アリスとえりなを住まわせて変化したのは、夜の生活だけじゃない。
朝――つまり朝食の献立が、劇的に変わった。
「これ……二人が作ったのか?」
彩り豊かな朝食の献立に驚く。
「もちろん。これでも料理界では死闘を潜り抜けてますから」
「私は助手程度です。調味料と器具が揃ったら腕を振るわせていただきます」
エプロンを装着したアリスと、髪を結っていたえりなが、勝ち誇るように笑った。
「主菜のこれは……ブリか?」
「黒瀬ブリの照り焼きだよ。
ブリって言ったら冬だけど、最近の養殖の若ブリは夏でも美味しいんだよ?」
アリスがエプロンを外しつつ、自分の手掛けた料理について説明する。
「基本的にお魚さんは産卵の前後に身が痩せて味が落ちるんだけど、
養殖は産卵サイクルを変化させて人為的に『旬』を動かせるの。
夏の若ブリは天然の旬に比べると脂が乗ってないけど、生臭さもなくてさっぱりしてる。
それを照り焼きにしつつ、大根おろしで作ったソースを掛けて、朝食向けのさっぱり味に。
ブリの照り焼きとぶり大根を同時に愉しめる一挙両得な感じにしてみました♪」
解説よりも、料理の香りが雄弁だった。これは美味いと食う前から分かる。
デンマーク系のアリスが立派な和食を作ってきたことにも驚きだ。
「お味噌汁は焼きナスの赤味噌仕立て、副菜にはカボチャのそぼろあんかけ、切り干し大根のじゃこ煮、卵焼きは塩味にして梅を加えて熱中症対策しておいたから、お弁当にも入れておくね♪」
「朝から凝ったのを、弁当まで……寝たい年頃だろうに」
アリスとえりなの健気な働きに感じ入る。
「このくらい、料理人にとっては手間でも何でもないよ。
あ、そういえば酒造さんは納豆ダメだって聞いたけど、避けた方がいい?」
「おお、よく知ってるな。
最新設備ならそんな心配いらないんだが、まあ念のためな」
こちらの仕事にまで意識を配ってくれるアリス。
「ありがとう……いい子だな、お前たち……」
「お、おじさんってば、そんな泣きそうな顔しなくてもっ」
「いや、すまん。こんな立派な朝食は数年ぶりで……」
「いままでなに食べてたの?」
「食材をミキサーで適当に――」
「よーし分かった。おじさんにはまず『美味しい』のなんたるかを教えてあげるからね!」
アリスはなぜか額に血管を浮かせていた。
えりなも呆れ顔でこっちを見ている。
「別に味音痴ってわけじゃないぞ。職業柄、酒の味も見るし。作ろうと思えば多少は作れる」
「おじさま、無理はしないでいいんですよ。あのキッチンの惨状をお忘れですか?」
「そ、そんなことないぞ。掃除はサボってたけど料理はしてたんだ……このブリ美味いな」
アリスの朝食をいただきつつ、料理下手ではないことを主張する。
「へー、おじさん何か作れるの?」
「念のためですけど、肉野菜炒めを料理とは呼びませんよ?」
アリスに得意料理を封じられてしまった。あれ料理じゃなかったのか。
「……丼とか?」
「陶芸ですか?」
「食う方だよ、親子丼とか」
アリスとえりなが、はーっと溜息を吐いた。
「なんだよその反応は。親子丼、美味いだろ?」
「そりゃ美味しいし、庶民的だとかバカにする気はさらさらないけど……」
「鶏肉とタマネギを炒めて調味料を加えて溶き卵かけるだけじゃないですか。
お料理教室の入門編には打って付けですね」
アリスとえりなからすれば、目をつむっても作れるレベルの作業工程なようだ。
まあ実際、男の一人暮らしでちょっと料理した気になるには、ちょうどいい料理だよな。
