※この作品はR-18です。

カラミざかり 青の季節    作:みやびまい

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 この物語はもし山岸高成があの時飯田里帆とヤれていたらのif妄想ストーリーとなります。某所で更新していたものを大幅に加筆修正し再編集したものになります。
 
 設定も本作独自のものがいくつかあります。
 キャラクターの外見や性格についてはリメイク版と原作ごちゃまぜになってます(ハゲはリメイク版要素強めです)
 めちゃくちゃ長いので一気読み推奨です

 なんでも許せる方はどうぞ



vol.1後編 水色と黒色のカラミ編

 次の日。高成は重い足取りで学校へと向かう。すると玄関で高成は貴史と遭遇した。彼と遭遇した事で昨日の出来事がフラッシュバックされ一瞬貴史を避けようとするも、貴史は何事もなかったかのようにおはよーと高成に挨拶をしてきた。

 

「なあ、昨日は楽しかったな。いやーすごかった。」

 

 貴史は昨日の事を振り返りながら笑顔で高成の肩に片腕を回しながら話しかけてきた。

 里帆のあの高成が相手でも貴史が相手でも同じように快楽に歪み喘ぐ姿。あいつは誰とでもいいのかー…。高成はうつむいてしばらく言葉を出せないでいると、高成のうつむいた姿に気づいた貴史が高成の顔の前で掌を振りながらやや心配そうに声をかける。

 

「おーーい、おい、こーせー?だいじょーぶかー?」

「…ああ、何?」

「ああ、やっと気づいた。で、今日さーまた皆で」

「あんたその話さあここでするー?もうちょいデリカシーっつーものをねえ…」

 

 貴史の話を遮るように後ろから智乃と里帆がやって来る。智乃の後ろにいた里帆は高成に山岸くんおはよう。といつも通りにこにこしながら挨拶をしてきた。

 

「お、おはよう…」

「今日も1日頑張ろうね。山岸くん。」

「…あ、そうだ。思いだした。せっかくだしライン交換しとく?」

 

 貴史の勧めで高成は里帆と智乃とラインを交換する。交換した直後、里帆は高成のラインに挨拶のメッセージを送ってくる。

 

「山岸くん。よろしくお願いします!」

(うん。いつもの飯田だ…)

 

 里帆の様子はいつも通りである事を確認した高成は、教室へと向かうのであった。

 その日の放課後。高成が荷物を片付けていると貴史がやってきてまた皆でしないか?と尋ねる。行くべきかと迷う暇もなく高成と里帆、智乃も同伴する事となったがどこでやんの?と智乃が貴史に質問する。

 

「家はなあ…」

「えっもう無理なの?」

「うん。まあな…すまん。」

 

 どうやら貴史の家へは行けないようだ。結果的には人気の少ない校舎の空き教室でやろうという結果に到る。4人はその場所へと向かい、教室に入ると貴史は3人にこう提案してきた。

 

「なあ、今日はじゃんけんで組み分けしないか?」

 

 じゃんけんで組み分けしたいという貴史の提案に対して智乃はきっぱりと反対する。

 

「反対。とりま吉野はうちとしよ。」

「へ?新山どうしたんだよ…もしかしておれの事す」

「は?なんか文句ある訳?」

「いやいやいやそんな滅相も無い…」

「じゃ、決まり。山岸は里帆とやりな。」

「う、うん…」

 

 智乃は高成と里帆に向かってぐっじょぶ!とでも言うように親指を立てた。そして各々昨日と同じように行為を進めていく。高成は里帆を抱きながら彼女へ対するイメージと相反する行動を取っている事への罪悪感と、もっと里帆を抱きたいという快楽のはざまで揺らいでいく。ベッドで里帆が喘ぐたびにその二つの感情は胸の奥で激しくぶつかり合っていた。そんな中里帆は昨日と同じように高成を快楽を求めてくる。

 

「山岸、くん…もっと…!」

(いいのか…いいのか…?)

 

 そんな高成の里帆とやっている行為とは真逆の表情を智乃の瞳はしっかりと捉えていた。

 

「…はあ、ばーか。」

「…どうした?」

「ううん。何でもない。忘れて。」

 

 そうつぶやいた智乃の瞳は貴史では無いどこかに向いていた。

 

 また次の日。朝から水泳のクラスマッチが始まり高成と里帆は各々水着に着替えて集合場所へと集まっていた。熱さ漂う夏空は雲がほとんどない快晴でセミの声が聞こえてくる。しかし集合場所には智乃と貴史の姿が見当たらない。体育教師も生徒に向かって新山と吉野は?と聞くと生徒は知らないとか、多分保健室じゃね?といったかなりあいまいな返事が返ってくる。

 

「なあ飯田、2人どこにいるか分かる?」

「ごめん私も聞いてないから分からない…保健室かなあ?」

「そっか、ありがとう。」

 

 2人の行方は里帆も知らないようだ。

 

(あいつらもしかして…?)

