※この作品はR-18です。

少子高齢化に子宝の神キレる   作:大中小太郎

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第二話(またオナニー)

 

 

 

その日は祝日だった。

だからといって、買い出し以外でどこかに出かける用事もない。

それは七海も同じだったようで、家事以外には特に予定もないようだ。

 

「兄さん、ゲームしよーよ」

「ああ、ちょっと待っててくれ」

 

七海からゲームのお誘いがきた。

元よりインドア派、オタク系女子なところがある七海は、外出自粛も苦にしないようだ。

僕もゲームは楽しむ方なので、居間のテレビには著名な据置型ゲーム機が常に設置されている。

親の目がない環境をいいことに、ゲームは時間が許す限りやり放題だった。

 

「起動だけしておくねー」

 

七海はP○4の電源を入れる。

食後の洗い物を済ませていた僕は、振り返った先に、七海の姿を見た。

季節は夏とあって、七海は薄着だ。

肩がほとんど丸出しのキャミソールに、太股から下を隠さない白の短パン。

床のゲーム機を起動するにあたり、床に手足をついており、ヒップがこちらに向いている。

 

「っ」

 

思わず見入っていた自分に気付いて、視線を外した。

先日の――あのオナニーのときにみた白昼夢がフラッシュバックする。

あの幻覚の中で、僕は七海の体に触れて、舐めて、吸い付いて……

 

(思い出すな……何もなかったんだ……っ!)

 

これから七海とゲームをするんだ。仲の良い兄妹の時間を過ごすのだ。

無用な邪念に気付かれたりしたら、関係が悪化するかもしれない。

七海だって、そんな従兄と二人で暮らすのは辛くなるだろう。

 

「お待たせー。はい、飲み物とお菓子」

「ありがと。もうすぐ気になるタイトルが出るし、そろそろ全クリしないと」

 

七海は張り切ってコントローラーを握っていた。

僕としても、七海との二人プレイで進めてきたRPGの結末が気になる。

二人でソファーに座り、前回のセーブデータをロードしていると――

 

――上の階から、男女の睦み合う音が降りてきた。

 

「「……っ!!」」

 

僕と七海は、気付いていながら、気付かないふりをした。

天井越しに響いてくる、女性の甘い鳴き声と、ベッドが軋むと思しき音。

明らかな、セックス。

休日の昼間から、上階の住人はお盛んになっているようだ。

 

「「…………」」

 

僕たちは何も言わず、目の前のゲームに集中する。

 

……最近、こういうことが多くなった。

夜になると近所から聞こえるセクシーな声、釣られるように家々で始まる密事。

いつしか昼間ですら、通りがかる家々から、そういう気配が漂うようになった。

それも、明らかに新婚ではない家族が住んでいたり、同じ部屋から複数の女性の声が聞こえたり。

 

……爛(ただ)れている。

最近、この町の住人たちは、爛れている。

昼夜を選ばないほど発情して、声を堪えきれないほど淫らになっている。

それはきっと、あのようなオナニーをしてしまった僕や、あるいは七海にも言えるのだろう。

 

「に、兄さんっ、回復!」

「あ、悪いっ」

 

邪念に駆られながら操作していたら、HP管理も忘れてしまっていた。

 

「お、音量ちょっと上げるぞ……」

「う、うん……」

 

七海もやはり近所の声が聞こえているようだ。少し赤い顔で、小さく頷いている。

 

「――っ♡ ――っっっ♡」

 

それでも、天井越しの喘ぎ声を隠しきれない。

音量を上げたゲーム音でも覆い隠せないほど、燃え上がっているようだ。

誤魔化すように、スナック菓子に手を伸ばすと――

 

「あ……っ」

 

同じことを考えていた七海と、指が接触した。

その瞬間、指先から脳まで電流が走ったかと思った。

七海が妙な声を上げるものだから、過剰に意識してしまった、だけじゃない。

僕自身も、七海の肌を強く意識してしまっていた。

 

「…………」

「……っ!」

 

お互い、一瞬だけ顔を見合わせた後、なんだか恥ずかしくて視線を外す。

それでも、つい七海のことを盗み見てしまう。

キャミソールや短パンから覗く素肌……

外気に晒して大丈夫なのかというほどに白くて、強風も浴びせたくないほど細い。

キャミの胸元には軽く谷間ができており、短パンを尻肉が丸く膨らませている。

 

(よくない……これは、よくない……!)

