※この作品はR-18です。

少子高齢化に子宝の神キレる   作:大中小太郎

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松坂さとうと叔母の場合(原作:ハッピーシュガーライフ/軽いヤンデレ、シリアス、百合?)
プロローグ


 

 

 

愛ってなんだろう?

そんな私の疑問に答えを出したのは――『神様』だった。

とても荒唐無稽なことだけど、夢の中で『お告げ』があった。

 

『子を成せ』

 

なんとも単純明快な、子宝を司る神様らしいご命令。

近年の少子高齢化にご立腹らしい神様は、ごちゃごちゃ言わずに男女で契れと言っている。

その瞬間、私の全身は生殖本能の塊になった。

体が火照る、性感帯が過敏になる、子宮がうずく。

男に抱かれたい、男性の象徴を受け入れたい、お腹の奥で果てさせて子種を得たい。

まるで猿、まるで原始人、まるで色情狂。

でも、その原初的な欲求は、私の疑問を氷解させた。

 

改めて――愛ってなんだろう?

 

代表的なのは恋愛、他にも親子愛や兄弟愛、自己愛に無償の愛。

色んなパターンがあるけど、いざ頭を真っ新にして考えると、分かりきった共通項がある。

 

愛って――ぶっちゃけただの『本能』じゃない?

 

人間は雌雄が結ばれて生殖する、そうして父母と子ができて家族になり、友達や集団や国家という『群れ』を成す。

男女の愛はそのためにある、家族愛はそのためにある、赤の他人に尽くすとか郷土愛とか愛国心とかも『群れ』への愛着だ。

もし全ての人間がそういう愛を持たなかったら? 人間社会は破綻して、人間という種は絶滅していただろう。

 

つまり愛って、なにか知性の果てにある形而上的なものというより……

もっと単純に、種の存続のために必要な本能の総称なんじゃない?

 

交尾したい、『つがい』になりたい、我が子が可愛い、自分が大切、群れの中にいたい。

人それぞれだと語られがちな『愛』って、大抵そういう生物学的なものに起因してる気がする。

 

だから、愛は本能だ。

 

なにか哲学を拗らせて、常人には到達できない尊い境地だと考えることこそ、盛大な勘違い。

もっと単純、どこにでもある、こうだと教えられなくても心が勝手にしたがること。

 

愛とは、動物的な本能と見付けたり。

 

この私、松坂さとうは、神様からメスになれと命じられた夜、

 

「ああんっ♡ 兄さんっ、もっと♡ もっと思い切り突いてぇ♡」

 

私の父と交わる叔母の姿に……『愛』を見出した。

 

 

○

 

 

子供の頃、事故でお父さんとお母さんが事故に遭った。

お父さんは命に別状なかったけど、お母さんは帰らぬ人となった。

 

「兄さん、さとうちゃん」

 

傷心の父と私が残された家にやってきたのは――叔母さんだった。

 

「大丈夫、私がお手伝いするから」

 

兄である父と、姪である私が心配だからと、叔母さんは足繁く通ってくれた。

 

「いいのよ、さとうちゃん。私を二番目のお母さんだと思ってくれても」

 

いまでは母の部屋で寝泊まりするようになり、実質的に、私にとって第二の母となった。

 

「結婚? いいのいいの、兄さんの面倒を見るのが私の仕事なんだから」

 

そんな叔母さんの『歪み』に気付いたのは、いつの頃だったか。

 

「兄さん、ネクタイ曲がってるじゃない。昇進したならしっかりしないと」

 

父と叔母さんは実の兄妹だ。

子供の頃は、家庭に色々と問題があったらしい。

私が祖父母と顔を合わせたことがないことから、多少の察しはつく。

そんな境遇で、父と叔母さんは共に家を出て、寄り添うように暮らしてきたという。

だからだろうか――叔母さんの、父さんに対する距離感が、妙に近く見えるのは。

 

「兄さん、今日の授業参観でさとうちゃんがね――」

 

父は、母と結婚するまでは、叔母さんと二人で暮らしていたそうだ。

逆に言えば、父は母と結婚したことで、叔母さんを一人にしてしまった。

 

「兄さん、明日も早いんでしょう? そろそろ寝ないと」

 

母が他界した後、叔母さんは真っ先に駆け付けてくれた。

母の穴を埋めるように、奥さんさながら父に付くし、母さながら私の世話をした。

それは――兄と姪のことを案じてという点では、至って美徳な献身なのだけど……

 

「兄さん――」

 

叔母さんの、父や私を見る目に、ときおり昏いものが垣間見えるのは、なぜなのか。

 

「兄さん、兄さん、兄さん」

 

叔母さんが、父の妻と勘違いされる度に、内心すごく嬉しそうなのは、なぜなのか。

 

「兄さん、兄さん、兄さん、兄さん、兄さん――」

 

叔母さんが、亡き母の部屋を自室に変えて、遺品の服に袖を通すのは、なぜなのか。

 

薄々、感づいてはいた。

叔母さんは、実兄である私の父を、病的なまでに愛していたんだ。

 

「んあああっ♡ 兄さんっ♡ いいのっ♡ おっぱいもおしりも触って♡ 掴んでいいの♡

 兄さんのお手々を、私の体で気持ちよくさせてっ♡ 幸せっ、いま私すごく幸せなのぉ♡」

 