「おのれ、今度食わせてやる。隠し味にうちの酒を使うと美味くなるんだからな」
意地を張ったように言う俺に、アリスがけらけらと笑い、えりなも小さく笑っていた。
……本当に、彼女たちが来てから、変わったものだった。
○
男にせよ女にせよ、自分の性癖に無自覚であるのは、よくあることなのかもしれない。
離婚したが妻のいた俺でさえ、アリスとの関係で、新しい自分の目覚めを感じる。
つまり、貪られるようなセックスを求めるMなアリスと噛み合う性癖。
女を犯して支配下に置きたいという、征服欲だった。
「アリス、いいか?」
「やっ♡ おじさん……もう、えりながお風呂に入った途端に、それ?」
俺とアリスが関係を持ってから三日目、俺は今日、自分からアリスを誘う。
アリスの部屋を訪れ、用件を察したように出てきたアリスを、正面から抱き寄せた。
「こんな綺麗な部屋着で出迎えられたら、その気がなくてもそうなる」
「ふ、普通だよ、このくらい♡」
彼女も期待してくれていたことは、部屋着で分かる。
上質なシルクのキャミソールと、同じ色と素材のショートパンツだ。
ショートパンツの方はスカート状の布を重ねた作りで、一見するとミニスカに見える。
上品なカーディガンを肩に掛けたアリスは、白人系の血による純白肌もあって、あまりに綺麗だ。
「おじさんのエッチ♡ 私のこと、自分のものだと思ってるでしょ♡」
「駄目か?」
「っ♡ 世間的には、よくないと思うなぁ……」
俺の胸板に頬を乗せながら、アリスは嬉しそうに、しかし試すような目で見上げる。
「世間を敵に回してもいい。お前が欲しい」
「っっっ♡ ばかぁ♡」
耳まで赤くなったアリスがあまりに可愛くて、抱き寄せる手に力を込める。
華奢な肩と背中を抱いて、右手を尻に這わせると、アリスがぴくっと震えて背筋を反らす。
すると豊満な胸が押し付けられ、顔が上向きになり、俺はその唇を貪った。
「んんっ♡ ぢゅっ♡ あっ♡ ちゅうっ♡ おじ、さ……んむっ♡ えあ♡ はぁ♡」
唇を甘噛みして、すぐに舌を送り込むと、アリスも同じ行為を返した。
簡素な畳敷きの和室で、親子ほどにも年の離れた俺とアリスは、互いを固く抱き寄せる。
「ぷあっ♡ ま、まって……キス、だめ♡ おじさんのキス、だめぇ♡」
「下手、だったか?」
「ち、違うのっ、そんな悲しい顔しないでっ♡ 私が、その……ドキドキ、しすぎて」
「キスなら何度もしただろう?」
「する度に気持ちよくなるから、困ってるのにぃ……」
恨めしそうな目で見上げるアリスは、俺の味を確かめるように、唇に指を当てている。
「お前の唇が美味しすぎるのが悪い」
「ひうっ♡ 美味しい、なんて……食べ物じゃ、ないのに……っ♡」
「でも、食べたいんだ」
「ひぁ♡ だめだよ……女の子を、食べたいなんて、真剣な目で、言っちゃ……んっ♡」
より強く、貪るように、アリスとディープキスを始める。
捕食されるような気分に酔っているのか、アリスの目はとろんと蕩けて、体はより敏感に。
「ぢゅぷっ♡ ぢゅるっ♡ ふぁぁ♡ おじさんも、美味しい……んむぅ♡ れろ、えるぅ♡」
アリスの腕が俺の首後ろで交差する。彼女からも求めてくれている。
それを許可と受け取って、俺は両手でアリスの巨尻を鷲掴みにした。
「んんっ♡ ぢゅぷぅ♡ あっ♡ ちゅっ♡ おじさっ、えうっ♡ おし、り♡ ぢゅぷるる♡」