 

股間の逸物が反応しかけていることに気付いて、必死に意識をゲームに向ける。

ちょうどゲームではボスキャラに挑むところだ。気合いを入れ直さなければ!

 

「よし、やるぞ七海」

「うん、兄さんっ!」

 

七海も同じ考えだったようで、コントローラーを握る手に力を込めた。

 

「うわ、大きい……」

 

登場したボスの図体に七海が驚く。

イベントシーンを経て、戦闘はすぐに始まった。

 

「兄さんこれ大きすぎっ! リーチやばいっ!」

「大丈夫だ、慣れればいける!」

「無理だよっ、こんなの慣れる前に死んじゃうよっ!」

「こら逃げるなっ。ほら、ここが弱点だ!」

 

ゲーム音量も上げて爆音にしつつ、二人で必死に声を掛け合う。

炎をまとって攻撃してくるボスに、七海のプレイキャラが攻撃を受けた。

 

「みゃああっ、熱いっ! お兄ちゃん助けてぇっ!」

「落ち着けって、このくらいで死んだりしないから」

「待って! 動き速いっ、一回ごとに(攻撃の)角度が変わりすぎっ!

 こんなの敵わないっ、耐えられないよぉ……っ!」

 

七海のキャラが猛攻撃を受ける一方、僕はボスキャラの背後に回り込む。

攻撃が命中する箇所によって与えられるダメージ量が異なるギミックだ。

その弱点は背中側にもあるらしい。

 

「任せろ、ここも弱点だな! ほら、後ろからだっ!」

「わっ、兄さんすごい! もっと! もっとやって!」

 

敵のヘイトが僕に向いたので、七海は窮地に脱した。

すると敵が、なにかエネルギーを溜めるような行動に出る。大技の予兆か。

 

「来るっ、兄さんっ、なにかすごいのくるっ!!」

「動けっ、とにかく動くんだっ」

「だめっ、もう(麻痺して)動けないっ! やだ、来ちゃう、すごいの来ちゃうぅぅっ!」

 

状態異常で動けなかった七海のキャラに、隕石の雨を落とすような敵の攻撃が直撃した。

 

「あああぁぁぁっっっ!」

 

無駄に派手なエフェクトで吹っ飛ばされる七海。

結局、そこから戦線が崩れて、僕たちは敗北した。

しかも盛り上がっていたせいで、近所迷惑な声が出てしまった。

 

「もうっ、兄さんがあんなに道具を使うから! もっと後先を考えてよっ!」

「お前こそスタミナがなさ過ぎだろっ。だから簡単に逝っちゃうんだろっ!」

「だって兄さんが前とか後ろとか言って(スタミナ管理)滅茶苦茶にするから!」

 

冗談半分に不満を出し合って反省点を導くのも、時にはよい攻略のコツだ。

そういえば、気付いたら上階からの変な声が聞こえなくなっている。

事が済んで静かになったのだろう。

ただ、気のせいか……周囲の部屋から聞き耳を立てられているような気もした。

 

 

○

 

 

夜――私こと、七海は思う。

最近、なにかおかしい。

なんというか……エロくなった。

 

(また、周りの家から、変な声……)

 

従兄の部屋に転がり込む形で住んでいるマンション、その近所の風紀が乱れている。

上階や左右の部屋から、天井や壁を越えて、悩ましい声が微かに聞こえる。

どんな人が住んでいるかは知らないけど、少なくともいま、女の人が喘いでいるのは確かだ。

 

(マンション以外からも……あの家とか、お子さんも大きめなご家族だったはずだけど……)

 

実は何気なく、窓から人の出入りを探っていた。

 

結論――その家は、特に誰かが誰かを招き入れていない。

 

つまり、その……そんな家から、セックスと解釈できる声が聞こえてくるのは……

 

(ご家族、同士で……?)