 

 高成はまさかあの2人やってるんじゃ?と心の中で考えていたちょうどその時。人気の少ない校舎内のトイレの個室ではやはり貴史と智乃はカラミあっていた。キスをしながら智乃のスカートを脱がすと下からはスク水が現れる。シャツのボタンを外してスク水越しに胸を触ると智乃の吐息が貴史の手の甲に触れる。

 

「やっぱエロいじゃん…着てきてもらって正解だわ…」

「んんっ…ああっ…はあっ…」

 

 後ろから挿入して智乃の膣奥を突きあげつつ、スク水の中に両手を入れて胸を揉んでいく。ぱんぱんと互いの皮膚がぶつかる音とじゅぷじゅぷと接合部から漏れ出る卑猥な音と智乃の喘ぎ声が個室内に広がる。

 

「新山、結構胸デカいよな…何食ったら大きくなるんだ…?」

「さあ、んっ…知らない…肉とか?…んっ」

「こーせーと、飯田…今頃クラスマッチ行ってる、かなあ…」

「そりゃあ、そうでしょ…んんっ…こんな事してんの、うちら、だけだって…はあん!…」

「やばっ…はあっ!…あっ…きもちいい…。」

 

 膣内の締め付けに耐え切れず貴史はゴム越しに達したようだ。その後も2人は個室内で絡み続けたのであった。

 

 その頃1種目目の男子リレーが終わり、男子女子それぞれチームに分かれて2種目目となる水球が始まる。1種目目に出場した高成は水球には出ず、次かその次に備えて休憩する事にした。

 ちなみに高成は幼い頃からスイミングスクールに通っており、中学時代にはかなりの実績を上げていた。しかし高校入学時に怪我をした事がきっかけで今は競技からは距離を置いている状態である。

 

(今のうちにトイレ行こうかな)

 

 水球で盛り上がっているプールをよそに高成はプールから出てトイレへと向かう。用を足してトイレから出ていこうと振り返ると出入り口になにやらうっすらと黒い人影が見える。

 

「あれ、誰かいる…?」

 

 その人影の主はなんと里帆だった。ぼんやりと立っている里帆に対し高成はここは女子トイレではなく男子トイレだと注意する。

 

「飯田…?ここ男子トイレだけど…」

「山岸くん…ね、ちょっといい…?」

 

 里帆はそう言って高成を個室の中へと誘導し鍵を閉めるとキスをした。

 

(はあ!?ここでやんのか…?!)

 

 キスをしながら高成のそれを水着越しから上下に撫でていくとあっという間に硬直していった。里帆はその様子を見て硬くなった高成のそれを水着から出して片手でしごきながらじゅぽじゅぽと咥え始める。

 

「んむっ…」

(トイレの個室で、飯田にフェラされてる…)

「むぐっ…山岸くんと、二人っきりでこういうのするの初めて…」

(た、確かにそうだけどっ…)

 

 更に里帆は顔を動かす速度を上げていくと彼女の喉奥が高成のそれにぎゅっと圧を掛けるようなそんな感覚が伝わってくる。

 

(やばいっ…もう出そう…)

 

 高成は我慢できずそのまま里帆の口内に我慢できず精を吐き出してしまった。里帆はごくりとそれを飲み込む。その普段の清楚な雰囲気とは違う蠱惑的な姿に高成はまた自身の股間を膨らませていった。

 

「んっ…」

 

 高成の股間が収まるどころか再度膨らんでいる事を里帆は確認すると、高成の手を引いてトイレの個室から出てトイレ横にある個室のあるシャワールームへ移動する。

 誰かが閉め忘れたのかシャワーの水が少し出ている個室へと向かうと、そこで里帆は高成の着ていた水着を脱がし、自身もまた水着を脱いで一糸まとわぬ姿となった。彼女の薄いピンク色をした乳首と水に濡れた滑らかな肌を見ると思わず心臓が跳ね上がる感覚に到るも冷静さを失わないように脳内でもがく。

 

(うわっ…飯田の裸…めっちゃエロい…)

(って何考えてんだよおれ…クラスマッチサボってこんな事していいのかよ…)

