プロデューサーは人でなし 作:どろまみれ
七草はづき④
「……どうぞ~……。……なんちゃって~」
手で髪を分け、見せつけるように。
理性は効かなかった。
気付けば腕の下にはづきさんの姿がある。
「そのー……一息にやっちゃってください~。わたし、プロデューサーさんに……えぇと。めちゃくちゃに? されるためにお誘いしたわけですので~……」
言っている間にジャケットを肩から外して上着をベッドの外へ放り。
タイツを降ろそうとしてベルトに引っかかり、結局は破り捨てる。
「……服は可能な限り脱いじゃいますね」
はづきさんの側からも協力があり、おおよその衣服を外し終えた。
こちらはシャツだが、下半身は既に露出している。息苦しくてしょうがなかった。
「で……これ、どうぞ」
差し出されたのは油性ペンだ。
太い方。インクの臭いもきつい方である。
正確に把握されている。
「……自由に書いちゃってくださいね~。その間に、っと、失礼します~……んぐ」
マトレスパッドに膝を突いて、はづきさんが男性器に口をつける。
流石にオナホ1号のようにいきなり飲み込んだりはせず、
熱を持った視界。右手には既に蓋を取り外した油性ペンがある。
「んべ……顔から、ですか~?」
口の周りに書いてしまう。
唇の左右に ―― 『中、古』。
「
男性器に頬ずりして、肯定して。
また、舐めるのを再開する ―― 中古にされたばかりの口で。
「……わっ。体勢、変えちゃいますか~」
はづきさんを横たえ、足の先側を持ち上げる。
壁を使ったエクササイズのような、L字の体勢だ。
「え、えぇと……お、ぶ」
今度は咥えさせる。
咥えさせて。
「ぼ、ぶ、ぼぉっ……!」
L字の下側。はづきさんの顔がある側に腰を近づけ、
結果として、男性器は中古品の口の中に
「……ぼっ、ぶおっ、ぶおっ」
男性器に快感。
そして目前には、はづきさんの ―― アイドル達とはまた違う、やや肉ののった、まっさらな肉体がある。
喉元。胸。乳首。腹。女性器。腿。下腿。足首。全て真っ白な、肉体が。
「……!
まずは射精感を増してゆく。
流石にオナホ1号を比べるわけには行かず、喉元までを往復。
一応の快感としては十分だ。直接的な刺激があるだけでも、発散ができる。
「ぼっ、ぶっ、じゅぼひゅっ、びゅふっ」
最近は洗練されてきた音しか聞いていなかったからか、間抜けな音だ、と思う。
唇を絞めさせて、腰の動きだけで喉の入り口までを往復しながら……もう良いか。
腰をいちど浮かして、座る。顔に。
「がお゛え゛っ」
ある程度は体重も加減したが。
クッション代わりの顔が、股座にあって男性器を頬張っている。
両手が、腰の後ろを巻き付くように抱いた。まだいけるという事だろう。遠慮無くそうさせてもらう。
「ぼべっ、ぼぶっ、ぶふっ、ぼぉっ、う゛ぶっ、ぶふぅ……ぶふぅっ」
気持ちが良い。音も心地よい。
だから目前の景色を最高にするために、取り出していたペンケースをひっくり返す。
ばらばらと広がる事務用品。真っ白な肉体の ―― 落書き帳。
腰を前後にゆすりながら。
幼稚園の頃。休み時間をいっぱいにつかって落書きをした様な気分で、そこにペンを奔らせた。
射精ひとつ。腿の内側に正の字をひとつ。
黒ペンを愛液が滲んだ陰部に突っ立てる。「んっ」と男性器入れが揺れる。
変わりに手に取った赤ペンで、腹の上にハートマーク。
赤ペンも突っ込んで、細サインペン。
腿に隠語。『ちり紙事務員』。『性処理ティッシュ』。
乳首周りに下品なマークを書き込んで、サインペンも
陰核をわざと引っ掻くと身体が震えた。腹肉がぶるりと波打ったので、平手でぱしんと太鼓のように叩く。
『備品2号』と書き込んで、陰核をペン先でぐりぐり。
ぶじゅりと溢れてきた液体で書き辛くなったので、これも突っ込む。4本目。
陰部周りに『チンポケース』『肥大化調教中』。
淫猥な単語のほとんどは、冬優子から見せて貰った同人誌で覚えたものだ。
上部にある性器から分泌物が増えてきている。