アリスは尻を揉まれて喘ぎながらもキスは止めず、俺の口内から唾液を啜るように舌を絡めた。
「アリス、今日も俺の女になってくれるか?」
「だ、だから、俺の女なんて、そんな……♡」
「昨日みたいに、お前を貪りたい。アリスはどうだ? もう嫌か?」
首筋に吸い付きながら真剣に問い詰めると、アリスは言葉で感じるように体を震わせていた。
「お、おじさんって……結構、Sっていうか、オラオラ系っていうか……襲うの、好きな人?」
「お前が目覚めさせたんだぞ? 責任取れ」
拒否がないことをOKと受け取って、俺はアリスを布団へと押し倒すのだった。
「あっ、待っておじさんっ。キスマークはもうだめっ、明日、体育の授業あるから……っ♡」
「へぇ、そうだな。友達にバレちゃうな。昨夜はこの体を、男に滅茶苦茶に愛されてたって」
「ひあっ、待って、ふりじゃなくて、本当にだめだからぁ♡ ほ、他のことなら、いいから♡」
最後に付け足された一言が本音だろう。
男に行為の主導権を譲り渡して、何をされるか試すような、誘惑の言葉だった。
「じゃあ……こうしてやる」
「あっ♡ おじさん、それ……まさか……」
俺は用意していたハンカチを取り出して帯状にすると、アリスの目を覆うように縛った。
「や、やだぁ♡ 目隠し、こわい……♡」
「目隠しだけじゃないぞ」
もう一枚のハンカチで、今度は細い両手首をまとめるように縛り上げる。
「いやぁ♡ こんなプレイ、まだ早いよ……っ♡」
拘束されたことに興奮しているのか、アリスの声は甘く上擦っていた。
「アリス、すごくエロいぞ。こんなに綺麗な女の子が、男の目の前で目隠し拘束されて……」
その声を楽しみつつ、俺はアリスの胸元に手を伸ばす。
「やぁ♡ 襲われちゃう……おじさんに……食べられちゃう♡」
「ちょっと嫌がったくらいじゃ止めてやらないからな……本気で嫌なときは言うんだぞ?」
「……はい♡」
今夜は少しハードなセックスになることを、アリスは了承してくれた。
そうと決まれば、もう我慢する必要はなかった。
「ひゃうっ♡ 指っ、ちょっと痛いよ……っ♡」
乱暴にキャミソールをまくり上げて、露わになった巨乳を鷲掴みにする。
「ああ、この巨乳、たまんねぇな。むしゃぶりついていいか? いいよな?」
「ああっ、まって、私いま、思ってたより、敏感――ひうううぅぅぅっ♡」
音を立てて乳首を吸ってやると、アリスは全身を痙攣させた。
「ふぁぁ……っ♡ おっぱい、きもち、良すぎるぅ……♡」
「もっとだ、もっと食わせろ!」
「あああぁぁぁ♡ おじしゃん、凶暴、だよぉ♡ 私の、胸ぇ♡ 猛獣みたいに、食べてるぅ♡」
アリスの白い巨乳に五指を食い込ませ、口で乳輪ごと吸い上げ、軽く歯を立てて揉みまくる。
「あうぁっ♡ すごいぃ♡ おっぱいきもぢいいのっ♡ ひぐぅっ♡ 痛いの、なくなっちゃう♡
いいっ、いいよっ? おじさんの、好きにしてっ♡ もっと、私で、興奮してっ♡」
アリスは快感に震えながら、自ら乳房を差し出すように背筋を反らしていく。
じゅるるる! と音を立てて吸うと、目隠しによって聴覚も鋭敏になっているのか、声を上げて乱れた。
「こっちは……ああ、やっぱりびしょ濡れだな。待たせてごめんな」
秘所に手を伸ばす。
ショートパンツの中に指を滑り込ませ、下着の内側を探ると、ぐっしょり濡れた陰部の感触。
陰核と陰唇を同時に愛撫してやると、水音と共にアリスの体が跳ねた。
「んくっ、あっ♡ おじさん、そこ、だめぇ……♡」