 

そんな想像をした私は、軽い自己嫌悪に襲われた。

確証もなしに疑っていいようなことじゃない。

でも、そうであることを期待している自分がいた。

もし『よそもやってること』なら……

自分のこの感情だって、おかしくないのではないか、と。

従兄の格好良いお兄さんを、そういう目で見てしまうのも、『普通』なんじゃないかと。

そんな安心材料を手に入れてしまった気がした。

 

(お兄ちゃん……)

 

いまは兄さんと呼んでいるけど、たまにそう口走ってしまう。

幼い頃、両親との関係に問題があった私を預かってくれた伯母夫婦、その息子さん。

私の警戒心や臆病心を、柔らかい笑顔で溶かしてくれた、優しくて楽しいお兄さん。

いまでも、彼はあの頃と変わらない。

一緒に遊んでくれるとか、困りごとを親身に聞いてくれるとか、車を出してくれるとか。

そういう平凡な楽しさ、優しさ、頼もしさが、ただ心地良い。

同居して苦にならない、胸や脚を見られても嫌じゃない、見返りなく家事をしてあげられる。

これは、単に私が人見知りで、他の男性を知らないからかもしれないけど……

――もし、この火照った体でセックスするというなら、彼以外の人間を想像できない。

 

(オナニー……しても、大丈夫だよね?)

 

従兄の予定も、後は部屋で寝るだけのはずだ。

それでも念のため、部屋の鍵を閉めておこうと、扉に近付いて……

 

「…………」

 

むしろ――部屋の扉を、少しだけ開いた。

覗き込める程度に、隙間を開けた。

 

(大丈夫、だよね……もう、兄さん、後は寝るだけのはずだし……)

 

それでも、見られてしまうかもしれない。

何かの拍子に部屋を出て、半開きの扉に気付いて覗き込まれたら、お終いだ。

そんなスリリングな状況でするオナニーの気持ちよさを……私はもう知っていた。

 

(これで最後、こんな危ないオナニー、もうこれで最後だから……っ)

 

そう決意するのも、何度目だろう。

元々、オナニーはよくする方だった。

色んな快感を求めて、色んな工夫も凝らした。

アイマスクをしてみたり、ASMRを聞いてみたり、見つかるかもしれない場所でしてみたり。

そして、最近の極めつけは、

 

(ごめんね、ごめんねお兄ちゃん……っ♡)

 

従兄の下着で。

洗濯にかこつけて盗んだ、彼のトランクスで、匂いを嗅ぎながらすることだ。

服を脱ぐ――いざというとき隠せるものがない状態でするのも、興奮を得るための材料だった。

オナニーのためにここまでする女が滅多にいないことは、私もよく知っている。

でも、そうした結果得られる快感を知っているから、止められない。

だからせめて、彼に謝ろう。

妄想の中で、淫らな私のことを謝って、たっぷりお仕置きしてもらうのだ。

 

 

○

 

 

妄想とは思えないリアリティだった。

気がつけば私は、全裸で従兄の部屋にいた。

ベッドに腰掛ける彼の前に膝をつき、脚の間に顔を寄せる。

目の前では、下着の中で男性の隆起が起きていた。

 

「七海、頼む」

 

頭を撫でながら求められる。

従兄が、私に、口での奉仕を求めている。

 

「あ……お兄ちゃん……♡」

 

嬉しいなんてものじゃない。

全身が熱くなり、脳が痺れ、背筋はゾクゾクして、下腹部が蠢動した。

その勢いのまま、私は躊躇いなく、従兄のパンツに手をかけた。

 

「ふぁぁ……♡」

 

鼻先を埋めただけで、濃厚な雄の香りが漂ってくる。

赤黒い、男性の象徴。赤ん坊の腕ほどもありそうな、たぶん平均より立派なペニス。

 