私が覗いていることにも気付かず、叔母さんはお父さんの上で腰を振っている。

『お告げ』を受けたのは、叔母さんも同じだったんだろう。

以前から積み重ねられてきたお父さんへの思いが、それをきっかけに爆発したんだ。

 

「このっ、お前はやっぱり、俺をそんな目で……っ!」

「ああっ♡ ごめんなさいっ、ごめんなさい兄さん♡ 許してっ、今日だけでも許してぇ♡」

 

騎乗位で結合する二人。

私の視界では叔母さんの背中に隠れているけど、父はどこか苦しげだった。

実の妹に逆レイプされているのだから、それも当然と言えるだろう。

それでも男性の本能に負けたのか、父も『お告げ』を受けたのか、やがて腰を突き上げ始める。

 

「あぁんっ、兄さん♡ もっと、もっともっと突いてぇ♡」

 

二人の交わりは激しさを増し、私は息を殺して見つめ続けた。

 

「くぅ……もう、どうなっても知らないぞ!」

「ひゃうんっ♡」

 

ベッドの上で父の手が動き、叔母さんの胸や股あたりに触れる。

背中に隠れて見えなかったけど、きっと乳首とクリトリスを刺激し始めたのだ。

叔母さんはひどく過敏な反応をして、髪と乳房を振り乱しながら、天井を仰ぐように体を揺らす。

 

「あんっ、だめ兄さん♡ そんなところばっかり弄っちゃ――ああぁんっ♡ いいのぉ♡

 止めないでっ♡ 兄さんっ♡ もっと、こんな罪深い妹っ、辱めていいからぁ♡」

 

私もセックスについては知る年頃だ。

叔母さんの乱れようが、演技ではなく本気の淫らさであることは分かる。

父も、きっと母が死んでからご無沙汰だったのだろう、オスの腰付きで叔母さんを喘がせる。

 

「お前は、どうしてそう、俺にばかり依存してっ!」

「ふぁぁ♡ だって♡ 兄さん以外知らないの♡ 兄さんと一緒にいる以外の人生知らないのぉ♡

 兄さんが、結婚して、一人になってからずっと♡ 寂しくて寂しくてっ、だから、だからぁ♡」

 

叔母さんが父に覆い被さり、桃尻を撫でられながら抽送される。

私は二人の結合部に生唾を飲みながら、父と叔母の知らなかった一面を、急速に理解していった。

 

「ああ、ごめんな、お前を一人にしてっ」

「あああぁぁぁ♡ 兄さんっ♡ イっちゃう♡ 兄さんのおちんちんでイかされちゃう♡」

「お前の望み通りになるよ、今日だけはっ」

「嬉しいっ♡ 兄さん、大好きっ♡ もう、一人にしないでぇ♡」

 

――きっと、父と叔母は、両親の庇護を充分に受けられずに育ったのだ。

そして二人で支え合い、男女の仲ではなくとも夫婦同然に生きてきたのだろう。

 

でも父さんは結婚してしまった。

叔母さんは一人になってしまった。

 

世間は許さない。叔母さんに、兄は私のものだ、私と一緒に居てと言うことを許さない。

様々な理由から兄に依存していた叔母さんは、さぞ寂しかったことだろう。

 

「あひっ♡ 兄さんっ♡ イってる♡ 私いまイってるっ♡

 ああだめ止めないでっ♡ このままっ♡ イカせたままもっとしてぇ♡」

 

母の他界が、そんな叔母さんに大義名分を与えた。

未亡人となった兄を支えて、姪を世話するという、立派な理由を与えたのだ。

口に出せるはずがない――母の死は、叔母にとって福音だったのだ。

死んだ義姉の後釜に座ることで、叔母はまた堂々と兄を愛せる日々を取り戻したのだ。

 

「あああぁぁぁっっっイクイクイクぅぅぅ♡ イキすぎてしゅごいのくるのぉぉぉ♡」

 

だから、あれは『愛』なんだ。

動物的な愛欲であり、兄妹間の許されざる想いであり、死者を冒涜してでも果たしたい愛なのだ。

許されざるとされることを踏み破ってこその、愛なのだ。

 

(叔母さん……綺麗……)

 

本来なら逆の感想を抱くべき立場の私は、そう思わざるをえなかった。

やがて父が上になり、叔母を散々に喘がせて果てるまで――私はずっと、その情事を見ていた。

 

 

○

 

 

事後、私は見つかる前に部屋に戻った。

 

(いい、な……)

 

胸の高鳴りを堪えながら、私はベッドでシーツに包まる。

父と叔母を糾弾する気はなかった。

許してあげたい――とすら思った。

あの『愛』は、世間からすると醜悪の極みで、罪深いものだったけど。

 

(私も、あんな風に……)

 

誰かに愛されてみたいと思った、誰かを愛してみたいと思った。

倫理や常識を打ち破るほどの強い愛に、この胸を染められてみたい。

ある意味で少女趣味、だけど歪んだ、人生初の愛への渇望だった。

だから――

 

「……っ!」

 

そう、だから――

 

「……さとう、すまない」

 

叔母を気絶するまで果てさせた父が、私の寝室に忍び込んできても。

様子を見るだけではなく、ベッドに近付いて、私に手を伸ばしても。

 

その『愛』を……許してあげたくなった。

 

 

 




ご一読いただきありがとうございます。

『ハッピーシュガーライフ』から松坂さとうとその叔母さんでした。
叔母さんには正式名称がないので、さとう視点で『叔母』と表記します。
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