「何がダメなんだ? こんなに濡らしておいて」
「そっちは、まだ、乱暴なの、怖いから……」
「じゃあ、こっちは優しくしてやる。代わりに他のとこは苛めるけどな」
手淫は優しく、しかし胸は強く掴み、唇には情熱的なキスをする。
「んんっ♡ ちゅっ♡ おじさんっ♡ これぇ♡ 困る♡
優しいのと、こわいのと、愛情で、頭くらくらしちゃう♡」
「全部だよ、全部したいんだ。優しくしたいし、貪りたいし、いっぱい愛してやりたい」
「っっっ♡ くぁぁぁ♡ そんな、こと、言われたら……っ♡ イっちゃうからぁ♡」
アリスは幸せそうに達しながら抱き付いてきた。
唇を離し、今度は耳を甘噛みしてやりながら、おまんこへの愛撫を加速させていく。
「あひぁうううっ♡ みみぃ♡ やぁ♡ 音っ、舌がっ、あっあっあっあっあっ♡」
アリスは顕著な反応を示した。
M気質の彼女には、耳の甘噛みがお気に召したようだ。
膣口もこちらの指に噛みつくかのようで、中指をすっぽり受け入れてくれている。
「大丈夫そうだな。そろそろ入れるぞ?」
「ああ、来ちゃうの? あのおっきいので、また、私のこと犯すんだぁ♡」
ゾクゾクと震えながら、アリスは腰を浮かせて、下半身を脱がす俺の手に応じた。
そして俺は足を開かせ、自分の陰茎を取り出す。
俺の分身は硬く張り詰め、神様に命じられた子作りの使命を果たそうとするかのようだ。
その先端を、俺はアリスの割れ目にあてがい――ゆっくりと押し込んでいった。
○
――えりな――
当然のように、えりなはそんな二人を覗き見ていた。
自分が風呂に入れば始めるだろうと予想して、風呂を手短に上がってみれば、案の定だった。
ワンピース型の寝間着姿で、襖を少しだけ開き、伯父がアリスに挿入する瞬間を目撃する。
「ふぁぁぁぁぁっ♡ きてりゅっ♡ おじさんのおっきのきてりゅぅぅぅっ♡」
次の瞬間に耳を打ったのは、アリスのすさまじい嬌声だった。
(なんて声で喘いでいるのよ、あの子……)
普段は大人しいアリスからは想像もできないような淫らな声。
よく見れば両手を縛られて目隠しまでされている。
自分と同等のプライドを持つ彼女が、あんな扱いを甘受するほど、快感だというのか。
「んぁっ♡ すごぉいっ♡ おじさんの、ぜったい、昨日よりおっきぃよぉ♡」
「いいや、お前の中が、きゅうっと締まってるんだ。子宮も降りきってるんだよ!」
二人の行為に、えりなはすっかり釘付けになっていた。
「っっっ♡」
気づけば右手の動きも激しくなり、瞬く間に絶頂へと駆け上がる。
それに構わず、伯父とアリスの情交は激しさを増すばかりだった。
「ああっ♡ すごいっ♡ おちんちんがっ、子宮っ♡ ぐいぐい押し上げてっ♡ んああぁぁっ♡
おっぱい、いまおっぱいだめぇ♡ おまんこイキ続けてるのにおっぱいイカせちゃだめぇ♡」
アリスは伯父のピストンで連続絶頂に陥っているようだ。
ひどく錯乱しているが、顔には悦楽が浮かんでおり、快感を愉しんでいるのが分かる。
えりなは、自分の自慰とは比較にならない絶頂が、アリスの中にあるのだと理解した。
なぜか張り合うように、えりなもイったばかりの秘所を、下着越しにまた愛撫し始めた。
「アリス、もっといいか? もっと気持ちよくしてくれるなっ?」
「はひぃ♡ おじさんっ、うそっ、まだ強くなるの? だめ……ああっ♡ だめじゃないっ♡
なって♡ アリスの中でいっぱい暴れて気持ちよくなっていいからぁ♡」
アリスは完全に理性を失っていた。