(お兄ちゃんのおちんちん、こんなに、グロテスクで、雄々しいんだ……♡)

 

妄想のはずなのに、従兄のそこを見たことなんてないのに、目の前のそれは本物同然だった。

 

「おっきぃ……お兄ちゃん、こんなにして、七海の体が欲しいのを、我慢してくれてたんだね♡」

 

私の口が勝手に扇情的な言葉を紡いだ。

素面の私なら決して口にできないような、淫らで蠱惑的な言葉遣い。

まるで私の意思ではなく、従兄の願望をなぞっているかのようだった。

それとも、私が無意識にそんな願望を秘めていたんだろうか?

どっちでもよかった。

どちらであっても、私のすることは変わらなかっただろうから。

 

「お兄ちゃん……ちゅぷっ、んぅ♡ いま、楽にしてあげるから、ね♡」

 

舌を這わせて、唇を押し当てる。

そのまま軽く吸い付くと、ビクンッ、と脈打った。

それが嬉しくて、何度も繰り返してしまう。

 

「はむっ、ちゅっ♡ お兄ちゃんの、すごい。大っきくて、太くて、男らしい……♡」

「七海、もっとだ。口に含めて、しゃぶるんだ」

 

従兄に命令されて、ドキッとした。

男性から性行為を強要されるなんて恐怖しかないはずなのに、相手が好きな人だからか、興奮が走る。

 

「うん……こ、こう、かな?」

 

妄想の中の私は、従順になって、精一杯に口を開き、従兄の逸物を包み込んだ。

 

「くっ……」

 

途端に漏れる従兄の声。

 

(気持ちいいんだ……!)

 

自分がしている行為で、愛する人が感じてくれている。

その事実が、たまらなく嬉しかった。グロテスクな男根を口に含むことの抵抗が消え失せるほど。

 

(なってっ、お兄ちゃん♡ 私のお口で、気持ちよくなってっ♡)

 

奉仕の喜びとでもいうのか、私は呼吸すら後回しにして、より強い刺激を与えようと首を動かす。

喉奥まで迎え入れると、さすがに苦しかったけど、それもまた心地良かった。

 

(お兄ちゃんの味っ♡ おちんちんの匂いもっ♡)

 

頭の中で快感物質が溢れ出す。

従兄の手が髪を撫でるように頭へ添えられ、やんわりと私の頭部を動かす。

まるで私の口を女性器の代わりとするかのように、従兄の男根が私の口腔を前後した。

 

「ぢゅぷっ♡ はぁ、んぐっ……♡ ぢゅるるっ、ぢゅぱっ♡ んんっ、んおっ♡」

 

息苦しいのに、頭がぼーっとするほど気持ちいい。

 

「七海っ、ああ、気持ちいいぞ。もっとさせてくれ!」

 

従兄が、乱暴なくらいに私を求めている。

普段は優しい彼が、私の与える快感で、粗暴になるほど感じてくれている。

 

(いいよっ、七海のおくち、好きに使っていいからっ♡)

 

私は呼吸すら忘れて、従兄に自分の口と舌と喉を捧げた。

 

「ぐっ……出るぞ、七海っ」

「んぶっ!?」

 

瞬間、口の中に何か液体が流れ込んできた。

粘っこいそれは、従兄の先走りなんかじゃなく、もっと熱いもの。

思わず吐き出しそうになったけれど、すぐにそれが何なのかわかった。

 

「んふぅっ♡」

 

私はそれを嚥下して、口内に溜まったものを咀噛するように頬を動かした。

そうすると、口内を満たすそれが脈打ち、再び熱を持つ。

 

(お兄ちゃんのお精子♡)

 

口の中いっぱいに広がっていく生臭い味と香りに、私が感じたのは、陶酔だった。

私、お口で、お兄ちゃんをイかせてあげられたんだ……っ!