 

 高成の迷いにも里帆はお構いなしと言った具合で自身の濡れた赤いそこを両手で広げながら高成に見せつけ、早く入れるよう懇願してくる。高成は一瞬躊躇するも里帆の己に期待しているような顔と目つきを見てついに腹を括る。

 

(生だけど…もう、やるしかねえよな…)

 

 焼けて赤くなった鉄のように熱を帯びるそれを里帆の中に挿入すると彼女の喘ぎ声が響く。

 

「ああっ…!」

 

 2人はそのまま抱き合うように熱く絡み合う。高成は何度か里帆に言われるままに体位を変えて彼女を攻めていった。外ではわいわいと生徒たちが盛り上がったり自チームを応援する声が響いてくるが里帆には聞えていないのかはたまた蓋をしているのか、ただただ高成の身体を求めるだけだった。

 

 午後。クラスマッチが終わりいつも通り授業が始まる。教室で貴史と智乃を見つけた高成は貴史にどこへ行っていたのかと聞くと、やはりトイレでやっていたという答えが返ってきた。

 

(やっぱりな…)

 

 授業が始まると高成ら生徒はくたくたになりながらも授業を受ける。授業中高成がトイレへと向かうとまた彼を後ろからつけてくる黒い人影が映る。

 

「い、飯田…」

「ごめん、あれだけじゃ足りなかったから…」

 

 またしても里帆は高成のあとをつけて男子トイレの中へとやってきた。先ほどと同じように高成のそれを手でしごきながら咥えて顔を動かす。行為の最中も里帆は絶えずその大きな目でじっと高成の顔を見つめていた。

 

(足りないってなんだよ…)

(ああっ、搾り取られるっ…)

 

 またもや里帆の口内に射精してしまった高成は身体をふらつかせながら便座に座る。するとその上から里帆は自身の中に高成のそれを半ば強引にねじ込み腰を動かしていく。

 

「あっ…はあん…んんっ…」

 

 里帆によって先ほど精を吐き出したばかりの高成の肉棒はまたも熱さを伴いながらみるみるうちに硬直していく。里帆は自ら動きながら高成にキスをしてきた。互いの舌は瞬く間に熱を纏う。

 

「おく、あたってる…!」

「はあっ…っ…」

(飯田…)

 

 高成はうつろな目でトイレの天井を見上げながら彼女を抱くのであった。

 

「うう…はあ…はあ…」

「おい、こーせー大丈夫か?なんか顔色よくねえぞ?」

 

 教室へと戻るとくたくたの状態で高成は椅子にもたれかかるようにして座る。息切れしている様子を見た貴史は高成に声をかけるが高成は大丈夫と答える。

 高成はクラスマッチの疲れと何度も里帆と絡み合ったからかもう体力は限界に来ていた。授業が始まってもしんどさと顔色の悪さは変わらずだ。そんな高成に見かねた教師は高成へ保健室へ行くよう指示をして同時に保健委員は誰かな?と生徒たちに呼び掛ける。

 

「あ、私です…」

(げっ!そういや飯田保健委員だったの忘れてた…)

「飯田さん、山岸くんを保健室まで連れて行って」

「分かりました。」

 

 里帆は山岸くん大丈夫?立てる?と心配そうに問いかけるが、高成はふらつきながらも何とか立ち上がると里帆と共に保健室へと向かった。

 

「すみませーん…体調悪くて…」

「あら、どうぞ。とりあえずこれ書くのと熱計ってもらおうかな」

 

 近くのデスクに座っていた若い女性の養護教諭はそう言って保健委員である里帆にバインダーに挟んだ問診シートと体温計を渡す。

 

「書こうか…?」

「いや、大丈夫。…はっくしょん!」

 

 高成は熱を測りながら問診シートを記入していくと1分ほどでぴぴっと体温計の音がした。

 

「うわ、37.8℃…やば、風邪引いたか?」

「大丈夫?なんだか顔色悪いような…」

「あら…一応ここで休んでそれでもしんどかったらおうちに帰った方がいいんじゃない?」

 

 養護教諭が心配そうに高成を見つめながらベッドに誘導したその時、教師の持っていたスマホが鳴る。慌てて出ると次第にかなり焦りを浮かべた様子で受け答えをしはじめると素早くスマホを切った。

 

「ごめん先生今から教室出ていかなきゃだから…!飯田さんあとは頼める?」

「あっ、はい…!」

「ごめんね…また戻るから!氷枕が冷蔵庫にあるから良かったらそれ使って!何かあったら担任の先生に言ってね!」

「分かりました…!」

 