目隠しされ、両手を縛られ、足を大きく開いて犯される。
そんな彼女の淫らな姿に、えりなは激しい興奮を覚えていた。
「ああっ、出るぞ! アリスの中に全部出すぞ!」
「うんっ♡ 出してっ♡ 私のおまんこの中でいっぱい射精してっ♡」
アリスの膣内に、大量の精液が流し込まれた。
その刺激にアリスは身体を震わせ、絶頂の波に身を任せる。
「ああっ♡ 出てりゅ♡また出されてりゅうぅ♡ お腹の奥あったかいよぉ♡」
しばらく二人は繋がったまま余韻に浸っていたが、やがて伯父は腰を引いた。
「ふぁっ♡」
ずるりと抜けていく感覚に、アリスが切なげな声を上げる。
伯父はアリスの目隠しを解いた。
「大丈夫か? アリス」
「はへぇ♡ えへへ♡ おじさん♡ ちゅっ♡」
優しく案じられて嬉しいのか、アリスは子供のように甘えてキスをする。
「おじさん、今度は、私が上になっていい?」
「ああ、いいぞ」
アリスは騎乗位がお望みのようだ。
伯父が仰向けになり、手の拘束を解かれたアリスが馬乗りになる。
「っ!」
そのとき――目が合った。
アリスが、襖の隙間から覗き見る、えりなの瞳と金髪を発見したのだ。
えりなは思わず硬直したが、アリスはそんなえりなに気付いた上で……くすっと、優しく微笑む。
「おじさん、今度はおじさんが目隠しする番だよ?」
「ん? まあ、試してみてもいいか……」
アリスはなんと自分のしていた目隠しで、伯父の目元を覆う。
それにより、えりなの覗きは、伯父にバレることはなくなった。
『見ていてもいい』という、アリスからの言外のメッセージだった。
「おじさんは、じっとしててね? 今度は、私が気持ちよくしてあげるから」
アリスはそう言って伯父を寝かせると、
あろうことか――えりなを手招きした。
「っっっ!?」
唖然としたえりなに、アリスは静かにするようジェスチャーすると、伯父の耳を舐め始める。
「っく」
「ふふ、おじさん、聞こえる? 私の舌がおじさんの耳を舐める音♡」
えりなには、アリスの意図することが分かってしまった。
いまなら伯父は、目を隠され、耳も満足に音を拾えない。
つまり……こうして襖を開いて入室しても、伯父はえりなに気付けないのだ。
(なんで、なんで私、入っちゃって……アリス、なんのつもり?)
えりなは必死に口元を押さえ、息づかいさえ届かないようにしながら、アリスを見た。
「んっ♡ おじさんの精液、垂れて来ちゃった。拭くから、ちょっと待っててね?
その後、お口でしてあげるから♡」
「ああ」
アリスは伯父を待たせると、実際に膣から垂れていた白濁液をティッシュで拭う。
それと同時に、アリスにこっそり耳打ちした。
「えりな……お口で、してみたくない?」
「っっっ♡」
アリスの提案に、えりなは顔を真っ赤にする。
反射的に首を横に振るが、アリスはそんなえりなを見透かしたように、こう付け足した。
「しないと、バラしちゃうよ?」
今度は血の気が引いた。
つまり、ここで覗いていたこと、いや他にも握られていただろう秘密が、伯父にバラされる。
(だ、だからって……これを、口で? これを……私の、お口に……♡)
グロテスクな肉棒を見下ろして、えりなは生唾を飲んだ。
先日、伯父の食器で味わった悦楽を思い出す。
僅かに付着した唾液だけで『あれ』だったのに、伯父の体に直接この舌を這わせたら?
料理のために磨いてきた神の舌で、体が子種を求めている男を味わったら、自分はどうなるのか?