そんな達成感が、それ以外の思考を塗りつぶしていた。

 

「七海、こっちへ来てくれ」

 

従兄は、もう待ちきれないという様子で、私をベッドに引き込む。

 

「きゃっ」

 

押し倒されて、私を見下ろす瞳には欲望の色がありありと浮かんでいた。

いつも優しく微笑んでいる従兄とは別人みたいだ。

 

「ごめんな、七海。お前のことをこんな目で見て……」

 

切なげな声音で囁かれ、胸がキュンとなる。

 

「ううん、いいの……私も、同じこと、考えてたから」

 

性的な目で見ていたのは私も同じだと、告白する。

これは操られているというより、私の偽りない本心だった。

 

「好きに、させてくれ……少しだけ、お前の体、僕の好きにさせて欲しい……っ!」

「っっっ♡」

 

あまりにストレートで、ワイルドな要求に、私の全身が不安と興奮で震え上がる。

そんな身勝手な要求、女が簡単に頷くはずないのに……

 

「いいよ♡ お兄ちゃん……私のこと、お兄ちゃんの好きにして?」

 

私は、まるで百戦錬磨の娼婦のように、男性を興奮させる行動をとった。

艶然と微笑み、小柄なくせして大きな胸を強調するように指を沿えて、軽く脚を開く。

こんなことを、男の人に言ったらどうなるかなんて、処女の私でも分かっているのに……っ!

妄想の中の私は、私の意思に反して、目の前の優しいお兄ちゃんを、オスとして猛らせた。

 

「七海!」

 

お兄ちゃんが、私の名前を呼びながら、強く抱きしめてくる。

それだけでもドキドキするのに、彼はそのまま私の首や鎖骨部に吸い付いてきた。

 

「あっ♡ やっ、お兄、ちゃ……っ、ふあんっ♡」

 

キスマークを付けられたんだって分かった途端、ゾクッとした感覚が背筋を駆け抜けた。

 

「七海、可愛いよ、すごくかわいい……」

 

従兄が私の耳元で囁きながら、前触れなく胸を掴まれる。

 

「ひゃぁんっ♡」

 

思わず甘い声が出てしまった。

従兄は私の反応を楽しむかのように、何度も乳房を捏ねくり回してきた。

愛撫なんてものじゃない。

捕食するような、貪るような、女を肉食獣に襲われる野ウサギの気分にさせる行為だった。

 

「あぁんっ♡ だめぇっ♡ おっぱい、そんな……もっと優しくぅ……ああんっ♡」

 

自慰でも想像したことのない、荒々しい手付き。

ただ男性の欲望のままに、乳房を弄ばれている。

だというのに、私の体はそこに特別な快感を見出して、口が勝手に淫らな声を上げた。

 

「気持ちいいのか? もっとして欲しいならそう言え」

 

私の胸の谷間からこちらを見上げる従兄は、少し怖いくらい熱い眼差しをしていた。

 

「して、欲しい……お兄ちゃん……もっと、おっぱいいじめてぇ……♡」

(やだ、なに言ってるの私……っ)

 

自分が自分の意思に反した言葉を口にする。

それを従兄に伝えるすべもなく、私はまた一段と、従兄を凶暴にさせてしまった。

言質は取ったとばかりに、従兄が乳首に吸い付いて――

 

「ふぁぁぁんっ♡ やっ、だめっ♡ お兄ちゃ、舌っ、んぁぁ♡」

 

従兄が夢中になって、私の胸にしゃぶりついている。

とてつもない被捕食者感、どれだけ抵抗しても敵わない男性に押さえ込まれ、胸をしゃぶられる。

 

(ああ、これ……私じゃない……私の妄想じゃない……)

 

乳首から走る性感の電流に襲われ、全身をびくんっと震わせながら、気付いた。

 

(お兄ちゃんだ……お兄ちゃん、私をこんな風にしたいんだ……っ♡)

 

理屈は分からないけど、そう確信できる。

これが、女を求める男の熱情、その強さなんだ。

こんなに狂おしく、理性を失った獣になってしまうほど、私は彼に欲されているんだ……っ!