 養護教諭は荷物を持って急いで教室を出ていった。保健室には高成と里帆だけが取り残されている状態となった。

 

「…」

 

 2人っきりの部屋に沈黙が流れる。高成はベッドの上でぼーっと座っていると里帆が高成の近くに寄って来る。

 

「山岸くん…身体温めないと。」

 

 里帆は高成をベッドの上で押し倒した。高成が驚くも体が思うように動かない。そんな高成をよそに里帆は高成の股間を指ですっとなぞる。すると高成のそれはまた徐々に反応してゆく。

 

(もっ…きついって…え、まだ出んの…?)

(飯田はどんだけやりたいんだよ…意味が分かんねえ…)

 

 そしてそれをズボンの中から取り出すと里帆は慣らすまでも無いと言った感じで自身の中へと挿入した。そこから里帆は結合部を高成に見せつけるように腰を振っていく。

 

「んっ…きもち、いい…?」

「んっ…や、やばいっ…」

(精根尽き果てるまでやらされるんじゃ…)

 

 腰を振りながら吸い付くようなキスをしてきたり、胸を揉むように触ったり上半身へのアプローチも忘れない。里帆から与えられる快楽に次第に高成は熱が上がってきたからか頭の中が真っ白になっていく。

 

「はあっ…はっ…」

「…山岸くん、顔、赤いね…」

(なんか…朦朧としてきた…)

 

 里帆の腰を動かすスピードが増していく。彼女がギアを上げ切った瞬間高成は里帆の中に射精してしまうのと同時に高成の意識は陽炎のように遠のいていく。

 

(…ああ…)

 

 少し間を置いて里帆はぐったりとした様子の高成に気づくと山岸くん?と肩をゆすりながら呼びかける。

 

「…山岸くん?もしもーし?」

 

 しかし高成はぐったりとしたままだ。

 その後里帆が担任教師を呼びに行き、高成は早退する事となった。母親が学校まで迎えに来てその足で病院へ向かい点滴を打って薬を処方してもらった。帰り際タクシーの中で高成の母親はこうつぶやく。

 

「高成が風邪なんて珍しいわね。クラスマッチで身体冷えた?」

「う~ん…わからん。」

「とりあえずゆっくり休みなさい。晩御飯は何がいい?」

「じゃあ、とりまおじやで…」

 

 自宅へと戻ると高成は倒れ込むようにしてベッドで寝始める。その脳裏には里帆の姿がひらひらと飛ぶ蝶のようにちらついて離れないのであった。

 

(飯田とやりまくってたとか親に言える訳ねえよ…)

(あんなにやりまくっていいんだろうか。それに飯田がなんかよくわかんねえ…)

 

 その後母親に起こされなんとかおじやを食べ終わるとまた自室のベッドで眠り始める。深夜、ふと目が覚めると貴史からラインが来ていた。そこにはシャツをめくり上げ胸を露出させた状態の里帆が貴史とやっている写真が複数送られていると共に以下のような会話も記されている。

 

『放課後飯田と体育館倉庫でやってきた。ちょー気持ち良かったわ~』

『こーせーも今日飯田とめっちゃやりまくってたんだろ?飯田から聞いたよ。体調悪いならさっさと寝ろよ。』

「…」

(やっぱ誰とでもやれるのか…)

 

 悩んだ末にスタンプを送るとしばらくして貴史から熱は下がったか?と問われまだ分からないと返すとお大事にという意味のスタンプが送られてきた。それを見て高成はスマホをオフにして勉強机に置いてベッドへと戻る。

 

(誰とでもやれんのか…)

 

 …この日から数日間毎日のように情報処理室、体育館倉庫で里帆や智乃とは何度も何度も絡み合う事となったのだが、智乃は徐々に貴史の誘いを断るようになっていった。

 高成は2つの感情に攻め揺らぎながら何度も里帆を抱く日々が続いていたある日の事。この日貴史は通院で学校自体を休んでいた為、高成は1人校舎の中庭でゆっくり音楽を聞きながら弁当を開けて昼食を取っていた。

 

(やっと体調も戻ってきたかな…)

(こないだは死ぬかと思った…飯田って…こんな…ビッチだったのか…?)

