、あああぁぁっ♡」
びゅるるるるるるっ♡びゅるびゅるびゅる♡びゅ~♡♡どぴゅどぴゅ~~~~っ♡びゅくびゅくっ♡びゅ~っ♡
カーマはマスターと同時に絶頂した。女の手は砂をつかんで握りしめている。
「かふぅっ♡ぉひッ、っひ、あぁ、あぉっ♡ふぅ、あっはッんひッ♡アッ♡」
半開きになった口からヨダレを垂らし、エクスタシーに揺さぶられながらカーマがうつぶせになると、そこへ精根尽き果てたマスターも寄りかかってくる。
「……うう~~~~! う~~~!」
オーガズムの波が引き、恨みがましい目を向けながら小さく唸るカーマへ、マスターは不敵な笑みを返しそうになった。それはあんまりだと思ったのか、彼はカーマを優しく抱くと、そのまま体勢を入れ替える形で仰向けになり、一緒になって夜空を見上げた。
気怠いふたりの目に飛び込んでくる星群は、暗黒の世界で生まれたものとは思えない輝きを降らせてくる。
「どうせ笑ってるんでしょう? してやった、みたいな顔で」
つまらなそうに問いながら、カーマは潮騒の音を聞いていた。星に満ちた宇宙と自分の内面にある宇宙を比べることもせず、そのくせ満足した心を抱いて、ただ聞いていた。
純粋に求められる喜びがカーマを灼いた。その火がまだ続いているのか、もうすでにカーマを灰にしてしまったのかまでは分からなかったが、ここが終わりではないのだと彼女は知っていた。
──好きだ。
マスターに囁かれ、カーマは彼の手を握る。
「もう知ってますよ」
そのまま彼女は瞳を閉じ、ようやく『いつまでもこの時が続けばいいのに』と思った。
「おかえり~~」
ダ・ヴィンチちゃんの笑顔がマスターとカーマを迎える。
「訓練おつかれさま! こっちからだと問題はなさそうだったけど、なにか異常はあったかな?」
マスターは首を横に振る。2時間で予定されていた今回の戦闘訓練は、スタッフ側の作業もズレこまず予定通りに終了となった。
2時間。
シミュレーション内部の体感時間は操作されており、どうやらカルデア側へ送信される情報にも手が加えられている。そのことに二人が気づいたのは、完全に足腰が立たなくなるまで浜辺で過ごした深夜のことだった。
何食わぬ顔をして返ってくることにしたのはよいがマスターの疲労は隠しきれず、「ミッションが難しすぎたかな。ごめんね」と謝るダ・ヴィンチちゃんにマスターは罪悪感でいっぱいになりながらフォローを入れた。
キアラの意味ありげな視線をどこ吹く風で受け流し、カーマはさっさとシミュレーションルームから退出しようとする。
「あ! まだダメだよ! データのすり合わせが済んでないんだ」
駆け寄ってくるダ・ヴィンチちゃんを見下ろし、それから笑みを浮かべてマスターの方をカーマは向いた。
「苦労したのはマスターさんの方ですし? 私はいつも通り、想定の範囲内で終了しました。マスターさんも、それでいいですよねぇ?」
──ダメ。
「なんでですか!?」
騒ぐカーマを見て、何となく彼女が元に戻ったようにマシュは感じた。
(よかった)
安心した表情をマシュは見せると、ビーストクラスが関与したためと思われる修正待ちデータの山をカーマに手伝ってもらうべく、彼女は会話へと加わっていった。