そう思うと――

 

「いいっ、いいよっ♡ お兄ちゃん……七海のおっぱい、いっぱい食べていいからっ♡

 やっ♡ 待ってっ、噛むのはだめっ♡ 舌で、舌でぺろぺろまでっ♡ あっ、あっ、あっ♡

 音っ、変な音させちゃだめぇっ♡ ああっ、お手々っ、すごいっ、力強いよぉ♡」

 

私の体くらい、好きにさせてあげたくなった。

どんな思いをするかも分からないのに、目の前の男性の欲望に身を任せたくなってしまった。

むしろ何をされるか分からないからこそ興奮する、彼の劣情を全て知りたいとすら思っていた。

 

「きゃっ!」

 

従兄の手が、脚の間に伸びてきた。

下着もつけていない秘所に、濡れそぼった陰裂部に、彼の太い指が侵入してくる……っ!

 

「ああっ♡ お兄ちゃ、そこはぁっ♡」

「七海、すごく濡れてる」

 

表面を手に包まれ、中指の腹で割れ目を擦られると、私の全身が感電したように反る。

 

「そこっ、だめぇっ♡ やっ、お兄ちゃんっ♡ こわいっ、感じすぎてこわいよぉっ♡」

 

実際その通りだった。

女が自分でするのでは、軽い痛みが怖くてできない、強い刺激。

それによって生み出される、オナニーでは越えられない壁を越えた、強い快感。

男性の力強さに身を預けなければ味わえない、女を快感で征服するかのような手淫だった。

 

「気持ちいいか? 七海。ちゃんと教えるんだ」

「きもちいよっ♡ お兄ちゃんのお手々っ♡ 自分でするより、何倍も気持ちいいっ♡

 やぁ、音がぁ、大きいよぉ♡ そんなっ、ぐちゃぐちゃにするようなのっ♡ だめなのぉ♡」

 

私は顔を左右に振りながら、自分の股から鳴っているとは思えない水音を聞いていた。

従兄はそんな私の痴態を、心地よさそうに見下ろしている。

 

(見たいんだ……お兄ちゃん、こんな私を見たいんだ……エッチな私を見たいんだ……っ)

 

小刻みに達しているせいでぼんやりしてきた思考が、従兄の望みを悟る。

自分の手で淫らになり、自分の与える快感で乱れる、淫乱な従妹が欲しいんだ。

怖いくらい感じさせて、何度も絶頂させて、自分とのセックスに溺れさせたいんだ。

 

「ふぁぁぁっ♡ 待っ、いまっ、胸っ♡ 吸っちゃ、やっ、ぁぁぁぁぁっ♡」

 

従兄は手淫を続けながら、更に胸の片方に吸い付いてきた。

それどころかもう片方の乳房を手で包み、指で乳首を激しく転がす。

左右の乳首と秘所の三点責め――私はいよいよ正気を保てなくなってしまった。

 

「やっ、すごっ♡ おにぃちゃんっ♡ これっ、だめぇっ♡ んぅっ♡ ふぁっ♡

 おっぱいも、クリトリスも♡ ぜんぶいっしょなんてっ♡ こんなっ、こんなの知らないっ♡

 イって……イっちゃってるからぁ♡ イってるのにぃ♡ 止まって、止まってぇ♡」

 

自慰なら一度で満足するはずの絶頂を、もう何度も迎えていた。

それでも彼は止まってくれない。何回もオーガズムを味わわせて、自分色に染めようとしている。

他の男のことなんて考えられなくなるくらい、自分のものにしてやりたい――そんな意思を感じる。

度重なる絶頂により全身の痙攣は苦痛なのに、私はそんな彼の責めに『愛』を感じてしまった。

 

「ああっ♡ またイクッ……♡ はぁっ、はぁっ♡ これぇ、すごぃぃ♡」

「七海、どうだ? 僕の手、気持ちいいか?」

「うんっ♡ 気持ちいいよぉ♡ ああっ、すごいっ♡ お兄ちゃんの手マンっ♡ しゅきぃ♡

 お兄ちゃんの、気持ち、伝わってきて……っ♡ ふあっ♡ いいよっ、教えてっ♡

 怖いけどっ、知りたいのっ♡ こんなにたくさんイったらどうなるか知りたいのっ♡」

 