 

 

 ふとイヤホンを外すと近くから微かに声が聞こえてくる。女性の声だ。高成は食べ終わった弁当をなるべく音が出ないよう片付けて声の聞こえる方向へ近づいていくととんでもない光景を目にする。

 

「あっ…はあん…」

「いいね、可愛いね智乃ちゃん…」

 

 それは智乃が高成の見知らぬ男子生徒に抱かれている光景だった。バックで突かれ腰をそらす智乃と彼女の腕を後ろから掴み腰をぶつける男子生徒の構図だ。高成はやばいっ!と感じすぐさま壁裏に身を隠しつつ聞き耳を立てる。

 

「あっ…先輩、もう…」

「じゃ、いって…」

「ああっ…」

 

 男子生徒はそれを智乃の中から抜いて、智乃の口の中に吐き出した。男子生徒は飲んでと智乃に言うと智乃は指示通り精液をごくっと飲み干す。

 

(…うん、すごい。)

 

 その後智乃と男子生徒は制服を整えたのちまた、と挨拶を交わして解散していった。高成が立ち上がるとちょうどそこへとやってきた智乃と運悪く出くわしてしまう。

 

「…あれ、山岸?」

「新山。」

「…もしかして、さっきの見てた?」

 

 嘘はつけないと観念した様子で高成は頷いた。智乃はやっぱり…と言った表情でそっか。と答える。

 

「さっきの人誰?知り合い?」

「先輩。以前部活で知り合ってさ」

「そうなんだ…」

「ごめん、もう教室戻るわ。じゃ。」

 

 まるでこれ以上は聞かないでほしいとでも言うように智乃は会話を切り上げて足早に去っていった。高成は教室へと戻る智乃の背中を眺める。

 

(よくわからないけど新山にも多分色々あるんだろうなあ…)

 

 次の日の放課後。この日は夏休み前という事で午前中で授業が終わる日でもあった。

 

「今日はパス。用事できたから。」

「おれも無理…親戚の人亡くなって今日これからお通夜行かないとだから」

 

 誘いに関しては珍しく貴史と智乃の2人は急用によりパスをしたのであった。そのまま4人は解散し帰路に就く。その途中高成は予備校に備えて本屋へ立ち寄る事にした。

 

「うーん…どれがいいかな…」

「…あ!山岸くん!!」

 

 振り返るとそこには里帆がいた。嬉しそうに微笑む姿を見て高成の鼓動が早くなる。

 

「な、なんか買うの?」

「よ、予備校行くからさ、色々見ておこうと思って…」

「ふーん…」

 

 里帆は棚をきょろきょろと見ていると、とあるコーナーに目が留まったようだ。

 

「…富山?なんか興味あるの?」

「うーん…地理の勉強的な。苦手なんだよね…」

 

 里帆が高い棚から観光ブックを取ろうとすると手から本が滑り落ちた。

 

「あ!」

「飯田?!」

 

 その瞬間。どこからともなくやってきた赤いセーラー服を着た黒いセミロングヘアの女子高生がすんでのところで本をキャッチする。唐突な展開に高成と里帆がぽかんとした顔で彼女を見ていると、彼女はセーフと言いながら本を里帆に渡した。

 

「大丈夫?けがはない?」

「あ、ありがとうございます…」

 

 女子高生は会釈をするとそのまま立ち去って行った。高成は彼女の顔を一瞬見ただけであったがそのあまりにも里帆と似た容姿に思わず衝撃を受けていた。勿論衝撃を受けたのは里帆も同じだった。

 

「…今の人、飯田の姉妹?それとも親戚?」

「ううん、知らない人だった…」

 

 高成と里帆はお目当ての本を購入し書店から出る。

 

「びっくりしたね。あの人私とそっくりだった。」

「おれもびっくりした…」

 

 こうして会話する分はごく普通の、高成が以前から感じていた里帆のイメージと合致している。しかしセックスの時だけは箍が外れたかのような、高成が思い描く里帆のイメージとは別人である事を高成はこれまで何度も彼女に懇願されるままに抱いてきた事で彼女を犯す罪悪感と共に感じるようになっていた。

 そこに付け加えると里帆が何を考えているのか分からないという事は高成へ余計に混乱を与えているようにも見える。

 

(なんなんだろうか…?)