「それとも、ここでおじさまの目隠しを外しちゃおうか?」
「……っ」
アリスの甘い声に脅され、えりなは決心せざるを得なくなった。
(く……口だけ……そう、よ……このくらい、きっと誰でも、してること……♡)
そんなわけがないのだが、そう思い込みながら、えりなは伯父の逸物に鼻先を近付ける。
「んっ……♡」
途端、むせ返るような濃厚な牡臭が、えりなの思考力を奪った。
料理のために磨いてきた嗅覚が、瞬く間にオスの子種に塗りつぶされていく。
なのに、あるべき不快感がない。メスの本能が反応して、下腹部を疼かせている。
えりなはそれだけで、積み重ねてきたプライドが崩れ落ちていくのを感じていた。
(やだ、うそ……舌が、これを、感じたがって……っ♡)
えりなは、自然と舌が前歯を越えて出ていることに気付いた。
目を背けていた自分の本心が、行動に表われている。
「ほら、怪しまれちゃうよ? それとも、乙女のえりなには難しかった?」
アリスが耳打ちで挑発する。
えりなの性格を熟知している彼女らしい一手だった。
(そう、そうよ……アリスに、負けるなんて……っ♡)
アリスに負けたくない。性欲に従えないえりなに、アリスはそういう別の理由を与えたのだ。
「……っ♡」
そしてついに、えりなの舌先が、伯父の肉棒に近付く。
普通に手で愛撫すればよかったのに、舌から触れようとしている異常性に、気付くこともなく。
(ほんの少し、舌の先っぽだけ……っ♡)
まるで焼けた鉄棒でも舐めようとするように恐る恐る、えりなは垂直に立つ男根に顔を寄せて、
ぴと――と、その舌先を、亀頭の側面に触れさせた。
「…………っっっっっ♡♡♡♡♡」
その瞬間、えりなの舌から全身に、稲妻のような快感が駆け抜けた。
「っく♡ んぅうううううう~ッ♡♡♡♡」
ビクン! と、えりなの全身が痙攣する。
布団の傍に膝を付いていた体が、ワンピースの中でぴくぴくと震えていた。
(なに、いま、なにが? これ♡ やだ、違う。思ってない、思ってない!
美味しいなんて、おちんぽ美味しいなんてっ、思ってなんか――)
危険な薬物でも吸引したかのように、えりなの顔が紅潮して、目から正気が失われる。
(思ってなんか……ないっ♡)
無自覚に、少しずつ、舌の接触面積を増やしていく。
ちろり、と、小さな舌が肉棒を這った。
「んふぁああああっ♡♡♡♡♡♡」
ゾクゾクっと、えりなの背中を快楽が貫いた。
(嘘よっ♡ こんな……私、なんで……おじさまのモノに、舌が触れただけでっ♡)
えりなは知らぬ間に伯父の肉棒を手に取り、砂漠の遭難者が水を与えられたように吸い付いた。
「ちゅぱっ♡ んんんんっ♡ はむっ♡ んぉっふぅっ♡ ぢゅる――っっっ♡」
舌先に感じる味蕾の感覚だけで、えりなの体が悦びに打ち震える。
自分の舌と伯父のナニが触れ合う度に、小刻みに達していた。
(美味しい、美味しい♡ やだ、止まってよ私♡ こんな、男の人のこれを、美味しいなんて♡
お口で感じたくて止まらないなんてっ♡ お口から頭がビリビリ痺れて、なにも、考え――)
全身に鳥肌が立つほどの『美味』だった。
料理的な美味ではない、『体が求めているもの』という意味で、無我夢中になる。
「ぢゅるるるるっ♡ じゅぷっ♡ んくっ♡ んぅうっ♡ ちゅるるっ♡」
(やだっ♡ もうやだっ♡ 舌が勝手に動いてっ♡ この人を味わいたいって♡)
自分の意思とは無関係に、えりなの舌が動く。
口いっぱいに亀頭を頬張り、飴玉のように舌を絡め、上顎や喉奥で感触を味わう。
それら全てが快感だった。
常に電流を送られているかのように、伯父の逸物と接した口内が性感を暴れさせる。
それを追い求めて、えりなは自然と、熟練の娼婦のように深々とペニスを呑み込んだ。
「んぶぅっ♡ んぐっ♡ ぢゅるっ♡ ずぞっ♡ ぢゅるるるるるる~ッ♡」
下品な音を立てて、肉棒をすすり上げる。
「くうっ、すごいな……」
伯父が苦悶めいた声を発している。
意識の大半を肉棒に集中させながらも聞いて、えりなは妙な優越感を覚えた。