身体がだんだんと液塗れになってきていて、ペンがすぐに使えなくなってしまう。ぐじゅり。5本目。
見える範囲に隠語の数が増えていく。いい。自然と腰の動きが早くなってゆく。射精。
カウント。正の字を2つ。
尻を完全に額に乗せた。鼻か目の上辺りにこちらの尻穴がフィットする。座り易い。
体重をかけると身体がわずかに硬直し、ごぼごぼという音が聞こえてくる。
足先の力が抜けてきたのか、壁に立てかけた膝が曲がって、がに股になっている。
仕様が無いので突っ込んであるペンをまとめてつかんで引っかき回した。
ぎゅっと引き絞られる感触。絶頂したようだ。
ごぼぼっと精液を吐き出す感触を尻に。ウォッシュレット風味に受けながら、ペンを離す。
ばらりとほどけるペン。
同時にあふれ出た液体が腹を伝い乳房で別たれ、シーツに広がっていった。
尻をどける。
再び、落書き帳をひっくり返す。
「―― お、ぼ、え……じゅしゅる」
息も絶え絶え、それでも涎だか精液だか判らない物を、『中古』の口の端から拭っている。
息を整えて、目線が合う。否やはない。
「……どぉ、ぞ~」
腕を着いて膝を着け、這いつくばる。後背位。
腰をつかんで、自身を突き出し、交合する。
これだけではつまらないので、尻を高く持ち上げさせた。顔をマトレスに叩き込む形になる。
「ふぅーっ、ふうっー、ぶふぅーっ……!」
漏れる吐息は布越しのくぐもったもの。
シーツを噛み、手のひらでも握り掴んで耐えている。豚のようだ。
腰を動かす。湿潤は十分。感触は良い。
尻に腰をぶつける音がたんたんと鳴る。
ただ……気にくわない。
落書き帳のくせに、今見える後ろ側は、まだまだ余白が残っている。
再びペンを取る。
尻に『自身の名前』。
首の後ろに『無様豚』。
背中に『落書き帳』。
ノってきた。
肉の付いた尻が揺れるので打楽器代わりにするも、折角書いたものが汁で消えかねない事に気付く。
掴む場所を探す ―― あった。胸部で揺れている乳が。
『乳ハンドル』と書き込んで、チョッパーのバイクに乗るように左右で握る。
書いたペンを尻穴に仕舞って、見下ろす。
うつぶせの女性 ―― だったもの。
名付けて、『中古ちり紙性処理オナティッシュ備品2号チンポケースクリ肥大化調教中プロデューサー専用無様豚落書き帳乳ハンドル』。
いい大人が。妹想いの姉が。
アイドルの保護者としていつも事務所で微笑んでいる事務員が。
時には頼りにされ。時には頼りにして。そういう社会人が。
全身に落書きされて、意味の分からない声を上げて、酷い扱いなのに何故か愛液をだだ流しにして。
性欲処理のための事務物品みたいな有様の不格好で、男性器を締め付けている。
無様だった。
だから、最後にすっかり顔を出した陰核にデコピンをしておいて。
存分に射精をした。
「ぶ! お゛ぁあぉオ゛ォぉ~……」
デコピンの方の衝撃でか、絶頂したように尻肉をぶるぶるとふるわせる。
ぎゅうと
「はっ……はっ……はっ」
ぐるりと寝返って、仰向けになった。呼吸をするのに必死なようだ。
ふと気付く。額に最初に書かれていた『おなてぃっしゅ』が、涙やら
そして、新たなサインペンの蓋を取る。
「あ……」
……あの子の名前はなんだったか。そう考えながら、子供心に。その横に『便器』と付け足した。
「え、えへっ……えふっ、えふっ」
あの頃。一度だけ。全力で俺と羽根付きを楽しんだ子を……そんな事があったなと、俺に思い出させた笑顔で……はづきさんが笑う。
「……あなたがいいなら。ぜひぜひ、わたしがそうなりましょう~」
俺のプライベート用のスマートフォンをバッグに乗せる。
ぽちぽちと打ち込んでから、こちらに画面を見せてきた。
連絡先。友人欄でも親族欄でもないそのページ。
『オナホ1号』。下段。
『落書き用便器』とかいう、実に無様な名前が登録されていたのだった。
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