 

 高成が里帆を見つめながらその事について考えていると、里帆と高成はそろってお腹が鳴る。

 

「お腹空いたね…どっか寄って食べる?」

「そうだな…あそこのファミレスは?」

「いいね。…なんだかお肉が食べたくなってきた。」

 

 2人はファミレスへ向かうとお昼時という事もあって客足は大盛況だ。スタッフに案内されて席に座ると里帆はメニュー表を見つめ、早速これにすると注文内容を決めたようだ。

 早々と決まった里帆は高成にメニュー表を渡す。

 

「飯田はどれにするの?」

「チーズインハンバーグ定食。」

「…じゃあ、おれもそれにしようかな。」

 

 ボタンを押して注文し、しばらく経つと定食が到着する。里帆はあつっとつぶやきながらも美味しそうに頬張っていた。

 

「飯田はお肉とか好きなの?」

「うん!結構好き。美味しいよね。山岸くんは?」

「おれも好き。ハンバーグとか焼肉とかご飯進むし。」

「確かに。美味しいよね。」

 

 互いに美味しいと会話しながら食べ進めた結果、想像していたよりも早くに食べ終わったのだった。里帆も高成も満足した表情で会計を済ませ、家路へと向かう。

 

「美味しかった。また行ってみたいね…」

(美味しかった…)

 

 にこにこと笑顔を浮かべる里帆を見て高成はここで里帆にある質問をぶつけてみる事にした。

 

(考えるだけじゃわかんないし、ここまで来たら聞いてみようか…)

「あのさ…聞きたい事があるんだけど」

「なに?」

「その…飯田ってさ、好きな人とえっちしたいとか…思わないの?極論さ、やれれば誰でもいいの?」

 

「うーん…」

 

 高成は思い切って里帆にそう尋ねる。すると里帆はこう答えた。

 

「…ごめん、わかんないや。」

 

 そう答えた里帆の顔はいつも通り笑顔だった。

 

 そうして2人はそれぞれの家に帰宅した。高成は風呂につかり鼻まで潜りながら何度もその言葉を脳裏に繰り返していた。

 

(聞いてみたけど、わかんないって…どうゆう事?)

(飯田の考えてる事が分からない…)

 

 質問をしてみても答えが出なかった事に高成は思考を張り巡らせるももやもやが出るばかりで上手くまとまらない。

 

(これ以上はよそう…)

 

 高成は考えるのを一旦やめて風呂から出てシャワーを浴びるのだった。

 翌日。また四人は教室に集まり話をする。

 

「とりあえず今日も体育館の倉庫でいい?授業午前中で終わるから長い事出来そうだな。」

 

 貴史はいつも通りに3人を誘うと智乃があれ?と口走る。

 

「そういえば今更だけど、あんたの家は?最近ずっと行って無いような気がするんだけど。」

「あー…実はな…」

 

 貴史が説明するには初めて3人を家へと招いた日の事。3人が帰宅した後貴史は部屋を確認すると、ベッドに血がべっとりとついていたのだという。その時は鼻血と説明したが母親からは病院いかないのかと言われたりと対応に四苦八苦したのだと貴史は説明した。

 

「そういう事なんで…すまん。」

「はいはい。分かった。」

 

 智乃がそう言い終えると彼女のスマホが鳴る。

 

「やっぱごめん。今日行けなくなった。」

「まじかー…じゃあ3人だな」

(やっぱ飯田は…貴史ともやるんだろうな…)

 

 胸の奥にちりちりとした何かを抱えたまま高成は貴史に指定された場所に来た。

 

(いくら考えたっても…わかんないなら答えなんて出ないよな…)

 

そこには里帆と貴史も来ていた。里帆は高成の手を取りいつも通りふふっと笑う。貴史が扉を開けると里帆は真っ先に入っていった。

 

「じゃあ…おれはこっちするからこーせーはこっちな」

 

 貴史は里帆の脚を広げパンツを脱がしそこを舐め始めた。高成は里帆を後ろから抱きしめる感じで胸を揉んだりキスしたりする。里帆が快楽に歪む顔を見て「快楽を自身に与えてくれたら極論誰でもいい」という事実を改めて突き付けられる。

 

 そのまま貴史は避妊具をつけて里帆の中に挿入した。高成と貴史は里帆をサンドイッチにしたような構図で互いに攻めてゆく。すると里帆は驚きの提案をした。

 

「ねえ、2人ともキスしてみてよ」

「「え“」」

「2人がキスしてるとこ見てみたい」

 

 貴史と高成の2人は里帆に言われるがままにキスをした。2人の心臓は跳ね上がる寸前にまで大きく脈を打つ。里帆はその様子を見て更に快楽に顔を歪ませる。

 

「ふふっ…すっごい…こういうのもあるんだぁ…1回見てみたかったんだよね…男の子同士がキスするところ。」

(飯田…ビッチすぎる…)

「はぁ…はぁ…」

 