私は彼の頭を抱き寄せながら、更なる愛撫を求めた。

 

「お兄ちゃんっ、もっとっ、もっとしてぇっ♡」

 

愛撫というより、手で犯すとでもいうべき刺激を、もっと続けてほしいと思っていた。

 

「お口でっ、お手々でっ♡ おっぱいもっ、おまんこもっ♡ いっぱい、気持ちよくしてぇっ♡」

 

まるでMに目覚めてしまったみたいに、この拷問めいた性感の先に、更なる悦楽を確信して。

 

「お兄ちゃんになら……滅茶苦茶にしていいからぁっ♡」

 

ああ……なんてことを、言ってるんだろう。

これも、彼が私に望んでいる、淫らな私の姿なんだろうか?

それとも――実は私が秘めていた、襲うように乱れさせられたいという願望なんだろうか?

 

「七海、それなら……いいよな?」

 

すると従兄は、私から手を離して、自身の下腹部に運ぶ。

そこに何があるのかなんて、言うまでもない。

最初のフェラからずっとお預けを食らっていた、陰茎だ。

 

(ああ……お兄ちゃん、私と……私と結ばれたがって……♡)

 

私は思わず生唾を飲み込んだ。

あの硬く反り返ったもので貫かれたら、どれだけ気持ちいいだろう――

自分が処女であることも忘れて、そんな期待に子宮がうずく。

 

「僕だって……ずっと我慢してきたんだぞ……七海のこと、抱きたくて……!

 なのにお前は、あんなに、見せつけるようなオナニーして……っ!」

 

彼の言葉に、胸が張り裂けそうな心地になった。

見られていたという驚きはもちろん、彼が狂おしいほど私を抱きたがっていたと知って。

 

「ごめんね、ごめんねお兄ちゃん……我慢させちゃったよね……♡」

 

私は、いますぐにその渇望を満たしてあげたかった。

好きな人が、自分の体を欲しくて苦しんでいるのに、身を捧げてあげられないなんて……

そんな不甲斐ない女でいられるものかと、私は自然と腕を伸ばす。

 

「来て♡ 私も、お兄ちゃんとしたい……っ♡」

 

彼の首後ろで腕を組むようにすると、彼は嬉しそうでいて優しげな笑みを浮かべた。

 

「ああ、行くよ、七海」

 

そしてついに、彼の分身が、私の膣口にあてがわれる。

 

「んっ……」

 

濡れそぼったそこは、亀頭の先っぽだけを受け入れて、しかしそこで止まる。

 

「ふぁぁっ♡」

 

まだ先端部も入りきっていないのに、軽く達してしまった。

これなら、初めてでも大丈夫。たくさん気持ちよくなれる、彼をたくさん気持ちよくできる。

そう安心しきっていた私は、より奥へ踏み込んできた従兄の逸物が、膜に触れるのを感じた。

 

(ああ、破れちゃう……お兄ちゃんに、捧げちゃう……♡)

 

怖さもなかった。痛いのは嫌だけど、いまなら破瓜の痛みくらい耐えられる。

 

「あっ♡ ふぁんっ♡ お兄ちゃんっ、きてっ♡ きてよぅ♡」

 

なぜか、従兄の侵入は、処女膜に触れるところで止まっていた。

膜の直前、破るには足りない程度に押し込むだけで、それ以上をしない。

 

(どうして、どうして……あげるのにっ、お兄ちゃんに処女あげたいのにっ!)

 

それは別に、従兄が下手をしているわけでも、意地悪をしているわけでもない。

私の処女膜が、希に見る分厚さというわけでもない。

なぜもなにもない――これは、オナニーをしている私の妄想だから。

何か超自然的な力で、仮想現実のように体験しているけど、結局は現実じゃない。

だから、現実では処女膜が破れていない私は、これ以上彼を受け入れてあげられないのだ。

 

(いらないっ! お兄ちゃんと結ばれないなら、こんなの要らないのにっ!)