ずっと自分を翻弄してきた伯父が、自分の口で感じて、痴態を晒している。
それを見たいという理由が追加され、えりなの口淫は更に激しさを増していく。
「んぶっ♡ んごっ♡ んっ♡ んぅううっ♡ ちゅばっ♡」
無自覚に飲んだ先走り汁さえ、まるで媚薬のようにえりなを欲情させる。
秘裂からは愛液が止まらず、内腿を擦り合わせ、ワンピースに浮いたヒップを左右へ揺らす。
「す、すごい……」
近くで見ていたアリスさえ、えりなの一心不乱なフェラチオに、口元を押さえた。
(もっと、もっともっともっともっと♡ 舌に、上顎に、頬に、喉にっ♡
欲しい、欲しい欲しい欲しい欲しい♡ 先っぽも、茎も、根元までっ♡)
少しでも多く口内に感じるために、えりなはいつしか喉奥まで呑み込み、唇を根元に近付ける。
もはやイラマチオと言い換えるべき過激な行為を、自分からしているようなものだ。
「んぉおっ♡ おぇっ♡ えほっ♡ げほ、んふぁああっ♡ ひゅごいっ♡ おちんぽっ♡ おいひっ♡ んぢゅるるるっ♡」
ときおり咳き込み、えずきながらも、息を吸ってはしゃぶりつく。
えりなの頭にあるのは、舌に感じる男の味を際限なく味わうことだけだった。
「んっ♡ んんっ♡ ちゅるるっ♡ ちゅぱっ♡ ちゅるるるるるるるっ♡」
口内で唾液が分泌され、肉棒を濡らす。
その滑りを利用して、えりなは激しく頭を上下させた。
(ああっ♡ もう無理っ♡ 嘘つけないっ♡ 美味しい♡ お口が気持ちいい♡
おじさまの、おちんちんに、口を埋め尽くされてっ♡)
幼少期から、虐待まがいの英才教育で仕込まれてきた、神の舌。
遠月学園で触れてきた数々の料理、数多の絶品、それらに形作られてきた青春の味。
(全部っ、ぜんぶっ、塗り替えられちゃう♡ おじさまのこれがっ、一番になっちゃうぅぅ♡)
自分で自分の人生を破壊してしまうような怖さがある一方で、新しい世界が知りたくて堪らない。
「ぢゅるっ♡ ちゅっ♡ ずぞっ♡ んぐっ♡ んぅううう~っ♡」
喉奥で締め付けながら、えりなの口の中で、伯父のペニスが跳ねた。
びくん、びく、どぷ――ッ! 脈動する度に、熱い粘液が口の中に吐き出される。
「~~~~~っっっっっ♡♡♡」
初めて、舌で直接味わう、精の味。
舌をペニスに触れたときと同様に、いやそれ以上に、えりなの舌に衝撃が走る。
もはや言語に絶した『味』が、えりなの脳を悦楽で焼き尽くした。
視界が白濁し、意識が明滅を繰り返す。
「ふぐっ♡ ん……ごくん♡」
吸い上げるようにペニスから口を離し、上半身を起こして、上を向いて飲み干す。
一連の動作を終えて初めて、えりなは自分が伯父の精液を飲んだのだと気付いた。
「ぷはっ♡ あ……ああぁぁ♡ わた、わたし……あっ♡ ふあぁぁぁっ♡」
自分のしたことにショックを受けたのも束の間、えりなは口元を押さえながら震え出す。
飲み干した精液が、舌と喉に残っている白濁液が、味と香りで口内を埋め尽くす。
その感覚に、えりなは小刻みに達していた。
「っっっ!!」
「あ、えりな……」
えりなは部屋から逃げ出した。
自分の身に起きたことを受け止めきれなかったように。
大きな足音を立てて、アリスにも呼び止められたが、考える余裕がなかった。
○
やがて、えりなが出て行った部屋の中で……
「……悪いこと、しちゃったか」
「あ、おじさん、やっぱり気付いてた?」
「最初からだ。覗いてたことくらい気付く」
伯父とアリスが、少しバツが悪そうに言葉を交わしていた。
ご一読いただきありがとうございました。
エロばっかりなのもあれなので、ちょっと飯テロ混ぜてておきますね。
親子丼、作ってみると本当に思ったより簡単なんだよね。
鳥とタマネギで肉野菜炒めして、料理酒・みりん・めんつゆをざっと大さじ一杯、
溶き卵を掛けたらしばらく蓋してご飯にオン。箸ではなくレンゲで掻き込む。
これを覚えると肉を変えたり野菜を増やしたりしてオリジナル丼を作れる。
使う食器も少なくて洗うの楽だから、一人暮らしの人にはおすすめ。