 そのまま3人は何度も何度も絡み合った。そして終わった後里帆はじゃあね。と言って何事もなかったかのように帰路に就く。その様子を高成と貴史は後ろから見送っていた。1つ2つ間を置いて貴史は呟く。

 

「なんか…その、飯田ってさぁ」

「うん?」

「変じゃね?」

 

(あの鈍感貴史が言うんだから…そうなのかもしれない…)

(誰とでもいいというか、箍が外れてるというか、何か吹っ飛んでる感じはしたようなしてないような…)

(いや、気のせいか)

 

 家へ着いた高成はベッドで悶々としていた。すると智乃からラインが届く。

 

「来週夏祭りあるんだけど行かない?」

(もうそんな時期かあ…最近行けてないし一応いこうかな。)

 

 高成は考えた末行くとラインを送った。スマホを閉じ布団をかぶる。

 

(あの時のわかんないといい、飯田の事ますますわかんなくなってきた…)

 

 夏祭り。里帆と智乃は浴衣を着ていた。里帆は高成に近づき見上げながらこう尋ねる。

 

「山岸くん。似合ってる?」

「に、似合ってる!」

「えへへっ嬉しいー」

(こうして話すには普通なんだけど…)

(やっぱ考えるのはやめよう。るつぼにはまるだけだ。)

 

 こうして4人は屋台をめぐる。金魚すくいが上手くできない里帆を高成が手伝ったり、智乃がりんご飴を3人におごったり、貴史が射的に夢中になったりと楽しい時間はあっという間に過ぎていく。

 

 貴史は智乃の若干着崩れてきた浴衣を見てこう問いかけたのだった。

 

「なあ…ちょっといいか?」

 

 貴史は山奥にある小さな神社へ3人を誘導し、智乃の胸を揉み事を始めようとする。

 

「なんで、いきなり…」

「おれもう来週から復帰だから…そうなると時間取れねえし」

 

 貴史と智乃を見た里帆は高成の胸元に近づき高成にキスをする。高成が里帆の浴衣の中に手を入れて乳首をいじりながらキスをし続けるその瞬間、近くの獣道からがさがさと物音が近づいてきた。どうやら2人組の男性だ。

 

「ここか?お前が言ってた心霊スポットってやつ…」

「ああここなんだけど…おい!お前らひょっとしてうちの高校の2年か?」

「あ、…藤野先輩。お疲れ様です。」

「こんばんは。智乃ちゃん。奇遇だねえ。3人は友達?」

(あ、こないだ新山とやってた…)

「あ、まあそんな感じです…」

「あ~成程ね…あ、おれは藤野って言います。よろしく。」

「とりま自己紹介しとくか、芹沢だ。よろしく。」

「よろしくお願いします…」

 

 やってきた2人の男子のうち藤野と名乗った男子は以前智乃と校舎内で絡み合っていた男子生徒である。智乃は藤野先輩に挨拶をすると彼も返す。もう1人の芹沢先輩はきょろきょろ4人を見渡すと里帆に目を向けた。

 

「ねえ、良かったらおれと一緒に来ない?おれこの子タイプだわ!」

「えっ…」

(おいおい…!うそだろ…?)

 

 困った表情を浮かべる里帆に智乃と藤野先輩は判断は里帆に任せた方が良いという趣旨の発言をする。芹沢先輩はそれを聞かず里帆の腕を掴み連れていこうとしたのだった。里帆の表情を見た高成はとっさの行動に出た。

 

「その子…困ってますけど。無理やりは良くないんじゃないですか?」

「…ああ?おれは先輩だぞ?生意気ゆうな後輩の癖に!!」

 

 芹沢先輩はそう言って高成の胸倉をつかんだ。対する高成も負けじと睨み返す。それを見て藤野先輩と智乃はこれ以上はまずいと慌てて静止する。

 

「おい、ばか!やめろ!!」

「ちょっ…それ以上は警察沙汰に!!」

 

 その「警察沙汰」という言葉を聞いた里帆は稲妻が走ったかの如く背中をびくりと大きくはねさせる。すると芹沢先輩と高成の間に割って入ってこう話した。

 

「山岸くん!…大丈夫?」

「おれは…大丈夫」

「良かった…ありがとう。」

「…先輩…一緒に行きましょう。」

「へ?」

 

 里帆は芹沢先輩にそう答えた。貴史も智乃も藤野先輩も口を開けている。智乃はそれでいいの?と聞くと里帆はうん…と頷いた。

 

「ほんとにいいのか?飯田…」

「山岸くん…私は…嫌じゃないよ?」

 