 

私と従兄の愛を妨げる処女膜を、憎くすら思った。

そして、破れないなら破れないで、従兄は私に抽送していた。

亀頭で膣口の周辺をぐりぐりと擦り、いわゆる『先っぽだけ』の状態で交わっていた。

 

「七海っ、七海っ!」

「あんっ♡ お兄ちゃ、ふあっ♡ これ、これだけでっ♡ 気持ちいいよぉ♡」

 

最後の一線を越えないセックスだった。

兄と妹との間で許される限界に挑むような、先端と入口だけの情事だった。

 

「ぁあっ♡ あっ♡ はぁっ、んっ、ぁぁっ♡ いいっ、それっ、もっとぉ♡」

 

けれど、それだけでも堪らなく心地いい。

 

「んちゅっ、ちゅぷっ♡」

 

抱きしめ合って、いつの間にかキスもして、ギリギリの行為に夢中になる。

 

「ぷあっ♡ はぁっ♡ あんっ♡ ふぅぅぅっ♡」

 

いま、私たちは激しく求め合っていて、でも臆病で。

 

「お兄ちゃんっ、おにぃちゃぁんっ♡」

 

まるで性に目覚めたての幼い双子の兄妹が、大人の真似をしているような。

越えてはならない一線の直前で、いけない遊びをしているように。

男女ではなく兄妹であり続けようとするような、甘くて可愛らしいセックスごっこ。

そんな時間が、いつしか楽しくて、心地よくなっていた。

 

「七海、そろそろ、イキそう」

「ああっ♡ いいよっ、きてっ♡ お兄ちゃんっ、私の中でっ、イってぇ♡」

 

亀頭を膣口で包んでシコシコするような交わりの末に、彼が果てようとしていた。

でも、射精を察知した私の体が、そこで急に騒ぎ始める。

 

(欲しいっ、中にっ、入口じゃなくて一番奥にっ♡ きてっ、越えてきて♡

 私の処女膜っ、越えてきてっ♡ ちゃんと子宮で受け止めたいのにぃっ♡)

 

処女膜に妨げられている従兄の怒張を、子宮が欲しがっていた。

乙女の証、女の純潔を、いまこの場で食い破ってほしいと渇望していた。

 

(破いてっ、破いてぇっ♡)

 

それでも、脳内妄想の彼には、その願いを叶えられず――

 

「ぐうっ!」

「ぁぁぁあああっ♡♡♡」

 

熱い奔流が注ぎ込まれた。

膣口周辺だけだったにも関わらず、私も高い絶頂に上り詰めた。

すると――

 

 

○

 

 

「いたっ!?」

 

下腹部に走った痛みで、私は我に返った。

さっきまでお兄ちゃんの部屋で交わっていたはずなのに、元の自室に戻っていた。

というより、あまりにも鮮明な妄想から覚めたというべきだろう。

 

「え?」

 

自分の状態を確認する。

口元を覆っているのは、お兄ちゃんの下着だ。

左手で鼻と口を覆うように、匂いを嗅いで舌を這わせた結果、唾液でべたべた。

 

(痛み……お腹の、中……?)

 

右手は自慰のために秘所を掻き回していた。

さっきまで私が感じていた従兄の肉棒は、実際は自分の右手だったらしい。

何度も絶頂したせいで、右腕もシーツも愛液の噴出でぐっしょり濡れていた。

 

「あ……」

 

膣内から引き抜いた右手を見て、呆然とする。

さっきまで私は、この指を彼の逸物に見立てて、邪魔な処女膜を裂いてほしいと、

そう願って、異様な快楽に麻痺した膣内を、これでもかと掻き回していたから――

 

「破い、ちゃった……」

 

私は血に染まった指先を見て、ぽつりと呟くのだった。

 

 

 




ご一読いただきありがとうございました。

原作でもオナニストである七海なので、まだオナニーしてます。
越えたい一線をなかなか越えられずドギマギする兄妹ってエロいよね。
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