 そう答えた里帆は静かに歩き出した。芹沢先輩も藤野先輩も智乃も何も話さず静かに歩き出す。嫌じゃないというセリフとは裏腹に里帆の肩と背中は小刻みに震えていたのが高成の目からも確認できた。

 

(嫌じゃないって言ってるくせに背中は震えてんじゃん…なのに…)

(なんか強がる意味が理解できない…)

「こーせー…大丈夫か?先輩相手に…」

「うん、大丈夫。」

「あいつら行っちゃったか…」

「…」

 

 里帆の事が分からない。理解できない。意味が分からない。何を考えているのか読めない。その事実が高成をより苦しめるのだった…。

 

 その翌日智乃からは大丈夫だ、心配かけてごめんと言った内容の連絡は来たものの、4人は徐々に連絡を取る回数も少なくなり疎遠となっていった。

 そして予備校が始まる日。高成は電車に乗り目的地へと向かう。どこか重い足取りの中部屋へ入るとそこである人物を発見したのだった。

 

(あの赤いセーラー服の子、本屋で見かけた子…?)

 

 授業開始と共に壮年の男性講師が部屋に入り、初日という事もあって講師の呼びかけで生徒は各々自己紹介をしていく事となった。高成は拍手をしつつ眺めていると、赤いセーラー服の女子高生も自己紹介を始める。

 

「初めまして、茜谷優里と言います。気軽に話しかけてくれたら嬉しいです。よろしくお願いします。」

(へえ、茜谷さんて言うんだ。おぼえとこ…)

 

「や、山岸高成です…よろしくお願いします。」

 

 自己紹介を済ませると皆から拍手される。その中には本屋で出会った赤いセーラー服の女子高生も勿論いた。

 

(やっぱこういうの緊張するなあ~)

 

 そして授業が終わり休み時間。高成の元に「彼女」がやってきた。

 

「山岸くんだっけ?もしかして久しぶりかな?」

「あ、えーと…」

「茜谷優里です。ほら。本屋さんで落ちてくる本拾った…」

「ああ!あの!!あの時はどうも…」

「いえいえ!どういたしましてー」

 

 高成と優里はお互い挨拶を交わす。すると優里は高成の食べてる焼きそばパンに目が留まったのかいきなり焼きそばパンについて解説を始めた。

 …彼女の解説については長くなるので割愛させて頂くが、焼きそばのソースとマヨネーズとコッペパンが絶妙にマッチし食欲をそそられるので何個でも食べられるといった内容である。

 

「で、あのコンビニの焼きそばパンは…?」

「…好きなの?良かったら端っこちょっと分けようか?」

「ん、だいじょぶ。」

「そっか」

「茜谷みっけー!」

 

 優里の後ろからネクタイを締めた制服姿の男子高生がやってきて優里を羽交い絞めにする。

 

「おまえさっきおれのぶどうジュースとゼリー食ったろ」

「だって興味ないって言ったじゃんか!」

「いや嫌いとは言ってないし…あ、えーと、山岸くんだっけ?」

「あ、はい。…永瀬雄也さんだっけ?」

「合ってる合ってる!これからよろしくねー!」

「おーーいーーはーなーせぇー!!」

 

 雄也はそう言うと優里の背中を押しながら外へ出ていった。嵐のような会話の流れに高成はなんだったんだ?と感じつつ昼食を再び取り始めたのだった。

 そして高成は昼食を食べ終わると午後の授業に備えるために参考書を出したりして準備を済ませ、トイレへ向かった。用を足そうと便器に向かった瞬間、個室からは喘ぎ声が微かに聞こえてきた。

 

「あぅ…やばっ…」

「つ…らの…きもちいい…」

「ああっ…!きもちい…もっと!」

「やばっ…エロすぎ…」

(…ちょっ誰だよバカ!!こんなとこでっ!!)

 

 高成は一度は聞こえないふりをするも、ぱちゅぱちゅという音と喘ぎ声がトイレ内で高成の思った以上に響いてくる。それと同時に高成があの夏祭り後忘れようと心掛けてきた里帆とした行為が脳内で走馬燈のように鮮やかによみがえってくる

 

(うっ…反応してきた…)

(くっそ…)

 

 用を足してトイレから出た高成は忘れようと頭を振りながら足早に教室へと向かっていったのであった。高成がトイレから出ていったタイミングを見計らって個室で絡みあっていた男女3人は行為を進めながらひそひそと会話をし始める。

 

「お前声デカすぎだって…」

「だいじょーぶだよ、多分。」

 

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